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2023年12月6日に東京・浅草橋で行われた『地図とか路線図とか @chizutodesign』出版記念イベントでの発表資料です。

Transcript

1. 地図とかデザインとか (加藤 創) ｢地図とか路線図とか｣ ｢れきちず｣について
2. 01 02 03 04 CONTENTS 自己紹介 これまでの経緯 れきちずについて まとめ・謝辞
3. 01 自己紹介
4. 地図とかデザインとか @chizutodesign （加藤 創）
5. 自己紹介 ━ • 千葉県市川市生まれ • 去年まで東京都江東区に住んでいました • 転職で今は札幌市に住んでいます
6. お仕事 ━ • 株式会社MIERUNE (位置情報,GISを専門とする企業) • グラフィックデザイナーとして会社のプロモーショ ンツール、ノベルティ等のデザインを担当
8. 02 これまでの経緯
9. 2018 年
10. • グラフィックデザイナーとして、 デザイン制作会社で勤務していた 2018年 ━
11. 2018年 ━ • 昔から好きだった地図や路線図とデザインを 組み合わせたものを趣味で作っていた • せっかくなのでTwitter(現X)に投稿してみよう！
13. 2018年 ━ • 言い方は良くないですが電力という比較的 マイナーなもので反響をいただいてビックリ • 他のものも色々作ってみよう！
21. 2019 年
24. 2019年 ━ • Googleマップ風地図で大きな反響をいただく • 色々な方に指摘・改善点を教えていただき、 良いものを一緒に作り上げられたことが嬉しかった
26. 2019年 ━ • 北海道にあるMIERUNEという会社のエライ人から TwitterでDMが届く 北海道で開催する地図系の カンファレンスで発表しませんか？
27. 2019年 ━ • 北海道行ったことないし、お呼びいただいたの だからせっかくなら行ってみよう…！ • ということで「FOSS4G Hokkaido 2019」に参加！
28. INTERNET Watch なぜ北海道でGISベンチャーを起業したのか――ルーツは「FOSS4G Hokkaido」 https://internet.watch.impress.co.jp/img/iw/docs/1282/185/html/mierune08_o.jpg.html より
29. https://www.youtube.com/watch?v=MOcSU1pDglY より
30. 2019年 ━ • こういった場で発表するのは初めてでドキドキ • 色々な人と交流できて楽しかった！
33. 2020 年
35. 日本テレビ「月曜から夜ふかし」 https://www.ntv.co.jp/yofukashi/ より
37. 202 1 年
41. 2022 年
44. 2022年 ━ • MIERUNEに転職を決意 • 人生で初めて関東を出て、北海道に移住
48. 2023 年
50. 2023年 ━ • 春ごろに書籍化のお話をいただく • 快諾！
56. 2023年 ━ • 8月27日「れきちず」を公開 • 大きな反響をいただく • ネットメディアのみならず、 　Abema・テレビ朝日で放送
58. 2023年 ━ • 11月17日『地図とか路線図とか @chizutodesign』が 発売
59. 紀伊國屋書店 新宿本店さん https://twitter.com/KinoShinjuku/status/1725074221469245720
60. 2023年 ━ • 11月28日〜12月2日に韓国ソウルで行われた 　｢FOSS4G ASIA 2023｣で発表
62. 03 れきちずについて
63. きっかけ（社会） ━ • 昨今、街歩き・街道歩きがブームとなっている • 関連した書籍や地図など様々なサービスがある
64. • 自分は昔から地図が好きで、 古地図・絵図などにも興味があった しかし… きっかけ（個人） ━
65. 天保国絵図「武蔵国」国立公文書館デジタルアーカイブ 「築地八町堀日本橋南絵図」国立国会図書館デジタルコレクション 文字の可読性に やや難がある 文字の向きが バラバラ
66. • 歴史・地理にそこまで詳しくない・興味がない人に とってもわかりやすい地図を作る • 江戸を含む、より広い領域の地図とする ねらい ━ 　現代の地図デザインで制作する
67. • 2019年〜、Googleマップ風の地図として制作・公開 • 著作権の問題や１枚画像であることもあり ウェブサイトとしての公開は難しい 当初 ━
69. • 当時の江戸時代の絵図を見てみると… 制作方法の検討 ━
70. 天保国絵図「武蔵国」国立公文書館デジタルアーカイブ
71. 「安政改正御江戸大絵図」国立国会図書館デジタルコレクション
72. • とても素敵なのですが、現代の地図と重ねて 描き起こせるほどの精度は残念ながら無い • ではどうするか？ 当時の絵図の精度 ━
73. • 明治初期（1880年代）の地図（迅速測図）を 農研機構の「歴史的農業環境閲覧システム」が公開 • 明治〜平成にかけての旧版地図を故 谷謙二先生の 「今昔マップ」が公開 明治初期の地図を使用 ━ こんじゃく
74. 「2万分の1迅速測図」農研機構 歴史的農業環境閲覧システムより
75. • 位置データの閲覧・　 編集ができるオープン ソースのGISソフト • 世界的に広く使用 https://qgis.org/ 地図の土台づくり ━ キュージーアイエス／キュージス
76. • 江戸時代の絵図、明治初期の地図と さらに誤差を補正するために 国土地理院の「地理院タイル」を用いて 海岸線・街道・国境・航路などをQGIS上で描画する 地図の土台づくり ━
77. 国立公文書館デジタルアーカイブ 農研機構 歴史的農業環境閲覧システム 江戸時代の絵図 明治初期の地図 国土地理院 地理院タイル 道筋・海岸線等を 判断・抽出 道筋・海岸線等を 描画 誤差を補正
78. 背景画像は国土地理院「地理院タイル」
79. • 江戸時代の絵図、『江戸名所図会』などの当時の文献 をもとにPOI（ポイント情報）をプロット • 村・宿場町の位置は明治の地図および ｢日本歴史地名大系｣｢角川日本地名大事典｣ より推定 地図情報をつくる ━
80. 「江戸名所図会 7巻 [1] 第1-3冊: 巻1」 国立国会図書館デジタルコレクション　https://dl.ndl.go.jp/pid/2559040/1/37
81. 背景画像は国土地理院「地理院タイル」 日本橋 永代橋 京橋
82. • 地図のデザインやアイコンも オリジナルで作成！ 地図デザイン・アイコン ━
83. 峠 渡/湊 寺 劇場 関所 門 茶屋 山 宿場 神社 史跡 橋 城 市/店
85. • 参考にした文献等は国・行政機関・地方自治体や 博物館などの信頼性の高い出典元を極力使用した • Googleマップ等、商業地図の情報は使わない 情報をつくる上で留意した点 ━
86. • QGISでタイル書き出し https://qgis.org/ ウェブ地図化する ━
87. • MapLibleで地図を表示 https://maplibre.org ウェブ地図化する ━
89. https://rekichizu.jp/map/ れきちず 検索
90. • POI（ポイント情報）などが少ない、バラツキがある • ある程度までしかズームできない • POIの表示の挙動もあまりよくない （重要度を高くしている地点が途中で消えたりする） 現状の課題 ━
92. • 現在の地図と２画面で比較・重ね合わせる • 地点を押すと情報表示できる • 多言語表示やふりがなを表示できる • 経路検索機能（できれば） 今後機能を強化したい点 ━
93. ２画面表示 ━ ※1「地理院地図」より
94. 情報表示 ━ 「名所江戸百景　五百羅漢さゞゐ堂」 国立国会図書館デジタルコレクション
95. 多言語表示 ━ 「名所江戸百景　五百羅漢さゞゐ堂」 国立国会図書館デジタルコレクション
96. 経路検索 ━
98. • 国立情報研などが運営する「ROIS-DS人文学オープン データ共同利用センター」* の歴史地名データセット などを今後活用し地図を強化していきたい オープンデータの活用 ━ * https://codh.rois.ac.jp/
99. • この地図を作るにあたり様々な文献を利用した • 特に、博物館や図書館のデジタルライブラリーで資料 がデジタル化していることのありがたさを改めて実感 謝辞 ━
100. 最後にもうひとつ…
101. • 来年以降、会社のサポートを受けて運用します • 自分が中心となって進めていきます • MIERUNEの技術力でより良い地図に • オープンな(自由に使える)精神*は変わりません • 詳細は後日改めてお知らせします ｢れきちず｣をMIERUNEでやります！ ━ * 個人で非営利目的の場合。企業さんが営利目的で使われる場合はご相談󰢛
102. 「2万分の1迅速測図」農研機構 歴史的農業環境閲覧システムより 続きまして「迅速測図」の 農研機構・岩崎さんの発表です