大学において研究を実施する上で外部資金の獲得は必須である.研究費配分制度には,研究者の発想に任せて自由に研究テーマを設定できるボトムアップ型のものと,現在の社会問題解決や国の方針に沿った研究テーマを実施するトップダウン型のものがある.自身が提案する研究内容に応じて,個人的興味に基づく研究内容であればボトムアップ型,社会で注目される問題の解決に取り組む研究内容であればトップダウン型の研究費配分制度に研究提案を行うこととなる.しかしどちらか一方だけに研究提案を行っていては研究費の継続的獲得が難しい.そのため,個人的興味に基づく研究内容であってもこれを柔軟に変化させ,社会問題解決や国の方針に役立つ研究提案とし,ボトムアップ型とトップダウン型の研究費配分制度の両者に研究提案を行っていくこと必要だろう.このようなハイブリッドな研究提案を行うためには,国内外の学術会議に参加し最新の研究動向を把握すると共に,社会問題,研究費配分機関や各省庁の方針など幅広い情報収集を行う必要がある.さらに異分野の会議に参加し,新たな応用先を見出すことも重要である.本発表では,上記の内容を含む継続的な研究費獲得のための考え方について述べる.