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VR焚き火シミュレータの 技術と工夫 ー個人製作の情熱編ー @oreno_dinner 2019/3/18 Standalone VR Meetup

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自己紹介              . @oreno_dinner:オレノディナー 高専卒(電子工学科) / 精密機器メーカーサラリーマン。 2018年5月にOculus GoでVRデビューした新参者。 同年8月、OculusGo専用VR焚火”BONFIRE”をリリース。 *OculusGoでVRM対応アプリを最初にリリースした人(自称) 現在、次回作に向けて色々準備中。(Questの動向色々気になる)

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VR焚火~BONFIRE~ とは      . VR焚き火シミュレーション ・薪を焚べれるスタンドアローンVR唯一のアプリ(*リリース時) ・ポリゴンレンダリングなので動画にありがちな荒い画は無し。 ・最高の環境音に浸りながらの焚き火体験。 ・VRMモデル読み込み、朗読機能(Lipsync)搭載。 これがたったの400円。(高校生以下は無料)#学生GOプロジェクト キー配布のみとOculusスタッフに判定されちゃったからBOOTHで販売中です。

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作品(体験)を作り上げる。        . この発表で伝えたいことは、VR作品を作り上げるコツ。 個人の限られた作業量を念頭に置いて 妥協する物と注力する物の選択が大切。 VR焚き火は何を妥協して何に注力したのか。 各要素に分けて説明します。

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ポリゴンモデル             . 全てBlenderで制作。 テクスチャは全てStandard Textureの塗りつぶしのみ。 基本豆腐で問題無い。豪華にしなくても良い。 ⇒複数のアセットを混ぜるより  自作モデルの方が世界観統一できて色々楽

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ポリゴンモデルのTPO          . 灰色のゴツゴツが茶色のプレーンに乗っていたら岩で。 炎に茶色い棒があったらそれは薪。 でもライトと影は大事!

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音                   . 音は滅茶苦茶重要。VRは音で世界の実在感が圧倒的に増す。 UZRecordsさんの最高の焚き火音と環境音を使用。 3DoFだとバイノーラル音源がそのまま使える。

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コントローラーとボタン        . ボタン数制限。ボタン付きタッチパッドとトリガーしかない。 <<>> ・タッチパッドのフリックによるコントローラーのモード変更 ・ボタン押込とタッチパッドの座標検出による仮想増やし。 <<>> ・コントローラー捻りによるリロード 工夫次第でボタン数は増やせる。

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重い処理を軽くする          . ・マルチスレッド レンダリング。シングルパス ステレオ レンダリング。効く。 ・Start()で可能な限り先読み。 ⇒シーン開始時の負荷はフェードインで誤魔化す。 ・衝突判定の工夫。 ⇒OnCollision判定より速度変化で判定する方が処理が軽い。(薪の衝突音) ・人は動きに敏感だけど変化には鈍感。(TV番組”アハ体験”等) ⇒色や大きさ、形状の変化は1/10に減らしても問題ない。(薪から灰への過程) 詳しくは次ページ

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フレームの間引き:素数ではなくカウンタ  . 間引いた処理同士が重なっちゃうと意味がない。 スキップ間隔が素数でもスキップ数全ての積番目フレームになると重なる。 (7x11x17 =1309フレーム 約22秒に1回全てが重なる) ⇒各処理共通のカウンタを作り、重ならいようにずらして配置するようにした。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F イ イ イ イ イ ロ ロ ロ ロ ハ ハ ハ ニ ニ

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欲しい体験を磨き上げる、演出のポイント。  . 個人製作だと作業可能量が少ない。以下3つはコスパ良き演出。 ・見た目より動き。 ⇒ポリゴン数やテクスチャより挙動の方が重要。(薪が崩れて灰になる等) ・予告は大切。 ⇒薪が飛んでくる効果線。OP説明が飛んでくる前にタイトルと音の変化。 ・焚き火に集中させる物の配置。 ⇒薪小屋は右、設定ボタンは視界からちょっと外して左に配置している。  VRMモデルは右ちょい前。

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アルファテスト超大事。ウルトラ大切。  . ・何より気持ちがアガる。フィードバックは超うれしいし参考になる。 ・操作方法の変更はリリース前が絶対に良い。多くの人に試してもらおう。 (これといった操作方法のセオリーが確立されていないのもVRの特徴?) テストしくれた皆ありがとう!!!!!!!

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ご清聴ありがとうございました。    時間が余った時用のおまけ話。 ・VRMとOVRLipsyncとOculusAudioの話 ・キー配布のみアプリの居場所「天国の外側<<アウターヘブン>>」 ・個人製作の狙い目ポイント ・体験装置としてのVR作品