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2022リサーチ入門2 リサーチ戦略と調査テーマの理解1

2022リサーチ入門2 リサーチ戦略と調査テーマの理解1

すべてのリサーチにおいて最も重要な「リサーチ戦略」の考え方と手法を学ぶことにより、的確なリサーチを実施できるようになる。
また、特定の調査テーマを与えられたとき、調査テーマを適切に理解して、適切なリサーチイシューを設定できるようになる。
そのために重要な、調査テーマの分解の方法、分解チャートの作り方を学ぶ。

2022年度『リサーチ入門』第2回「リサーチ戦略と調査テーマの理解1」授業スライド

石村源生
情報経営イノベーション専門職大学

Gensei Ishimura

November 20, 2022
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Transcript

  1. リサーチ入門
    2. リサーチ戦略と調査テーマの理解1
    リサーチ戦略の考え方に基づき、調査テーマを適切に
    分解してその内容を理解する。

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  2. 授業の目標
    • すべてのリサーチにおいて最も重要な「リサーチ戦略」の考え方と手法を学ぶことに
    より、的確なリサーチを実施できるようになる。
    • また、特定の調査テーマを与えられたとき、調査テーマを適切に理解して、適切な
    リサーチイシューを設定できるようになる。
    • そのために重要な、調査テーマの分解の方法、分解チャートの作り方を学ぶ。

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  3. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  4. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  5. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  6. 暗闇で落とした鍵をどこで探すか?

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  7. 鍵を見つけるには・・・
    • 明るい場所は探しやすいので明るい場所で鍵を探したくなるが、それだと永遠に見
    つからない。
    • 暗い場所で落としたのなら、たとえ探しにくくても暗い場所で探すことで鍵を見つけ
    ることができる。

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  8. なぜごみは分別しなければならないのか?

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  9. ごみは種類によって保管や処理の方法が異なる
    • ごみは種類によって保管方法も処理方法も異なるので、一緒にしたままでは適切
    な保管や処理ができない。
    • 分別することによってはじめて、ごみの種類に応じた適切な保管方法、処理方法
    を選ぶことができる。

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  10. リサーチ戦略の基本哲学
    落とした鍵の探し方 ごみの分別

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  11. リサーチ戦略の基本哲学
    落とした鍵の探し方
    達成する価値のある課題を
    見極める
    ごみの分別
    適切な調査手段を選べるように
    課題/問題を分割する

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  12. リサーチ戦略の基本哲学
    落とした鍵の探し方
    達成する価値のある課題を
    見極める
    取り組むに値する仕事に
    取り組む
    ごみの分別
    適切な調査手段を選べるように
    課題/問題を分割する
    大きな仕事は
    扱いやすいように分ける

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  13. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  14. 本授業で例題として扱う調査テーマ
    iUとして、受験生獲得のために効果的な施策を実施したい。
    そこでiU生から施策の立案に役立つ情報を得たい。
    ※架空のテーマ
    みなさんなら
    どんな調査をしますか?

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  15. 事業課題とリサーチ課題
    調査テーマ
    • iUとして、受験生獲得のために効果的な施策を実施したい。そこでiU生から
    施策の立案に役立つ情報を得たい。
    調査依頼者
    • iUアドミッションユニット
    事業課題
    • iUの受験者数を増やすこと
    リサーチ課題
    • iUアドミッションユニットが、iUの受験者数を増やすための効果的な施策を立
    案するのに必要な情報を、調査依頼者に提供する。
    • その情報のひとつとして、iU生を対象に調査を実施して結果を提供する。

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  16. 事業課題/リサーチ課題/リサーチイシュー
    • 事業課題とリサーチ課題
    – 事業課題: 事業によって達成すべき課題
    – リサーチ課題: 事業課題達成を目的とするリサーチによって達成すべき課題
    事業課題を達成するためにリサーチ課題を達成する。
    この授業では主としてリサーチ課題を扱う。
    ただし、リサーチは、真の事業課題を発見する営みでもある。
    • いずれの場合も、適切な課題でなければいくら達成しても意味がない。
    – 達成に値する課題、達成すべき本質的な課題を見つけることが最も重要。
    • リサーチイシュー
    – リサーチ課題を「リサーチによって答えるべき具体的な問いや検証すべき仮説」の形に落とし込んだ
    ものをリサーチイシューと呼ぶ。

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  17. View Slide

  18. イシューからはじめよ
    • バリューのある仕事
    – イシュー度が高く、かつ解の質が高い仕事
    • イシュー
    – 2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
    – 根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
    • イシュー度
    – 自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
    • 解の質
    – そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い

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  19. バリューのマトリクス
    バリューの
    ある仕事
    解の質
    イシュー度

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  20. 解の質とイシュー度、どちらが重要か
    • 多くの人は「解の質」には高い関心を持つが、「イシュー度」にはあまり関心を
    持たない傾向がある。
    • だが、本当にバリューのある仕事をして世の中にインパクトを与えようとするな
    ら、あるいは本当にお金を稼ごうとするなら、この「イシュー度」こそが大切だ。
    • なぜなら、「イシュー度」の低い仕事はどんなにそれに対する「解の質」が高か
    ろうと、受益者から見た時の価値はゼロに等しいからだ。

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  21. 踏み込んではならない「犬の道」
    • ここで絶対にやってはならないのが、「一心不
    乱に大量の仕事をして右上に行こうとする」こと
    だ。「労働量によって上に行き、左回りで右上
    に到達しよう」というこのアプローチを筆者は「犬
    の道」と呼んでいる。
    • 本当に右上の領域に近づこうとするなら...まず
    はヨコ軸の「イシュー度」を上げ、そののちにタテ
    軸の「解の質」を上げていく。
    • まず、徹底してビジネス・研究活動の対象を意
    味のあること、つまりは「イシュー度」の高い問題
    に絞る。
    バリューの
    ある仕事



    イシュー度
    「犬の道」

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  22. 経験のシェア
    「すごく時間を掛けて頑張ったが、そもそも頑張るべき目標が間
    違っていた」という経験はありますか?

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  23. イシューを見極める
    • 「これは何に答えを出すためのものなのか」
    「何に答えを出す必要があるのか」
    という議論からはじめ、
    「そのためには何を明らかにする必要があるのか」
    という流れでリサーチを設計していく。
    本当に答えを出すべき問題を見極めるためにとことん考え抜いてから、それに必要な
    具体的な作業に取り掛かる。

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  24. 事業課題/リサーチ課題/リサーチイシュー
    • 事業課題とリサーチ課題
    – 事業課題: 事業によって達成すべき課題
    – リサーチ課題: 事業課題達成を目的とするリサーチによって達成すべき課題
    事業課題を達成するためにリサーチ課題を達成する。
    この授業では主としてリサーチ課題を扱う。
    ただし、リサーチは、真の事業課題を発見する営みでもある。
    • いずれの場合も、適切な課題でなければいくら達成しても意味がない。
    – 達成に値する課題、達成すべき本質的な課題を見つけることが最も重要。
    • リサーチイシュー
    – リサーチ課題を「リサーチによって答えるべき具体的な問いや検証すべき仮説」の形に落とし込んだ
    ものをリサーチイシューと呼ぶ。

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  25. 調査テーマからのリサーチイシューの導出フロー
    調査
    テーマ
    • 調査依頼者から依頼された内容
    事業課題 • 調査依頼者が手掛ける事業によって達成すべき課題
    リサーチ
    課題
    • 事業課題達成を目的とするリサーチによって達成すべき課題
    分解
    チャート
    • 調査テーマを分解し、図式化したもの
    リサーチ
    イシュー
    • リサーチによって答えるべき具体的な
    問いや検証すべき仮説

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  26. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  27. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  28. 本授業で例題として扱う調査テーマ
    iUとして、受験生獲得のために効果的な施策を実施したい。
    そこでiU生から施策の立案に役立つ情報を得たい。

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  29. 調査テーマを理解する
    • 調査テーマは、このままではどこをどう
    扱ってよいのかわからない。
    調査テーマ

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  30. 調査テーマを「分解する」ことによって理解する
    要因A
    要因B
    要因D
    要因E
    要因C

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  31. 理解することによって「リサーチイシュー」
    (真に取り組むべき問題)を見出す
    要因A
    要因B
    要因D
    要因E
    要因C

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  32. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  33. 本授業で例題として扱う調査テーマ
    iUとして、受験生獲得のために効果的な施策を実施したい。
    そこでiU生から施策の立案に役立つ情報を得たい。

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  34. 事業課題とリサーチ課題
    調査テーマ
    • iUとして、受験生獲得のために効果的な施策を実施したい。そこでiU生から
    施策の立案に役立つ情報を得たい。
    調査依頼者
    • iUアドミッションユニット
    事業課題
    • iUの受験者数を増やすこと
    リサーチ課題
    • iUアドミッションユニットが、iUの受験者数を増やすための効果的な施策を立
    案するのに必要な情報を、調査依頼者に提供する。
    • その情報のひとつとして、iU生を対象に調査を実施して結果を提供する。

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  35. 前提条件
    • 架空の調査テーマ
    • 調査依頼者とのコミュニケーション
    • 施策の実施状況/調査の実施状況
    • 調査対象者はiUの学生(同じクラスのメンバー)

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  36. ポイント
    • 直接施策について考えるのではない。
    • あくまで施策に役立つ情報提供が目的。
    • そこで、どのような情報提供が効果的か、調査依頼者の目的達成に貢献できる
    か、を考える。
    みなさんなら
    どんな調査をしますか?

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  37. どのような情報提供が効果的か
    • 受験生は
    – 誰の意見を参考にするのか
    – 将来何になりたいのか
    – どのような大学に行きたいのか
    – 大学の情報をいつごろ、どこから入手するのか
    – 大学のどういった部分に魅力を感じるのか
    – 大学のどういった部分を問題視するのか
    – 普段どのようなメディアに接しているのか
    – どんなことに興味があるのか
    – どのような不安を抱えているのか
    どれを調べることが重要かわからない

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  38. もっと系統的に考える必要がある
    • 問題を俯瞰し、小分けにし、整理し、構造化し、
    全体を見渡して重要点をあぶり出す
    – 調査対象となりうる情報として、どんなものが存在す
    るのか?そのうち、どの情報が重要なのか?
    • 調査テーマを分解して提供すべき情報を考える
    – 調査テーマは、どのような要因に分解できるのか?
    – さらには、要因間にはどのような関係があるのか?
    – それらの中でどの要因が、調査依頼者の事業課題
    達成の役に立ちそうか?
    – さらには、「どの要因とどの要因の組み合わせ」が役に
    立ちそうか?

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  39. 調査テーマの分解
    • 分解とは何か?
    – 調査テーマを意味のある小さな単位に分けること
    • なぜ分解するのか?
    – 調査テーマを適切に把握するため
    – もれなくダブり無く(MECE)
    – 調査テーマがどのような構造をしているかをよく考える
    – (※MECEになっていない場合、「よく考える」ができていない)
    – 分解がうまくいくと…
    – 最小限のリサーチで最大限の効果を上げることができる
    – 場合によってはリサーチを実行せずに問題を解決できてしまうことさえある
    売上が
    少ない
    客数が
    少ない
    客単価が
    小さい

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  40. MECE
    (『イシューからはじめよ』)

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  41. 無意味な分解と意味のある分解
    (『イシューからはじめよ』)

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  42. 分解の種類(例)
    ① 数式的分解(足し算)
    ② 数式的分解(掛け算)
    ③ 項目(変数/次元)による分解
    ④ 時間的分解
    ⑤ 因果構造による分解
    ⑥ 関係性による分解
    売上 客数 客単価
    = ✕
    売上 売上(店舗A) 売上(店舗B)
    = +
    認知 興味 欲求 記憶 行動
    結果
    原因1
    原因2
    原因3
    原因4
    原因5
    原因6
    A
    B
    C
    D
    E
    製品 演算
    速度
    → 記憶
    容量
    形状 重量 価格




    ⑤ ⑥

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  43. 分解の階層化
    • 単に分解するだけでなく、
    • 分解した要因をいくつかのグループにまとめたり(=要因の抽象化)、
    • 逆にそれらの要因をより小さな要因にさらに分解したりする(=要因の具体化)こと。

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  44. (例)引越し先としてどの部屋を選ぶか?
    関係する要因
    決めたいこと
    周辺商業施設の充実度
    周辺環境の治安
    部屋の美しさ
    使い勝手の良さ
    引越し先として
    ふさわしい部屋
    通学時間
    最寄り駅までの時間
    オートロックの有無
    耐震構造の有無
    部屋の広さ
    家賃
    管理費

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  45. (例)引越し先としてどの部屋を選ぶか?
    関係する要因
    決めたいこと
    周辺商業施設の充実度
    周辺環境の治安
    部屋の美しさ
    使い勝手の良さ
    引越し先として
    ふさわしい部屋
    通学時間
    最寄り駅までの時間
    オートロックの有無
    耐震構造の有無
    部屋の広さ
    家賃
    管理費
    場所の適切性
    機能性
    経済性
    安全性
    要因の抽象化

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  46. (例)引越し先としてどの部屋を選ぶか?
    関係する要因
    決めたいこと
    周辺商業施設の充実度
    周辺環境の治安
    部屋の美しさ
    使い勝手の良さ
    引越し先として
    ふさわしい部屋
    通学時間
    最寄り駅までの時間
    オートロックの有無
    耐震構造の有無
    部屋の広さ
    家賃
    管理費
    場所の適切性
    機能性
    経済性
    安全性
    要因の抽象化 要因の具体化
    コンビニまでの時間
    半径1Km以内の
    飲食店の数
    半径1Km以内の
    センスのいい店の数
    その街に住んでいる人
    の周辺商業施設につ
    いての満足度

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  47. 分解の階層化
    • 単に分解するだけでなく、分解した要因をいくつかのグループに分類したり
    (=要因の抽象化)、逆にそれらの要因をより小さな要因にさらに分解
    したりする(=要因の具体化)こと。
    • 要因の抽象化
    – 全体の構造をより適切に理解できるとともに、モレやダブりを発見しやすくなる。
    – 「~性」「~度」「~力」「~機能」「~さ」「~の有無」(例:経済性、貢献度、美しさ)と
    いった種類の言葉や、数量の単位を表す言葉(例:速度、容積、重量、時間、費用)を
    使うのがこつ(ただし例外もある)。
    • 要因の具体化
    – 一つ一つの要因を、リサーチ可能なもの、あるいは介入可能なものに落とし込むことが出来る。

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  48. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  49. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  50. 本授業で例題として扱う調査テーマ
    iUとして、受験生獲得のために効果的な施策を実施したい。
    そこでiU生から施策の立案に役立つ情報を得たい。
    調査テーマを「マーケティングの基本フレームワーク」を
    活用して分解する

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  51. マーケティングの基本フレームワーク
    タッチポイント
    商品・サービスの価値
    企業・組織
    顧客

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  52. 例)受験生Aのプロフィール
    • 地方中核都市在住の県立高校普通科1年の男子学生。
    • 大学での勉強が将来の仕事の役に立つと思えず、進学
    する意味があるのか疑問に思っている。
    • YouTubeでたまたま推薦された、 iUの「マーケティング入
    門」についての模擬授業動画を見た。

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  53. マーケティングの基本フレームワーク
    • 地方中核都市在住の県立高校普通科1年の男子学
    生。
    • 大学での勉強が将来の仕事の役に立つと思えず、進
    学する意味があるのか疑問に思っている。
    • YouTubeでたまたま推薦された、 iUの「マーケティング
    入門」についての模擬授業動画を見た。
    タッチポイント
    商品・サービスの価値
    企業・組織
    顧客

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  54. マーケティングの基本フレームワーク
    • 地方中核都市在住の県立高校普通科1年の男子学
    生。
    • 大学での勉強が将来の仕事の役に立つと思えず、進
    学する意味があるのか疑問に思っている。
    • YouTubeでたまたま推薦された、 iUの「マーケティング
    入門」についての模擬授業動画を見た。
    タッチポイント
    商品・サービスの価値
    企業・組織
    顧客の行動・思考・感情
    顧客の属性・状況
    顧客の問題・希望

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  55. マーケティングの基本フレームワーク
    顧客の行動・思考・感情
    タッチポイント
    商品・サービスの価値
    カスタマー
    ジャーニー
    マップに記
    述するもの
    企業・組織
    内面、あるいは主観的
    で言語化しにくいもの
    顧客の状態のうち、
    特定のタッチポイント
    に接した時のみに生じ
    る行動・思考・感情
    顧客の属性・状況
    顧客の問題・希望
    外から観察できたり、
    客観的で言語化しや
    すかったりするもの 顧客の状態のうち
    比較的安定してい
    るもの
    顧客と「商品・サービ
    スの価値」が何らかの
    形で出会う機会

    View Slide

  56. マーケティングの基本フレームワーク
    タッチポイント
    商品・サービスの価値
    企業・組織
    講義
    「マーケティング入門」
    iU
    YouTubeでの
    模擬授業動画
    • 地方中核都市在住の県立
    高校普通科1年の男子学生。
    • 大学での勉強が将来の仕事
    の役に立つと思えず、進学す
    る意味があるのか疑問に思っ
    ている。
    • YouTubeでたまたま推薦され
    た、 iUの「マーケティング入
    門」についての模擬授業動画
    を見た。
    高校や大学での勉強が
    将来の仕事の役に立つと
    は思えない
    地方中核都市在住
    県立高校普通科1年の
    男子学生
    授業はこんな雰囲なのか。
    高校では習わない分野だ
    けどなかなか面白そうだな。
    顧客の行動・思考・感情
    顧客の属性・状況
    顧客の問題・希望

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  57. マーケティングの基本フレームワーク
    顧客の行動・思考・感情
    タッチポイント
    商品・サービスの価値
    カスタマー
    ジャーニー
    マップに記
    述するもの
    企業・組織
    内面、あるいは主観的
    で言語化しにくいもの
    顧客の状態のうち、
    特定のタッチポイント
    に接した時のみに生じ
    る行動・思考・感情
    高校や大学での勉強が
    将来の仕事の役に立つと
    は思えない
    授業はこんな雰囲なのか。
    高校では習わない分野だ
    けどなかなか面白そうだな。
    講義
    「マーケティング入門」
    iU
    YouTubeでの
    模擬授業動画
    顧客の属性・状況
    顧客の問題・希望
    地方中核都市在住
    県立高校普通科1年の
    男子学生
    外から観察できたり、
    客観的で言語化しや
    すかったりするもの 顧客の状態のうち
    比較的安定してい
    るもの
    顧客と「商品・サービ
    スの価値」が何らかの
    形で出会う機会

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  58. 受験生A~Cのプロフィール
    地方中核都市在住、県立高校普通科1年の男子学生。大学での勉強が
    将来の仕事の役に立つと思えず、進学する意味があるのか疑問に思っている。
    YouTubeでたまたま推薦された、 iUの「マーケティング入門」についての模擬
    授業動画を見た。
    海外在住、中学3年の女子学生。海外赴任中の親の国内転勤に伴い一
    緒に帰国する予定。日本国内の大学について詳しく知らないので日本で進
    学すべきか不安を感じている。
    Facebook広告で、「全員起業」をコンセプトとする専門職大学であるiUの
    存在を知った。
    首都圏在住、私立中高一貫校高等部2年の女子学生。実社会にインパク
    トを与えるのに役立つことを学びたいという希望を持っている。iUのオープンキャ
    ンパスに参加し、イノベーションプロジェクトについて講師から説明を受けた。
    A
    B
    C

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  59. 受験生A~Cのプロフィールをフレームワークに
    基づいて整理したもの
    受験生A 受験生B 受験生C
    企業・組織 iU iU iU
    商品・
    サービスの
    価値
    講義「マーケティング入門」 「全員起業」をコンセプトとする
    専門職大学
    イノベーションプロジェクト
    タッチポイント 顧客と「商品・サービス
    の価値」が何らかの形で
    出会う機会
    YouTubeでの模擬授業動

    Facebook広告 オープンキャンパスでの講師によ
    る説明
    顧客の
    行動・思考・
    感情
    顧客の状態のうち、特
    定のタッチポイントに接
    した時のみ生じる行動・
    思考・感情
    授業はこんな雰囲なのか。
    高校では習わない分野だけ
    どなかなか面白そうだな。
    日本の大学は伝統的なものば
    かりと聞いていたがこんな大学が
    あるのか!ちょっと怪しいけどもう
    少し知りたい。
    こんな学び方もあるとは知らな
    かった。ぜひここで学んでみたい
    けど、将来何になれるのか不安
    だな。
    顧客の
    問題・希望
    内面、あるいは言語化
    しにくいもの
    高校や大学での勉強が将
    来の仕事の役に立つとは思
    えない
    日本国内の大学について詳しく
    知らないので日本で進学すべき
    か不安を感じている。
    実社会にインパクトを与えるの
    に役立つことを学びたい
    顧客の
    属性・状況
    外から観察できたり、客
    観的で言語化しやす
    かったりするもの
    地方中核都市在住
    県立高校普通科1年の男
    子学生
    海外在住中学3年の女子学生
    海外赴任中の親の国内転勤に
    伴い一緒に帰国する予定
    首都圏在住私立中高一貫校
    高等部2年の女子学生
    調査依頼者は知らない事実
    これを明らかにするのがリサーチ

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  60. マーケティングの基本フレームワーク
    顧客
    タッチポイント
    商品・サービス
    企業・組織
    顧客の行動・思考・感情
    タッチポイント
    顧客の属性・状況
    顧客の問題・希望
    商品・サービスの価値
    企業・組織
    価値体験機会
    iUの価値
    iU
    受験生の行動・思考・感情
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  61. 今回の調査の基本フレームワーク
    タッチポイント
    商品・サービス
    企業・組織
    顧客
    カスタマージャーニー
    マップでまとめて扱う
    ので「価値体験機
    会」のほうに統合する。
    変化がなく自明なの
    で「iUの価値」のほう
    に統合する。
    価値体験機会
    iUの価値
    iU
    受験生の行動・思考・感情
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  62. タッチポイント
    商品・サービス
    価値体験機会
    iUの価値
    顧客
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望
    今回の調査の基本フレームワーク

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  63. 受験生の属性・状況
    学年・年齢・
    性別
    居住地 所属高校
    自分のキャリア
    の志向性
    自分の学力
    教科以外の得
    意分野・趣味
    ビジネス経験
    人脈・
    ロールモデル
    家庭の
    経済状況
    保護者の意向 友人の進路
    学校の
    進路指導
    • 受験生の状態のうち比較的安定しているもの
    • 外から観察できたり、客観的で言語化しやす
    かったりするもの
    タッチポイント
    商品・サービス
    価値体験機会
    iUの価値
    顧客
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  64. 受験生の問題・希望
    解決したい問題
    (考えるとつらいこと)
    かなえたい希望
    (考えると楽しくなること)
    • 受験生の状態のうち比較的安定しているもの
    • 内面、あるいは主観的で言語化しにくいもの
    • 受験生が比較的長期的に心に抱いている、
    現在の学生生活と今後のキャリア、あるいは
    生活や人生全般についての問題と希望
    • 必ずしも受験に関係のないことでもよい
    タッチポイント
    商品・サービス
    価値体験機会
    iUの価値
    顧客
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  65. iUの価値
    輩出する
    人材像
    カリキュラム 授業内容
    入試 教員 ブランド
    学費 学生へのケア キャンパス
    卒業生 学生生活
    • iUが受験生に提供可能な教育などの価値。
    • 潜在的なものも含む。
    • 受験生から認識できる価値と、認識できない
    価値の双方を取り扱う。
    タッチポイント
    商品・サービス
    価値体験機会
    iUの価値
    顧客
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  66. ステージ
    iUの価値を
    体験する機会
    価値体験機会
    • 受験生と「iUの価値」が何らかの形で出会う機会
    • ステージ
    – 機会を時間軸上で分解したもの
    • チャンネル
    – 機会を空間軸上で分解したもの
    タッチポイント
    商品・サービス
    価値体験機会
    iUの価値
    顧客
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  67. 今回の調査の基本フレームワーク
    タッチポイント
    商品・サービス
    価値体験機会
    iUの価値
    顧客
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  68. 調査テーマの分解
    • 調査テーマを基本フレームワークに従って分解し、分解チャートを作成する。
    1. 分解例の理解
    – フレームワークの4つのレイヤー「属性・状況」「問題・希望」「価値体験機会」「iUの価値」のそれ
    ぞれについて、教員の側から「分解チャート例」を示して解説するので、これを理解する。
    2. 議論と考察
    – それぞれの分解例を参考にしながらより良い分解の仕方を議論する。
    3. 調査テーマの理解と分解手法の修得
    – これらにより、調査テーマについての理解を深めると同時に具体的な分解の手法と考え方を学ぶ。

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  69. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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  70. 今回の調査の基本フレームワーク
    タッチポイント
    商品・サービス
    価値体験機会
    iUの価値
    顧客
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  71. 今回の調査の基本フレームワーク
    タッチポイント
    商品・サービス
    価値体験機会
    iUの価値
    顧客
    受験生の属性・状況
    受験生の問題・希望

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  72. 受験生の属性・状況
    学年・年齢・
    性別
    居住地 所属高校
    自分のキャリア
    の志向性
    自分の学力 趣味・特技
    ビジネス経験
    人脈・
    ロールモデル
    家庭の
    経済状況
    保護者の意向 友人の進路
    学校の
    進路指導
    • 受験生の状態のうち比較的安定し
    ているもの
    • 外から観察できたり、客観的で言語
    化しやすかったりするもの

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  73. グループワーク
    • 「受験生の属性・状況」にはどのような要因(居住地、ビジネス経験、家庭の経
    済状況等)があるかを考える。
    • 考えるのは居住地、ビジネス経験、家庭の状況といった「項目名」であり、「東京
    都民が多い」といった「実際の傾向」ではない。
    • あくまで、「iUの受験者数を増やす」という調査依頼者の事業課題達成に役立つ
    情報、という観点で考える。
    • 3人一組、5分、終了後代表者が発表。

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  74. 属性・状況
    学年・年齢・性別
    キャリアの志向性
    趣味・関心
    学力
    ビジネス経験
    特技
    所属高校
    塾・予備校
    オンライン学習環境
    教員
    居住地
    保護者
    経済状況
    友人
    ロールモデル
    その他の人脈
    【分解チャート例】受験生の属性・状況

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  75. 属性・状況
    属性 学年・年齢・性別
    価値観・傾向
    キャリアの志向性
    趣味・関心
    能力・経験
    学力
    ビジネス経験
    特技
    学習環境
    所属高校
    塾・予備校
    オンライン学習環境
    教員
    居住地
    家庭環境
    保護者
    経済状況
    人的環境
    友人
    ロールモデル
    その他の人脈
    【分解チャート例】受験生の属性・状況

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  76. 属性・状況
    属性 学年・年齢・性別
    価値観・傾向
    キャリアの志向性
    趣味・関心
    能力・経験
    学力
    ビジネス経験
    特技
    学習環境
    所属高校
    塾・予備校
    オンライン学習環境
    教員 進路指導のあり方
    居住地
    家庭環境
    保護者
    職業
    子どもの進路への意向
    経済状況
    人的環境
    友人 キャリアの志向性
    ロールモデル
    その他の人脈
    【分解チャート例】受験生の属性・状況

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  77. 第2回・第3回のメニュー
    • リサーチ戦略の基本哲学
    • リサーチイシューとは何か?
    • 調査テーマの分解[理論編]
    – 調査テーマの理解
    – 調査テーマの分解
    • 調査テーマの分解[事例編]
    – 今回の調査の基本フレームワーク
    – 受験生の属性・状況
    – iUの価値
    – 価値体験機会
    – 受験生の問題・希望
    • 分解からリサーチへ

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