BIプラットフォームで作る管理会計システム〜表計算ソフトとの比較を添えて〜 / Management Accounting System by BI Platform

BIプラットフォームで作る管理会計システム〜表計算ソフトとの比較を添えて〜 / Management Accounting System by BI Platform

2020年3月27日に実施した
Smart City研究所の研究発表会で発表した資料です。

●Smart City研究所 Webサイト
https://smartcitylab.jp/

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KADOKAWA Connected

April 20, 2020
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  1. BIプラットフォームで作る管理会計システム 〜表計算ソフトとの比較を添えて〜 Integrated Data Service部 塚本圭一郎 0 © KADOKAWA Connected

    Inc.
  2. 1
 自己紹介
 塚本 圭一郎 (Keiichiro Tsukamoto) • 博士 (情報科学) •

    2014-04 ㈱ドワンゴ 新卒入社 • 所属と役職 – ㈱KADOKAWA Connected Integrated Data Service部 部長 – ㈱ドワンゴ Dwango DataManagement Service部 部長 • 職務 – KADOKAWAグループにおける 組織横断のデータ利活用促進のリード © KADOKAWA Connected Inc.
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 目次
 • 管理会計とは • 管理会計を表計算ソフトで行う際の課題 • BIプラットフォーム Tableau とは

    • Tableauを用いた管理会計のアップデート • 解決した課題と残された課題 • まとめ © KADOKAWA Connected Inc.
  4. 管理会計とは
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 管理会計とは
 経営者や管理者が意思決定するために参照する会計 企業の会計活動 管理会計 財務会計 • 社内向けの会計 • 各会社で個別のルールを使用

    • 株主や銀行など社外向けの会計 • 全ての会社で共通のルールを使用 © KADOKAWA Connected Inc.
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 原価計算とは
 各商品(製品やサービス)の原価を計算する行為 配賦により間接部門の費用も含めた真の原価を算出する サービス A の原価 直接費 (直課費用) 材料費

    500,000 労務費 1,000,000 間接費 (配賦費用) 材料費 80,000 労務費 100,000 ... 総計 2,500,000 管理会計 原価計算 © KADOKAWA Connected Inc.
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 配賦とは
 部署や商品を横断してかかる共通の費用(や売上)を、 決まった基準に則って直接部門に配分する処理 直接部門 サービス A サービス B サービス

    C 間接部門 管理部門の費用 (経理部、人事部など) IT部門の費用 (情シス部など) 宣伝部門の費用 (プロモーション部など) 配 賦 基 準 © KADOKAWA Connected Inc.
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 管理会計システム導入の難しさ
 • 各会社で個別のルールを使用するため、SaaSやパッケージソフトウェア (ERPシステム) を導入 しても、結果的に自社用にチューニングしなければならないことになる 既存のSaaSやパッケージソフトウェアで要件を満たせない
 • 会社の状況に応じて要件が変化するため、システムの改修作業の必要が頻繁に発生する

    ◦ 製品や組織改編があると、大幅な改修や過去のデータの読み替えも必要になる • 会社の意思決定に用いられるため、システム改修は迅速に行われる必要がある • 会社個別の事情が集計ロジックに含まれることがあり、システムが複雑化しやすい • 基幹業務システムにあるデータが必要になる場合が多く、重厚なシステム間連携が多い システム開発を内製・外注することも難しい要因が沢山ある
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  9. 管理会計を表計算ソフトで行う際の課題
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 なぜ管理会計を表計算ソフトで行うのか
 • バックオフィスの方はExcelを使える – Excel・スプシ利用人口 >>> Javaエンジニア人口 • 経営・事業管理部門は会社の事情に精通している

    • 経営・事業管理部門は基幹業務データに触れている 「経営・事業管理部門の方が毎月必死にがんばる」が 冗談でなく現実解になってしまう © KADOKAWA Connected Inc.
  11. 管理会計システム (20以上のファイル) 10
 管理会計システムのExcelでの実装
 財務会計システム 管理システムなど ... 当時の方針でAccessが禁止されていたため、 システムからエクスポートしたxlsx/csvファイルの データを数珠つなぎでコピペして集計を繰り返していた

    元帳データ 配賦用データ サービス別PL 配賦元が増える 毎にファイルも 増えていく…                                    © KADOKAWA Connected Inc.
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 表計算ソフト×人力の限界
 • 慣れた作業者でも誤集計が頻発する – セル指定範囲 (A2:A100) が作業中にズレてしまった – セルの計算式が作業中に一部消えてしまっていた

    • 原価計算の回し直しだけで2人日もかかる – 大量のデータのコピペ作業 – 誤集計を防ぐための大変な検算作業 – 検算で誤りがわかった際の調査作業 • 上記によりダッシュボードを洗練させる余裕がない ⇒ 脱表計算ソフトへ © KADOKAWA Connected Inc.
  13. BIプラットフォーム Tableau とは
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  14. データの接続からコラボレーションまでをスムーズに 行えるエンドツーエンドのデータ分析プラットフォーム 13
 Tableau とは
 Prep Builder データの結合や整形を 簡単に行える データ前処理ソフト

    Desktop 前処理したデータを 簡単に可視化できる ビジュアル分析ソフト Server/Online 可視化した結果を オンライン共有できる Webサービス Reader 可視化した結果を オフライン参照できる 閲覧用ソフト © KADOKAWA Connected Inc.
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 表計算ソフト v.s. Tableau
 表計算ソフト • データソースを内包するので ソースの書き換えができる • セルには自由に値を入れられる

    • Window/Running Sumなどが 簡単に行える • セルの書式設定でレイアウトしレ ポートを作れる Tableau • 様々なデータソースに接続でき 結合して扱うことができる • 1000万行クラスも扱える • セル範囲指定の誤りに煩わされる ことがない • 豊富な可視化表現でインサイト創 出を促すレポートを作れる © KADOKAWA Connected Inc.
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 Tableau Prep Builderとは
 様々なデータソースに接続でき、内容を確認しながら、データ 処理をフロー形式で記述し管理できるツール © KADOKAWA Connected Inc.

  17. Tableauを用いた管理会計のアップデート
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 管理会計システムのTableauでの実装
 管理会計システム (7程度のファイル) 財務会計システム 管理システムなど ... Tableauでアップデートした領域 元帳データ 配賦用データ

    サービス別PL 配賦元が増えて もファイルも 増えない! tfl tfl tfl tfl tfl tfl ほとんど変わっていないように見えるが、 配賦元の変化に管理会計システムがスケールしている 点と結果が可視化できている点が大きく異なる                                    © KADOKAWA Connected Inc.
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 成果物イメージ
 目的毎にシートが分かれ、 グラフや表形式で 管理会計結果を確認することができる © KADOKAWA Connected Inc.

  20. 解決した課題と残された課題
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 管理会計をTableauで行ったことで解決した課題
 • セルの操作ミス由来の誤集計が解消した • 原価計算と改修作業が高速化しアジャイル開発が可能になった – 原価計算は2日から30分に – 配賦元の増減や配賦基準の変更にスケールする構成に

    • 「試しにこう変えてみよう」が以前よりできるようになった • インサイト中心の議論に変化した – グラフで一見してボトルネックを発見できるように • データ処理が可視化されたことで教育コストが削減された – 慣れた作業者でなくても運用可能になり人的冗長構成へ © KADOKAWA Connected Inc.
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 管理会計をTableauで行っても残された課題
 • 配賦用データ準備の負荷は変わらない • 管理会計システムが多数のファイルから構成される – 処理の複雑さは変えられないのでどうしても長大になる • バージョン管理ができない

    – Prepのフローファイルはバイナリファイルである – Tableau Prep Conductorを使えばできるが、 導入には100ライセンスが必要という障壁がある • 結果の共有が未だローカルファイルを前提としている – Server/Onlineを使って「ここを見て下さい」ができない • Tableauの仕様上、Google Driveの共有ドライブを使えない © KADOKAWA Connected Inc.
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 理想の世界
 財務会計システム Tableau Server + Prep Conductor 管理会計システム ver.XXX

    ... tfl tfl tfl tfl tfl tfl 管理システムなど Google Drive G A S gsheet gsheet • 用途に応じたダッシュボード作成 • システムのバージョン管理 • データソース準備の自動化 • オンライン共有 © KADOKAWA Connected Inc.
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 理想の世界に至るまでに行うべきこと
 • データの収益性の定量化 – データ活用は大事でも閲覧にX[万円/人]かかるは通らない – インフォノミクス(情報の資産管理と収益化)の必要がある • データ利用者との協働

    – データを収益化してくれるのは利用者である • データリテラシー教育の推進 – 旧形式に慣れた人とっては新しい形式は扱いづらい • 適切なデータセキュリティの定義 © KADOKAWA Connected Inc.
  25. まとめ
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 まとめ
 • 管理会計をTableauで行うことで業務改善を実現した – Tableauは表計算ソフトの上位互換ではないが、 大規模データの定型分析を高速に行うならTableauが強い – 経営・事業管理部門を一般事務員にするのは勿体ないので、 Tableauで分析と報告に注力してもらうようにする

    • 理想形に到達するには管理会計自体の価値の定量化が 不可欠である – 利用者と協働し、実際に管理会計により業績を上げてもらえなけ れば、ただの金食い虫になってしまう © KADOKAWA Connected Inc.
  27. ご清聴ありがとうございました 26 © KADOKAWA Connected Inc.