Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

化学のものづくりにおけるデータサイエンス最前線

LabBase転職
November 14, 2022

 化学のものづくりにおけるデータサイエンス最前線

LabBase転職の主催セミナーでの講演資料です。
https://labtechtalk-event221102.peatix.com

LabBase転職

November 14, 2022
Tweet

More Decks by LabBase転職

Other Decks in Research

Transcript

  1. 0 金子 弘昌 明治大学 理工学部 応用化学科 准教授 兼任 広島大学大学院先進理工系科学研究科 客員准教授

    兼任 大阪大学 太陽エネルギー化学研究センター 招聘准教授 兼任 理化学研究所 客員主幹研究員 兼任 データケミカル株式会社 最高技術責任者/CTO Website: https://datachemeng.com/ (「金子研」 で検索) Twitter: @hirokaneko226 Github: https://github.com/hkaneko1985 e-mail: [email protected] 化学のものづくりにおけるデータサイエンス最前線 ~マテリアルズインフォマティクス・プロセスインフォマティクス → Datachemical LAB~
  2. 自己紹介 ✓金子 弘昌 (かねこ ひろまさ) ✓出身地 • 栃木県足利市(あしかがフラワーパークが有名です) • 大学から東京へ、現在に至る

    ✓出身学科 • 東京大学 工学部 化学システム工学科 ✓現職 • 明治大学 理工学部 応用化学科 准教授 ⁃ データ化学工学研究室 1
  3. データ化学工学研究室(金子研究室) 化学の知見・情報・データと、 情報科学的手法を駆使した研究 いろいろな化学データ https://datachemeng.com/ 知識 (人工知能、AI) 化学構造、材料、 反応器、プラント などの設計・管理

    共同研究も進行中 (企業:13件、研究所:1件、大学:6件)
  4. 金子研オンラインサロン [無料] 3 プロセス・マテリアルズ・ケモインフォマティクスオンラインサロン (金子研オンラインサロン) https://datachemeng.com/onlinesalon/

  5. 金子研オンラインサロン [無料] ✓メンバー 744 名 [2022 年 10 月 28

    日現在] • 金子研メンバー • 企業の方々 ⁃ 金子研に興味あるから見てみたい! ⁃ 共同研究の相談をしたい! • 大学の方々 ⁃ 先生とか研究者とか学生とか ⁃ 金子研の研究内容を知りたい! ✓slack 内でいろいろな質問、議論ができる ✓金子研で進行中の研究内容の、進捗状況を把握できる (共同研究の内容は除く) ✓こんな研究をやってほしい!といった要望が出せる ✓サロン内のメンバー間で交流できる ✓ご連絡お待ちしております! 4
  6. 研究内容 5 インフォマティクス (データ解析・機械学習など) を武器にした、 分子設計・材料設計・プロセス設計・プロセス制御、管理に関する研究 共同研究: 18件 [1] J.

    Chem. Inf. Model., 58 (2018) 2528 [2] J. Chem. Inf. Model., 56 (2016) 1885 [3] J. Comput. Aid. Mol. Des., 30 (2016) 425 [4] Mol. Inf., 38 (2019) 1800088 [5] J. Comput. Chem. Jpn., 18 (2019) 115 [6] Ind. Eng. Chem. Res., 55 (2016) 5726-5735 [7] Comput. Chem. Eng., 113 (2018) 86 [8] Chemom. Intell. Lab. Syst., 127 (2013) 70 [9] AIChE J., 62 (2016) 717 [10] J. Membrane Sci., 494 (2015) 86-91 [11] Chemom. Intell. Lab. Syst., 167 (2017) 139 [12] Chemometr. Intell. Lab. Syst., 147 (2015) 58 ケモインフォマティクス マテリアルズインフォマティクス プロセスインフォマティクス ✓ 物性予測 [1] ✓ 薬理活性予測 [2] ✓ 化学構造生成 [3] ✓ 分子設計 [4] ✓ ポリマー設計 [5] ✓ 製造条件の最適化 [6] ✓ (適応的) 実験計画法 [7] ✓ ベイズ最適化 [8] ✓ 化学プロセス [9] ✓ 生物プロセス [10] ✓ スペクトル解析 [11] ✓ 異常予測・異常原因診断 [12]
  7. ウェブサービス: Datachemical LAB ✓これまで • 分子設計・材料設計・プロセス設計・プロセス管理がしたい! • データ収集 • Python

    でデータ解析・機械学習のコードを作成 • 実行! ✓Datachemical LAB があれば • 分子設計・材料設計・プロセス設計・プロセス管理がしたい! • データ収集 • Datachemical LAB で実行! 6
  8. ウェブサービス: Datachemical LAB ✓化学・化学工学分野のデータ解析・機械学習を、 プログラミングなしで実行できるウェブサービス ✓すべてウェブブラウザ上で操作・実行 (追加インストール不要) • 分子設計・材料設計・プロセス設計・プロセス管理が可能 •

    データの可視化・低次元化・特徴量変換+選択・回帰分析・ 予測・モデルの逆解析・ベイズ最適化の機能も搭載 • URL: https://www.datachemicallab.com/ ⁃ デモンストレーションの動画あり ⁃ 無料お試し期間あり ⁃ 練習課題あり ✓ソフトセンサーのデスクトップアプリ付き(オンライン予測+自動モデル更新) ✓最新の研究動向を踏まえて継続的に機能をアップデート ✓例えば、次からのお話はすべて Datachemical LAB で実現できます! 7
  9. ケモインフォマティクス(主に分子設計)概要 8 目的変数 y 構造記述子(説明変数) X モデリング 物性・活性が 既知の化合物群 分子構造の

    数値化 物性・活性 活性(物性)推定モデル y=f(X) 構造記述子 X new 物性の予測値 入力 出力 コンピュータ上で生成させた 仮想的な構造 予測値が目標を 満たす構造 ・・・ ・・・ 合成 フィードバック
  10. 分子設計:新しいポリマーを設計しよう! 9 高野 森乃介 物性推定モデル y 1 =f(X) y 2

    =g(X) 目的変数 y 記述子(説明変数) X モデリング 物性が既知のポリマー群 (PolyInfo データベース [1]) 原料モノマーの 数値化 y 1 : 屈折率 y 2 : ガラス転移 温度 [1] http://polymer.nims.go.jp/ S. Takano, H. Kaneko, J. Comput. Chem., Japan, 18(2), 115-121, 2019
  11. 分子設計:新しいポリマーを設計しよう! 10 屈折率の実測値 屈折率の推定値 ガラス転移温度の実測値 ガラス転移温度の推定値 高野 森乃介 S. Takano,

    H. Kaneko, J. Comput. Chem., Japan, 18(2), 115-121, 2019
  12. 分子設計:新しいポリマーを設計しよう! 11 物性推定モデル y 1 =f(X) y 2 =g(X) 新規モノマー

    X new 屈折率 ガラス転移温度 入力 出力 目的変数 y 記述子(説明変数) X モデリング 物性が既知のポリマー群 (PolyInfo データベース [1]) 原料モノマーの 数値化 y 1 : 屈折率 y 2 : ガラス転移 温度 高野 森乃介 こんなモノマーは いかがですか? ・・・ [1] http://polymer.nims.go.jp/ S. Takano, H. Kaneko, J. Comput. Chem., Japan, 18(2), 115-121, 2019
  13. 分子設計:新しい高分子材料を設計しよう!12 誘電率(DC)の実測値 誘電率(DC)の推定値 ガラス転移温度の実測値 ガラス転移温度の推定値 谷脇 寛明 高分子材料のデータを用いて、化学構造から 物性を予測するモデルを構築します •:

    ホモポリマー •: コポリマー H. Taniwaki, H. Kaneko, Poly. Eng. Sci., 62(9), 2750-2756, 2022
  14. 分子設計:新しい高分子材料を設計しよう!13 谷脇 寛明 新たな高分子材料を提案できます! モノマーの分子設計の結果 •: 低DC、高Tg •: 高DC、高Tg H.

    Taniwaki, H. Kaneko, Poly. Eng. Sci., 62(9), 2750-2756, 2022
  15. マテリアルズインフォマティクス(主に材料設計)概要 14 目的変数 y X: 材料の結晶構造 (分子シミュレーション条件) or 実験条件・製造条件 モデリング

    物性・(触媒)活性が 既知の材料群 物性・活性 活性(物性)推定モデル y=f(X) X new : 結晶構造 (シミュレーション 条件)・実験条件・ 製造条件 物性の予測値 入力 出力 コンピュータ上で仮想的に 生成させたデータ 推定値が目標を 満たす条件 シミュレーション or 合成 フィードバック
  16. 材料設計:機械学習による触媒設計 15 基質 1 と 触媒 M を変化させると収率 4 と

    5 は? 他の機関の論文データも追加 江尾 知也 T. Ebi, A. Sen, R.N. Dhital, Y.M.A. Yamada, H. Kaneko, ACS Omega, 6, 27578–27586, 2021
  17. 材料設計:モデル構築の結果 16 モデルを活用した触媒設計! T. Ebi, A. Sen, R.N. Dhital, Y.M.A.

    Yamada, H. Kaneko, ACS Omega, 6, 27578–27586, 2021
  18. 材料設計:実験結果 17 T. Ebi, A. Sen, R.N. Dhital, Y.M.A. Yamada,

    H. Kaneko, ACS Omega, 6, 27578–27586, 2021 その後、ベイズ最適化により既存の収率を超越する 触媒設計にも成功!
  19. ベイズ最適化[1]~どのように候補を選ぶ?~ 18 モデル構築用データ 目標の物性を達成する確率 y: 物性 X (合成条件) 物性の推定値 目標の物性

    [1] 金子弘昌, 「Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化によるデータ解析」, 講談社, 2021 × 推定値が最もよかったもの ◦ 目標の物性を達成する確率が最も高いもの ガウス過程回帰
  20. バイオマテリアルのプロセス設計 (材料) 19 本島 康平 骨形成率 原料、燃焼 温度など 合成条件X 材料特性Y

    動物実験 結果Z 圧縮強度、気孔率、 XRD、FT-IRなど モデリング モデリング Y = f(X) Z = g(Y) 明治大学 相澤研究室との共同研究 バイオマテリアルにおける合成条件・材料特性・ 骨形成率の間の関係から、合成条件を提案します! K. Motojima et al. J. Chem. Inf. Model, submitted
  21. 材料設計:結晶育成プロセスを最適化しよう! 20 金子 大悟 信州大学 手嶋研究室との共同研究 チタン酸リチウムを対象にして、大きな単結晶になるよう フラックス法による結晶育成プロセスをベイズ最適化します! D. Kaneko

    et al. Ind. Eng. Chem. Res., submitted
  22. ベイズ最適化によるプロセス設計 21 8つの目的変数がすべて目標を達成するように、 プロセスシミュレーションとベイズ最適化でプロセスを最適化! ✓反応器入口エチレン濃度 ✓反応器入口酸素濃度 ✓反応器入口CO2濃度 ✓エチレンの転化率 [1] R.

    Iwama, H. Kaneko, J. Adv. Man. Process., 3, e10085, 2021 ✓酸素の転化率 ✓製品1エチレンオキシド流量 ✓製品1エチレンオキシド濃度 ✓製品2エチレンオキシド流量 岩間 稜 エチレンからエチレンオキシドを作る プラントをデザインします!
  23. ベイズ最適化によるプロセス設計 22 [1] R. Iwama, H. Kaneko, J. Adv. Man.

    Process., 3, e10085, 2021 岩間 稜 エチレンからエチレンオキシドを作る プラントをデザインします! プロセスシミュレーション 24の設計変数 ✓エチレン供給量 ✓酸素の供給量 ✓メタンの供給量 ✓反応器の長さ ✓反応器の温度 ✓蒸留塔の段数 ・・・など
  24. ベイズ最適化によるプロセス設計 23 [1] R. Iwama, H. Kaneko, J. Adv. Man.

    Process., 3, e10085, 2021 岩間 稜 8つの目的変数すべてで目標達成! 目的変数の 推移の例
  25. プロセスインフォマティクス(主に推定制御)概要 24 y: 測定が困難な プロセス変数 (濃度・密度など) X: 容易に測定可能な プロセス変数 (温度・圧力など)

    モデリング プロセス変数の 時系列データ 推定モデル y=f(X) X new : 温度・圧力など 濃度・密度 などの予測値 入力 出力 プロセスでリアルタイムに 測定されるデータ 実測値として扱い 運転・制御 フィードバック
  26. ソフトセンサー例 (ポリマー重合プラント) 25 対象としたプラント 三井化学市原工場 ポリマー重合プラント 目的変数y 説明変数X 密度、Melt Flow

    Rate (MFR) 反応器温度、反応器圧力、モノマー濃度、 コモノマー濃度、水素濃度など滞留時間を 考慮に入れた20変数 一つのプラントにおいて、コモノマーの種類や各種ポリマー物性の異なる 多種多様なポリマー製品を製造している
  27. ソフトセンサー例 (ポリマー重合プラント) 26 0 100 200 300 400 500 600

    700 800 900 0.92 0.925 0.93 0.935 0.94 密度[g/cm3] time[min] 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 0.92 0.925 0.93 0.935 0.94 密度[g/cm3] time[min] 51 → 27, 4回目 *: 実測値 ー : 上限下限 ー : ソフトセンサー推定値 ② リアルタイムに密度推定値が得られる ① 密度の値が得られるのは数時間後 時間 時間
  28. ソフトセンサー例 (ポリマー重合プラント) 27 0 100 200 300 400 500 600

    700 800 900 1.9 2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 MFR[g/10min.] time[min] 47 → 51, 6回目 適切なアクションにより迅速に制御可能! 時間
  29. 制御設計:プラントのダイナミクスを考えよう! 28 菅野 泰弘 原料 製品 反応器 センサーごとに、製品に影響するまでの 時間遅れが異なる! プラントの動特性

    (ダイナミクス) 蒸留塔 時間遅れ Y. Kanno, H. Kaneko, Chemom. Intell. Lab. Syst., 203, 104061, 2020
  30. 制御設計:プラントのダイナミクスを考えよう! 29 菅野 泰弘 y モデル構築 y = f(X) プロセス変数

    X 濃度など y ・・・ 温度 1 圧力 1 流量 20 サンプル 0 ・・・ 60 0 ・・・ 0 ・・・ ・・・ 時間 遅れ 1 1 60 60 1 Y. Kanno, H. Kaneko, Chemom. Intell. Lab. Syst., 203, 104061, 2020
  31. 詳しく勉強し、実践してみたい方々へ ✓「Pythonで気軽に化学・化学工学」(丸善) • プログラミングと機械学習の初学者向け • (適応的)実験計画法や化学構造の扱いもあり ⁃ [無料公開] https://datachemeng.com/post-4203/ ✓「化学のための

    Pythonによるデータ解析・機械学習入門」 (オーム社) • 機械学習の初学者向け • 豊富な応用例 (分子設計、材料設計、 ソフトセンサー、異常検出・診断) ⁃ [無料公開] https://datachemeng.com/data_analysis_in_chemistry_ohmsha/ ✓「Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化による データ解析」 (講談社サイエンティフィック) • (適応的)実験計画法 • ベイズ最適化 ⁃ [無料公開] https://datachemeng.com/post-4279/ 30