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20210626ScrumFestOsaka

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m-miura.jp

June 26, 2021
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  1. システム開発を疑似体験するボードゲーム 「ペジテの自転車」 ScrumFestOsaka@Online 2021.6.26 三浦 政司 株式会社レヴィ システムデザイン研究所 鳥取大学 学術研究院工学系部門

    准教授
  2. Copyright levii Inc. All rights reserved. 今日の発表は… 目次 • 背景・目的(+自己紹介)

    • ゲームの紹介 • 実践例・参加者の声 • ゲーミフィケーションについて • 今後の展開とまとめ システム開発の全体像や システム開発の難しさを知るための 導入教材として開発したゲームについて 紹介します。
  3. 背景・目的

  4. Copyright levii Inc. All rights reserved. 自己紹介 三浦 政司 (みうら

    まさし) • 鳥取大学&株式会社レヴィのダブルワーク • ロケットから菌まで、複雑システムなら何でも扱う雑食系研究者 • 鳥取暮らし10年(のうち現在は最後の3ヶ月間を過ごし中) • 趣味は「アリの飼育」「自転車旅行」など • その他のプロフィール&コンタクトは http://m-miura.jp/ @鳥取大学 ロボット・AI・IoTなどを題材に 設計やマネジメントを教える @株式会社レヴィ 独自のフレームワークやツールを 活用して設計人材を育成
  5. Copyright levii Inc. All rights reserved. 設計 マネジメント 方法論 着目した課題

    システム開発の経験がない(or 少ない)学生さんやビギナーエンジニアさんに 設計やマネジメントの方法論やフレームワークを教えようとしても、 その必要性・重要性がわからないから、いまいちピンとこないし、腑に落ちない。 なぜそんなことを 考えるの? なぜそのやり方が いいの?
  6. Copyright levii Inc. All rights reserved. 知ってて欲しいのは… • システム開発の全体像 •

    システム開発の難しさ • システム開発で失敗しやすいところ • よくある課題 どこで転びやすいか? 全体の地図
  7. Copyright levii Inc. All rights reserved. 全体像や難しさをどう伝えるか?:可能なら • 実体験から学べ •

    つくりながら学べ • 学びながらつくれ • 失敗から学べ
  8. Copyright levii Inc. All rights reserved. 全体像や難しさをどう伝えるか?:現実の制約 授業時間の制約 じっくり人材育成 の余裕がない

    失敗できない image from https://nasa.gov
  9. Copyright levii Inc. All rights reserved. そこで提案:ゲームで疑似体験

  10. Copyright levii Inc. All rights reserved. そこで提案:ゲームで疑似体験 • 自転車メーカーの新製品開発チームになりきる •

    顧客満足度の高い自転車を設計することにトライ • システム開発の全体像と難しさを疑似体験する • ゲームだから、楽しく手軽に取り組める • ゲームだから、いくら失敗してもOK
  11. Copyright levii Inc. All rights reserved. 「ペジテの自転車」をつくった目的 システム開発の経験がない(or 少ない)初学者が •

    システム開発の全体像をつかむことができる • システム開発の難しさや落とし穴を実感することができる • システム開発において重要なことは何か?を知ることができる 設計やマネジメントの意義やありがたさが分かり、 方法論やフレームワークを学ぶ準備ができる =導入教材
  12. Copyright levii Inc. All rights reserved. 注意点 • ゲームで疑似体験するだけで、前述の課題が全て解決できるとは 考えていません。

    • この導入教材を使った上で、やはりある程度の実体験や失敗経験が 必要&重要です。 • 初学者向けの導入教材ではありますが、ベテランがプレイしても めっちゃ楽しいです!
  13. ゲームの紹介

  14. Copyright levii Inc. All rights reserved.

  15. Copyright levii Inc. All rights reserved. ペジテの自転車概要 ▪ プレイヤ数3~4人の協調ゲーム ▪

    新製品開発チームのメンバーになりきって、自転車製品の設計開発にトライ ▪ 基本的な行動は ◦ 顧客要求を見ながら必要な機能を考える ◦ リソースを消費して機能を設計 ◦ 隠れた要求を明らかにするための行動 ◦ 最終的に製品をリリースして顧客満足度を評価 ▪ システム開発に関わる様々な言葉や概念が登場 ◦ 顧客要求 ◦ システム要求 ◦ リソース ◦ 要求変更 ◦ コミュニケーションコスト ◦ プロトタイピング ◦ 規制 ◦ 不確実性 ◦ …
  16. ここからはしばらくは、 プレイヤー向けの説明資料で

  17. ストーリー あなたはペジテ社(自転車メーカー)の新製品開発チームの メンバーです。限られた資源を有効活用して、顧客満足度の 高い自転車を設計することを目指します。

  18. 勝利条件 ▪ このゲームは協調ゲームです ※テーブル間での競争はできます。 ▪ ゲーム終了:プレイヤーがリリースを宣言したときまたは       一定のターン数が過ぎたとき ▪ 顧客満足度:(基本的には)顧客要求の達成/不達成から       計算されます

    勝利条件 ゲーム終了時に計算するスコア(顧客満足度)が 一定の値を上回ればプレイヤーチームの勝ち ≧ 6 ≧ 10 シンプル編 複雑編
  19. ゲームをはじめる準備:ボードを並べる 廃棄スペース

  20. ゲームをはじめる準備:機能数インジケーター ▪ 青色のキューブをリリース可能機能数:4のところに ▪ 緑色のキューブを最大機能数:8のところに

  21. ゲームをはじめる準備:資源を配分 資源トークン • 設計開発に投入する資源(リソース)を表現します。 • 一般的に資源には金銭、労力、時間などが含まれます。 • 例えば、 が1人月(1人が1月働くこと)に相当する 資源だと考えてくれてOKです。 ※実際の自転車商品の設計開発に必要な資源との整合性はありません

                                 資源の初期配分 合計30コの資源トークンを等分して下さい。 • プレイヤーが4人の場合:7コ/7コ/8コ/8コ • プレイヤーが3人の場合:10コずつ
  22. ゲームをはじめる準備:山札の準備 • 視点カードを脇において下さい(今回は使わない) •   マークのある行動カードを取り除いて下さい • イベントカードをシャッフルして、上から10枚を 山札ゾーンに置いて下さい •

    他のカード(視点以外)をシャッフルして、山札ゾーンに置い て下さい
  23. ゲームをはじめる準備:規制と顧客要求の初期配置 山札から下記のカードを引いて、目的ビューに配置して下さい。 裏/表と枚数に気をつけて下さい。 • 規制カードを1枚(表) • 顧客要求カードを2枚(表)+2枚(裏)    

  24. ゲームをはじめる準備:スタートプレイヤーと初期ドロー • スタートプレイヤーを決めて下さい。 • スタートプレイヤーから順(時計回り)に初期ドローとして 機能カード2枚と行動カード1枚を引いて手札に加えて下さい。 • このゲームでは基本的には手札を他のプレイヤーに見せないで 下さい。 初期ドロー

    ▪ 機能×2 ▪ 行動×1 ここまで終われば 準備完了です!   
  25. 規制/顧客要求と機能 ▪ 最も基本的なプレイヤ行動は、要求を見ながら機能を配置すること ▪ 上の状態でリリースした場合は、顧客満足度は +3-2 = +1

  26. スコアの例:リリース前

  27. スコアの例:リリース後

  28. スコアの例:計算 × × この例での顧客満足度は -2-2+3+3=+2

  29. ゲームの流れ(ターン) プレイヤー1の手番 プレイヤー2の手番 プレイヤー3の手番 イベントカード ゲーム 開始 ターン

  30. ゲームの流れ(手番) ① ドローフェイズ   機能カードか行動カードのどちらか1枚を山札から引く ② アクションフェイズ

  31. リリース可能機能数 リリース可能機能数 ▪ リリースするために必要な最小の機能数が決められています ▪ ルールセット(シンプル編/複雑編)で必要数が違います シンプル編 複雑編

  32. プロトタイピング プロトタイピング ▪ 設計されている機能カードのうち半分(端数切上)を捨てること で、裏になっている顧客要求カード1枚を表にします。 ▪ リリース可能な最小機能数の機能が設計されていないと プロトタイピングを行うことはできません。 捨てる 表にする

  33. コミュニケーションコスト

  34. スライドではわからないと思うので、 「なんちゃってオンライン版」を 見てみましょう! オンラインホワイトボードツールMiroを使って無理やり再現

  35. シンプル編と複雑編

  36. 複雑システム編について 53 ▪ 利害関係者(ステークホルダ)が多くて複雑な状況だと 要求の数も、機能の数も多くなります。 ▪ 当然、投入資源や開発期間も長くなりますが、 期間が長いということはその間に起こる環境変化を 予測しづらくなります。 ▪

    様々な立場の人が関わると、認識の齟齬が起きたり お互いの意図が対立したりします。 ▪ シンプルなものと比べ、複雑なものをつくるときは、 プロトタイピングが難しくなります。最低限の機能をつくって 統合するだけでも一苦労です。
  37. シンプルシステム編:ルールセット ▪ 規制1/要求(表)2/(裏)2 ▪ 初期リソース合計:30 ▪ 勝利条件:顧客満足度 ≧ 6 ▪

    イベントカード枚数:10 ▪ リリース可能機能数:4 ▪ (初期)最大機能数:8 ▪ 視点カードなし
  38. 複雑システム編:ルールセット ▪ 規制1/要求(表)4/(裏)4 ▪ 初期リソース合計:45 ▪ 勝利条件:顧客満足度 ≧ 10 ▪

    イベントカード枚数:20 ▪ リリース可能機能数:8 ▪ (初期)最大機能数:12 ▪ 視点カードあり
  39. 視点カード ※複雑編のみ 視点カード ▪ 1枚ずつ配布され、お互いに見ることができません。 ▪ リリース時にオープンにして、顧客満足度に加算/減算します。 • 製品開発では様々な視点、側面、立場を考える必要があります。 •

    視点や考え方を共有するのは簡単なことではありません。               
  40. ペジテの自転車からの教訓 • 要求やニーズは最初から全てが明らかになっているわけではない。 • 目的や制約を気にしないと、いらないもの、使えないものが 出来上がってしまう。 • 限りあるリソースの中でシステムを実現しなければならない • どんなに気をつけていても、世の中や環境が

    変わってしまうこともある。 • 状況や対象が複雑になると、いろいろな視点が必要になる。 • 様々な立場や視点があって、しばしば コンフリクトする。 • コミュニケーションにもコストがかかるけど、 コミュニケーションは大事。
  41. 実践例・参加者の声

  42. Copyright levii Inc. All rights reserved.

  43. Copyright levii Inc. All rights reserved.

  44. Copyright levii Inc. All rights reserved.

  45. Copyright levii Inc. All rights reserved.

  46. Copyright levii Inc. All rights reserved. 実践例 大学の授業で イベントで 企業研修で

  47. Copyright levii Inc. All rights reserved. ペジテの自転車ワークショップの流れ レクチャー&ワークショップへ • システミング基礎

    • 上流設計モデリング • 課題抽出ワークショップ • … チュートリアル シンプル編プレイ 複雑編プレイ デブリーフィング
  48. Copyright levii Inc. All rights reserved. ディブリーフィング:テーマ① 「ペジテの自転車」の世界であなたがやったことは何?一文にまとめてみて下さい。 • カードやルールの話ではなく、自転車メーカーの社員としてやったことです。

    • 自分たちの言葉でまとめてみましょう。 • 回答する人を決めておいて下さい。 グループワーク
  49. Copyright levii Inc. All rights reserved. ディブリーフィング:テーマ②~⑥ 66 ② 上手くいったとすれば、どうしてか?

    どんなファインプレーがあったか? ③ 上手くいかなかったとすれば、どうしてか? どのようにすればよかったのか? ④ シンプル編と複雑編でどう違ったか? ⑤ 現実のプロジェクト活動やシステム開発と 同じ/違うと思ったところはどこか? ⑥ 気になったカード、分からなかった言葉 グループワーク 次のテーマ②~⑥について、グループごとに振り返ってまとめて下さい。
  50. Copyright levii Inc. All rights reserved. デブリーフィングで出てくる振り返り例(1) ② 上手くいったとすれば、どうしてか?  

    どんなファインプレーがあったか? • 早いうちにプロトタイピングをやって要求を明らかにした • 行動カードを使ってコストを消費したけど視点を共有した • 規制が緩和されて楽になった ③ 上手くいかなかったとすれば、どうしてか? どのようにすればよかったのか? • 要求が分からないまま最後まで進んでしまった • リリースせずに続けていたらイベントカードで状況が 変わってスコアが下がった
  51. Copyright levii Inc. All rights reserved. デブリーフィングで出てくる振り返り例(2) ④ シンプル編と複雑編でどう違ったか? •

    視点が入ったことが大きい。視点で大きく減点されて しまった。 • プロトタイピングできず、要求カードを表にできなかった。 ⑤ 実際のプロジェクト活動やシステム開発と同じところ、   違うところはどこか? • 同じ)隠れた要求や、要求の矛盾に苦しめられるところ。 • 同じ)無限会議(イベントカード)はほんとにある。 • 違う)カードや視点に相当するものは打ち合わせなどに    よって共有できると思う。
  52. Copyright levii Inc. All rights reserved. 参加者 様々な要求があり、全てを満足するのは難しいことが体感できた。 また、同じ設計に対しても様々な視点があり評価が異なることが再 現されていたことが印象に残った。

    ゲームという親しみやすい媒体で体験できたのでわかりやすかった。 現実と違う部分もあったけど社会人の人と一緒にやることで実際は どうなってるのかなどの話も聞けてよかった。 カードゲームを通して、できる限り多くの要求や顧客の視点での条 件を満たす開発や設計の仕方や行動の行い方を考えて積極的に行う ことができた。また、色々と相談を行うことでプロジェクトがどう ゆう風に進行するのかを模擬的に体験することができた。
  53. Copyright levii Inc. All rights reserved. 参加者の声:ペジテワークショップ+上流設計レクチャー これまでシステムや設計という言葉について漠然としか理解してい なかったことに気づきました。ゲームやモデリングの練習を通して その意味や重要性についてよく分かるようになりました。

    これまでシステム開発の経験が全くなかったので研修についていけ る心配でしたが、ゲームやワークを通して分かりやすく教えて頂い たので、理解することができました。 ゲーム、レクチャー、演習が全てつながっていて感動しました。シ ステムデザインの一連の流れを理解することができたので、これか らの自分の仕事を具体的にイメージできるようになりました。
  54. ゲーミフィケーションについて

  55. Copyright levii Inc. All rights reserved. ゲーミフィケーション ゲーミング 勝負や競技を行うこと。ゲームをプレイすること。 ゲーミフィケーション

    ゲームの仕組みや要素をゲーム以外の分野に応用すること。 Ex.教育、会議、ビジネスなど シリアスゲーム エンターテイメント性ではなく、 社会の役に立つことを主目的としたゲーム
  56. Copyright levii Inc. All rights reserved. 教育用シリアスゲームのメリット ▪ ハードルを下げる、楽しみながら学べる ▪

    他者の視点を取得・理解できる ▪ 自分自身が特定の状況での意思決定を体験することで、 状況に対する理解を深めることができる ▪ 複雑な現実世界の中から、着目するところだけを抜き出して (抽象化して)体験することができる
  57. Copyright levii Inc. All rights reserved. ゲーム教材の例 調達パート 販売パート 宇宙開発体験ゲーム「PERITUS」

    宇宙開発を例題にして 社会と技術の関わりについて学ぶ 前波、三浦(鳥取大) セールスコンテストゲーム 上司役と部下役に分かれて インセンティブ設計について学ぶ 三浦, 白石(鳥取大) レモン&ピーチゲーム 中古車の売買を題材にして 市場における逆選択現象を体験 三浦, 白石(鳥取大)
  58. 今後の展開:オンライン版を開発中

  59. Copyright levii Inc. All rights reserved. 「ペジテの自転車オンライン」開発中!

  60. Copyright levii Inc. All rights reserved. 「ペジテの自転車オンライン」開発中!

  61. Copyright levii Inc. All rights reserved. 「ペジテの自転車オンライン」開発中!

  62. まとめ

  63. Copyright levii Inc. All rights reserved. まとめ • 初学者にいきなり設計やマネジメントを 教えようとしても、ピンとこない

    • そこでシステム開発の全体像や難しさを 知るためのゲーム教材を開発 • 楽しく手軽に、システム開発を疑似体験できる • 導入教材として活用することで、効果的な 人材育成ができた(と思っている) • なんちゃってではない、オンラインプレイ版を 開発中:リリースしたら、みんなでやりたい! contact@m-miura.jp / https://m-miura.jp contact@levii.co.jp / https://levii.co.jp / @levii_sdl
  64. 宣伝

  65. https://levii.co.jp/ システムデザイン研究所 なんでもモデリング教室