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「科学への公衆関与」を議論するための宇宙開発体験ゲーム

Dcd6ae6de2452585b6d18137a4e1cd97?s=47 m-miura.jp
November 05, 2017

 「科学への公衆関与」を議論するための宇宙開発体験ゲーム

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November 05, 2017
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  1. 「科学への公衆関与」を議論 するための宇宙開発体験ゲーム ⿃取⼤学 ⼯学研究科 機械宇宙⼯学専攻 三浦 政司 ⿃取⼤学 地域価値創造研究教育機構 前波

    晴彦 2017.11.05. JASAG2017(秋)@北海道科学⼤学
  2. 発表概要 「科学への公衆関与」に関する導⼊教材と して開発した,宇宙技術を題材としたシリ アスゲーム「PERITUS」について紹介する.

  3. Contents 1. 背景・⽬的 2. PERITUSについて 3. 実践の様⼦ 4. まとめ・課題

  4. 背景① 科学技術と社会  社会に浸透する科学技術  社会に与える影響はますます⼤きく  ⼀⽅で,科学技術は複雑化,⼤規模化  科学技術による社会問題も顕在化

    科学技術の受容や,科学技術に関する 社会的な意思決定のあり⽅の議論が重要
  5. 背景② PUSとPES <⼀昔前> ⽋如モデルに基づく「科学の公衆理解」 Public Understanding of Science: PUS <現在>

    双⽅向的で市⺠参加型の コミュニケーション「科学の公衆関与」 Public Engagement with Science: PES Refer: Science and Society (The House of the Lord 2000)
  6. ⽬的  「市⺠参画に関する議論」と聞くだけ で避けようとする⼈もいる  技術には興味があるけど,政策や社会 的意思決定には興味を向けない⼈もいる  技術はさっぱりわからないから興味ない という⼈もいる

    そういう⼈たちにもアプローチできて, PESに関する議論のきっかけとなる 導⼊教材が欲しい︕
  7. アプローチ︓ゲーム+宇宙教育 ゲーミング  動機づけ,学習障壁を下げる  異なる視点,⽴場をロールプレイ 宇宙教育  宇宙開発は公共政策としての科学技術 の代表的な例

     「宇宙」は幅広い層からポジティブな 興味・関⼼を持たれやすい  市⺠教育に有⽤(百合⽥2013)
  8. None
  9. 1. 背景・⽬的 2. PERITUSについて 3. 実践の様⼦ 4. まとめ・課題

  10. プレイヤのロール 市⺠ 科学技術 政策 研究開発 現実での⽴場 ゲーム中での⽴場 作⽤ 研究開発成果の社会還元 作⽤

    PES  プレイヤは宇宙開発分野の専⾨家に扮する  予算を獲得して技術開発を進め,⾃らの宇宙 ミッションを成功に導くことを⽬指す
  11. 勝利条件  ゲーム終了時に最も多くミッションスコアを 獲得したプレイヤの勝利  ミッションスコアは,ミッションを完成させて 打ち上げに成功すること獲得できる  エンジニアリングカードを集めて特定の組み合 わせを実現すると,ミッションの完成となる

    特定の組み合わせを実現 ⼿札のEカードを 集める 打ち上げ成功す るとスコア獲得
  12. ゲームの流れ(全体) 上半期 P1 の ⼿ 番 P2 の ⼿ 番

    P3 の ⼿ 番 P4 の ⼿ 番 下半期 予算編成
  13. 各プレイヤーの⼿番 1. エンジニアリングカード を3枚引く 2. 予算オーバー分のカード を廃棄する 3. イベントカードを 1枚引く

    4. ミッションが完成した 場合,ロケットを打ち 上げる (ロケットマスのみ)
  14. エンジニアリングカード 技術分野 コスト

  15. Cost1 Cost2 Cost3 Cost4 Cost5 構造系 推進系 電源系 制御系 通信系

    ミッション系
  16. ミッション 特定の規則に沿ってエンジニアリング カードを揃えることでミッションとなる A. 技術実証ミッション 同じ技術分野(⾊)のコスト1〜5を揃える

  17. B. 科学ミッション 同じカードを3枚1組にしたものを2組集める C. 実⽤ミッション 同じコストで異なる5種類の技術分野を集める

  18. 予算による制限  ⼿札のコストの合計 ≦ 予算 になるよう制限  予算を超えた分は破棄しなければならない  予算は「個⼈評価」と「国⺠⽀持」で決まる

     国⺠⽀持の⽅が影響が⼤きい&全体で共通 国⺠⽀持 個⼈評価
  19. イベントカード

  20.  アウトリーチ活動等にエフォートをまわすこと をエンジニアリングカードの破棄で表現  プレイヤが協⼒することで国⺠⽀持を上げる or 国⺠⽀持が下がることを防ぐイベントがいくつか

  21. イベントカード︓他にも...  若⼿研究員採⽤  雑務増加  論⽂採択  リジェクト 

    著書出版  補正予算  重点政策転換  システム設計三須  ロケット打ち上げ延期 など
  22. メインボード 予算編成 下半期 上半期 10年⽬

  23. None
  24. プレイを通して体験できること  研究開発が予算の影響を⼤きく受けること  研究開発が社会の状況や意思決定の影響を 受けること →ゲーム中では現実よりも⼤げさに表現  専⾨家間の⼒学︓競争関係と協調関係

  25. 制作サイドストーリー Machinationを⽤いたチューニング  Machination (Adams&Dormans2012): ゲームメカニクスのモデリングとシミュ レーションをグラフィカルに⾏うことので きるフレームワークおよびツール  PERITUSのイベントカードのパラメータ変

    化量および枚数バランスをMachinationを 使ったシミュレーションにより調整
  26. 「イベントカードによる予算変動」のモデル

  27. None
  28. 1. 背景・⽬的 2. PERITUSについて 3. 実践の様⼦ 4. まとめ・課題

  29. 試⾏的な実践 教員免許更新講習 ⼤学院⽣向けの少⼈数講義の中で

  30. ディブリーフィング  国⺠評価が変わり 過ぎて予算が安定 せず⼤変だった  国⺠評価の低下で 予算が厳しくなっ て,点数の⼩さい ミッションしかで

    きなかった  雑務やアウトリー チ活動で⼤変だな と思った
  31. ディブリーフィング  国⺠評価が変わり 過ぎて予算が安定 せず⼤変だった  国⺠評価の低下で 予算が厳しくなっ て,点数の⼩さい ミッションしかで

    きなかった  雑務やアウトリー チ活動で⼤変だな と思った 科学技術に対する 市⺠参画のありよ うに関する議論に 進⾏できる場⾯も
  32. 印象の変化に関するアンケート Q.宇宙開発,宇宙科学,宇宙⼯学などに関し て抱いている印象について記述して下さい プレ︓ – 夢 – 希望 – 最先端

    – ⾼度な技術 ポスト︓ – お⾦,予算が必要 – 政治,政策 – 社会 – 困難 ※発表者が,アンケート結果で頻度が⾼い⾔葉をピックアップ したものであり,統計的な分析の結果ではない
  33. 「宇宙」で釣る H29教員免許状更新講習「宇宙教育への招待」 ⾃由記述アンケートより(回答⽂ママ) 受講名からイメージしたものと、今⽇の講習の内容に ギャップがありました。専⾨的な宇宙の内容でなかった のはある意味驚きが⼤きかった。同時に、新鮮さがあり、 違う⾓度から科学を⾒れたのは良い経験になった。 「市⺠教育について」…とか、もしタイトルが違うもの であれば受講していなかったと思うので、⼤変いい勉強 になった。

  34. 1. 背景・⽬的 2. PERITUSについて 3. 実践の様⼦ 4. まとめ・課題

  35. まとめ  「科学への公衆関与」に⽬を向け,議論の きっかけとなる教材として,宇宙開発を題材 としたゲームをつくった  ゲームを通して,専⾨家の活動という視点か ら社会と技術の関わりについて考えることが できる 

    試⾏実践から,教材としての⽬的に合致した 展開が可能であることが確認できた
  36. 今後の課題・展望 評価⽅法の検討と評価実験の実施 学校教育,⼤学教育,社会教育 などにおける展開 ゲームマーケット2017(秋)に出展 12/2〜3@東京ビッグサイト <ブース内容>  TATEWARI(京都⼤学,滋賀⼤学) 

    PERITUS(⿃取⼤学)  アートゲーム(⿃取⼤学)