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複雑なビジネス環境における システムデザインを体験するゲーム(JSAI/SIG-BI 15th))

複雑なビジネス環境における システムデザインを体験するゲーム(JSAI/SIG-BI 15th))

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m-miura.jp

March 18, 2020
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  1. 複雑なビジネス環境における システムデザインを体験するゲーム JSAI SIG-BI 2020.03.18@石垣島 三浦 政司(鳥取大学) 萩原 利士成、南部 陽介(株式会社レヴィ)

  2. Copyright levii Inc. All rights reserved. 発表概要 Presentation • 背景・目的

    • ゲームの紹介 • 実践例 • まとめと今後 複雑性や不確実性が大きいビジネス 環境での製品開発について考えるための 導入教材としてシリアスゲームを開発 した。
  3. 背景・目的

  4. Volatility 変動性 V U C A Uncertainty 不確実性 Complexity 複雑性

    Ambiguity 曖昧性
  5. Copyright levii Inc. All rights reserved. イノベーションは右上にある 複雑さ (部品や関係者が多い) 新規性

    より複雑で、より新しい製品やサービスを作っていかねばならない
  6. Copyright levii Inc. All rights reserved. 複雑なシステムで価値探索をする時代 「複雑なシステムをつくる」と「価値を見つけ出す」の両立が必要 ちゃんと動くことを 検証することが重要

    価値があることを 検証することが重要
  7. Copyright levii Inc. All rights reserved. 株式会社レヴィ:VUCA時代のシステムデザインを探求・普及 • JAXA宇宙科学研究所で学んだメンバーが集まって創業 •

    システムデザインの独自フレームワーク「システミング」 を提案し、トレーニング/コンサル/ツール等を提供 • 大阪府立大学、鳥取大学の工学教育にて実践&改善 認識をそろえる 不確実性を減らす システム思考 「価値があること」 を検証する 「ちゃんと動くこと」 を検証する
  8. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムデザインのフレームワーク:システミング システミング 製品・サービスをシステムとして捉えて、 チームで共通のゴールを描きながら価値提供を実現するためのフレームワーク

    様々な立場や観点から見 たシステムについて考え ます。 チームやステークホルダ と認識をあわせながら デザインを進めます。 価値の検証、整合性の検証、 チームやステークホルダとの 合意を大切にします。
  9. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムデザインのフレームワーク:ビューとモデル ビュー = 一度に表現したり理解できないシステムを切り取るための窓

    モデル = ビューに映る内容を文章や図で表現したもの
  10. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムデザインのフレームワーク:システムモデル 10 外部 要素

    システム 外部 要素 外部 要素 外部 要素 物理要素 物理要素 物理要素 物理要素 物理要素 アクション アクション アクション アクション 構成モデル コンテキストモデル アクティビティモデル システムモデル利用のメリット • 理解・伝達のしやすさ • トレーサビリティ • 管理・運用のしやすさ VS
  11. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムデザインのフレームワーク:ビューモデル システムを外から見る システムの中を見る AAA

    ビュー BBB ビュー CCC ビュー DDD ビュー FFF ビュー GGG ビュー HHH ビュー EEE ビュー 整合性 整合性 整合性 整合性 システムを表現する上で考えるべきビューと モデル間で担保すべき整合性を表現する システムをブラックボックスと して捉え、利用者の視点で要求 や 業 務 などを 記 述 するための ビュー システムをホワイトボックスと して捉え、システムの視点でシ ステムの動作などを記述するた めのビュー システムの外と中を繋ぐ境界で あり、変換を行うためのビュー
  12. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムデザインのフレームワーク:不確実性に対処するワークプロセス システムのスコープを分割することで 不確実性を限定し、対処可能にする サブプロジェクトに分割

    アジャイル アジャイル ウォーター フォール スコープ サブシステムに分割 アジャイル アジャイル アジャイル ウォーターフォール 時間 時間
  13. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムデザインを効果的に実践するプラットフォーム

  14. Copyright levii Inc. All rights reserved. (レヴィ式の)システムデザインを学ぶ上での課題点 • 実務の中で暗黙的にやっていることが多く含まれるが、 言葉が一致しない。または言葉を持っていない。

    そのため、解説内容と自分の課題を結びつけることができない。 • 抽象的な概念(システム思考、ビュー、モデル、合意など) とその意義を理解しづらい。 • [学生・新入社員] 実務経験がなく、プロダクト/サービス開発の 全体像が分からないので、システムデザインの話に入れない。 導入教材としてのゲームを開発
  15. システムデザイン体験ゲーム 「ペジテの自転車」

  16. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムデザイン体験ゲーム:ペジテの自転車 製品やサービスの開発の全体像をつかみ、 複雑性や不確実性に起因する問題について 考えることのできるゲーム教材

    • プレイヤ数は3~4人 • 新規製品開発チームの一員になりきって、 開発の全体を体験 • 製品開発やシステムデザインの言葉に触れる • 複雑さや不確実性に起因する問題、 システム思考の必要性などを体験
  17. Copyright levii Inc. All rights reserved. ゲーム中に出てくる言葉・概念 • 顧客要求 •

    システム要求 • 要求と機能 • リソース • 設計資産 • 流用設計 • ステークホルダ • 要求変更 • 仮説検証 • プロトタイピング • 不確実性 • 複雑性
  18. Copyright levii Inc. All rights reserved. ストーリーと勝利条件 勝利条件:ゲーム終了時に計算するスコア(顧客満足度)が      一定の値を上回ればプレイヤーチームの勝ち <ストーリー>

    あなたはペジテ社(自転車メーカー)の新製品開発チームのメンバ です。限られた資源を有効活用して、顧客満足度の高い自転車を設 計することを目指します。 ▪ このゲームは協調ゲーム(テーブル間の競争は定義できる) ▪ ゲーム終了:プレイヤがリリースを宣言したときまたは       一定のターン数が過ぎたとき ▪ 顧客満足度:(基本的には)要求の達成/不達成から計算される
  19. Copyright levii Inc. All rights reserved. ゲームボード

  20. Copyright levii Inc. All rights reserved. 要求と機能とスコア(顧客満足度) ▪ 最も基本的なプレイヤ行動は、要求を見ながら機能を配置すること ▪

    上の状態でリリースした場合は、顧客満足度は +3-2 = +1
  21. Copyright levii Inc. All rights reserved. 結果の例(リリース前)

  22. Copyright levii Inc. All rights reserved. 結果の例(リリース後)

  23. Copyright levii Inc. All rights reserved. 結果の例(スコア計算) × × この例での顧客満足度は

    +3-2-2+3=+2
  24. Copyright levii Inc. All rights reserved. ゲームの流れ プレイヤー1の手番 プレイヤー2の手番 プレイヤー3の手番

    イベントカード ゲーム 開始 ターン
  25. Copyright levii Inc. All rights reserved. リソース • プレイヤはゲーム開始時にリソーストークンを 等分して取得する

    ※シンプル編の場合:合計30を等分 • 機能の設計、行動カードの行使、設計資産化、 コミュニケーション(手札の共有)などのアクションに リソースを消費する
  26. Copyright levii Inc. All rights reserved. 各手番の行動 ① ドローフェイズ  

    機能カードか行動カードのどちらか1枚を山札から引いて手札に加える ② アクションフェイズ
  27. Copyright levii Inc. All rights reserved. プロトタイピング • 設計されているカードのうち半分(切捨)を捨てることで、 裏になっている要求カード1枚を表にする。

    • リリース可能な最小機能数を設計できていないと プロトタイピングを行うことはできない。 捨てる or 設計資産
  28. Copyright levii Inc. All rights reserved. 行動カード • うまく使えばゲームを有利に進めることができるようになる効果を持つ •

    システムデザインにおける各種メソッドに沿って記載
  29. Copyright levii Inc. All rights reserved. イベントカード • 各ターンごとにドローして効果を発揮 •

    要求の変更など、外乱や環境の変化などを表現
  30. Copyright levii Inc. All rights reserved. ルールセット:シンプル編 ▪ 初期リソース合計:30 ▪

    勝利条件:顧客満足度 ≧ 6 ▪ ターン数:10
  31. Copyright levii Inc. All rights reserved. ルールセット:複雑編 ▪ 要求数、機能数、プロトタイピング可能な最小機能数が大幅UP ▪

    初期リソース合計:45 ▪ 勝利条件:顧客満足度 ≧ 10 ▪ ターン数:20 さらに視点カードを導入
  32. Copyright levii Inc. All rights reserved. 視点カード • ゲーム開始時に各プレイヤに配布され、お互いに見ることができない •

    製品開発では、様々な視点、側面、立場を考える必要があることを表現 • しばしば視点の内容が対立するような場面が起こる
  33. Copyright levii Inc. All rights reserved.

  34. Copyright levii Inc. All rights reserved.

  35. 実践例

  36. Copyright levii Inc. All rights reserved. 実践例 大学の授業で イベントで 企業研修で

  37. Copyright levii Inc. All rights reserved. プログラムの全体(企業研修や授業の場合) チュートリアル シンプル編プレイ 複雑編プレイ

    デブリーフィング レクチャー&ワークショップへ • システム思考基礎 • ワークプロセス • システムモデリング • 課題抽出ワークショップ • …
  38. Copyright levii Inc. All rights reserved. デブリーフィング 1) 上手くいったとすれば、どうしてか? どんなファインプレーがあったか?

    2) 上手くいかなかったとすれば、どうしてか? どのようにすればよかったのか? 3) シンプル編と複雑編でどう違ったか? 4) 現実のプロジェクト活動やシステム開発と 同じところ、違うところはどこか? 5) 気になったカード、分からなかった言葉
  39. Copyright levii Inc. All rights reserved. デブリーフィングで出てくる振り返り例① 1) 上手くいったとすれば、どうしてか? どんなファインプレーがあったか?

    • 早いうちにプロトタイピングをやって要求を明らかにした • 行動カードを使ってコストを消費したけど視点を共有した • 規制が緩和されて楽になった 2) 上手くいかなかったとすれば、どうしてか? どのようにすればよかったのか? • 要求が分からないまま最後まで進んでしまった • リリースせずに続けていたらイベントカードで状況が 変わってスコアが下がった
  40. Copyright levii Inc. All rights reserved. デブリーフィングで出てくる振り返り例② 3) シンプル編と複雑編でどう違ったか? •

    視点が入ったことが大きい。視点で大きく減点されて しまった。 • プロトタイピングできず、要求カードを表にできなかった。 4) 実際のプロジェクト活動やシステム開発と同じところ、 違うところはどこか? • 同じ)隠れた要求や、要求の矛盾に苦しめられるところ • 同じ)無限会議(イベントカード) • 違う)カードや視点に相当するものは打ち合わせなどに    よって共有できると思う。
  41. Copyright levii Inc. All rights reserved. 参加者の声、感想 • 様々な要求があり、全てを満足するのは難しいことが体感でき た。また、同じ設計に対しても様々な視点があり評価が異なる

    ことが再現されていたことが印象に残った。 • 多くの要求を満たそうとするほど、システムは複雑になり、シ ステムを構築することが難しくなると感じました。 • カードゲームを通して、できる限り多くの要求や顧客の視点で の条件を満たす開発や設計の仕方や行動の行い方を考えて積極 的に行うことができた。また、色々と相談を行うことでプロ ジェクトがどうゆう風に進行するのかを模擬的に体験すること ができた。
  42. まとめとこれから

  43. Copyright levii Inc. All rights reserved. まとめ • 製品やサービスの開発における複雑性や不確実性に対処する 方法の探求・普及に取り組んでいる(レヴィ)。

    • システム思考、ビューやモデルによる共有、システムモデリ ングなどのアプローチで方法論を整理し、トレーニングなど を提供している(レヴィ)。 • 言葉を合わせる、抽象的な概念に具体例を与える、全体像を 理解する、実務経験の不足を補うなどを目的とした導入教材 としてゲームを開発した。 • いくつかのフィールドで試行実践を行ったという段階であ り、結果の分析や評価などにはまだ取り組めていない。
  44. Copyright levii Inc. All rights reserved. これから • 教育効果の評価 ◦

    ゲーム教材の効果 ◦ 教育プログラム全体の評価 • テーマごとの導入教材 ◦ ワークプロセス ◦ ビュー、モデル、システムモデル ◦ プロジェクトマネジメント 宇宙開発体験ゲームPERITUS(鳥取大学)