■概要
卒業論文では、ネットワーク科学の知見を応用したソーシャルリスニングの手法を提案しました。近年マーケティングにおいて注目が集まるソーシャルリスニングの現場では、tag cloudを用いたテキストデータの可視化が行われています。しかし、tag cloudによる可視化では、単語が置かれていた文脈や単語の出現時間は考慮されず、さらに出現頻度による評価に限界があることが問題として指摘されています。この問題を解消するべく本研究では、単語のつながりを時々刻々と変化するネットワーク(テンポラル・ネットワーク)で表現し、テンポラル・ネットワークの分析手法を適用することで有用な示唆が得られるのではないかと考えました。実際、Instagramの投稿データを分析した結果、使用した分析モデルの妥当性が確認され、統計的に有意なつながりから形成されるネットワーク(バックボーン)を抽出することができました。このネットワークのバックボーンはInstagram上に現れたトレンドに対応すると考えられ、本手法によってInstagramのトレンドをハッシュタグの出現頻度を考慮して文脈を保存したまま、統計的に推定することができると期待できます。
■GitHubリポジトリ
https://github.com/Nagayu71/Instagram-Trend-Analysis.git