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昭和の職場からアジャイルの世界へ ーアジャイルがどう私を変えたのかー くまごろー

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● クリエーションライン株式会社 ● 公安系の公務員→アプリエンジニア ● 札幌在住(去年まで神奈川にいました) ● 好きなもの・関心があるもの ○ 十二国記・蒼天航路・幼女戦記・文化 人類学・フィギュアスケート ・P-MODEL・Riverside @kumaGoro_95 くまごろー

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今⽇話したいこと ● 昭和の職場の世界観で⽣きていた私が、アジャイルとの出会いでどう変わっ たのかの実体験 ● 昔の私みたいな⼈をアジャイルにいざなうには?

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アウトライン 1. 私の経歴‧かつての仕事観 2. アジャイルとの出会い ○ どう変わっていったか 3. 今ふりかえって⾒えてきたこと ○ 過去の仕事観の背景に何があったか ○ なんでアジャイルに馴染めたんだろう ○ そういう⼈をアジャイルにいざなうには

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前置き ● 現場の公務員だった私の体験談がメインです。あくまでN=1として捉えてい ただければ ● もしかしたら他のレイヤー‧組織‧業界では当てはまらないこともあるかも しれません

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私の経歴‧かつての仕事観

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私の経歴 ● ⼤学卒業後、公務員(公安職)として6年勤務 ● ⼀念発起して2021年5⽉にアプリエンジニアに ○ 初の会社はアジャイルで開発している事業会社 親も公務員

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公務員時代の仕事観 ● 割り振られた業務を失敗なくこなすことが⾃分の仕事 ● 降りてきた計画は守らないといけないもの ● 他の部署の仕事に⼝を出すのは失礼 ● 仕事とは苦しくて⾟いもの。苦しい中に楽しさを⾒つけるのが⼤事

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アジャイルとの出会い

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アジャイルとの出会い ● 事業会社への転職がきっかけ ● ⼊社前に読むよう⾔われた本で「アジャイ ル」という⾔葉を知る ● ⼊社後はスクラムチームに配属。 私のアジャイル⼈⽣が始まった。。。

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どう変わっていったのか

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スプリントレトロスペクティブの衝撃 ● 良かったことや課題を話し合ってチームをよくしていく「反省会」ではない 場 ● 「こうしてみよう」がたくさんでてきて、しかもすぐ実⾏される 「私たちの判断だけでやり⽅を変えていってもい いんだ」

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⼀⽅で、スプリントプランニングでは⼾惑いも ● ゴールを⾃分たちで決めると⾔われても...優先度の⾼いタスクから消化して いけばいいんだよね? ● スプリントごとに計画を⽴てる必要性がいまいち理解出来ない 今思うと、「仕事=⽬の前のタスクを⽚付ける」という世 界観だった

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スプリントレビューでの気づき 最初は「成果物がうまく動くか、合格点をもらえるか試験される場」だと思って 緊張していた

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スプリントレビューでの気づき ● でも実際は、デモをみてわかったこととか、プロダクトの⽅向性についての コメントが⾶び交う前向きな場だった ○ 「実際動かしてみるとこういう課題があるんだね」 ○ 「将来こういうこともやりたいから、今はこうしておこう」 「失敗を回避するより、実際に⾊々やって学びを 得ることが⼤事なんだ」

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スプリントレビューでの気づき ● そして、⾃分の知らない視点があることを知った ○ 「どう作るか」ではなく「なぜ作るのか」 ○ プロダクトを作ることで、どんな価値を⽣み出していきたいのか ○ 価値を⽣み出すために部署間で協働するということ → ⽬の前のタスクを⾒るだけの世界から、「プロダクトの未来」が遠くにある 世界に変わった

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成⻑を感じたインセプションデッキ ● ⼊社して半年くらいたった頃に実施 ● ここまででいろんな気づきがあったおかげでプロダクトの⽬的や⽅向性を考 えられるようになっていた

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⾃分の考えの変容(⼤体1年くらいで) Before After 仕事なんだから失敗してはいけない。失敗し ないことに努力を払う 失敗から得られる学びや気付きがいい仕事 につながる 与えられた計画は完遂しないといけない 計画はゴールと現状に合わせて更新していく もの 仕事は苦しいもの。義務を果たすために耐え る 価値にコミットしてると思えると仕事はこんな に楽しい 他部署の仕事に口を出すのは失礼 価値創出には組織を横断して協働することが 大事だよね → 同じ⼈間と思えないくらい、世界の⾒え⽅が変わった

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そもそも、なんで昔の⾃分はああだっ たんだろう

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昔の⾃分の世界観に背後にあったもの ● 挑戦はリスクを背負うこと ○ 仕事のやり⽅を変えるのは失敗のリスクがある ● 失敗しないために苦しみを受け⼊れる ○ 新しいことをやって失敗するくらいなら、時間と体⼒を費 やして実績のあるやり⽅を維持する → とにかく、何かを変えることに恐怖があった ※安全に深く関わる仕事な ので、慎重にならざるを得 ない⼀⾯もある

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昔の⾃分の世界観に背後にあったもの ● 壁に囲まれているような感覚があった ○ 壁の外は絶対に動かせない「定数」 ○ 計画や⽅針は「降りてくるもの」 ● 実際そんなことはなかったはずだけど、外の世界 を変えるには多くのステップが必要だった → どれだけ頑張っても⾃分の⼒が及ぶ範囲はものす ごい狭いという感覚があった 私の⼿が届くの はこの範囲だけ という感覚

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「何をやるか」ではなく「どうやるか」 ● 仕事の⽬的に関われない分、与えられた仕事の質を上げることで貢献 しようとしていた ● 組織や戦略は⾃分には変えれない、だから⾃分の持ち場で良い仕事を しようという気持ち → 価値よりも「業務」それ⾃体が⾃負⼼の源だった

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そういえば、アジャイルに触れた頃はこんなことに苦しんでたな ● やり⽅を変えることへの拒否感 ○ 今でもやりたいことは出来てるのになんで? ○ 今のやり⽅なら私が⼀番得意なのに。。。 ● 「仕事で苦しむこと」から抜け出せない ○ 仕組みを変えれば楽できるのに、変えるという発想に辿りつかない ○ ⾃分の苦しみにもメンバーの苦しみにも気づけない ● 「こうすればもっとよくなりそう」に気づけない ○ 全部「そういうものだ」と受け⼊れてしまう

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では、なぜ私はアジャイルに馴染めたんだろう? ● アジャイルを触れるのと同時に全く新しい仕事に就いた ○ 諦めの気持ちがなかった ○ 業務に対する⾃負⼼がなかった ● 別世界の話だったけど、実践と理論を交互にやったのでなんとか飲み込めた ○ 実践しては本を読み、少しずつ噛み砕いていけた ○ 理論をいきなり流し込まれたら無理だったかも ● ⾃分の価値観が否定されていると感じることがなかった

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私みたいな⼈をアジャイルにいざなうなら ● ふりかえりからやってみるのが胃にも⼼にも優しいなあ ○ 「⾃分たちで変えていける」実感 ○ 失敗を避けるのでなく、やったことから学びを得る体験 ● 関⼼を業務プロセスから価値へ ○ 最初は「価値」という視点が本当になかった ● アジャイルを背中で語る ● 脳の動きが変容するには時間がかかる

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Thank You!