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明日から真似できる! ケース別データ可視化のノウハウ 2022-02-09 DataEngineeringStudy #12 hase-ryo

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メルカリグループで ・スマホ決済サービス立ち上げ時のデータ分析、データ分析基盤開発 ・データマネジメント専任チームの立ち上げ、拡大 ・データガバナンスの推進 などやってました。 2021年からデジタル庁にJoin。個人、住所、法人、制度などの 社会を構成する基礎的なデータを”使える”状態にする開発など担当 発表者の紹介 長谷川 亮 / hase-ryo デジタル庁 / Digital Agency of Japan シニアデータスペシャリスト 元は社内wikiに書いていた内容が yuzutas0パワーにより書籍になった例 → データマネジメントの入門にどうぞ データマネジメントが 30分でわかる本

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本発表で想定するターゲット ● データを運ぶことが主務のデータエンジニア ○ データパイプラインの設計、ソフトウェア開発が主務 ○ こんなこと言われた人 ↓ ■ 「明日からダッシュボードも作って」 ● データの民主化に挑戦するデータアナリスト ○ 個別案件の分析と、そこから得られた知見の発表が主務 ○ こんなこと言われた人 ↓ ■ 「データの民主化!わかりやすいダッシュボードを作って 」 ● あるいは上記に類するデータの可視化がミッションの人

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本発表で持ち帰ってほしい知見 ● 相手の背景・目的を想定してデータを可視化すること ● ケース別の伝わりやすいグラフの例

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今回は2つのケースを想定して可視化のノウハウを紹介 ● 相手の背景・目的を想定してデータを可視化すること ● ケース別の伝わりやすいグラフの例 ↓ データの可視化を望んでいるクライアントは・・・? CASE 1 : 事業をGrowthさせたいマーケティングの人 CASE 2 : 事業の健全なOperationを担うカスタマーサポートの人

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CASE 1 : Growth編

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クライアントの想定 : 事業をGrowthさせたいマーケティング部の人 ● Growthのための施策立案・実行が主務 ● 事業の成長を表すKPIをトラッキングしたい ● KPIを見ながら施策の立案や既存施策の調整を行う

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クライアントの想定 : 事業をGrowthさせたいマーケティング ● Growthのための施策立案・実行が主務 ● 事業の成長を表すKPIをトラッキングしたい ● KPIを見ながら施策の立案や既存施策の調整を行う ↓ クライアントがデータから知りたい事実は何か? 1. 事業が成長していること 2. 今行っている施策の着地

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事業の成長を表す可視化とは? ● とりあえず棒グラフ?

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事業の成長を表す可視化とは? ● 棒グラフも悪くはないが、尺度の変化に弱い ● ↓どちらも成長していることはわかるが・・ ○ どれくらいと言われるとパッと見でわかりずらい

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事業の成長を表す可視化とは? → 比率で表そう ● 成長とは「ある時点と別の時点の比較」 で認識できる→安定するのは「比率」 ● 比較したい時点同士の実数 / 実数 で比率を出す ○ 今年の数値 / 去年の数値 = 今年の成長率として100%を基準とした比率で表現できる ● 端的に表すなら数字のみ掲載もわかりやすい

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「比率の時系列変化」を知りたいときは折れ線グラフ ● 折れ線グラフは「線の傾き」で変化を表すグラフ ● 比率の変化を傾きの上向き/下向きでわかりやすく可視化できる ● 「成長率は年々加速している」「鈍化している」等の事実を表現しやすい

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比率を可視化できるとき、実数も必ず可視化できる ● 比率だけでなく実数が必要な状況はたくさんある ● 実数 / 実数で比率が出ているので、折れ線グラフが書けているならば、 ローコストで実数の棒グラフも追加できるはず

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事業が成長している/していないのはなぜ?に答える可視化 ● 次はトップラインの数字の「要因」を知りたくなる ● 細かく見るには? → 「積み上げ棒グラフ」で色分け 

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積み上げ棒グラフの応用 ● アクティブユーザーを登録時期ごとに色分けした積み上げ棒グラフ ● ユーザーのサービス離れを可視化できる ○ ミルフィーユ図や根雪図と呼ばれることも。層が美しければユーザー離れが少ない

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ダッシュボードのイメージ

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施策のKPIの着地を表す可視化とは? ● まず、「KPIの着地」とは何か ○ 事業計画を数字で表したもの → 「望ましい到達点」 ○ 「N月時点でXXXのユーザーを獲得」など ● 実際に知りたいのは「未来の数字がいくつになるか」 = 「着地点」

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未来を予測させる可視化 → 時系列の棒グラフ ● 時系列の棒グラフや折れ線グラフに目標数字を入れてみる ● グラフの傾向から着地点を予想することができる

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折れ線グラフのほうが見やすい場合もある ● 短い期間を比較しながら施策の立ち上がり方を調整する場合は折れ線グラフのほ うが見やすい ○ 前日との比較、前週との比較を続けながら施策を調整したいパターン

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ダッシュボードのイメージ TOP KPI Growth Campaign(2022/01~)

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CASE 2 : Operation編

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クライアントの想定 : 事業の健全な運用を担うカスタマーサポート ● 日々発生するユーザーからの問い合わせ対応や定形の運用業務が主務 ● 運用負荷をKPIとしてトラッキングしたい ● KPIを見ながらチームのキャパシティプランニングなどを行う

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クライアントの想定 : 事業の健全な運用を担うカスタマーサポート ● 日々発生するユーザーからの問い合わせ対応や定形の運用業務が主務 ● 運用負荷をKPIとしてトラッキングしたい ● KPIを見ながらチームのキャパシティプランニングなどを行う ↓ クライアントがデータから知りたい事実は何か? 1. 運用業務のキャパシティが十分足りていること 2. 優先対応が必要な案件の数と対象

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キャパシティを表す可視化とは? ● まずは舞い込んでくる総件数が必要 ● 実数が大事なので棒グラフ x 時系列で表す

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キャパシティを表す可視化とは? ● 実際に対応した件数が総件数を上回ることはない ● 対応済み件数も棒グラフで並べて可視化してみる ● 総件数と対応済の棒の高さが同じ = キャパシティが足りている状態

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危険な徴候をキャッチできるようにする ● 総件数 > 対応済の状態が長く続く = 運用業務の滞留が起きている!

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未消化の案件のみ表示する手もある ● 案件消化の滞留が起きたときわかりやすい

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もう一つ、キャパシティ計測に必要なこと ● 総件数 = 対応済 ● 一見すると問題ないように見えるが・・?

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対応にかかる時間も重要な要素 ● 一件あたりの業務にかかる平均対応時間を時系列で追ってみる ● 平均対応時間の増加 = 複雑で時間を要する案件が増えてきている可能性

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発生頻度に波があるパターン ● 時系列の棒グラフで可視化してみると波が表れることがある ● 特定の曜日・時間に集中するパターンが見えてくる

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曜日 x 時間の表に濃淡をつける可視化 ● 表も立派な可視化 ● いつごろ大きな波がくるのかを可視化できる ● 特定の曜日だけ対応要員を増やす、などの柔軟な対抗策を検討 できる

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優先的に処理したい案件の可視化 ● 優先的に処理したい案件が発生することも ● 滞留が起こって長く待たせているユーザーがいる場合など・・

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優先的に処理したい案件の可視化 ● 時として可視化よりレコードそのままが求められることもある ● 今のステータスは何か?などがわかる

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ダッシュボードのイメージ 滞留状況 件数トレンド

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まとめ

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一番大事なこと クライアントがデータから知りたい事実は何か? ● これを想像するのが一番大事 ● 「XXXのデータが見たい」という依頼はよくある ● データが見たいのではなく、データから事実を知りたがっている ↓ ● 相手の知りたい事実を想像したり、直接聞き出そう ● 知りたい事実がわかってから、表現するための可視化を考える

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おまけ デジタル庁も採用してます ● https://www.digital.go.jp/recruit/career ● データ系人材も募集中 ● 日本国に貢献してみたいパワフルな方を募集中 ○ データ分析プロジェクトも始まりました note