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都市交通政策の復権を求めて ~活性化再生法時代をいま振り返る~ 一般財団法人計量計画研究所 何玏(カロク) [email protected] 1

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自己紹介 何玏(カロク) 32歳 ⚫ 両親は中国出身、本人は1991年大阪生まれ、 山口県山口市育ち ⚫ 2016年 東京大学大学院工学系研究科社会基 盤学専攻修士修了 ◼ 文系+地理学+土木工学の人です ⚫ 一般財団法人計量計画研究所 現在に至る ⚫ 主な職務 地方自治体の公共交通計画の策定 支援 ◼ 小山市地域公共交通計画の策定支援 ◼ 前橋市、仙台市、静岡市、浜松市…… ◼ 国交省の調査業務も担当 2

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今日のテーマ ⚫市民団体はLRT導入への機運醸成に重 要な役割 ⚫コンサルタントの立場から、自治体が 直面している状況を紹介。 ⚫今後の各地域でのLRT運動の展開に役 立てていただく。 3

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なぜ、LRT整備が進まないのか 財源不足だから? 法制度に問題点があるから? 独立採算という原則があるから? 4

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国費と地方財源の混同による混迷? 「LRTに対する財源が不足」 ⚫ そもそもLRT整備=都市公共輸送機関建設・運営は地方の問題 ⚫ 国庫で認められるにはハードルが高い。国庫補助が少ないのは当たり 前(むしろ今はその中では頑張っている方) ⚫ 地方財政の中でねん出をもっと考えるべき。 ◼ 道路予算の再配分もよし、超過課税もよし、軽自動車税の活用もよし 「日本の公共交通は独立採算原則が原則」 ⚫ 都市交通行政サイドの自主規制のようなものと理解すべき。 ⚫ 法的には、日本は公共交通運営費補助は欧州よりも出しやすい国。 三セク鉄道・コミバスは堂々と欧州並み赤字補助金運営。 ⚫ 都市交通行政が「行政はインフラ整備まで。運行は民間独立採算」と 自主規制しているだけ。 ⚫ 運営費補助の理論と実務はコミュニティバスに学べ。 5

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国費と地方財源の混同による混迷? 6 https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/819/5-01.pdf

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地方自治体の判断に着目して 7 一般財源 包括 補助金 特定補助金 自主財源 一般補助金 その自治体の分野別のやる気・方針 自治体の施策 自治体のいろんな財源 計画行政の出番 国補助 使い道自由← →使い道固定 国の誘導弱← →国の誘導強 ライトライン公式サイト

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子育て支援を見習え 国費なしで自治体同士が特色ある支援策を競い合い 8 明石市市政ガイド2022

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公共交通に「乗り気でない」自治体 「社会資本整備総合交付金や定住自立圏構想に関連する措置といった、 地域公共交通に使途が限定されない包括補助金の、地域公共交通分野 での活用は極めて少ない。」(山本卓登・何玏2023「市町村における地域公共交通政 策の財源認識と運用の実態 :市町村アンケートを基に 」(交通学研究第67号)) 9 自治体が公共交通政策に活用している財源措置

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問題は制度よりも交通計画にあり? 財源・制度の問題はそれほど 深刻ではない 地方自治体が、いかに財政をLRT 建設+運営に回すかが肝心 地方自治体にLRT建設+運営への財政支出を決 意させるような交通計画が作られているかど うかが問題なのでは? 10 本日は、LRTの普及が進まない背後には、都市交通の交通計画が作ら れにくくなっていることがあるという観点からお話しします

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都市交通、 まだやってますか? 11

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都市交通政策とは 12 富山県高岡市 撮影:(公財)とやま環境財団

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渋滞はまだまだ深刻な社会問題 13 第1回 地域交通フォローアップ・イノベーション検討会 配付資料5

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都市交通政策とは 14 「集約型都市構造の実現に向けて」

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都市交通政策とは 公共交通が 無いから… ⚫ 自由に移動できなくて困る 15 クルマ中心のまち だから… ⚫ 渋滞に巻き込まれて困る ⚫ 交通事故が多発して困る ⚫ 大気汚染騒音公害で困る ⚫ 中心市街地が空洞化して困る ⚫ 市街地が拡散して都市維持費用 が増えて困る ⚫ 温室効果ガスを排出して困る

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葛飾区 人口44万 「住民主体」 「グリーンスローモビリティ」 16 https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20231005b.html

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横浜市 人口373万 17 https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/sonota/sougouteki_idou.files/0003_20220704.pdf

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横浜市 人口373万 18 https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/sonota/sougouteki_idou.files/0003_20220704.pdf

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千葉市 人口97万 19 「千葉市地域公共交通計画」

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千葉市 人口97万 20 「千葉市地域公共交通計画」

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我孫子市 人口13万 21 我孫子市HP

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我孫子市 人口13万 22 我孫子市HP

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国土交通省 23 全 319事例 9% 都市交通問題の解決の事例としてカウントしたもの= 概要文から、目的として、自家用車交通の削減、渋滞緩和、温室効果ガス削減(類似例可)、 スプロール化防止、コンパクトシティ形成のいずれか一つでも読み取れるもの 都市交通問題 の解決の事例

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都市交通と生活の足 24 都市交通としての 公共交通 生活の足としての 公共交通 福島交通HP、東急バスHP

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都市交通と生活の足 25 都市交通政策を追求していれば、生活の足を独自に追求する必要はない 都市交通 生活の足 超ざっくり言えば

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なぜ都市交通が 置き去りに 26

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なぜ都市交通が置き去りに 27 結論から言えば 公共交通の改善効率化・持続化が 自己目的化したから。 公共交通の存続意義を説明しやすい「生活の足」に傾斜 なぜこうなったかをお話します。

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なぜ都市交通が置き去りに 28 都市交通問題 の解決 生活の足の 問題の解決 公共交通の 提供 本来の 政策目的 手段

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なぜ都市交通が置き去りに 29 最大公約数化の進行 都市交通問題 の解決 生活の足の 問題の解決 公共交通の 改善効率化 効果 近年の 政策目的

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もともと分かれていた 生活支援の交通 都市の交通 30

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地域公共交通概念の類型化 行政用語「地域公共交通」≒不採算で公的関与が必要な公共交通 不採算公共交通は、目的も手段も異なる2領域に分かれる 31

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地域公共交通概念の類型化 行政用語「地域公共交通」≒不採算で公的関与が必要な公共交通 不採算公共交通は、目的も手段も異なる2領域に分かれる 32 政策領域 生活支援交通 都市交通 主に発揮させる 公共交通の役割 代わりに運転する人が いること まとめて運ぶこと 取組の基本路線 (代表的な考え 方の例) • マイカーの削減は目 指さない。 • マイカーを自由に使 えない住民の活動機 会の確保のために、 個別的な輸送サービ スを供給する。 • 利便性の高い公共交通 サービスの供給により、 マイカーを削減する。 • あわせて、マイカーを 自由に使えない住民の 活動機会の確保を図る。 対象とする区域 過疎地 都会

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都市交通政策とは 公共交通が 無いから… ⚫ 自由に移動できなくて困る 33 クルマ中心のまち だから… ⚫ 渋滞に巻き込まれて困る ⚫ 交通事故が多発して困る ⚫ 大気汚染騒音公害で困る ⚫ 中心市街地が空洞化して困る ⚫ 市街地が拡散して都市維持費用 が増えて困る ⚫ 温室効果ガスを排出して困る

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近年の地域公共交通活性化再生政策 34

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2006年頃まで 都市交通・生活の足にバランスよく政策が展開 35 生活の足 ⚫ 地方バス路線維持費補助 (国交省自動車局) ⚫ 地方バスに関する特別交付税措置 (総務省) 都市交通 ⚫ オムニバスタウン整備総合対策事業 (3省庁連携、国交省自動車局)

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2007年 活性化再生法登場 都市交通・生活の足・公共交通活性化にバランスよく政策が展開 36 生活の足 ⚫ 地方バス路線維持費補助 (国交省自動車局) ⚫ 地方バスに関する特別交付税措置 (総務省) 都市交通 ⚫ オムニバスタウン整備総合対策事業 (3省庁連携、国交省自動車局) ⚫ 都市・地域総合交通戦略(2008-) (国交省都市局街路課) 公共交通の活性化 ⚫ 地域公共交通活性化再生法 ⚫ 地域公共交通活性化・再生総合事業 (国交省総合政策局交通計画課)

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2007年 活性化再生法登場 都市交通・生活交通を問わず、公共交通に関する 革新的取組の後押しをするための法律と補助制度 ⚫「正解は地域にある」(当時の行政官) ⚫計画策定に2000万円補助 ⚫国交省が選定した”成算のある計画”に 対して1/2補助を3年間実施 ⚫LRTを可能にする規制緩和と財政措置 37 基本法ではなく、あくまで「単発の活性化・再生を支援する」ための 選別主義的な法律と補助制度 薄く広くではなく、 有望地域への重点補助。 「頑張る地域応援制度」

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2009年 事業仕分け 事業仕分け 38 生活の足 ⚫ 地方バス路線維持費補助 (国交省自動車局) ⚫ 地方バスに関する特別交付税措置 (総務省) 都市交通 ⚫ オムニバスタウン整備総合対策事業 (3省庁連携、国交省自動車局) ⚫ 都市・地域総合交通戦略 (国交省都市局街路課) 公共交通の活性化 ⚫ 地域公共交通活性化再生法 ⚫ 地域公共交通活性化・再生総合事業 (国交省総合政策局交通計画課)

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2011年 補助制度改正 「生活の足を守るために創意工夫を凝らす」仕組みの補助制度に 39 生活の足 ⚫ 地方バス路線維持費補助 (国交省自動車局) ⚫ 地方バスに関する特別交付税措置 (総務省) 都市交通 ⚫ オムニバスタウン整備総合対策事業 (3省庁連携、国交省自動車局) ⚫ 都市・地域総合交通戦略 (国交省都市局街路課) 公共交通の活性化 ⚫ 地域公共交通活性化再生法 ⚫ 地域公共交通確保維持改善事業

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2011年 補助制度改正 「生活の足を守るために創意工夫を凝らす」仕組みの補助制度に 40 生活の足 ⚫ 地方バス路線維持費補助(国交省自動車局) 都市交通 ⚫ オムニバスタウン整備総合対策事業 (3省庁連携、国交省自動車局) 公共交通の活性化 ⚫ 地域公共交通活性化再生法 ⚫ 地域公共交通確保維持改善事業

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2014年 活性化再生法改正 「生活の足を守るために創意工夫を凝らす」仕組みが基本的交通計画 法に格上げ 41 生活の足 ⚫ 地方バス路線維持費補助(国交省自動車局) 都市交通 ⚫ オムニバスタウン整備総合対策事業 (3省庁連携、国交省自動車局) 地域公共交通網形成計画の策定 ⚫ 地域公共交通活性化再生法 ⚫ 地域公共交通確保維持改善事業

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政策目的の最大公約数化 生活の足を守るための補助制度を、公共交通活性化の仕組みに付け替 えたことによって起こったこと ⚫ 生活の足を守る手段は、公共交通の活性化再生(創意工夫) ⇔過疎地の生活の足は権利として守るべきなのに!? ⚫ 公共交通の活性化再生の目的は、生活の足を守ること ⇔都市交通も大事なのに!? 42 目的は普遍主義、手段は選別主義。 地域公共交通活性化再生行政は目的と手段がねじれた結びつき方に。

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活性化再生行政のねじれた「出世」 ⚫ 選別主義的な「頑張る地域応援制度」(2007年) ⚫ 選別主義的な「頑張る地域応援制度」の看板と 普遍主義的な「生活の足の維持」を接続 (2011年) ⚫ 前項のねじれを「まちづくりと連携した交通計画制度」として都市 部にも適用(2014年) ◼ 選別主義的看板だから国はアウトカムまでは責任を持たない ◼ 普遍主義的中身だから国は手引書や補助要綱で自治体を制御 43 国と地方の対等で無い関係

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2020年 地方バス国庫補助と連動化 地域公共交通計画=地方バス向け国庫補助の支給効率向上のために立 てるもの 44 ~2019年 2020年~ 地域公共交通活性化再生法 ⚫ 地域公共交通確保維持改善事業 ◼ 系統国庫補助 (地方部の生活の足補助) ◼ 調査事業 (地域公共交通計画策定補助) 改正地域公共交通活性化再生法 ⚫ 改正地域公共交通確保維持改善事業 ◼ 系統国庫補助 (地方部の生活の足補助) ◼ 調査事業 (地域公共交通計画策定補助) 調査事業を使って、生活の足補助を無視し て、都市交通の計画を作ることが可能だっ た。 地域公共交通計画策定が努力義務化され、 その効果は「地方部の生活の足補助がもら えること」となった。 一応は別物 補助と計画の連動化 策定努力義務化

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2020年 地方バス国庫補助と連動化 都市部の自治体も、 「自らに課せられている交通政策は、 国の地方部の生活の足補助の獲得による生活の足確保だ」 と理解するようになった。 45 フィーダー補助の獲得! 地方運輸局長の交通空白地認定 ブロック単価 生産性向上目標! 収支率の自己評価ABCを国に提出 第三者評価の受審 それ、全部地方部の生活の足補助の話です 都市交通関係ありません 努力義務化された 地域公共交通計画 策定で得られる国庫補助事業は 地方部の生活の足補助 LRTはどこか遠くへ…

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都市公共交通では国庫補助をあてにしてはいけない ⚫ 地域公共交通確保維持事業 ◼ 地域間幹線系統国庫補助 ◼ 地域内フィーダー系統国庫補助事業 ⚫ 地方バスに関する特別交付税措置 46 • 1972年創設の地方バス国庫補助制度に由来する補助で、あくま で「廃止されかけている過疎地の赤字路線を守るための補助」。 • 過疎地の赤字ネットワークにおける「幹線とフィーダー」。 名前に騙されてはいけない。 • だから、「幹線」といっても1日輸送量150人以下が補助対象。 • 2002年のバス規制緩和時に、民営バスが撤退するような過疎自 治体を考慮して拡充された制度。 • 財政措置の対象は「輸送量150人以下」の赤字バス路線。

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近年の地域公共交通活性化再生政策 曖昧な政策目的 ⚫ 多様な交通手段 ⚫ 外出支援 ⚫ 外出促進~介護予防、医療費促進 ⚫ 行動変容 ⚫ おでかけを楽しくする ⚫ クロスセクター効果 ⚫ やったら手柄にはなるが、やらなくても責任を問われない「ふわっ と」した政策目的 ⚫ 「生活の足」という規範の確立が必要ではないか。 47

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近年の地域公共交通活性化再生政策 あまりにも多い「地域公共交通政策」の政策趣旨 ⚫ 住民の足を守る ⚫ 公的補助有り公共交通事業の効率性を高める ⚫ 事業者の経営効率化を促す ⚫ 既存事業者の経営を保護する ⚫ まちづくりと連携した都市公共交通 ⚫ 公共交通の技術革新 ⚫ 「地域公共交通」という縦割りになっている。 公共交通を上位の政策目的別に縦割りしたほうがよい? 48

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努力賞と化す地域公共交通 ⚫ 本来、赤字公共交通に公的負担をする論拠は、 都市交通なら「外部経済」、生活の足なら「経済的公正」で 説明できる。 ⚫ そうした説明を怠ってきた結果、「現に改善努力を尽くしている」 という頑張りを根拠に、赤字公共交通の存続を説明できる状態に。 「努力賞」として存続を認められる地域公共交通 ⚫ 国の本来の役割: 自ずと当事者が創意工夫するような動機付けをすること。そういう 仕組みにすること。 ⚫ 国が実際に果たしている役割: 国自身が考える創意工夫の正解を自治体に展開すること。 外部注入された「創意工夫」に追い立てられる政策領域に。 49

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個別改善策の展開 50 都市交通と無関係に行われる 紐付き補助金をあてにした 1年限りの実証実験の数々

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都市交通政策の復権を 求めて 51

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現状 「生活の足を守るために創意工夫を凝らす」仕組みの補助制度に 52 生活の足 ⚫ 地方バス路線維持費補助(国交省自動車局) 都市交通 ⚫ オムニバスタウン整備総合対策事業 (3省庁連携、国交省自動車局) 公共交通の活性化 ⚫ 地域公共交通活性化再生法 ⚫ 地域公共交通確保維持改善事業

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理想像は2008年以前? 都市交通・生活の足・公共交通活性化にバランスよく政策が展開 53 生活の足 ⚫ 地方バス路線維持費補助 (国交省自動車局) ⚫ 地方バスに関する特別交付税措置 (総務省) 都市交通 ⚫ オムニバスタウン整備総合対策事業 (3省庁連携、国交省自動車局) ⚫ 都市・地域総合交通戦略 (国交省都市局街路課) 公共交通の活性化 ⚫ 地域公共交通活性化再生法 ⚫ 地域公共交通活性化・再生総合事業 (国交省総合政策局交通計画課)

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都市計画行政の制度を使おう 公共交通活性化行政ではない、都市交通の政策体系が今でもある 54 生活の足 都市交通 ⚫ 総合都市交通体系調査 <パーソントリップ調査> (国交省都市局都市計画課都市計画 調査室) ⚫ 都市・地域総合交通戦略 (国交省都市局街路課) 公共交通の活性化 オムニバスタウンの代わりになる事業はありませんが…

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パーソントリップ調査 55

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重要キーワード「交通手段分担率」 EUのSUMP持続可能な都市モビリティ計画の策定と実施のためのガイドライン(第2版) 「交通手段分担率を見ればどんな都市かがわかる」というと大げさに聞こ えるかもしれないが、ある意味では的を射ている。 都市全体の交通手段分担率の目標値を持つことは、持続可能な交通手段へ のシフトにとって非常に価値のあることである。 例えば、ロンドンは、2041年までに住民の全トリップにおける持続可能な 交通手段(徒歩、自転車、公共交通)の交通手段分担率を80%に引き上げ るという野心的な目標値を設定している。(日訳100P) 56 交通手段分担率を調べているのが「パーソントリップ調査」です!

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重要キーワード「交通手段分担率」 57 交通手段分担率を調べているのが「パーソントリップ調査」です! 転載許可:にゃんこそば様 (X@ShinagawaJP) データ出典:全国都市交通特性調 査(H27)の都市別指標

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都市・地域総合交通戦略 日本で一番SUMPに近い計画体系 ⚫ 趨勢値からあるべき姿へのバックキャスティング 58 国土交通省都市局2022「都市・地域総合交通戦略のすすめ(令和4年改訂版)」より作成

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あなたの街では 59 ⚫都市交通をテーマにした交通計画は立てられて いますか? ⚫都市交通計画は道路整備のみ、 公共交通は地域公共交通計画にお任せ ――という縦割りになってはいませんか? ⚫公共交通分担率向上目標はありますか?

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LRT普及のために必要なこと 国庫補助メニュー依存から脱却し地方の独自戦略を。 私見/僭越ですが: 60 ステークホルダー やるべきこと 専門家 (土木の大学教員、 建設コンサル) ⚫ 国の計画制度や特定補助金に対して第三者的距離感を保ち、地 域に寄り添ったソリューションを提示すること。 ⚫ LRT導入判断に資する科学的研究を蓄積すること。 LRT推進市民運動 ⚫ 生活の足に偏りすぎた都市自治体の目線を、都市交通側に向け てもらうよう働きかける。 ⚫ 納税者の共感を得るために戦略的に動く。 ◼ そのためには、交通機関の姿ではなく、LRTによってめざ す「まちと暮らしの姿」を提示しなければ共感は得られ ないのではないか。 ◼ 公共交通目的化、鉄軌道中心主義を克服し、「都市交通 計画」の学説と体制を運動の武器として使う。 ◼ 土木の大学教員や建設コンサルを運動サイドが雇って 「使う」アプローチがあってもよいのでは。 自治体関係者 ⚫ 国の縦割りの計画制度を相対化してとらえ、国の政策メニュー に依存せずに政策立案する。

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