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テンショク・ジャーニー 航海士だった僕が、SaaS企業でエンジニアとして働き始めるまで 渋谷でビール片手にLT会! - 第3木曜LT会 - 新奥大介(株式会社SmartHR) 2024/03/21

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自己紹介 新奥大介 / パナマ運河を通峡した唯一の日本人Webエンジニア 大学卒業後、航海士を約5年間経験 カリブ海、インド洋、パナマ運河など文字通りの大海原を駆け巡る Web系受託開発企業へエンジニアとして転職 エンジニア兼プロジェクトマネージャーの何でも屋として2年半勤務 2023年6月に人事・労務向けSaaSを提供するSmartHRに転職 初めてのスクラム開発を楽しんでいる

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はじめに 何を話すのか 航海士からエンジニアになった自身のキャリアをZennで記事化(昨日公開) 名著「カイゼン・ジャーニー」のオマージュです せっかくなので、かいつまんでLTにします なぜ話すのか 僕がLTをすると、だいたい自己紹介スライドが一番どよめく だったらいっそのこと自分のキャリアをLTにしてしまえ どこかの誰かに1mmでも気付きが与えられたらな、という思いもある

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テンショク・ジャーニー 航海士だった僕が、SaaS企業でエンジニアとして働き始めるまで

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航海士になってから辞めるまで 文系の大学生から航海士になった理由 他の人がしたことのない経験をしたい 誰もが見たことのない景色を見たい 5年間続けた航海士を辞めた理由 家族・友人と離れて半年以上生活する勤務体系に適応できなかった 乗船中に起きた家族内でのトラブルをキッカケに退職 関連職種への転職もせず海運業界から去ることを決断

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航海士を辞めたあと 転職活動失敗 法人営業の仕事を半年程度で短期離職 試用期間終了後の正社員転換・給与UPされるという約束が反故にされる そこに文句を言えないほど無能な自分、何の引き止めもなくすんなり退職 転職失敗理由の振り返り 強い興味を持てない仕事ではとことん努力ができない性格 基本スペックは低いので興味がない仕事では"できそこない"になってしまう 時間をかけてでもやりたい仕事を見つけることを決意 27歳、無職になる。

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エンジニアリングとの出会い 航海士時代のモヤモヤ ルーティンワークが大半、でも業務効率化が進まない 通信が超低速であり、オンラインツールは導入不可 ニッチすぎる職種であり、IT化が加速しない 業務効率化に挑んだ記憶 Excelで関数を使って「なんちゃって船上便利ツール」を作成 同僚・友人に使ってもらった良い思い出 多くの人を幸せにするツールを作れたらめちゃくちゃかっこよくない? プログラミング、エンジニアリングへの興味の入口

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業務未経験からのエンジニア転職 半年間の学習で行き着いた自分なりのスタンス ポータブルスキル 船上で培ったチームビルディング力と危機管理能力 作りたいもの 「やりたくない仕事」をシステムで自動化し、多くの人が「本当にやりたい 仕事」に集中する時間を獲得できるアプリケーション キャリアの志向性 (長期的)リーダーシップやマネジメントスキルを活かして働きたい (短期的)それを活かせるだけの背骨となる技術力を早く身に付けたい 28歳にして、Web系受託開発企業にエンジニア1年目として入社

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Web系受託開発企業での師匠との出会い 最初のプロジェクト、沈没しそうなチーム 要件定義書・コード・顧客からのSlackコメント、どれも少しずつズレがある 自身のタスクで精一杯、他メンバーの状況に気を配るような余裕ゼロ 「機能同士の繋がりが崩壊したアプリケーション」 として顕在化 師匠との出会い 役職は会社の技術部門トップ、案件の立て直しのためPjMとしてアサイン 面接や仕事での姿勢で目をかけてもらい入社直後にPjM補佐に誘ってもらう 師匠の元、案件の立て直しに注力

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プロジェクトの立て直し アプリケーションの完成定義を擦り合わせ 今あるアプリケーションを顧客と見ながら「これが全てDoneになればアプリ ケーション完成」と言える状態にチケットリストを整備 チーム状況の見える化 自身に割り当てられたタスクはエンジニア本人が責任を持って見える化する ことでチームの状態を健全化 クライアントと開発エンジニアをつなぐ タスク管理ツールのコメントでこちら側の開発者と顧客側の担当者が直接や りとりできる体制作り

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アプリケーションのリリース、そして案件継続? リリース 師匠がプロジェクトマネージャーを務める新体制になってから半年後、本来のリリー ス予定からは3ヶ月以上遅れるも、無事にアプリケーションを本番稼働 プロジェクトを師匠から引き継ぎ 同一アプリケーションのリリース後の機能開発案件を師匠から引き継ぐ 突然のプロジェクト打ち切り 顧客側役員が突然のプロジェクト打ち切り決断、やるせない思いのままチームが解散

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会社から求められる役割と抱く理想のギャップ エンジニア兼プロジェクトマネージャーとしての日々 受託開発においてプロジェクトを成功に導く能力が伸びていく 顧客から思い通りの回答を得るための誘導力 タスクを細分化して開発リソースをフル稼働させるための緻密な計画力 自社が不利益を被らないための契約書の作成能力 クライアントからのちゃぶ台返しリスクを最小化するための議事録作成能力 エンジニアになったときの理想を思い出す 僕が作ったアプリケーションは誰かを幸せにしているのか?

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誰かを幸せにするアプリケーションを作るために 熱量を持ったエンジニア達との出会い スタートアップキャリアフェア Startup Aquarium で出会ったSaaSエンジニアたちの 「俺たちが世界を変えるんだ!」という熱量に圧倒される SaaS企業への転職活動 誰かを幸せにするアプリケーションを作る、という理想に少しでも近付ける環境を求 めて現職(SmartHR)に入社 31歳にして初めてSaaSの開発というものに携わる

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受託開発時代とのギャップ 開発スタイル スクラム開発の手法や、アジャイル的な思想に馴染むのが苦労 コーディングスキル 可読性・保守性・効率性の全てを妥協しないメンバーとの差に愕然 凝り固まったマインドセット 自身の仕事をオープンにすることへの躊躇・恐怖

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乗り越えるべき壁 開発スタイルのギャップの解消方法 スクラムを用いて正しくプロダクトを開発しようという社内の文化 どんな疑問にも反応を示してくれたし、正しい方向に導いてくれた コーディングスキルの向上方法 メンバーの支えにより日々少しずつ成長している実感 定期的なモブプログラミング & 丁寧なコードレビュー 凝り固まったマインドセットの修正方法 HRTに溢れたメンバーとの長期的なチーム開発 メンバーに対する信頼感が日々増していく 気付けばメンバーとスクラムをしながらプロダクト開発を楽しんでいる自分がいた

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誰かを幸せにするアプリケーションを作れるようになったか? 答えは「NO」だ。今はまだ。 チームのメンバーと一緒に 毎週のスプリントを全力で駆け抜け ユーザーの求めるものは何なのかを必死で考え チームとして強くなるための方法を常に模索していく 僕らの作ったものが誰かを幸せにすることができた、と思える日が来ることを信じて

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ご清聴ありがとうございました、体験版はここまでです 体験版LTバージョンでは登壇時間の関係上、省略した箇所がございます。 全て楽しみたい方は製品版Zennバージョンでお楽しみください。(なんと無料です) テンショク・ジャーニー —航海士だった僕が、SaaS企業でエン ジニアとして働き始めるまで—