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ふわっとはじめるSSOT SSOT for Communication Design Single source of truth TOKYO 2024.8.28 SmartHR コミュニケーションOps @sekig

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もくじ 自己紹介 1. SmartHRでの実践例 2. 実践例からわかること 3. SSOTってなんだっけ 大事なことは?

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コミュニケーションデザイン?

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自己紹介

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関口 裕 株式会社SmartHR ブランディング統括本部 ブランドデベロップ メント本部 コミュニケーションOps 株式会社コンセント → 株式会社日本デザインセンター → 現職 ’ インダストリアルデザイx ’ エディトリアルデザイン/グラフィックデザイx ’ ウェブデザイx ’ アートディレクション/クリエイティブディレクション タイポグラフィ/パブリッシング/情報設計/半公共

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ブランディング統括本部 内で最適化 プロダクトデザイン統括本部 コミュニケーション デザイン領域 プロダクトデザイン本部 アクセシビリティ本部 SmartHR デザイン組織の模式図

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コムデ領域 サポート プロダクト 総務 経理 採用・人事 カスタマー サクセス マーケ ティング セールス 広報・PR etc.

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本日お持ち帰りの内容

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本日お持ち帰りの内容 SSOTの考え方で、 不定型な仕事に強くなる

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1. SmartHRでの実践例 SmartHR コミュニケーションデザイン領域での実例

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SmartHR Design System

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SmartHR Design System

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SmartHR Design System PR https://bnn.co.jp/products/9784802512480

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デザインリソースの構造化と展開

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デザインリソースの構造化と展開

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テンプレートの配布(施策担当者が直接関与できる)

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チームごとのダッシュボード(協同ワークスペース)

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チームの稼働管理

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(非同期で同期的なコミュニケーション)

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2. 実践例からわかること 実例から見えないこと

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ふわっとしている 目新しくはないかもしれない。あたりまえ、といえばあたりまえ? 組織で協働している時点で、みんな何かしら「とりまとめ」はやっている 大事にしていることはなんだろうか?

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デザインシステムだよね、それはそう デザイン領域を前提にすれば、デザインシステムの取り組みこそSSOT。 デザインシステムやりましょう! それはそう。 そのうえで、日頃の細々した業務をどうやって、よりよく、やっつけるか? sekigのブラウザのアドレスバーのサジェスト内容。deと入れるだけで自社のデザインシステムにアクセスできる。

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ふわっとやりたい、SSOT

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コムデ領域、単一・正確であることを求めづらい… コミュニケーションデザインの業務領域では、 ベストプラクティスが少なく、非定型の業務がとても多い ※適用できる範囲が狭く、コンテンツに紐づくため抽象化しづらい やれ…で出来るなら苦労はない! 共通言語化や共通リソース化も、その要件定義自体に悩みがち。 結果、メンバー個人がその場の雰囲気でとりまとめてしまうことが多くなる。 ※その場を進めちゃったほうが早い問題

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とあるメンバーの言葉

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とりあえず “会場” つくっときました! とあるメンバーの言葉

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とりあえず つくっときました! “会場” 捉え方が直感的。自分たちにメリットがあることを前提にした、身体性のある語彙

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とりあえず つくっときました! URL

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思い出してほしい、ウェブのことを まず、ステークホルダーにURLを提供する(会場を作る)ことができないかを検討してみる。 URL (Uniform Resource Locator) とは、インターネット上の固有のリソースのアドレスのこと。 — 信頼でき˜ — 一意で˜ — いつでも参照できる “会場”を提供することが、 信頼できる、関連性のある、参照可能なデザイン(業務)を提供することの第一歩。

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厳密性はあとで まず空間を区切る。 まず大きく情報を区切れていれば、その後の調整はすべてカイゼン対象になる。 整えることやその正しさをゴールにしない。 p Figmaのファイルの立て‰ p スプレッドシートのタd p 画像の命名規則 それ、まとまってるの? わかるとこにある?

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重要なのは使われること 難しく考えず、「とりあえず必要なものはここにある」が実現できているかを考える。 全社と言わず、まずプロジェクトチームから。 極論、URLになっているか?が重要。空間を区切って、いったん整理してみる。
 参照しやすければ、ディレクションもはかどる。メンバーは情報を知りたいだけ。 SSOTを目的化しない。

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3. SSOTってなんだっけ なぜいいのか、Single source of truth

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信頼できる唯一の情報源(Single source of truth) SSOTシステムは、信頼できる、関連性のある、参照可能なデータを提供する。

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なぜいいのか SSOTシステムは、信頼できる、関連性のある、参照可能なデータを提供する。

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なぜいいのか SSOTシステムは、信頼できる、関連性のある、参照可能なデータを提供する。 ア ク セ ス し や す い か 自 分 に 関 係 あ る か 情 報 が 確 か ら し い か

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なぜいいのか SSOTシステムは、信頼できる、関連性のある、参照可能なデータを提供する。 関連の強さ + 参照の容易さ = 信頼性 情報の確からしさ ※因果関係は逆 アクセスしやすい 自分に関係ある

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なぜいいのか: 使われるシステムは信頼される SSOTシステムは、信頼できる、関連性のある、参照可能なデータを提供する。 関連の強さ + 参照の容易さ = 信頼性 使われる=「システム自体の」信頼性が高まる 情報が確からしい アクセスしやすい 自分に関係ある ※因果関係は逆

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なぜいいのか: 信頼されるシステムは使われる 信頼できるSSOTシステム 信頼できる! メンバー 情報源

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なぜいいのか: 信頼されるシステムは使われる 信頼できるSSOTシステムは、使われる。 メンバー メンバー メンバー バー 情報源 メンバー メンバー メン

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SmartHR Design System 再掲 使われる

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SmartHR Design System 再掲 使われる

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デザインリソースの構造化と展開 再掲 使われる

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テンプレートの配布(施策担当者が直接関与できる) 再掲 使われる

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チームごとのダッシュボード(協同ワークスペース) 再掲 使われる

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チームの稼働管理 再掲 使われる

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(非同期で同期的なコミュニケーション) 再掲 使われる

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なぜいいのか: システムが使われる環境は負荷が低い あらゆるデザイン(企業活動)において、効率的に、正しく情報(リソース)を扱うことは前提。 使われるSSOTシステムは、「勝手に」効率的な状況を作る。 コミュニケーションコストを下げ、ベストプラクティスへのアクセスを最短にする。

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なぜいいのか: システムが使われる環境は負荷が低い あらゆるデザイン(企業活動)において、効率的に、正しく情報(リソース)を扱うことは前提。 使われるSSOTシステムは、「勝手に」効率的な状況を作る。 コミュニケーションコストを下げ、ベストプラクティスへのアクセスを最短にする。 レギュラーな事象を最小コストで処理することができる

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なぜいいのか: システムが使われる環境は負荷が低い あらゆるデザイン(企業活動)において、効率的に、正しく情報(リソース)を扱うことは前提。 使われるSSOTシステムは、「勝手に」効率的な状況を作る。 コミュニケーションコストを下げ、ベストプラクティスへのアクセスを最短にする。 レギュラーな事象を最小コストで処理することができ、 イレギュラーな事象へ向き合う余力を生み出す。

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なぜいいのか: 負荷が低い環境は、変化に強い 効率的な状況は、非効率な事象への対応ができる環境。 これは、コミュニケーションデザイン(企業活動)において、とても重要。 問われることが多いのは定型的な処理の効率化だが、 デザイン職能が最も価値を発揮するのは、不定型で難しい課題への、仮説の提供。 定型 不定型

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なぜいいのか: 信頼できる唯一の情報源がある環境は、 不定型な仕事に取り組む前提条件

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まとめ 大事なことは?

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なぜいいのか: 信頼できる唯一の情報源がある環境は、 不定型な仕事に取り組む前提条件

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SSOTの目的は効率化? いいえ、違います これは効率化の話ではない。それは手段であって、目的ではない。 手段: SSOTシステムは、信頼できる、関連性のある、参照可能なデータ(デザイン/業務)を提供する。 目的: よりデザインの価値を発揮できる、非定型な課題へ向き合う環境を作る。

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なんのためのSSOT? レギュラーな事象は最小コストで処理することができ、 イレギュラーな事象へ向き合う余力を生み出す、環境を作る。 SSOTの考え方は、間違いを減らし、コストを下げる。 そして、厳密な事象と曖昧な事象の間に線を引き、区別することができる。 ただの混沌ではなく、曖昧さの解像度を高めることができる。 曖昧でないものは外部化(システム化)し、曖昧を曖昧なまま処理可能な環境。 人がより人間らしくふるまうことを許容する環境。

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ふわっとやろう、SSOT いきなり完璧、は無理。 みんなにとって有益な“場”をつくって、まわる状況を作ろう。 デフォルトとイレギュラーの判別が、誰にでも、容易にできるようになると、 より発揮すべき価値に労力を割くことができる(休憩も増える)。

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あいまいで、答えのない、 難しい問題に集中するんだ。

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ありがとうございました。