Slide 1

Slide 1 text

1 ホ ラ ク ラ シ ー

Slide 2

Slide 2 text

2 概 要

Slide 3

Slide 3 text

3 ホラクラシーは、組織をうまく運営するためのオペレーションシステム( OS)である! ホラクラシーはティール組織(=自律的に進化し続ける組織)を実現するための組織運営手法の1つです。人を組織するのではなく、仕事を体系化することを目的としていま す。 階層やコンセンサスに頼ることなく、主体的、自立的、能動的に同僚との関係性の中 で動き、働くシステムがある 自主経営(セルフマネジメント) 1 誰もが本来の自分で職場に来ることができ、同僚・組織・社会との一体感をもてるよ うな風土や慣行がある 全体性(ホールネス) 2 組織全体が何のために存在し、将来どの方向に向かうのかを常に追求しつづける姿 勢を持つ 存在目的(エボリューショナリーパーパス) 3 3つの特徴 「ティール組織」の具体的な実現方法を提案しているのが「ホラクラシー」である!

Slide 4

Slide 4 text

4 野球に例えましょう|「球技」という大枠ではなく「野球」という実践です > 球技=ティール組織 野球=ホラクラシー 「球技」であるためには、ボールを使うことや得点の獲得を争うこ となど条件があるように、「ティール組織」にもいくつかの特徴が あります。 左記のような特定の特徴をもつ “モノ” をいかにして実現するのか、そ の具体的なルールを定めたのが野球であり、ホラクラシーです。(アジャ イルとスクラムの関係とも同じです )

Slide 5

Slide 5 text

5 野球に例えましょう|「球技」という大枠ではなく「野球」という実践です  ルールあります! 憲法という名のルールがあります。 共通認識の元、楽しくプレーする にはルールが必要です。 アウトはいつでも3回までなのです。 コーチいません 誰かに指導されたり、 管理されることはありません。 一人ひとりが問題を感知し、 対応していきます。 作った人がいます! アメリカ人のブライアンさんが 提唱しており、彼の会社である HolacracyOne社にて憲法の改修が 日々行われています。 ちなみに野球は1839年にアブナー・ダブルディーという アメリカ人により作られたそう ポジションが超明瞭です ここからここまでの範囲はどのポジションの ボールなのかをきっちり定めます。 グラウンド整備も大事なお仕事です。

Slide 6

Slide 6 text

6 こうしてティール組織を作り上げていく 「役割」を明確にすることにより権限が分配され、「憲法」という名のルールの中で自由に行動し、自律的に進化し続ける組織になっていきます。 ● 「人(Soul)」と「役割(Role)」を分離して、人間への暗黙の期待を失くす ● 今この瞬間の違和感を感知し対応する能力こそが、経営資源 特徴的な考え方

Slide 7

Slide 7 text

7 ロ ー ル の 理 解

Slide 8

Slide 8 text

8 企業に必要なすべての役割を定義したものが「ロール」 企業(やチーム)の目的のために必要なすべての役割を定義したものがロールです。それぞれのロールが自身の役割を果たすことによって、企業が前進していくという非常 に合理的な考えです。 企 業 ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール ロール 未 来 ロールは、職種の概念とは異なる 例えば、人を採用をしたい場合には「人事が必要」なのではなく、「採用する役 割」さらには「面接する役割」が必要と考えます。こうすることで、 “仕事の曖昧 さ” を回避することができます。 「人(Soul)」と「役割(Role)」を分離する あくまでも企業にとって必要な役割を洗い出し、その一つ一つの役割に対して 担う人がいるという考え方をします。これにより、「人」に対しての暗黙の期待が 消滅します。 すべてのロールは、一つひとつ定義される どのロールが何を目的に何をしているのかが、誰が見ても分かるよう定義付け します。これにより、ロールのやるべきことだけではなく、やる必要のないこと (断るべき仕事)も明らかになります。

Slide 9

Slide 9 text

9 Aさん Aさん 目的:勝利に導く投球をすること 責務:投球をする / Pゴロを取る / Pライナーを取る 領域:投球 / ピッチャーマウンドから半径 1m以内 担当:Aさん ピッチャーロール 目的:点を稼ぐバッティングをすること 責務:強打を打つ 領域:4番 担当:Aさん 4番バッターロール 野球に例えましょう|「 4番ピッチャーエースの〇〇君」はいません

Slide 10

Slide 10 text

10 ロールが明文的に定義されることにより、暗黙の期待を消滅する 目的:ロールが、追求もしくは作り出す成果物 (能力や可能性も含む) 領域:そのロールがもつ独占的な領域 (権限やリソース、プロセスなど) 責務:目的を達成するための具体的な活動内容 ロールは、下記の目的・領域・責務のうち少なくとも一つ以上が定義されます。これらを明文的に定義することで、どんなロールが何の目的で何をしているのかが明らかにな るので、情報を聞きたい時や仕事を依頼したい時に迷うこともなくなりますし、気負ったり、過度に気を使ったりする必要がなくなります。 目的 目的 責務 責務 領域 領域 ロールA ロールB 「職種」や「立場」のような曖昧な定義により生まれてしまいがちな 「暗黙の期待」を抱かない/抱かれないことにより、シンプルに目的  に邁進できる。 暗黙の期待とは例えば、、 ● ◯◯さんならもっとやってくれると思ってた ● この仕事は新人がやるべきだ ● △△の職種ならあれもやるのが一般的だろう ● ××さんは断れないだろうからこれもお願いしよう 「暗黙の期待」が消滅する 福利厚生の企画・浸透ロール 目的:適切な福利厚生を導入し、パートナーの働きやすい環境を作ること 領域:全パートナーの福利厚生の企画・浸透 責務:・適切な福利厚生を企画する    ・福利厚生の導入可否をバックオフィスと検討する    ・導入後、周知・浸透させる ex.

Slide 11

Slide 11 text

11 野球に例えましょう|誰が取るべきボールか分からないボールはない  守備範囲(=目的・領域・責務)の境界線をしっかり明確 にしておくことで、誰が取るべきか(=誰の仕事なのか) 分からないといった問題を防ぐことができます。 ピッチャーに「レフトフライとってくれると思ってた」なんて 思うことはないですよね。大袈裟ですが、そういうことで す。 もし誰にも取れないボールがあれば、そこに新たなポジ ションを追加すればいいのです。 “グラウンド整備は新人がやるものだ”という暗黙のルー ルを暗黙に守る必要もありません。 守備範囲は被らず明確に 1 2 3 4 5 6 7 8 9

Slide 12

Slide 12 text

12 ひ ず み の 理 解

Slide 13

Slide 13 text

13 ひずみは、「あるべき姿」と「今の姿」との間に感じるギャップの感覚 ひずみは誰しもが納得するであろう論理的な「問題」ではなく、不満や不快、不便など違和感を感じるところから始まります。何かが潜んでいるシグナルである可能性が高い ので、無視せずに向き合い、ひずみとして表出させましょう。他のロールが同じひずみを感じることはないはずなので、処理できるのは自分のロールだけです。 我慢すると、組織は成長の機会を失う ロールとして権限を持って目的に向かって邁進していく中で、大小さまざ まな「引っかかり」が存在すると思います。これまでは我慢したり、不満を 貯めていたかもしれませんが、それではそのひずみが解決されることがな いため、組織は前進する機会を失ってしまいます。 一人間としてのあなたではなく、組織のロールとして目的達成のためにひ ずみを提示しているだけに過ぎないので、察知したひずみにはしっかり向 き合いましょう。 ひずみの処理は会議でしか処理できないわけではないので、すぐに動け るものは動いてしまって問題ありません。意見を聞きたいとか、共有した いなどでもOKです! 目的 ひずみ 処理 ひずみ 処理 ひずみ 処理 ロール

Slide 14

Slide 14 text

14 野球に例えましょう|選手が自ら課題を察知し、処理していくことでチームが強くなる 自分が取りに行くべき じゃなかった イップスかも … サインがバレてきた から変える! よろしく! 無理せずしばら く交代しよう XXの守備範囲 にしよう! 坊主にすることと 強くなることは相関がない! たしかに! スコアを書く人が 決まってない! 決めよう!

Slide 15

Slide 15 text

15 ひずみの提起 最終的な解決策までは考えなくても良いですが、「何が必要か」までは必ず考えておかなければなりません。 ひずみは「話し合うトピック」ではなくて、処理が可能な具体的な内容です。 コーポレートサイト管理ロール ※責務として、コーポレートサイトの改修に取り かかっている (より魅力的なコーポレートサイトにするために、 サービス紹介のページがいまいち…) ◯ アプリのキャッチーな 100字程度の   紹介文が必要です! ✖サービス紹介ページがあまりパッと  しないと思いませんか? 営業ロール ※責務として、過去のアタックリストから掘り起こ して営業している ( 過去のデータより最新のデータを見せた方 が、獲得率が上がるのではないか) 「提案時にアプリの  最新データが必要です!」 →最新データを持っているデータ分析ロー ル に、営業当日にデータを出してもらう 責務の 追加を検討してもらうことで合意 マーケティングロール ※責務として、広告のクリエイティブ作成を外注 している ( 外注したクリエイティブに統一感がなく、これで いいのだろうかと不安 ) 「クリエイティブに統一感を持たせる  仕組みが必要です」 →デザインロールがガイドラインを作成 する ことを提案し、そのタスクを担う ことで合意 次ページ以降でも説明していきますが、ひずみ提起のタイミングは ①業務中いつでも ②タクティカルミーティング ③ガバナンスミーティング です。 Case1 Case2 Case3 ※ 話し合うトピックを提示して  しまっている

Slide 16

Slide 16 text

16 ロ ー ル の 義 務

Slide 17

Slide 17 text

17 すべてのロールには共通の義務があります 当たり前に感じられるようなことではありますが、しっかり義務だと認識することで常にやることが明確になります。 ひずみを処理すること ロールの目的と責務に関して、現状と理想の状態を比較し、ギャップ (=ひずみ)を見つけ出す義務がある。 ひずみを特定したら、それらが解決するよう努力する責任がある。 「ネクストアクション」と「プロジェクト」を明示して  目的と責務を処理すること 以下を明示することにより、ロールの目的と責務をどのように実現していくか 常に考える責任がある。 1 2 プロジェクトをブレイクダウンすること 自分のロールが遂行中のプロジェクトに対して、それぞれ定期的にネクストア クションを定義する責任がある。 3 (a) 「ネクストアクション」:優先順位を考慮しなければ、すぐに行動に移すこと ができる有用なアクション (b) 「プロジェクト」:優先順位を考慮しなければ、目的の実現を前進させること のできる有用な具体的な成果 プロジェクト・ネクストアクション・ひずみを 追っていくこと 自分のロールの全てのプロジェクトとネクストアクションをリストに書き出して、 進捗を追っていく責任がある。ひずみに関しても、解決したいものが最低でも プロジェクトかネクストアクションに落としこまれるまでは、進捗を追わなけれ ばならない。また、これらのリストを定期的に見直し、更新することで、ロール の仕事に対する信頼できる情報源として維持する責任もある。 4 憲法
 ネクストアクションを考え、実行すること そのロールとして行動する時間がある時はいつでも、取るべきネクストアク ションについて考え、組織に最も価値を提供できるものを実行する責任があ る。 5 憲法原文は こちら 5.0βの翻訳はこちら

Slide 18

Slide 18 text

18 野球に例えましょう|未経験でピッチャーに立候補したら? 目的:チームを勝利に導く投球をすること 責務:投球をする / Pゴロを取る / Pライナーを取る 領域:投球 / ピッチャーマウンドから半径1m以内 ピッチャーロール ひずみを処理すること 1 バッティング練習のために闇雲に投球し続けると肘を 壊しそうなので、マシンを導入したい ... 「ネクストアクション」と「プロジェクト」を明示して  目的と責務を処理すること 2 PJ:次の試合で3回まで投げられるようにする NA:フォームを整えるために録画してみる プロジェクトをブレイクダウンすること 3 フォームの確認が終わったので、 次はたくさん投げて体に染み込ませます! プロジェクト・ネクストアクション・ひずみを 追っていくこと 4 プロジェクトとネクストアクションは 常にここの掲示板に最新のものを 張り出しておきます!! 監督はマシンを購入 してくれただろうか? ネクストアクションを考 え、実行すること 5 打たせない投球をするために 次すべきことは・・・・・・

Slide 19

Slide 19 text

19 他のロールとの協調のルールがあります|透明性の義務 パートナーとして、あなたは組織内のロールの要求に応じて次のように透明性を確保する義務があります。以下は基本的にタクティカルミーティングで共有される可能性が高 いです。 組織のために記録している全てのプロジェクトとネクストアクションを共有し なければならない。 憲法
 a プロジェクトとネクストアクション 自分のロールのプロジェクトやネクストアクションと、あなたの注意を引くあ らゆる物事の相対的な優先度の判断を共有しなければならない。(あらい ざらい全てのタスクの優先度の共有ってこと!) b 相対的な優先度 自分のロールのあらゆるプロジェクトやネクストアクションがいつ完了する かの見積もりを提示しなければならないが、これは現状や優先順位を考慮 した大雑把な見積もりで十分である。詳細な計画は必要ないし、この見積 もりを厳守する必要もない。 ガバナンスによる定めがない限り、この見積もりが変わったとしても、それ を守ったり、見積もりを伝えた相手に報告したりする義務もない。 c 見積もり ロールもしくは組織のパートナーとして、繰り返し行われるタスクが完了している か確認する必要がある。これらの確認を定期的に共有することを要求されれば、 彼らにとって有用でないとあなたが思う時まで続ける必要がある。 d チェックリスト項目 ロールもしくは組織のパートナーとしてあなたが抱えているあらゆる指標を共有し なければならない。これらを定期的に共有することを要求されれば、彼らにとって 有用でないとあなたが思う時まで続ける必要がある。 e 指標 最後に共有した時以降の、自分のロールかロールのプロジェクトの進捗の概要を 共有しなければならない。これらを定期的に共有することを要求されれば、彼らに とって有用でないとあなたが思う時まで続ける必要がある。 f 進捗状況 すぐに提供可能で、共有しても問題ないその他の情報を何でも共有しなければなら ない。 g その他の情報

Slide 20

Slide 20 text

20 他のロールとの協調のルールがあります|処理の義務 憲法
 以下のように、あなたはメッセージや要求を迅速に処理する義務がある。 他のパートナーは、あなたのいずれかのプロジェクトやあなたのロールの いずれかの責務の次の段階を明らかにするよう依頼することができる。も し実行できるネクストアクションがある場合、その中から取り組むものを決 め、伝えなければならない。ない場合は、ネクストアクションを実行するた めに何を待っているのかを共有しなければならない。(次何するのか教え て!ってことですね◎) a 明瞭化の要求 他のパートナーは、あなたのロールに具体的なネクストアクションやプロ ジェクトを引き受けるよう依頼することができる。その依頼が、優先順位を 考慮しなければ、あなたのロールが引き受けることが理にかなっていると 考えられる場合は、その依頼を引き受けなければならない。 もし引き受けないのならば、その理由を説明するか、代わりに依頼者の目 標を達成すると思われる別のものを提案する必要がある。 ※これちょっと難しいのが、 「次はこれやったらどう?」みたいな提案はちょっと違 うのかなと…あくまでも自分のロールとして行動している中で、他のロールにやっ て欲しいことがある場合に要求するのがいいと思います。むしろ、なんで他のロー ルのネクストアクション考えてるの?ということにもなりますからね … b プロジェクトとネクストアクションの要求 他のパートナーは、あなたのロールが管理している領域に影響を与えるこ との許可を求めることができる。それによってあなたのロールの目的や責 務を果たす能力を低下させる可能性がない場合は、許可しなければならな い。もしそうした可能性があるのであれば、要求者に説明しなければならな い。 c 領域に影響を与える要求 他のパートナーから要求された場合に処理しなければならないということ は、裏を返すと自分も他のパートナーにこれらのことを要求できるという ことですね!

Slide 21

Slide 21 text

21 他のロールとの協調のルールがあります|優先順位の義務 憲法
 あなたは以下に従って、優先順位をつける義務がある。 通常、他のロールからのメッセージに対する処理を、自分のネクストアク ションを実行するよりも優先しなければならない。ただし、十分に迅速であ るならば、都合の良いタイミングにまとめて処理しても良い。メッセージの処 理には、この章にあるあらゆる義務に関する内容や、メッセージをどのよう に処理したかを要求に応じて共有することも含まれる。これにより追加され たネクストアクションやプロジェクトの実行は、処理には含まれない。 (返信はすぐしよう!ってことですね◎) a (メッセージの) 処理 自分のネクストアクションを実行するよりも、この憲法に定義されているあ らゆる会議に出席することを優先しなければならない。ただし、特定の会議 においてこの優先度が明白に要求されている場合に限る。もし会議の時間 帯に既に別の予定がある場合は出席を断ることができる。 b 会議 何から取り掛かるか決める際、自分のロールが含まれるサークルもしくは スーパーサークルのあらゆる公式な戦略や関連する優先順位を考慮しな ければならない。 公式な優先順位とは、サークルリード、または優先順位 の衝突を解決し、サークルの戦略を決める権限を持つ他のロールやプロセ スによって定められたものである。あなたはこの公式の優先順位を、個人 的な優先順位や、自分の組織に対する優先順位の感覚よりも重要なもの として扱う必要がある。 c サークルの優先順位 組織やサークルのあらゆる公式な戦略や優先順位に、何をいつまでに完 了させるかを明確にした締め切りが盛り込まれていたとしても、あなたは必 ずしもその締め切りを守らなければならないわけではない。その代わり、そ の締め切りを守るための行動を、他のサークルのための行動よりも公式に 優先しているのだと捉え、適切に行動しなければならない。サークルリー ド、またはロール間の優先度の衝突を解決する権限をもつ他のロールやプ ロセスは、この優先順位づけのルールを覆すことができる。 (締め切りが定められていた場合には、厳守する必要はないものの、締め 切りが必要なほど優先しなければならない仕事として認識する必要がある のです) d 締め切り

Slide 22

Slide 22 text

22 ロ ー ル ・サークル・ガバナンス

Slide 23

Slide 23 text

23 ロールは同時にサークルでもある ロールとサークルに明確な境界線はなく、ほとんど同義であると考えて良い。ロールは常にサークルになる可能性を含んでいるし、反対もまた然りである。 人事 ロール Aさん Wantedly 運用ロール Aさん 面接官 ロール Bさん 責務 責 務 人事 ロール Aさん Wantedly 運用ロール Aさん 面接官 ロール Bさん 人事 サークル 1 2 パートナー増加等の要因で、責務(もしくは領域) ごとにロールを分ける 人事ロールは 2つのロールに分裂した結果、人事サークルとなる

Slide 24

Slide 24 text

24 サークルの名称整理 ロール スーパー サークル サブ サークル ロール ロール ロール ロール アンカー サークル 組織全体の目的を持った最も大きなサークルは 「アン カーサークル」 となる。アンカーサークルは、その組織が コントロールする全ての権限と領域を保持する。そこに はスーパーサークルや責務は存在しない。アンカーサー クルはポリシーによってアンカーサークルの目的を変更 することができる。 アンカーサークル 憲法
 ロールがそれぞれの責任や義務を果たしていることを共 有するため、サークルはタクティカルミーティングを開催 する。 そこでは、各ロールが持つプロジェクトの進捗共有や、 感じているひずみを処理していく。 タクティカルミーティング 組織全体 =

Slide 25

Slide 25 text

25 ガバナンスの範囲 ロール (サークルリード) サークル ロール (ファシリテーター) ロール (サークルレップ) ロール (セクレタリー) ロール ロール ロール ポリシー ガバナンス 「サークル」 は共通の目的持つロールとポリシーをまとめる入れ物である。サークル内のロールとポリシーは活動的な 「ガバナンス」 を構成する。 「ポリシー」とは、憲法に加えてそのサークル独自のルールを記したものである。詳しくは後ほど。 サークルごとにガバナンスが構成され、 そこではロール自体のあり方やポリシーの内容について協議される。 基本的には「ガバナンスプロセス」を用いて、リアルタイムに提案し採択されてい く。また、定期的にガバナンスプロセスを用いた「ガバナンスミーティング」も行う。 (a) サークルのロールを定義、修正、または削除する (b) サークルのポリシーを定義、修正、または削除する (c) サークルのロールやポリシーをサークル内のサブサークルやさらにその 中のサブサークルに移行すること。ただし、そのサブサークルの目的や責務 を果たす場合に限る (d) サブサークルやさらにその中のサブサークルのロールやポリシーをサー クルに移行すること。ただし、そのサブサークルはもうその目的と責務とは関 連がなくなる場合に限る (e) サークル内で選出されるべきロールの選挙を開催すること ガバナンスの範囲 憲法


Slide 26

Slide 26 text

26 野球に例えましょう|タクティカルミーティングとガバナンスミーティング この前の試合で 〇〇高校にうちのサインが バレていた感じがした… 了解。キャッチャー ロールの責務なので 考えます! タクティカルミーティング ロールとして目的に向かって活動していく中で の実務的なひずみを処理する。 ガバナンスミーティング ロールやポリシー自体について感じる ひずみを処理する。 ショート この前取れなかった あのボールの範囲は レフトにお願いしたい! レフト 多分いけるから領域に 追加するけど、 声かけのルールを 追記したい ポリシー

Slide 27

Slide 27 text

27 サークルレップ・セクレタリー・ファシリテーター サークル リード ファシリ テーター サークル レップ セクレタリー ロール サークルレップ 子サークルを代表し、親サークルとのひずみ解消を担う外交官 目的: 外側のサークルのプロセスに関連するひずみを発見し、解決すること 責務: (a) サークル内のロールに就いている人によって伝えられるひずみを探し、理解する (b) このサークルを包含する外側のサークル内のプロセスについて適切なひずみを認識する (c) 外側のサークル内でひずみを処理し、このサークルの制約を取り除く ファシリテーター 会議の秩序を守る裁判官 目的: 憲法に沿ったガバナンスとオペレーションの実践を行うこと 責務: (a) サークルやロールのガバナンスプロセスとタクティカルミーティングを進行する (b) 依頼に応じて、または適切なミーティングにおいて、他のサークルメンバーに憲法のルールや プロセスを教える (c) 依頼に応じてサブサークルの会議や記録を監査し、プロセス障害が見つかれば宣言する セクレタリー 記録の厳重な管理と憲法の解釈を司る弁護士 目的: 憲法上必要なサークルの記録とミーティングを安定化させること 責務: (a) サークルのガバナンスミーティングとタクティカルミーティングの予定を設定すること (b) ガバナンスミーティングとタクティカルミーティングの結果を記録し、公開すること (c) 選出されたロールの任期満了後、選挙を要求すること (d) 依頼に応じて、憲法やその権限下にあるものを解釈すること 憲法


Slide 28

Slide 28 text

28 タクティカルミーティングのやり方 参加者は順番に、自分の今の状況を共有したり、会議の開始にあたって何かコメントをする。 これに対する応答は許可されていない。一人ひとりが雑念を振り払って会議に集中することが目的です。 ミーティングで定期的に報告している、繰り返し行われるアクションが完了しているか確認する。 自分のロールがミーティングで定期的に報告している指標があれば共有する。 チェックイン ラウンド チェックリスト レビュー メトリクス レビュー ミーティングで定期的に報告している全てのプロジェクトや取り組みの進捗を説明する。 共有する進捗は、前回の共有以降に更新された内容だけでよく、作業の一般的な状況の共有は不要である。 進捗状況の共有 アジェンダの 構築 1 2 3 4 7 参加者はミーティングで処理すべき項目からなるアジェンダを構築する。各参加者は希望するだけの数のアジェンダ項目をそ れぞれ短い言葉で追加することができる。ここでの説明は不要で、ディスカッションも許されていない。参加者はこの手順後、既 出のアジェンダを処理している間にも、さらにアジェンダ項目を追加することができる。 トリアージ 各アジェンダ項目を処理するため、そのアジェンダ項目を提出した人は、パートナーとしての一般的な立場の参加者や、あるい は参加者が代表しているロールに対して、要求を行うことができる。ただし、ロールへの要求は、要求者がそのミーティングで代 表しているロールとしてのみ行うことができる。ファシリテーターは全てのアジェンダを処理できるよう時間を管理し、時間がなく なった場合には処理を中断することができる。 クロージング 参加者は順番に、ミーティングの終了に際し感想を共有する。これに対する応答は許可されていない。 6 :定例ミーティングの設定・ミーティングの記録 :ミーティングの進行 司会はもちろん、ミーティングで 許可されていない言動を指摘 したり、 時間の管理も任されている。 5 憲法


Slide 29

Slide 29 text

29 サ ー ク ル リ ー ド

Slide 30

Slide 30 text

30 サークルリードができること サークルをリードするために何をするかが決められています。 ロールのアサインをする [要約] サークル内のロールに対して、サークルメンバーの中から担ってくれる 人を選び、アサインすることができる。また、アサインを取り消すこともできる。 [要約] サークル内に空きロールがあった場合は、自動的にサークルリードが そこにアサインされる。 1 Routing External References ここがイマイチ理解が難しいのでまた今度・・ 4 憲法
 (サークルリードロールを修正する) [要約] サークルは、サークルリードロールの「目的」以外は修正することがで きる。領域や責務の修正は、すべてのサブサークルのリードロールにも適応 される。 領域や責務を削除する場合は、その内容をサークル内の他のロールに移管 するか、他にそれを遂行できる手段を作らなければならない。 5 空きロールをカバーする 2 サークルリードは、ロール間での優先順位の混乱が起きないよう、サークル がこれから達成する成果の価値を相対的に判断しなければいけない。サーク ルリードはサークル内の優先順位を決める 発見的問題解決法 となる 「戦略」 を一つもしくは複数定義することができる。 優先順位と戦略を定義する 3 ※サークルリードロールの「目的」は、そのサークルの全てのロールが保有する目的となる

Slide 31

Slide 31 text

31 ホラクラシー流「戦略」 ホラクラシー流「戦略」は、何を優先すべきか、オペレーション上でどの道を進むべきか、といった問題に対する意思決定の指針となるものである。 これは、組織の目的と、権限委譲がなされた個人との整合性を図るためのものであり、未来の一点を見つめるような戦略とは大きく異なるので要注意。 × 強いリーダーが方向を決める(従来) × 各々の目的に対して行動しているものの、方 向が少しずつ異なる (戦略がなく、権限委譲されている) ○ 組織の目的と、個人の意思決定の整合性 が取れている (戦略があり、権限委譲されている)

Slide 32

Slide 32 text

32 なぜ従来の「戦略」ではないのか - 1 未来のことはわからないので、本来の意味で計画することは不可能だ。
 だが、これは必ずしも悪い知らせではない。
 それなら、そういう限界があることを肝に命じて計画すればいいのだ。
 ただし、これには度胸が要る。
 ナシーム・ニコラス・タレブ (金融業界の名人) 
 “
 企業のリーダーに期待されているのは、勇敢な将軍として未来を予測し、
 壮大なる戦略を立案し、部隊を栄光の勝利へと導くことであり、
 ただの小競り合いでも負けた途端クビになる。
 よほど勇気のある経営者でない限り、この考え方に異を唱え、
 未来はそもそも不確かであることを認め、予測と計画よりも
 学習と適応を重視することはできない。
 エリック・バインホッカー (経済学者) 
 “


Slide 33

Slide 33 text

33 なぜ従来の「戦略」ではないのか - 2 未来の一点を見つめて戦略を立てる時、最初のハンドルの角度を決め、何メートル進ん だらどこにハンドルを切り、障害物のある場所を把握し、そうして目的地に辿り着くことを 想定し、緻密な計画を立てるだろう。しかし・・・ 予測と計画 現実 予測と異なる現実に直面した時、身動きが取れなくなり「こんなはずではない」と結論 づけてしまうことがある。今この瞬間を感知し、対応する能力が発揮できず、想定外の 現実に歯向かい、現実を予測に無理やり合わせようとすらしてしまう。

Slide 34

Slide 34 text

34 従来の戦略は「予測と計画」であり、ホラクラ流の戦略は「感知と適応」である 目的を念頭に置き、一瞬一瞬の現実に身を入れて、前進しながら最も自然な道を見つけていく。 刻々と変わる現実に身を委ね、自分が持つ「今この瞬間を感知し対応する能力」を発揮しながら進んでいくのである。 戦略とは、刻一刻と行われる意思決定や優先順位の決定に役立つ、覚えやすい経験則(=発見的問題解決法) 目的 A B 目的を実現していく過程において、AとBの分岐点があった場合、どちらを選択すべきか、もしく は、どちらを優先すべきかの決定をサポートしてくれるのが戦略である。ここが揃えば、異なる目 的を持つロールであっても大体同じ方向性の意思決定ができるようになり、企業が全体として前 進することができる。 ※AとBはプロジェクトやオペレーション 「XよりもYを重視せよ」 具体的な戦略は「XよりもYを重視せよ」と言った単純な短い文となる。XとYとは、 それぞれ別々の潜在的価値のある活動や、重視するもの、焦点、ゴールである。 XとYが両方ともポジティブな内容であることがミソである。 組織改善チーム ex. ● 一律的な平等よりも、全体最適につながる個別最適を重視する ● 効率さを追い求めるよりも、丁寧な正確さを重視する ● 社外に向けた取り組みよりも、社内を整える ● 主観的な情報よりも、客観的な仕組みやデータを収集・採用する

Slide 35

Slide 35 text

35 ロープレ!

Slide 36

Slide 36 text

36 シェアハウスに例えて体験してみよう! ロール (サークルリー ド) シェアハウス サークル ロール (ファシリテー ター) ロール (サークルレップ) ロール (セクレタリー) ロール ロール ロール ポリ シー ロール1:掃除 目的: 掃除により家を綺麗に保つこと 責務: (a) 掃除分担を住人に割り振る (b) 掃除が実行されたか確認する (c) 掃除を実行しない住人を見つけたら指摘する 領域: 掃除分担の割り振り決定権 ロール2:財布 目的: 必要な物を購入すること 責務: (a) 月々集金すべき金額を算出する (b) 住人から集金し、管理する (c) 住人からの購入依頼を受け付け、購入の意思決定をする 領域: 集金・購入の決定権 ロール3:料理 目的: 週一の集いの際に、料理をすること 責務: (a) 財布ロールから受け取ったお金で、必要な材料を調達する (b) 週一の集いの際に、みんなが食べられる料理を作る 領域: メニューの決定権 ロール4:家具・レイアウト 目的: 皆が過ごしやすいレイアウトにすること 責務: (a) 最適な家具・レイアウトを検討する (b) 必要な家具を購入依頼する (c) 不備を見つけ、修繕する 領域: 家具・レイアウトの決定権 ロール5:生存確認 目的: 住人全員の消息を把握すること 責務: (a) 全員の緊急連絡先を集め、保管する (b) 帰宅しない住人を把握し、連絡する (c) 必要に応じて、警察に連絡する 領域: 緊急連絡先の保管 さーて!みなさんは一緒にタウンWiFiシェアハウスに住 んで2ヶ月が経った仲間です!イエイ☆ お互いに対するちょっとしたイライラが募ってきたので、ホ ラクラシーを導入! まずはロールを選ぼう!→→→

Slide 37

Slide 37 text

37 シェアハウスに例えて体験してみよう! ロールが決まったら、これから取り組むべきプロジェクトを一つ決めてみよう!プロジェクトは、「目的を実現するために必要な成果」のことですよ! それからそのロールとしてプロジェクトを進めていく中で、起こり得る「ひずみ」を想像してみよう! ロール1:掃除 目的: 掃除により家を綺麗に保つこと 責務: (a) 掃除分担を住人に割り振る (b) 掃除が実行されたか確認する (c) 掃除を実行しない住人を見つけたら指摘する 領域: 掃除分担の割り振り決定権 例) プロジェクト 掃除担当の割り振り方法を考えるPJ ・担当すべき掃除場所を洗い出す ・住人の予定を把握する ・割り振り表を作成する ネクストアクション ひずみ ・住人の予定が分からない →毎週 or 毎月の頻度で予定を教えて欲しい

Slide 38

Slide 38 text

38 シェアハウスに例えてタクティカルミーティングをやってみよう! 参加者は順番に、自分の今の状況を共有したり、会議の開始にあたって何かコメントをする。 これに対する応答は許可されていない。一人ひとりが雑念を振り払って会議に集中することが目的です。 ミーティングで定期的に報告している、繰り返し行われるアクションが完了しているか確認する。 自分のロールがミーティングで定期的に報告している指標があれば共有する。 チェックイン ラウンド チェックリスト レビュー メトリクス レビュー ミーティングで定期的に報告している全てのプロジェクトや取り組みの進捗を説明する。 共有する進捗は、前回の共有以降に更新された内容だけでよく、作業の一般的な状況の共有は不要である。 進捗状況の共有 アジェンダの 構築 1 2 3 4 7 参加者はミーティングで処理すべき項目からなるアジェンダを構築する。各参加者は希望するだけの数のアジェンダ項目をそ れぞれ短い言葉で追加することができる。ここでの説明は不要で、ディスカッションも許されていない。参加者はこの手順後、既 出のアジェンダを処理している間にも、さらにアジェンダ項目を追加することができる。 トリアージ 各アジェンダ項目を処理するため、そのアジェンダ項目を提出した人は、パートナーとしての一般的な立場の参加者や、あるい は参加者が代表しているロールに対して、要求を行うことができる。ただし、ロールへの要求は、要求者がそのミーティングで代 表しているロールとしてのみ行うことができる。ファシリテーターは全てのアジェンダを処理できるよう時間を管理し、時間がなく なった場合には処理を中断することができる。 クロージング 参加者は順番に、ミーティングの終了に際し感想を共有する。これに対する応答は許可されていない。 6 :定例ミーティングの設定・ミーティングの記録 :ミーティングの進行 司会はもちろん、ミーティングで 許可されていない言動を指摘 したり、 時間の管理も任されている。 5