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社内定例 / PdM Topic AI時代こそ、 スタンスをとることがアウトカムに直結する 意思決定の質と速度を決めるのは、常⽇頃の「構え」である 2026/4/22 Product Management / 社内定例

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今⽇話したいこと 01 スタンスをとる、とは何か 異職種と進める意思決定の現場で、 何が進めやすさを決めているのか。 02 なぜアウトカムに直結する のか スタンスの有無が、チーム全体の⽣ 産性と速度を⼤きく左右する。 03 AI時代にこそ効く理由 「確認‧判断」が⼈間の役割になる 構造の中で、判断を促せる側に⽴ つ。 2 LayerX

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PdMの仕事は、意思決定の連続である PdMは⽇常的に、複数の職種と対話しながら、優先順位‧仕様‧ト レードオフについて判断を重ねている。 その多くは、会議での同期コミュニケーションと、ドキュメントで の⾮同期コミュニケーションを通じて進む。 そのすべての接点で、「スタンスの有無」が進めやすさを決めて いる。 PdM Engineer Designer Sales CS 3 LayerX

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同じ議題でも、進み⽅はまったく変わる 会議でも、ドキュメントでの⾮同期のやりとりでも、「スタンスをとっているか」が議論のスピードを決めている。 スタンスのない発信 「◯◯が欲しいと思うんだよね」 • 論点が曖昧で、会話が拡散する • 相⼿が「何を判断すればよいか」分からない • 持ち帰り‧再会議が増え、要求が決まらない • 結果、意思決定の速度が落ちる スタンスをとった発信 「A案がよい、理由は◯◯。⼀応B‧C案もある」 • 論点が明確で、議論が前に進む • 相⼿は「採⽤‧修正‧却下」の判断に集中できる • 1ターンで合意、あるいは論点の差分だけ残る • 結果、意思決定の速度と精度が上がる 4 LayerX

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「スタンスをとる」とは 情報が揃いきらない段階でも、現時点での結論と、その根拠と、選ばなかった選択肢まで 含めて⾔語化して出すこと。 結論 「⾃分はA案がよいと考えている」と、ま ず⽴場を⽰す。 根拠 なぜその結論か。ユーザー体験‧技術‧ 期⽇などの観点で⾔語化する。 代替案 B案‧C案も検討した上で、なぜそれを選 ばなかったかを添える。 5 LayerX

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具体例:スタンスをとる対話 バクラクミーティング チームのエンジニア shiv3 さんとの、実際のやりとり PdM(わたし) カテゴリ条件で◯◯というユースケースに対応したいが、ルールをかなりの数設 定しないといけなくなりそう。どうするのが良さそうか? Engineer 実装としては、1段階ネストしたものを作るのがいいと思う。 階層は2→3まで。4以上にはしない。NotionのUXとほぼ同じ。 実装⼯数はそこまで⼤きくない。 デメリットはデバックのしづらさ。1ルールの設定も複雑になる。 ただ、追加要件が今後ほぼなく「これでいける」ものであれば、⼀定許容される。 他の案は◯◯と◯◯があるが、⾃分はこの案がいいと思う。 PdM(わたし) じゃあそれで。 → 1ターンで意思決定が完了 6 LayerX

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結果として、エンジニアのアウトカムに跳ね返っている 直近3週間の実績。PR数だけでなく、作っている機能の内容と業務インパクトが⼤きい。 直近3週間のPR数 65 本 merged 59 + open 6(4/22時点) PR数そのものが重要なのではない。 本当に効いているのは、どんな機能を作れているかと、その 業務インパクトの⼤きさ。 この3週間で作っている機能 分析エージェント機能 Sales Portal(社内プロダクト)のコア機能 Google Meet 対応 PdMの顧客ヒアリングも Sales Portal (社内プロダ クト)に⼊れられるようになる。 今まではzoomしか⼊れていなかった 商談以外のミーティング対応 勉強会‧社内定例‧1on1などに対応。 「スタンスをとりながら仕事を進める」スタイルが、アウトプットではなくアウトカムを増やしている。 職種関係なく、ビジネスパーソンとしての仕事のレベルが⾼い⼈は、どんなところでも結果を残す 7 LayerX

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翻って、PdM側の発信はどうか 要求を伝えるときに、ぼんやりした⾔い⽅をしていないだろうか。 「◯◯が欲しいと思うんだよね」 論点が決まらない 何をどう判断すべきかが伝わらない。 会話が往復する 都度の確認で、時間だけが過ぎていく。 要求が固まらない 結局、いつまでも仕様が確定しない。 8 LayerX

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スタンスが⽣む、三つの効⽤ 全ての仕事の⽣産性とアウトカムは、スタンスをとることと、その精度につながっている。 01 速度 判断の迷いが減り、1ターンで会話が 前に進む。持ち帰り‧再会議が消え る。 02 精度 結論と根拠と代替案がセットで出るの で、議論が論点に収束し、質が上が る。 03 巻き込み 相⼿が何を判断すればよいかが明確に なり、職種を越えた合意形成が速くな る。 9 LayerX

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AI時代、⼈間の仕事はどう変わるか バクラクが顧客に提供している価値は、まさにこの構造変化そのものである。 これまでの仕事 ⼊⼒‧処理が中⼼ • データを⼿で⼊⼒する • ルールに沿って仕分けする • 帳票を作成‧転記する これからの仕事 確認‧判断が中⼼に • AIの提案を確認する • トレードオフを判断する • 次の⼀⼿を決める ⼈間は「確認‧判断する役割」が増えていく。 10 LayerX

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ここで、⼀度⽴ち⽌まって考えたい バクラクで「⼈間は確認‧判断する役割が増える」と⾔いながら、 中の⼈(=私たち⾃⾝)が、相⼿の判断を促せるスタンスをとれていないとしたら── それは、 ミイラ取りがミイラになっている。 判断を促す側の⽴ち位置を、⾃分たちが⼿放してしまっている状態。 ⾃分の発信は、相⼿の判断を促せているか? 11 LayerX

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スタンスは、4つのステップで組み⽴てる 情報が揃ってから出すのではない。今の情報量で、暫定的にでも構えを⽰す。 STEP 1 1 論点を絞る 「今、何を判断したいのか」を ⼀⽂で書く。論点が複数なら分 ける。 STEP 2 2 結論を置く 暫定でよいので、⾃分の現時点 の⽴場を最初に⽰す。 STEP 3 3 根拠を添える その結論に⾄った観点(UX‧ 技術‧期⽇‧コストなど)を明 ⽂化する。 STEP 4 4 代替案を⽰す 他にもあり得た選択肢と、それ を採らなかった理由を書く。 12 LayerX

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明⽇からの実践 ⼤きな意思決定でなくても、⽇常のミーティング‧Slack‧ドキュメントから始められる。 会議で発⾔する前に 「結論は◯◯、理由は◯◯」の形で⼀⾔にしてから話 す。 Slackで相談するとき 「相談」ではなく「仮の結論」をまず書く。 PRDやドキュメントを書くとき 「推奨案」「代替案」「⾒送った案」を構造として残 す。 他職種に要望を伝えるとき 「何を判断してほしいか」を明⽰して依頼する。 13 LayerX

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まとめ 1 PdMの仕事は意思決定の連続である 会議でも⾮同期でも、異職種との接点すべてで意思決定が⾛っている。 2 スタンスの有無が、進め⽅を決める 結論‧根拠‧代替案をセットで出すと、相⼿は判断に集中できる。 3 スタンスは速度と精度を同時に押し上げる 迷いが減り、⼿が⽌まらず、アウトカムの差に跳ね返る。 4 AI時代こそ、この構えが価値の源泉になる 確認‧判断が⼈間の仕事になる時代に、判断を促せる側でいる。 14 LayerX

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KOTODAMA AI時代こそ、 スタンスをとることが アウトカムに直結する。 結論と、根拠と、代替案を。今⽇から、すべての接点で。 LayerX