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アンチドローンの紹介 〜ドローンの利用とセキュリティ〜 2018/09/20 ドローン×地方 ミートアップ @東京

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summary ドローンは、現状色々なところで利用されています。 日本ではあまり話題にならない、ドローン妨害(anti drone/counter drone)について、 海外事例を含めて紹介します。 利用時のリスクなどを知ることで、対策やリスクヘッジを計画できるようになることを 目的としています。

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国内のドローン利用 国内のドローン利用は、ご存知の通り、色々なものが実用化され始めています。 ● 高所設置機器の検査 ● 林業での利用 ● 3次元測量 ● 郵便物の特定区間輸送 ● 等々

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海外では 人命救助や大型で人員輸送などが話題に上ることが多いですね。

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しかしながら、別の点も危惧されている 確実に、軍事関係で利用が進んでいる 日本では、意図的に話題にされていないように見受けられる。

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現実に研究/実用されている、武装ドローン

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アンチドローンとは 以上のような、基本的には危害を加える「攻撃的なドローンへの対策(counter drone)」として研究されています。 転じて、今後、民生用ドローンに関して妨害として利用される可能性が高いと考えら れます。

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どんな方法があるのか おおよそ、以下の点を考慮する必要があります。 ● 認知 ○ 光学観測(画像処理) ○ 電波観測(レーダー) ● 対応 ○ 通信への妨害 ○ センサーへの妨害 ○ 物理的的妨害 ※認知しないことには、対処ができない。 レーダーでの認識は、ドローンのサイズが小さくなるほど難しくな る。より高出力/高周波が必要になるが、鳥等も検知できてしまう ため、判別が難しくなる。 光学観測は、機器が近づかないと不可能。また、ドローンの最高 速度が上がっている (60-120[km/h])ため、認識すること事態が困 難になりつつある。

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代表的な妨害 代表的な妨害方法は以下の通りです。 ● 通信経路への妨害 ○ 例えば 2.4GHz ISMバンドへの広範囲な妨害 ● GPSへの妨害 ○ 位置情報を誤認させ、 RTH(Return To Home)を発動させる ● センサーへの妨害 ○ 加速度センサへ超音波を当て、状況を誤認させる ○ イメージセンサへ偽の画像を見せ、誘導する ● 物理妨害 ○ ネット ガンの利用

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ドローン×地方 ミートアップに話を戻すと 今までのような妨害が今後行われる可能性が、今後はあります。 ● 現時点では、攻撃者が得られる「妨害による利益」が少ないため、あまり妨害は されていないようだ ○ WEB系だと、データを人質にとるランサムウェアより、仮想通貨マイニングマルウェアの方が 「利益」が出るため、攻撃方法が移行してきている。 ● 海外ではアンチドローン手法が研究されてきているため、その方法を民間用に 転用され、悪用される可能性がある 今は大丈夫でも、将来的な備えとして、考慮はしておくべきと考えます。

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どのような影響が出るかを考える 例えば… ● 位置情報に、大きな/小さな誤差が紛れ込まされる ○ 位置だけで自動運行していると、「作業」の空白ができる →リカバリ作業費は… ○ 農薬散布が偏る→本来のピンポイント散布ができなくなる →減農薬で売れなくなり … ○ 荷物輸送先を誤認識される →荷物が奪取される可能性 →保証や業務の信頼が … ● 通信が妨害される ○ 荷物輸送中に妨害され、強制的に RTHさせられる→輸送コストの増加 ○ 妨害により、毎回作業時間が +10%増加する→100時間稼働すると10時間が無駄に…

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どうすればいいのか WEB系の攻撃と同じく、攻撃者の攻撃コストを上げるのが有効 ● 対策をする ○ 事実上、対抗策は難しいかもしれない。 ○ 但し、攻撃者を特定できるようにしておくと、攻撃コストが上がるので、攻撃されづらくなるかもし れない ■ 経路上に監視カメラを置く、妨害電波を検知する仕組みを用意する、等 ● 事前に、リスクを検討しておく ○ 搬送物が奪取された場合は保険が使えるようにしておく、などの検討 ○ 一般社団法人セキュアドローン協議会の「ドローンセキュリティガイド」などを参照しておく ■ 情報系の対策の概要は、上記ガイドに大まかに記載されているようだ。

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終わりに 今回は時間の関係で詳細まではお話しできませんでしたが、 運航の安全に関するアセスメントと同様に、妨害に対するリスクアセスメント も実施頂いた方が良いと思われます。 車のように、リスクヘッジしたうえで活用されていけばいいなと思います。