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社会人0年目から意識したい、 スピーディーに誤解無くコミュニケーションを取る方法 (メール・チャット編) 株式会社ブレインパッド アナリティクスコンサルティングユニット データサイエンティスト 坂本 遼

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目次 • 背景と基本思想 • 文章を書くコツ • 文章作成後の確認(メール向け) • 最後に • 参考文献 2

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背景と基本思想 3

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背景 4 PMは多忙 クライアントも多忙 メールやチャットは丁寧に読まれない 長文は後回し メンバーがPMやクライアントに チャットやメールしても…

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基本思想 5 理想の状態 必要十分な情報を、正しく、相手の頭と時間を使わずに伝えられる 〇:相手が知るべき情報 ✕:こちらが言いたいこと ▼ 認識齟齬が起きない ▼ 短い 分かりやすい 読みやすい ▼

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文章を書くコツ 6

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注意点 • なんでもかんでもこうすればよい、というものではない • 相手との関係性、プロジェクトの状況、文面の長さなど、状況に応じて臨機応変に対応する • TIPSを実施することではなく、TIPSを意識しつつ文章を書くことが本質 • プライベートでは冗長で趣のあるコミュニケーションを取っていきましょう(笑) 7

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文章を書くコツ - 全体の構成 8 ルール 解説 最初に1行で概要を述べる 最初の1行を読むだけで、そのメッセージの対応にかかる時間、優先度、アクション(報 告、確認、相談)が分かるのが理想 例 • ○○について、2点確認お願いします。 • ○○について相談させてください。 項目が複数ある場合は、大 項目でくくってナンバリング する 大項目でくくってあげれば、結果的に的確な反応が返ってくることが多い 例 1. 分析内容 2. 今後のスケジュール 前提→結論→詳細の順で書 く 細かい背景や補足情報は後に説明する 例 • ××の指標についてお願いがございます • ○○していただけないでしょうか • というのも、××という状況で、△△… 箇条書きで構造化する 項目がはっきりしている内容は、箇条書きを用いると分かりやすいことが多い 例 ネクストとして、以下を考えています。 • ○○する • ××する

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文章を書くコツ – 書く前に意識する 9 ルール 解説 相手に伝える情報の粒度を 考える 細かすぎる情報は逆に伝わりにくい 詳細な定義や結果を共有したい場合はファイルで渡すとよい 例(とあるECサイトのアクティブユーザーの定義の説明) • Before : 2022年の一年間で100回以上サイト訪問し、かつ3回以上購入した人。ただし、サイト訪問のカウント方法は、訪問から 3時間以上空いた場合別の訪問とカウントし、購入はキャンセルを除く。また、購入は○○イベントの商品は対象外とし、… • After : 2022年の一年間で100回以上サイト訪問し、かつ3回以上購入した人。詳細は添付したhoge.txtを参照。 事実は事実として書く 事実と認識をはっきり切り分けるためにも、事実を事実として書く必要がある 事実の例 • ~が高くなっている • ~が増えている 認識の例 • ~と考えられる • ~の可能性がある 差分を意識する 情報を伝えることで、相手の持つ情報はどう変わるのかを意識する 例(クライアントとの週次MTGで精度を報告する場合) • Before : 精度が0.8になりました • After : 精度が0.1向上しましたが、目標にはまだ達していません 文章は短くする 同じ情報量であれば短い方が良い

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文章を書くコツ – 認識齟齬を防ぐ 10 ルール 解説 動作の主と対象を明確にす る 誰が何をしているのかを明確にする 例1 • Before : 読み解いた分析結果を共有して、皆で議論する • After : 御社で読み解いた分析結果をA社に共有して、三社(御社、弊社、A社)で議論する 例2 • Before : BrainPad向けのメール • After : BrainPadに送るメール 曖昧な表現を避ける 抽象度は下げる 例 • 週末 ⇒ 〇〇月○○日 • 先方 ⇒ 具体的な会社名(※ステークホルダーが複数社いる場合) 表記ゆれを起こさない 用語が異なる = 意味が異なる が基本 例 • ルール、規則 • 資料、パワポ、報告資料 • 分析、集計 二重否定は使わない 二重否定は頭にストレスがかかる 例 • 必ずしも~とはいえない ⇒ ○○といえる / ○○とはいえない

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文章を書くコツ – 読みやすくする 11 ルール 解説 一文二義を意識する 文章の長さにもよるが、何義あるか意識しながら書くことは大切 Before • ○○なため、××と考えられますが、実は△△でして、よろしければ××していただきたいです。 After • ○○なため、××と考えられます。 • しかし、実は△△という背景があるので、よろしければ××していただきたいです。 修飾語は被修飾語の直前 に置く 語順が異なるだけでも読みやすさは大きく変わる 例1 • Before : 具体的に誰が誰に対して何をするのか、イメージできるようにする • After : 誰が誰に対して何をするのか、具体的にイメージできるようにする 例2 • Before : ××を○○を基に判断 • After : ○○を基に、××を判断 文末の形式は揃える 体言止め・用言止めどちらでもよいので、統一するのが大事 冗長な表現は避ける 同じ文言が複数含まれていたら、冗長のサイン 動詞が2つ並ぶときは削除できることが多い 例 • Before : 全体を構造化し、伝えたい内容の切り分けを行う • After : 全体を構造化し、伝えたい内容を切り分ける

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(参考)冗長な内容とその対処例 • 表の形にして共通項を切り出すと、すっきりさせることができる 12 項目 説明 ほげ データが確認できるのは平日 ほげ2 データが確認できるのは平日 ほげ3 データが確認できるのは土日 ほげ4 データが確認できるのは全日 項目 データが確認できる曜日 ほげ 平日 ほげ2 平日 ほげ3 土日 ほげ4 全日

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文章を書くコツ – 質問 13 ルール 解説 むやみに質問しない こちらが決めたことを相手 が確認する形にする ※特に対クライアント 無駄なコミュニケーションを発生させない 質問したら反論の余地があるため、反論されたくない場合は決めたことを確認する形に する方が良い 例 • ○○するのはいかがでしょうか ⇒ ○○いたします / ○○と考えています 質問する際は、Yes/Noで答 えられる形にする 相手の負担を減らすだけでなく、返答がすぐに得られやすくなる 場合によっては回答を誘導することができる 質問文は短くする 質問文が長いと聞きたいことが不明瞭になり、的確な回答が得られにくくなる 例 • Before : 現在○○を行っており、××という結果が得られたのですが、○○というケースであっても、△△でしょうか? • After : 現在○○を行っており、××という結果が得られました。この場合、○○というケースであっても、△△でしょうか?

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冗長になりがちな表現集 • 接続詞全般 • ~について • ~を行う • ~など • ~の方で • ~ということ • ~とする • ~していく • ~してみると、 • ~することができる • 現状 • こちら • 個人的に • ~など • 「など」と書いた場合、「他には何があるんですか」と聞かれる • 他に何もない場合は、むやみに書かない • 基本的に 14

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文章作成後の確認 (メール向け) 15

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内容編 • 送付相手になったつもりでメールを読む • 脳内にコミュニケーションする相手をインストールして、ロールプレイする 16 pip install <送付相手の名前> おススメは… と声に出してからメールを読む

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体裁編 • あて先は正しいか • 特にGmailで返信する際は注意 • CCに余計な人、足りない人はいないか • 文頭にてメールを送る相手の名前を書いているか • 自分の名前・所属を名乗っているか • 「!」「?」を使用していないか • 文末に送り主の署名を記載しているか 17 Gmailの場合、ここをクリックす ると全員ではなく一人だけ返信 になってしまうので注意 CCで何人か入れていた場合、読み手の 主体を明確にするためにもここは重要 所属を名乗る (例:ブレインパッドの坂本です) 社外向けの場合は以下のようにしっかり署名する ------------------------------------------------------ 株式会社ブレインパッド アナリティクスコンサルティングユニットデータサイエンティスト 坂本 遼 〒106-0032 東京都港区六本木三丁目1番1号 六本木ティー キューブ Tel:03-6721-7001 メールの例

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最後に 18

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最後に • 必要なコミュニケーションはためらわずにとる • コミュニケーションに支障が出たら本末転倒 • (若手向け)PMは忙しいが、若手ということはPMも分かっているので、多少手を煩わせても黙っているよりマシ • 習うより慣れよなので、始めから固く考えずに、たくさんコミュニケーションを取っていく中でブラッシュ アップしていく • 文章を考えるのに時間をかけすぎるのもナンセンス • 日々ちょっとだけ意識しましょう、というメッセージ 19

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参考書 20 『文章力の基本』 (著:阿部 紘久、出版:日本実業出版社) 『技術者のためのテクニカルライティング入門』 (著:髙橋 慈子、出版:翔泳社)

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株式会社ブレインパッド 106-0032 東京都港区六本木三丁目1番1号 六本木ティーキューブ TEL:03-6721-7002 FAX:03-6721-7010 www.brainpad.co.jp [email protected] 本資料は、未刊行文書として日本及び各国の著作権法に基づき保護されております。本資料には、株式会社ブレインパッド所有の特定情報が含まれており、これら情報に基づく本資料の内容は、貴社以外の第三者に開示されること、また、本資料を評価する以外の目的で、その 一部または全文を複製、使用、公開することは、禁止されています。また、株式会社ブレインパッドによる書面での許可なく、それら情報の一部または全文を使用または公開することは、いかなる場合も禁じられております。 ©BrainPad Inc. Strictly Confidential