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「データ」の依頼のやり方 「データ」の依頼のやり方
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はじめに 「データ」の依頼のやり方 2
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本資料の目的 意思決定のためには分析が必要で、そのためには材料となる 質の高い「データ」を入手しなければならない データの依頼は各所で行われているが、データを依頼する側 がやり方を学ぶためにまとめられた資料がない そのため各自が独学で身につけているが、非効率であり時に は間違えている現状を少しでも改善できないかと「データの 依頼の方法」についてまとめた 「データ」の依頼のやり方 3
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注意点 内容は全て筆者の個人的な経験に基づきます 内容は予告なく追加・変更されます 「データ」の依頼のやり方 4
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筆者紹介 しんゆう X(旧Twitter):@data_analyst_ ブログ:データ分析とインテリジェンス 2023年よりnoteにて活動中 https://note.com/shinu 活動:データを使いやすくする人 「データ」の依頼のやり方 5
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なぜ「データの依頼のやり方」を知 る必要があるのか 「データ」の依頼のやり方 6
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自分でデータを集める時間はないから 誰かに代わりにやってもらう必要がある 既存のデータの場所や扱う上で前提となる定義や注意点を ヒアリングする。誰もわからなければ自分で調べる 新しい指標を作るのに複雑なSQLを書く 外部データを探し、契約し、取り込む 個人情報の扱いを法務と確認する ニュースや事例の資料の内容の正しさを検証し、評価する 「データ」の依頼のやり方 7
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適切な依頼は使う人にしか出せないから 問題への理解なしに必要なデータはわからない 問題の責任がない人に同レベルの理解を求めてはいけない 抽出側に期待すべきは、要求したデータを提供すること 「どうしたら経営がうまくいくか」をオフィスビルの建築家 に聞くのは間違っている 「データ」の依頼のやり方 8
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適切な内容を依頼する必要があるから 欲しいデータは依頼しないと得られない 依頼した内容以外のことを求めるべきではない ステーキを注文した後で「ハンバーグが食べたいのになん で勧めなかったのか」と文句をいうのはおかしい 適切ではない依頼はリソースを無駄にするだけでなく機会損 失を生む 「データ」の依頼のやり方 9
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適切な相手に依頼する必要があるから 「分析のことだからとりあえずデータに詳しい人に頼んでお こう」ではうまくいかない 能力が期待できない相手に依頼してはいけない 八百屋に行って「とんかつと刺身」を頼めば何か出てくる だろうが、もっと頼むのにふさわしい相手がいるはず 「データ」の依頼のやり方 10
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依頼の修正は期待しない方がいいから 依頼に間違いや過不足があっても指摘されづらい理由 一般的に頼まれたことは断りづらい 抽出側は詳しい事情を知らないので指摘しづらい とにかく「できる」と言うことが有能という風潮がある 抽出側は立場が弱いことが多い 頼まれたことを断ると損をする(間違った依頼でもやれば 得をする) 「データ」の依頼のやり方 11
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抽出側に依存することになるから 抽出側の言いなりになってしまうので、自分が分析するため のデータの入手が自分でコントロールできなくなる データはおろか、「何を見るべきか」「どんな分析をするの か」「KPIはどうしたらいいのか」まで抽出側にまかせるこ とになってしまう 「データ」の依頼のやり方 12
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丸投げすると無駄な作業が増えるから 抽出側は個々人の事情は知らないので抽出側だけで考えても データに過不足がほぼ確実に発生する 不足分を補うのにコミュニケーションがまた必要 過分とはただの無駄な作業 無駄なデータを作ることで仕事になってしまう(特に外注) 「データ」の依頼のやり方 13
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無駄な依頼は機会損失を発生させるから 無駄な依頼に有限のリソースを食いつぶされてしまうことで 優先すべき依頼への対応が遅れる 別の誰かの本当に必要なデータを抽出する時間を奪われてし まう 依頼者が必要かどうかを見極め、自制することが求められる 無料だからと必要のない救急車を呼べば本当に必要なとこ ろに届かなくなる 「データ」の依頼のやり方 14
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AIは指示されたことしかやらないから AIに任せるならば、抽出側が補っている依頼の過不足の調整 ははすべて自分で行う必要がある AIに期待しない方がいい反応 そのデータは目的にあっていないのでは 社内にないので外部から探してこようか 個々の企業の事情やデータを読み取って対応できるようにな るのはまだ先だと思われる 「データ」の依頼のやり方 15
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無駄に気づけないから 経営者やマネージャーが無駄に気づかないと改善されない 無駄に気づくためには何が正しく何が無駄なのかが判別でき ることが必要 「データ」の依頼のやり方 16
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適切な依頼を考える 「データ」の依頼のやり方 17
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「データに詳しい」人に依頼する? 「分析」だから「データ」のことで、「データのこと」だか ら「データに詳しい人」に依頼する、が間違い 原因は使っている言葉の定義や理解があいまいだから 何がしたくて何を求めているのか自分に問う 「データのこと」とは何を指しているのか 「データに詳しい人」に何を求めているのか 「データ」の依頼のやり方 18
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「分析」はアウトプットではない 「分析」を求めるから依頼するべき内容や依頼する相手を間 違える 「分析」は手段でありアウトプットにはなりえない 「分析」ではなく、何が必要なのかを認識し、依頼する 「データ」の依頼のやり方 19
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「データのこと」のアウトプットは3つ まずアウトプットとして何があり得るのかの選択肢を知る 次の3つに分類するとわかりやすい 提案 インテリジェンス データ やるべきことも必要なスキルも違う 「データ」の依頼のやり方 20
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3つのアウトプットの区別をする 区別がついていないと「分析」でコミュニケーションしよう として求めるものが得られなくなる 「提案」は具体的で実行可能な企画 「インテリジェンス」は特定の意思決定に使えるよう分析 された「情報」 「データ」は「インテリジェンス」以外の「情報」。分析 のための材料 「データ」の依頼のやり方 21
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何が欲しいのかを明確にする 依頼しようとしているのは、3つのうちどれなのか 選択肢から選びたければ「提案」 特定の問題の意思決定に使いたければ「インテリジェン ス」 自分が分析したければ「データ」 「分析」を主語にしているとお互いの認識がずれる上に責任 もあいまいになる 「データ」の依頼のやり方 22
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適切な依頼先を探す 「データ」の依頼のやり方 23
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全部違う仕事なので依頼先を選ぶ 適切な相手に依頼しないと適切なアウトプットは望めない 全てに高いレベルで対応できる部署や人はいない どこかにいるかもしれないが、そばにいるとは限らない 窓口が統一されておらず、依頼を適切に振り分けてくれる人 がいないのであれば自分で適切な相手を探す 適切な相手が社内にいるとは限らない 「データ」の依頼のやり方 24
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「提案」をデータの部署に求めない 企画には分析も必須ではあるが、データを扱うスキルと具体 的な企画を作るスキルは違う マーケティングの企画なら担当部署や支援会社に頼む 少なくともまず「データに詳しいところ」に話を持っていく よりも先に上司やチーム内で相談する 「データ」の依頼のやり方 25
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「インテリジェンス」は相手がいない 現状では依頼する側もされる側も認知と理解が少なく機能し ていない 役割分担、つまり責任範囲 依頼する側のスキル 依頼を受ける側のスキル 必要ではあるが、混乱するだけなのでまずは関係者がどのよ うな認識を持っているかの確認から必要になる 「データ」の依頼のやり方 26
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「データ」はデータの部署に依頼する 「分析」が欲しいとはいいつつ実際に求めているのは「デー タ」であることも多い ダッシュボードの作成も大半はここ 自分で分析をするための「データ」が欲しいならデータの部 署に相談するのが妥当 データの部署がないからとエンジニアに頼むのも本来の役割 とは違っていることに注意 「データ」の依頼のやり方 27
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「何に責任があるのか」に注目する 現状では3つが明確に分かれていることはなくあいまいな状態 になっている 「データ」などを掲げていても実態として「提案」の仕事を している場合もある まずは「その部署は何に責任があるのか」について認識を合 わせ、ふさわしい相手に依頼する とりあえず依頼しても対応はしてもらえるが、頼まれたから 対応しているにすぎない 「データ」の依頼のやり方 28
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「データ」に絞る それぞれ求めることも依頼すべき内容も違う 「データ」はどこでも行われているが、依頼する方法を学ぶ 機会がなく最もギャップがありそうなのでここを埋める 「提案」は従来のコンサルティングやマーケティングの領 域であり、既存の膨大な知識や情報がある 「インテリジェンス」は需要も少なそうなので後回し 以降の議論は「データ」に絞る 「データ」の依頼のやり方 29
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「データ」の何を依頼するか 「データ」の依頼のやり方 30
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分析のためのデータが欲しい 依頼の中心 分析ためということは意思決定のためであり、具体的な行動 が結びつくことが大事 「いつどのような意思決定と行動のために必要なデータは何 か」を考える 「データ」の依頼のやり方 31
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現状を概観したい いわゆる基礎統計 指標はいくらでも作れてしまうが、たくさん作ったところで 見ない とにかく依頼する、をみんなでやるから疲弊するので、必要 最低限で耐える 「データ」の依頼のやり方 32
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監視がしたい ダッシュボードに限る必要はない 大きな変化やトラブルがあったときだけわかれば十分なら ば、ダッシュボードにするよりアラートが鳴るようにする方 がいい 基礎統計と同じで簡単に増やせるが、あまり閾値を低くする とアラートがたくさん鳴るのでほどほどにする 「データ」の依頼のやり方 33
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データの詳細を教えてほしい データについてわからないことを尋ねる 場所 定義 例外や使える期間など利用上の注意点 いつ更新されるか メタデータが記録されていなければ催促してもいい 「データ」の依頼のやり方 34
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SQLを書く必要がある SQLを中心にプログラムを書く必要がある場合は簡単に書け ると思ってもやめておいた方が無難 データの確認も含めてかなりの時間がかかる 各人が勝手に指標を作るとガバナンスで問題が起きる 自分ではSQLは書かずに依頼して任せる 結果を提供してもらう ツールで扱えるように整理してもらう 「データ」の依頼のやり方 35
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新しく指標を作りたい SQLやツール内で手軽に作れるが非推奨 各自が勝手に作ると、隣に座っている人とすら定義が違っ てしまう 後で間違い探しと修正と運用でのカバーに膨大なコストが かかる 今すぐ欲しいのに依頼すると数日かかってそれでは間に合わ ない、という場合は相談。一時的な対応はできる 「データ」の依頼のやり方 36
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ツールの操作をしたい 既存のダッシュボードを修正したいがツールの扱いに長けて いないので対応して欲しい グラフの種類や見せ方の変更 ダッシュボード内のレイアウトの変更 表示する期間や条件の変更 データや見た目の修正は自分でもできるようにやり方を教え てもらうほうがいい 「データ」の依頼のやり方 37
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「データ」の依頼の仕方 「データ」の依頼のやり方 38
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必ず伝えるべきことは内容と納期 内容 分析に必要なことを依頼する 定義や用語、各種要望を依頼時に伝える 納期 「いつ必要なのか」を伝える。明確に決まっていない場合 でも目安はあったほうがいい 用心して少し早めにするのは許容されるが限度はある 「データ」の依頼のやり方 39
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内容 これらを決めないと抽出できない 内容がふわっとしているとこれらをコミュニケーションで全 て決めていかなければならない この後の例は、アウトプットを作るために決めなければなら ないことの一部 「データ」の依頼のやり方 40
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依頼時に伝えるとよいことの例1 誰がみるのか 依頼特有の条件 いつもとはちょっと違う分類や集計 必要な単位 秒、分、時間、日、月、年など 年齢、年代 都道府県、地域 「データ」の依頼のやり方 41
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依頼時に伝えるとよいことの例2 有効な範囲 年齢の下限上限、年代の集約(例:70代以上) 欲しい期間 範囲、いつ以降や以前 関連する依頼。依頼番号があればその方が調べやすい まず見られればいいのか、長期的に見続けるか 「データ」の依頼のやり方 42
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依頼時に伝えるとよいことの例3 アウトプットの形式の希望 BIツールでダッシュボードにする スプレッドシート csvファイル 「データ」の依頼のやり方 43
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納期について いつまでに必要なのかが明確でない場合でも納期を決める 「なるべく早く」は本当に急いでいるのか、早めにあれば うれしいなのかが伝わらないのでやめる いつでもいい、はよほど余裕がないと着手されないと思っ ておく 「忙しかったら後回しでいい」の一言があると抽出側は調整 がしやすい 「データ」の依頼のやり方 44
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依頼の背景は内容次第 依頼に至った「背景」はわからなくても抽出はできる 過不足のない内容で依頼が出せるならば背景は無くてもいい ごく単純な内容か、類似の抽出をする場合ぐらい 背景を伝えるなら内容と納期の後 背景よりも内容と納期が詳しいことの方が大事 背景の情報がないと作業だけさせられている思う人もいる 「データ」の依頼のやり方 45
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アウトプットのイメージはほどほどに ダッシュボードを実際に使ってから修正することになるので 事前にしっかり作りこみしても無駄になるだけ ダッシュボードのレイアウトなどはあとで変更できるし、そ のコストも低い その分必要なデータが何かを考えることに注力した方がいい 見た目はすぐに直せるが、データの不足を補うには時間が かかる 「データ」の依頼のやり方 46
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依頼者に心がけて欲しいこと 「データ」の依頼のやり方 47
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主体は依頼者にある 依頼者が行うべきことは本当にに必要な「データ」が何かを 見極めること 「データ」を依頼するのは分析を行うためであり、料理でい えば食材を集めるのと同じ 何を作るかを決め、そのためにどのような材料が必要なのか を考えるのは作る人のやるべきこと 「データ」の依頼のやり方 48
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必要なことならば依頼する 依頼者は内容や納期が実現できるかや、抽出側のリソース状 況はどうかを考えなくともよい 内容や納期を検討して対応の可不可を検討し、代替案を提示 するのは抽出側の責任 気を利かせてくれるのはありがたいが「〇〇のデータは抽出 できますか?」と言われても反応に困る 必要なら依頼する、なくてもいいなら依頼しない 「データ」の依頼のやり方 49
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意思決定と行動を意識する 意思決定をするにはどのような分析が必要で、その分析には どのようなデータが必要か、の順番で考える 意思決定に「いつ、どうやって」の具体性がなく単なる願望 になっていないか注意する 意思決定したいことが曖昧なため、意思決定と依頼されたデ ータがつながっていない、ということが多い 「データ」の依頼のやり方 50
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納期の変更は早めに連絡する 納期が早まった場合はもちろん、遅くなった場合も同様に連 絡する 納期が迫っていたのでなんとか対応したら「実は来月で大 丈夫になっていた」は非常につらい 余裕ができた分は別の仕事に回せるので、抽出側としては 教えて欲しい 「データ」の依頼のやり方 51
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抽出にはコストがかかることを意識する 気軽に依頼したつもりでも、実現するために裏側で膨大なリ ソースを費やしている可能性がある わずかな影響しかない追加のために膨大なクエリを書く 過去の関係者、エンジニア、外部へのヒアリング 普段使わない場所や外部から分析環境へデータを置くため のエンジニアの稼働 個人情報や機密情報の扱いを確認するための法務や関係者 の稼働 「データ」の依頼のやり方 52
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見切りをつける 大勢に影響の出ない範囲でちょっとした誤差や欠損は無視で きると、抽出がしやすくなることがある。時には数倍違いが でる 抽出側から「この部分は誤差があるが〇%なのでそのままで いいか」などの提案が来るので許容範囲ならば受け入れる リソースを費やしてでも正確なデータが必要な場合もある。 当事者で解決しなければエスカレーションする 「データ」の依頼のやり方 53
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早めに相談する 意思決定や施策の実行の後に「データ」を依頼しても手遅れ になることが多いので、できるだけ早い段階で相談する そのうち必要になるかもしれないがその時すぐに対応できる か、の確認はしておく方がいい 存在の確認と、実際の入手には大きな壁がある 良くわからない場合はとにかく相談してもらった方が対応し やすい 「データ」の依頼のやり方 54
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「データ」の依頼のアンチパターン 「データ」の依頼のやり方 55
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どんなデータを見るべきかを依頼する 「KPIはどうしたらいいのか」「成果はどれぐらいならいい のか」を考えるのは意思決定者の仕事 決められないならば上司に相談すべきこと KPIを決めるための「分析」を行うための「データ」を依頼 する、があるべき姿 「データ」の依頼のやり方 56
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これからどうしたらいいかを聞く データを扱うスキルとビジネスのスキルは別 聞かれたら何かしら答えるだろうが、質は担保されない。責 任がない人に問うこと自体が失敗の素 売上向上のために”何をするべきか” 顧客のロイヤリティを高めるためには”どうするべきか” オフィスビルの建築家に会社の経営のアドバイスを求めるよ うなもの 「データ」の依頼のやり方 57
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良いデータを提案してくるのを待つ 依頼はしていないけれども使えそうなデータを抽出側が考え て渡してくれるだろう、と期待するのは責任の放棄 「データ」を扱う人は、通常その人や部署のリソース、優先 順位、様々な事情など知らない ”面白いデータ”がたくさんあっても意思決定には使えない その中には役に立つデータがあるかもしれないが、非常に 効率が悪い 「データ」の依頼のやり方 58
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内容があいまい 背景は書いてあるがどんなデータが欲しいのかわからない 内容に違和感があるので聞いてみると、本来知りたいと思っ ていることとつながっていない 抽出側で意図を読み取ってコミュニケーションを先導してい くのは非常に効率が悪い とりあえず依頼しておけばあとはうまいことしてくれるだろ う、は実質丸投げ 「データ」の依頼のやり方 59
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ただの興味本位 具体的に何をするかは決めていないが、なんとなく数字を見 てみたい 必要なことが明確になってから改めて依頼するべき 数字をあれこれ見て議論するのは楽しいが具体的な行動に 繋がることは少ない 「今後定期的に見ていきたい」はどうせ見ないので、トラ ブルが起きた場合にアラートが出るようにする方がいい 「データ」の依頼のやり方 60
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依頼していないデータが抽出されていな いことへの苦情を言う 後になって依頼していないデータがないことに「なぜこのデ ータも提案しないのか」など言ったりするのは最悪 長期的にも悪影響。抽出側は予防としていろいろなデータを 先に提示するようになり、考える時間も無駄になる あるべきコミュニケーションがされなかったことへの苦情は するべき 「データ」の依頼のやり方 61
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適当に作った元データの処理を任せる スプレッドシートで適当に管理しているデータの処理も依頼 の中に混ぜない 適当な運用をしてきたツケを抽出側に押し付けるべきではな い データ量が多く複雑すぎて手に負えない、ということならば 相談すること 「データ」の依頼のやり方 62
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必要以上に正確性を求める 正確な数値を出すことにこだわると非常に効率が悪く抽出の リソースを食いつぶす トレンドを知りたい時に正確なデータを得るために膨大なリ ソースを使うことにはあまり意味がない とにかく正確でなければならない、というこだわりは持たず にどの程度の正確性が必要なのかを状況に合わせて考える 「データ」の依頼のやり方 63
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抽出側からの提案をなんでも受け入れる 〇〇は必要か?と追加で提案して来た場合「あっても困らな い」からと受け入れない 受け入れるのは「本当は必要だったが依頼から漏れていた場 合」に限るようにする あったら使うかも、ならば断る。不要なら不要というべき 追加の作業分だけ他の依頼への対応が遅れる 「データ」の依頼のやり方 64
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さいごに 「データ」の依頼のやり方 65
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「データ分析」のこれからのために データを本当に活用するために重要なのは専門家だけでな く”使う側”のリテラシー向上が急務だと考えている その課題の解決のための第一弾として身近な「依頼」をテー マに選んだ データリテラシーの向上に少しでも貢献していれば幸い ご質問やディスカッション希望などお気軽にご連絡ください X(旧Twitter):@data_analyst_ 「データ」の依頼のやり方 66