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住民対話・参画を促すまちづくり
 コード・フォー・ジャパンの取り組み
 2021年5月26日
 
 Code for Japan
 GovTech Team リーダー
 東 健二郎
 土木学会 コンサルタント委員会 合意形成小委員会 
 『ポストコロナにおける新たな市民合意形成』に関するシンポジウム 


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ともに考え、ともにつくる。


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公共モデルを「行政依存」から
 
 
 
 シビックテック アプローチ
 オープンにつながり、社会をアップデートする
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 市民 行政 「共創」へ
 行政と市民 (エンジニア、デザイナー、 民間企業、NPO、学生など) Conflicts
 Work together
 社会課題

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市民とともに
 行政とともに
 ● 市民主導で自分たちに必要なツールの開 発を行う
 
 ● 地域のシビックテックコミュニティと連携し て知識・経験を共有する
 
 ● 公共サービスの改善などをプロトタイピン グしながら実装できる形を示しながら提案 する
 シビックテック アプローチ
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 ● デジタル時代にあった公共サービスを公 共機関と市民がともに考え、ともにつくるこ とができるよう土壌を整える
 
 ● オープンデータなどを推進することで政府 の透明性・可視化を後押しする
 
 ● 市民目線で公共サービスを考え、効率的 な業務プロセスを持つ組織へのマインド チェンジを促す


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シビックテックの幕開け
 500 → 5,000
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 COVID-19対応や災害時対応、地域活動で開発したものが活躍
 新型コロナウイルス感染症対策サイト 
 
 
 
 
 2020年3月3日にリリースされた東京都コロナウ イルス対策サイトはオープンソースでモダンな開 発であることから多くのエンジニアやメディアの 注目を集めました。約300人がコントリビュートし たことに加え、東京都版から約80地域の派生版 が作られ、全国的なムーブメントになりました。 
 総務省と連携して、データの標準化を推進し、 データがより活用されやすい環境づくりにも参加 していきました。
 
 民間支援情報ナビ
 
 
 
 Covid19に関連して多数つくられた民 間や国の支援策を横断的に検索でき るサイトもシビックテックのコントリ ビューター(貢献者・参加者)が活躍。 
 データは経産省が標準化、オープン データ化を推進。CfJでもデータ収集 を実施。
 
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.0000 39198.html 
 アイデアボックス
 
 
 
 
 COVID-19に活用できるテクノロジーに関するアイ ディアを募集し、集まったものに対して、市民と行 政職員がフラットに議論。 
 137のアイディアが集まり、とりまとめて、政府コロ ナテックチームに報告。 
 
 
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000039198. html 
 シビックテックの幕開け


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 COVID-19対応や災害時対応、地域活動で開発したものが活躍
 テイクアウトマップ & OPEN EATS JAPAN 
 
 
 
 
 
 各地のCode for XXコミュニティ(ブリゲード)を中心に飲食店支援を目的と したテイクアウトマップを開発。Glideなどコーディングが不要で比較的簡単 につくることができたこともあり、たくさんの地域でテイクアウトマップが展 開されました。
 更に、ブリゲードや民間企業と連携して、飲食店情報の標準化とオープン 化するプロジェクト「Open Eats Japan」が始動しています。 
 
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000039198.html 
 おうちで時間割
 
 
 
 
 臨時休校を余儀なくされた小学校が遠隔での学習計画表提供を試みてい たものの、計画表と動画コンテンツが紐づいておらず、紙資料で配られる 飲みだったため、子どもたちが自分で端末を操作して閲覧することが難し く、課題に感じていたNHK for Schoolの方から相談があり、簡単にスマホ から勉強できるツールとして、「おうちで時間割」を開発。6月にα版をリ リースし、10月にβ版を展開、実際に千葉の小学校など複数の学級で導 入いただきました。
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000039198.html 
 シビックテックの幕開け


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これまでとこれからのシビックテック
 コミュニティとしての活動 
 住民対話・参画を促す = その最初の人になる 
 サービス開発(アプリ等) フィールド活動(地域情報化) 官民連携促進 アドボカシー活動 課 題 解 決 ス キ l ム の 提 案

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なぜ、シビックテックがまちづくりか?


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SNSからオンラインでの社会参加のための仕組み
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内閣府資料
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内閣府資料
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内閣府資料
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内閣府資料
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No content

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シビックテックは、より対話と参加が重要に
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 「DIY都市」をコンセプトとしたスマートシティ・スーパーシティの推進
 テクノロジーをうまく使いこなし、地域に根ざした住民、企業、誰もがオープンに参加し、みんなで議論しな がら一緒につくり上げるまちづくりを目指す。
 
 https://note.com/hal_sk/n/nb18550eae279 
 自分たちが理想とする 暮らしを、自分だけじゃ なく仲間をふやし、街 全体で取り組んでいき たい
 都市づくりにおいて、 市民を巻き込んだ合意 形成をスムーズにした い
 自社の技術やサービス を都市づくりに活用し たいけれど、地域や行 政との関わり方が難し い
 市民
 市役所職員
 企業


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Well-Beingとまちづくり
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Well-BeingとLiveability
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一部の自治体の提案には登場しつつあるが・・・
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Decidimについて
 Decidimは、「我々で決める」を意味するカタルーニャ語 にちなんで、 2016年にバルセロナで誕生 したオープンソースの参加型民主主義プ ラットフォームです。このソフトウェアは、さまざまな方法で ボトムアップ の参加をオンラインでサポート します。
 バルセロナで2016年にスタートしたのち、 世界各地に広がり、スペイ ン、フィンランド、台湾などをはじめとして180以上の組織、32万ユー ザー、160以上のプロジェクト が立ち上がっています。
 日本においては、2020年10月に兵庫県加古川市で初めて導入 され、 以来横浜や兵庫県のプロジェクトをはじめ、国のスマートシティガイド ブック策定にも用いられたほか、民間部門の取り組みでも活用がはじ まっています。
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Decidimの特徴
 オンライン・オフラインを融合させた
 熟議のためのプラットフォーム
 ● オフラインでのやりとりをDecidim上での共有し、 
 集約することで、透明性の向上を実現する 
 ● 情報共有により意思決定を進めるプロセス設計 
 ● 言い合いではなく、積み重ねる議論を可能とするユー ザーインターフェース 
 ● 参加することでまちへの解像度が上がる 
 ● 多様な人が参加できる開かれたシステム 
 
 戦略立案
 参加型予算編成
 住民参加型
 計画立案
 署名活動・
 市民相談受付
 討論
 コミュニ
 ケーション
 Decidimが備える機能
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熟議を行うためのプラットフォーム
 オンライン・オフラインを融合させた、熟議のための プラットフォーム
 ● 透明性の高い情報
 ● 高度な意思決定を実現する情報
 ● 言い合いではなく、積み重ねる議論を可能とする ユーザーインターフェース
 ● 参加することでまちへの解像度が上がる
 ● 多様な人が参加できる開かれたシステム
 ● 高度な議論を一箇所に集約させる
 


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30を超える自治体で利用
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 ● バルセロナ市の自治体行動計画(PAM)の提案書を提出するプロセスに、12万人(バル セロナの人口の7.5%)が参加
 ● 提出された10,860件の提案のうち、1,467件が計画に採用
 ● プラットフォームの立ち上げ以来、作成された13,957件のうち、9,828件の提案が受理


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オンライン・オフラインの融合?
 オンライン
 ● より多様な人が意見できる
 ● 意見を俯瞰しながら整理できる
 ● 気軽に参加できる
 
 オフライン(ワークショップ)
 ● デジタルが苦手な人も参加できる
 ● より突っ込んだ議論ができる
 ● 積極的に意見を言わない人にもリー チできる
 
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Decidimの利用イメージ ※意見募集を例に
 Decidimが用意する機能を利用して、参加者がコミュニケーションする場を設定 
 ①場の設計
 ②管理画面で設定
 ③ページ公開
 ④参加者同士の
  コミュニケーション 
 ⑤意見集約内容をDecidimに投稿 
 オ
 フ
 ラ
 イ
 ン
 オ
 ン
 ラ
 イ
 ン
 リアル開催のワークショップ 
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Decidim導入事例
 兵庫県加古川市(2020年10月〜) 
 日本初導入。地元高校生も含め200名が参加し、約300のコ メントによりスマートシティ構想の策定に活用。
 内閣府等(2021年1〜3月) 
 スマートシティガイドブック策定に際して現場の取組事例・課 題・知見などを収集し、ガイドブックに反映。
 官民問わず幅広い分野でのコミュニケーションプラットフォームとしての活用がはじまっている 
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Decidim導入事例
 他の導入事例(予定含む) 
 ● 小規模自治体での導入検討 
 コロナ禍において、自治会との懇談会のオン ライン化、多様な住民の意見収集 
 ● 参加そのものをコンテンツ化 
 都市部におけるまちづくりプロジェクト 
 ○ 大学アクティブ・ラーニング教育として実施さ れるフィールドワーク調査をオンラインでディ スカッションする場として運営
 ○ FM番組のWebコンテンツと連動し、メディア ミックスのフロントとして活用
 ○ 参加型展覧会での利用
 兵庫県(2021年3月〜) 
 県ビジョン策定に向けて、将来構想試案・骨子案にそれぞれ に対する意見を聴取していく予定。
 官民問わず幅広い分野でのコミュニケーションプラットフォームとしての活用がはじまっている 
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加古川市版Decidimの概況 2020年度の実績
 登録者数
 196
 10代参加者
 約4割
 
 コメント総数
 261
 市内:市外参加者
 40:60
 
 
 最大コメント数
 39
 スマホアクセス
 60%
 
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時間帯別コメント数(平日・土日祝)
 191
 
 
 
 70
 コメント数 35


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ユーザー地域属性と閲覧時間の関係
 ※Googleアナリティクスより(地域正確性が不明確とされる大阪、横浜、東京23区などは除外している) 
 2020年10月30日〜2021年1月5日 
 尼崎市
 三木市
 明石市
 神戸市
 姫路市
 加古川市
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オンライン・オフラインの融合?
 オンライン
 ● より多様な人が意見できる
 ● 意見を俯瞰しながら整理できる
 ● 気軽に参加できる
 
 オフライン(ワークショップ)
 ● デジタルが苦手な人も参加できる
 ● より突っ込んだ議論ができる
 ● 積極的に意見を言わない人にもリー チできる
 
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 加古川市外の人の参 加により、意見の多様 化
 ● 満足度が高い ワークショップ
 ● オンライン議論も 再活性化
 加古川市民が
 ● 平日に偏りなく
 ● 短時間アクセス
 ● コメント


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印象的なやりとり
 (おそらく)在校生の主張と感想
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印象的なやりとり
 いわゆるカタカナ言葉に関する市民感覚とその受容
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印象的なやりとり
 GIGAスクールの推進に関して、
 アイデア収集フェーズで意見が
 多数寄せられる
 
 
 
 「視力への負担軽減策や子どもたちの 
 健康面に配慮した環境整備」について 
 基本方針へ反映
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印象的なやりとり
 役所目線と市民目線の出会い①
 高齢者をサービス提供先と見るか社会参加の主体と見るか 
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印象的なやりとり
 役所目線と市民目線の出会い②
 役所の示すアジェンダへの共感度
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 これまでのやりとりを見て、追加質問 
 → 役所回答で、新しい論点(コスト)に 
   気がつく


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印象的なやりとり
 役所目線と市民目線の出会い③
 役所の示すアジェンダへの共感度
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 事務局にお願いしたいことは、問 の背景とゴールを明確にしてもら うこと

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Decidimに対する現時点での所感
 ● オフラインとオンラインの組み合わせの妙
 ● いわゆる「荒らし」は起こるのか?
 
 ● アジェンダセットの重要性
 ● 参加の場をつくるのは誰か?
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