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Ejectコマンド工作活動 10周年! 10年で時代はどれだけ Ejectに追いついた? Ejectコマンドユーザー会 あっきぃ ( id:Akkiesoft ) 2019/11/9 KOF2019

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自己紹介 • あっきぃです (@[email protected]) – Mastodon。 • Ejectコマンドユーザー会主宰 – eject.kokuda.org 安定の放置サイト • Raspberry Pi ユーザー会 – raspi.jp こっちはブログ書いてます • ミクだいすきー

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イジェンダ • Ejectコマンドユーザー会とは • Ejectの10年を振り返る • いまEjectを使う必要があるか問題

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Ejectコマンドユーザー会とは • EjectコマンドによるCD-ROMドライブの トレイ開閉運動と • PCやRaspberry PiなどLinux機を組み合わせて • ピタゴラスイッチみたいな工作をして • 主にホームオートメーションを実現する • IoT系工作を作るユーザーの集い • Ejectコマンド工作と呼んでいる

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ユーザー会の活動 • OSC出展時がおもな活動タイミング • 最近はラズパイユーザー会にくっつく形で Maker Faireにも出展 • Software Designへの執筆(不定期) • (たぶん)相変わらずのひとりコミュニティ

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EJECTコマンド工作の10年を 振り返る

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はじめてのEject(2009) • OSCに遠征(北海道)に出かける間、 ハムスターの自動給餌をしたいと思った • 時間が限られた中で、家にあるものを 見ていたらCD-ROMドライブとIDE-USB変換 ケーブルがでてきた • 自宅サーバーに 繋いで工作

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しくみ 1. ejectコマンドを送ってトレイをオープン 2. トレイがカップを倒してエサが落ちる 3. エサやり完了

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現在の給餌(2013〜) • ダンボールとテープだけでできるよう簡素化。 (縦に積み増して)複数回餌やり対応

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金魚の給餌も(2016) • フレークタイプは、ろうとをトレイでつつくと餌 が落ちる仕組みを開発 • 粒タイプはサーボモーターを使用して卒Eject

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現代のIoT的餌やり • ハムスターや小動物向けはあまり増えてない 印象 • 犬猫は色々増えたかも – 餌入れの前に体重計を載せてセンサーやらカメ ラやらで観察するやつとか – と思ってググったら消えてた • 餌やりよりもカメラで観察系が充実

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エアコンの電源操作(2010) • 初代はボタンを直接押した • 次世代では電源ボタンの回路を取り出して アーケードスイッチで押した – 成功率の向上

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現在のエアコン操作(2013〜) • CD-ROMドライブとアーケードスイッチが フォトカプラー(リレーっぽいやつ)に置き換え • リモコンは変わっていない • Raspberry Piで"卒Eject"した例 • 今も使用中

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現代のエアコンリモート操作 • スマートリモコン、IoTリモコン等として製品が 豊富に存在 • 数千円程度で購入可能 • Amazon Echo, Google Homeなどと連動 • エアコンのリモート操作が法律的にいいのか 悪いのかもめてたのももはや遠い昔

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除夜の鐘 • 「除夜のEject」 • 毎年12月31日にYoutubeで中継 • Mastodon/Twitterを通じてだれでもEjectで鐘 をつくことができる • 結果は中継で確認 • 今年もやる

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スマートコンセント(2011〜) • タンブラースイッチをドライブの前に 置くだけでスマートコンセントになる工作 • Ejectコマンドの-t(閉じる)/-T(トグル)を活用し てオンオフ両方を実現 • 100円ショップの 節電タップを使って 簡単に実装

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スマートコンセント製品 • Amazonで2000円くらいから買える • もちろんAmazon Echo, Google Homeや IFTTTなどとも連動 • Ejectよりよほど小型 OR

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カーテンオープナー • 毎朝カーテンをオープンする工作 – 紐を引くとカーテンが開く工作(両開き対応) – 紐につけたおもり – おもりを落とすドライブ • 閉じられないのでリセットは手動 • シェルスクリプトマガジンと SDに執筆

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• もともとMornin’が有名 • Switchbotも参戦して最近話題 カーテンにもIoTの波 https://mornin.jp/ OR https://ks.switch-bot.com/switchbot-curtain/

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植物の水やり • スマートコンセントとペットボトルとチューブの 組み合わせ • ポンプでボトルに空気を送り込み、水を押し 出す • 1回しか使わな かった • 多分便利

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植物にIoTなんていらなかった • ダイソーが100円で解決 • 高低差を利用した 自動給水器 • 電源無しでやれる • 強いて言えば土壌の 湿度センサーを 組み合わせてみる?

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Ejectコマンド工作式CDTea • 光学ドライブでお茶を淹れる装置 • オリジナルである海外の事例は ドライブの内部を魔改造していた が、スタンドを作成してベゼルに 改造に留めることでejectコマンド で実現 • 実用性は不明

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同人活動 • Ejectのうすい本を4作発表 • 今は4作を1冊にまとめた総集編 「EJECTO 2012-2017」を頒布中(800円) • 本日も頒布中です • COMIC ZIN, メロンブックスでも委託販売中 – どちらも通販できます

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書籍への執筆 • Raspberry Pi [実用] 入門(2013) • シェルスクリプトマガジン(2015) • Software Design – 2017/1 除夜のEject – 2017/9 Ejectスマートコンセント – 2018/3 CD-ROMにRPiを内蔵 – 2019/1 垂直Eject – 2019/10 カーテン +トレイのベンチマーク

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いまEJECTを使う必要があるか問題

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Ejectコマンド工作の メリットとデメリット • メリット – 電子工作ができなくてもOK – 物品調達は難しくなく安価 – ハンダ付けとかあまり無いのでたぶん安全 – Linuxの知識が身につく(かも) • デメリット – 工作の成功率にムラができやすい – 場所を取る – サーバー構築のスキルが必要

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2009年当時のその手の工作 • わたし「ハムスターの給餌をやりたい!」 • まだ「電子工作と言えばPICとかなんとか」の 印象が濃い世界 – 敷居高 – Arduinoはもうあったらしいけど気づいていない – それらを使う発想がなかった • CD-ROMドライブで無理やりでもできたので、 工作の敷居が少し低くなった(?)

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Raspberry Piの登場と 電子工作の変化 • 小型で安いLinuxマシンとして威力を発揮 – Ejectに必要な自宅サーバーや展示用ネットブック が5000円以下の小さなラズパイに置き換わった • 電子工作の敷居をめちゃくちゃ下げた – 豊富すぎる作例。ググって材料を揃えて作れば そのまま使えるものがゴロゴロする世の中に – EjectでなくてもRaspberry Piで簡単に実現 できることが増えた

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IoTブーム • IoT製品がめちゃくちゃたくさん出てきた • Ejectでやってた製品は大体IoT製品になった し値段も安くなった • 比較は先にやったとおり。

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Ejectである必要はない • Ejectコマンド工作は手段 • 問題・課題があった時、その時代にある適切 な手段でいい感じに解決しよう – 電子工作 – 市販品 – Eject

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まとめ • あっきぃは大事な20代をEjectに費やしてしま いました • でも私が欲しかったものはIoTデバイスとして 後からついてきて、みんな簡単に使えるよう になった • いまもEjectが必要かと言われると悩むが、 その時の課題と課題達成のための難易度と かスキルによる

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おわり