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点群処理ライブラリPDALを Google Colabにて利用する 板倉健太 ImVisionLabs株式会社代表取締役

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3次元点群からの地表面抽出について 1 • 樹木や建物の高さ計算や 物体認識のヒントに有効  3次元点群の前処理として地表面抽出は重要  地表面抽出の事例はこちらをご参照ください:点群から道跡の検出を行った事例 (奈良文化財研究所高田様との取り組み) https://speakerdeck.com/kentaitakura/dian-qun-karadao-ji-nojian-chu-woxing-tutashi-li 東京都デジタルツイン実現プロジェクトによる公開データを使用しています https://info.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/ • 森林の道跡検出に有効

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3次元点群からの地表面抽出について 2  点群から地表面の抽出を行うことで、高さ情報に基づく詳細な解析が可能 • 例)森林の点群から地表面抽出をすることで樹木の高さが計算可能

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地表面抽出の実行について  SMRFはMATLABで利用可能(簡単に実装可能・ライセンス必要) 地表面:茶色 画像出典: • https://www.mathworks.com/help/lidar/ref/segmentgroundsmrf.html • https://pdal.io/en/2.8.4/ 3  PDALでもSMRFフィルタが実装されており、Pythonから呼び出し可能 (簡単に実装可能・無料のオープンソースライブラリ)

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PDALおよびGDALについて 4  PDAL (Point Data Abstraction Library) • 点群データを処理するためのオープンソースライブラリ  GDAL (Geospatial Data Abstraction Library) • 地理空間データの読み込み、書き出し、変換、解析を行うためのオープンソース ライブラリ 画像出典: • https://pdal.io/en/2.8.4/ • https://gdal.org/en/stable/

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Google Colabについて 5  Google Colaboratory (Google Colab) • Googleが提供するクラウドベースのJupyter Notebook環境 • Pythonをブラウザ上で簡単に実行でき、特に機械学習やデータ分析の用途で広く 利用可能 • ローカルPCの性能に依存せず、大規模なデータ処理や機械学習が可能 • 手軽に利用できリンクによる共有も可能

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Google Colabを利用したPDALの実行:環境構築 6  PDALを利用するにはcondaによるAnacondaの環境構築が有用(※) • Google Colabにてcondaを利用することを想定 ※以下のPDALのページでは、Dockerなどの他の方法よりcondaが便利と書い ています:https://pdal.io/en/stable/workshop/conda.html 画像出典:https://github.com/conda-incubator/condacolab  condacolabというGoogleColab上でcondaを使うためのライブラリがある • Google Colabにcondacolabをインストールして利用

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Google Colabを利用したPDALの実行:環境構築 7  ymlファイルを利用した環境構築 • Condaの環境に必要なPDALやGDALなどのパッケージをインストール 画像出典:https://pdal.io/en/stable/workshop/conda.html 例)ymlファイルの構成

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Google Colabを利用したPDALの実行:地表面抽出 8  PDALではJSON形式のファイルを用いて処理の流れを定義 • JSONファイルの内容は以下の通り ① ② ③ ④ ⑤ ① 入力ファイル名の指定 ② 指定した条件で外れ値(ノイズ)をフィルタリング ③ 外れ値を除去 ④ SMRFによる地表面抽出を実行 ⑤ 分類結果を再フィルタリングし出力ファイル名を指定

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Google Colabを利用したPDALの実行:SMRFによる地表面抽出 9  SMRF (Simple Morphological Filter) • 地形の形状とスケールに基づくフィルタリングを組み合わせた地表面抽出方法  詳細は以下の資料をご参照ください • スライド:https://speakerdeck.com/kentaitakura/di-biao-mian-chou-chu-nofang-fa-dearusmrfnituiteshao-jie • 動画:https://www.youtube.com/live/VGPjSKqM8lM?t=1756s

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Google Colabを利用したPDALの実行:CSFによる地表面抽出 10  CSF (Cloth Simulation Filter)  「上下を反転させた地形の上に空から布を落とす」ことをシミュレーションするアルゴ リズム Wuming Zhang, Jianbo Qi, Peng Wan, Hongtao Wang, Donghui Xie, Xiaoyan Wang & Guangjian Yan (2016). An Easy-to-Use Airborne LiDAR Data Filtering Method Based on Cloth Simulation, remote sensing, 8, 501. • 地面の上では布は接触して止まるため 布が接触した場所を地面とみなす • JSON フ ァ イ ル で “type”:”filters.csf” のように定義

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Google Colabを利用したPDALの実行:実行例 11  実行例① • 東京都のデータでの実行例 対象の点群データ 地表面抽出の結果 • 地表面が適切に分類され、地表面付近の植え込みとも分離されている 東京都デジタルツイン実現プロジェクトによる公開データを使用しています https://info.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/

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GoogleColabを利用したPDALの実行:実行例 12  実行例② • 東京都のデータでの実行例 • 立体駐車場とみられる建造物の屋上が地表面として誤分類 東京都デジタルツイン実現プロジェクトによる公開データを使用しています https://info.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/ 対象の点群データ 地表面抽出の結果 • 分析時の移動窓のサイズが原因と考えられる

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GoogleColabを利用したPDALの実行:実行例 13  実行例③ • 静岡県の山間部のデータでの実行例 • 山の地形に合わせて地表面抽出され、赤丸のようにギャップとみられる箇所も適切 に分類できている 対象の点群データ 地表面抽出の結果 東京都デジタルツイン実現プロジェクトによる公開データを使用しています https://info.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/

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GoogleColabを利用したPDALの実行:実行例 14  実行例④ • 静岡県の農村部のデータでの実行例 • 畦道が地表面以外として分類され、おおまかに土地の区画がわかる 東京都デジタルツイン実現プロジェクトによる公開データを使用しています https://info.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/ 対象の点群データ 地表面抽出の結果

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GoogleColabを利用したPDALの実行:実行例 15  実行例⑤ • 長崎県の海岸部のデータでの実行例 • 点群データではわかりづらい植生の中の道などがはっきりとわかる オープンナガサキによる公開データを使用しています https://opennagasaki.nerc.or.jp/ 対象の点群データ 地表面抽出の結果

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Google Colabを利用したPDALの実行:まとめ 16  Google Colab上でPDALを用いてSMRFを実行する方法について解説  ポイントは以下の通り • PDAL:オープンソースの点群処理ライブラリで、フィルタリングや地表面抽出が可能 • Google Colab:conda環境を構築することで、クラウド上でPDALを利用できる  オープンデータを用いて、PDALによる地表面抽出を実行 • PDALは都市計画やインフラ維持管理など幅広い分野で活用できる • JSON形式ファイル:PDALでの処理の流れを定義する • SMRF:点群データからの地表面抽出アルゴリズムで、JSONファイルによって定義 • SMRF:点群データからの地表面抽出アルゴリズム

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補足資料:ループによる実行 17  フォルダ内のLASファイルをループ処理で実行  JSONファイルで指定する入力ファイル名を書き換える処理を加える • 処理の進捗が以下のように可視化