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エンジニアの教養2023 #1 メタ学習 クラスメソッド株式会社 2023.05

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Agenda 1. 「学習する」ことの意義 in クラメソ 2. メタ学習 #とは 3. OODAループ学習 4. ダブルループ学習 2

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※注意 この記事には複数の問題があります。 ● 出典がまったく⽰されていないか不⼗分です。 内容に関する⽂献や情報源が必要です。 ● 独⾃研究が含まれているおそれがあります。 ● 話者の主義‧主観が含まれているおそれがあります。 https://w.wiki/3GDh 3

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クラメソにおいて なぜ学習が⼤切なのか

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クラメソ そもそも社会⼈において なぜ学習が⼤切な(とされる)のか

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クラメソ業務で「勉強」が⽣きてくるところの例 業務上の必要性 ➡ クラメソ全体の価値向上 (質の⾼いエンジニア/メンバーが多数在籍すると外部からも認められるため) ● 認定資格(AWS、Google Cloud、IPA、各種ベンダー資格 他) ● 担当業務範囲における最新技術のキャッチアップ ● アウトバウンドスキル(執筆、登壇、顧客対応) ● ソフトスキル(社の⽅針に沿った「ひと」としての成⻑) ←

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「学習できる」はスキル ● 学歴から「⼊社前に⼀定以上は⾝につけている」と判断されている ● とはいえ、磨くことを⽌めてもらっては困る ○ 経年で劣化する ○ アップデートする必要(時代と対象に合った最適化) 「学習⽅法を学習する」➡ メタ学習

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Q:「ChatGPTがあるのに勉強する意味あるんですか?」 (Free discussion)

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登壇者なりの答え ● 検索 ➡ 出⼒ ➡ 実⾏の速度感 ○ ⾝についてない知識はレイテンシが問題 ○ 脳が直接API叩けるようになるまではアドバンテージがある ● 「調べれば分かる」ことしか⾔えないなら、 他と取って換えられてしまう ○ 逆に⾔えば「調べないと分からない」というコスパの問題 ■ 調べ⽅が正しかったのか? という疑念を誰かに拭って欲しい ○ 「このひとが⾔った」という、経験に裏打ちされた信頼感 ○ 「完全なGGではない」という特別感

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発展 : OUTPUT アウトプットすることで/されたものを改めて⾒ることで、 ● ⾃分⾃⾝の知識を再確認(知識の反芻) ● 3ヶ⽉未来の⾃分は別⼈ ○ 将来の⾃分のために、いまアウトプットしておく ○ 新しく作る登壇資料に、昔書いたブログを引⽤するとかよくやります 頭の中に⼊ったものは、他のひとから⾒えません ● ex) DevIOブログ ○ お客さんやパートナー企業のひとが結構みてくれてます ● アウトプットされたものだけが価値を持つ、と⾔える ○ 知識のタンス貯⾦化はもったいない、もっと市場に流通させよう ○ 流通された知識は、次の知識を呼び込んでくれる

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ex) アンバサダー / Partner Top Engineer / Superhero https://www.hashicorp.com/ambassadors/directory?region=Asia%20Pacific&q=japan https://cloud.google.com/blog/ja/topics/partners/partner-top-engineer-2023-award-winners https://classmethod.jp/news/2023-snowflake-data-superheroes/

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メタ学習

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メタ学習 ● メタ (meta) = 「ひとつ上の次元から」などという意味の接頭語 ○ メタ視 ≒ 客観視 ● 学習⽅法を学習すること(learning to learn) ● 機械学習(Machine Learning)の⽤語 「学習できる」ということ⾃体が1つのスキル‧能⼒ ● 学習対象や⽬的、⾃分にあった学習⽅法を⾒つけ選択し習得しましょう https://recruit.gmo.jp/engineer/jisedai/blog/meta-learning/ https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00007/00009/ 13

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学習 = 勉強 = 調べ物 「いまこの瞬間に⾃分の中にない知識を、外部から仕⼊れ蓄える」 ...という意味では同じ 「学習⽅法」には「情報収集」や「知識の整理術」も含まれる

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OODAループ学習

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教材 ● アチーブメントHRソリューションズ https://achievement-hrs.co.jp/ritori/ooda-loop/ ● インソース https://www.insource.co.jp/contents/column_oodaloop.html ● 合格サプリ https://goukaku-suppli.com/archives/54393 16

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OODA(ウーダ)ループ 先の読めない状況で成果を出すための意思決定⽅法 ● ジョン‧ボイドが提唱 ○ ⽶国戦闘機操縦⼠‧航空戦術家‧軍事著作家 ○ 元々の対象は戦闘機パイロットの意思決定 ○ 後に応⽤、 作戦術や戦略レベル、更に ビジネスや政治など様々な分野でも ● 迅速に意思決定し、 迅速に⾏動する https://w.wiki/3D$a https://w.wiki/54YK 17

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OODAループが注⽬されている背景 ● VUCA : あらゆる物事が⽬まぐるしく変化する予測が難しい時代 ○ Volatility(変動性) ○ Uncertainty(不確実性) ○ Complexity(複雑性) ○ Ambiguity(曖昧性) ● その時々の状況に応じて素早く判断をし、 意思決定していくことが求められる 18

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OODA(ウーダ)ループ (cont.) ● 観察(Observe) ● 仮説構築(Orient) ● 意思決定(Decide) ● 実⾏(Act) ※⽇本語表記はドキュメントによって様々 19

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つまり:OODAループとは 意思決定過程の⼀般化 ● どこにでも通⽤する 当たり前のこと ● それを意識し訓練することで、 より素早く、確実に⾏動できる ● 意識せずにループを回せる ようになることが⽬標 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:London_2012_Olympic_100m_final_start.jpg https://w.wiki/54YK 20

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OODAループのメリットとデメリット メリット ● 結果が出るまでのスピードが速い ● 臨機応変に⾏動できる ● 個⼈の裁量が⼤きい デメリット ● 組織内で統制がとれなくなる場合がある ● 業務改善には向かない(⽬前の問題解決に偏りがち) 21 https://achievement-hrs.co.jp/ritori/ooda-loop/

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OODAループとクラメソの親和性 ● 個⼈の裁量が⼤きく意思決定と動きが速い弊社は OODAループと⾮常に相性が良い(親和性が⾼い)といえる/思える ● その(OODAループの)デメリットにどう対処すべきか? 対処しすぎたらクラメソの良さがなくなるのでは? ➡ 現在進⾏形かつ永遠の課題 22

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余談 : OODAループとPDCAサイクルの違いと使い分け PDCA = Plan(計画)‧Do(実⾏)‧Check(確認)‧Action(改善) ● 「決められた⼯程をいかに低いコストで進め、⾼い⽣産性を発揮するか」 という課題に対するもの(カイゼン) ● OODAとは適⽤する場所と⽬的が異なる ○ 実質的な意味では近しい概念 PDCA = How(⽅法) OODA = What(⾏動) 23

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余録 : ⾬を表す⾔葉‧ラクダに関する⾔葉 “このように⾔葉は⽣活に密着して⽣まれています。 使⽤度が多いもので、細かく分類された呼び⽅があったほうが便利なら、 ⾃然にその⾔葉が⽣まれてくるのです。” https://www.nihongokentei.jp/amuse/essay/w_03.html https://www.piqsels.com/ja/public-domain-photo-otxxx https://pxhere.com/ja/photo/1434883 24

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OODAループの4つのステップと具体例 ● 第1ステップ-観察(Observe) ● 第2ステップ-仮説構築(Orient) ● 第3ステップ-意思決定(Decide) ● 第4ステップ-実⾏(Act) 25

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観察(Observe) 「⾒る」ではなく「情報の収集」「観測」 ● ⾃分の感情や相⼿の⾏動の置かれている状況 ● 環境、市場の動向 ● 事実を幅広く集める 学習への応⽤: ● いま⾃分は何を学習すべきか? ● そのことについて、⾃分は現在どの程度理解しているか? 26

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仮説構築(Orient) ● あらゆるデータ(raw data)をもとに分析、仮説を構築 ○ 観察した内容 ○ ⾃⾝が持つ経験 ○ ⽂化の特徴 ○ ⾝体的特徴 ○ 歴史 ● DataをIntelligenceへ ループの中で最も重要なステップ ● ボイド⽈く「ビッグ O」 27

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余談 : 2つの「情報」 Information Intelligence ● どちらも「情報」と訳される ● ⽶国中央情報局(CIA) ● 両者は何が違うか? https://www.flickr.com/photos/121483302@N02/14127655320 28

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意思決定(Decide) 1. どうなりたいかを(再度)確認する 2. 構築した仮説にそって、考えられる選択肢をリストアップする 3. ⼀番効果的と思えるものを選択する ※「どうしてその⽅法にしたのか」は明確にしておく 29

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実⾏(Act) https://www.koragazo.com/view_template?id=6323003637891072 http://www.buichi.com/works/cobra/index_cobra.html このステッ プで、決定 (Decide)し た⾏動を実 ⾏(Act)する 実⾏すると どうなる? しらんのか 次の観察 (Observe) が始まる 30

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[Take.2] 実⾏(Act) ● 意思決定(Decide)ステップにおいて決定された内容を実⾏する ● 以下のことは含まれない ○ 各ステップをクリアするための⾏動 ■ 観察、意思決定のためのリストアップなど ● 実⾏したことの結果を観察する --> OODAループ2週⽬へ ○ 想定通りの結果を得ることができたか? ○ 得られていないのであれば、どこで判断を間違えたのか? 31

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まとめ ● OODAループ = 不確定要素の多い中で迅速に意思決定し⾏動するための指針 ● ⽇常的な⾏動のなかで、意識せずこのループに⼊れるよう⾃⼰訓練を “SRE であることを自覚するのは…… 最初の質問として「それをどのように計測していますか」が 口をついて出る時” ⸻— David N. Blank-Edelman 「SREの探求」 32

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OODAループの類例と負の側⾯ OODAループ = 素早く正確にこなさなければならないタスクへの最適化 ≒ 頻出コードの展開、C++実装、マイクロコード化 ≒ 脊髄反射 ➡ 柔軟な対応能⼒を捨てて実⾏速度に特化 Q: その最適解は、いつまで最適解か?

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ダブルループ学習

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教材 ● Schoo(スクー)for Business https://schoo.jp/biz/column/1133 ● J.Score Style https://www.jscore.co.jp/column/lifestyle/2018/double-loop/ ● THE OWNER https://the-owner.jp/archives/5906 ● QuestionCircle https://www.question-circle.jp/2020/10/1138 35

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ダブルループ学習とは ● クリス‧アージリスが提唱した学習法 ○ ⽶ハーバード⼤学の名誉教授‧経営理論家 ● これまで⾏ってきた⾏動や考え⽅にとらわれず、 新しい⾏動や考え⽅を取り⼊れる学習プロセス ● シングルループ学習の⾏き詰まりを打開する ○ シングルループ = PDCA、OODA ... ○ 例えシングルループで成功していたとしても、 その上を⽬指す⽅策がないか、⼀歩引いて⾒つめ直すこと 36

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「⾒つめ直す」=「観測(Observe)」では? ● 概念的にはその通り ● ただし、OODAループの意義は「迅速な⾏動」 ● 観測範囲を毎回広く取っていては、迅速な⾏動はできない ○ 仮説構築(Orient)に時間がかかりすぎる ● (ボイド⽒にあやかって) 空戦で例えたら... ○ ⽬の前の敵機を撃ち落とす(⽬的) ○ 敵機の背後をとるために操縦する(戦術 / OODAループ) ■ ⽬の前の敵機の挙動を確認 = 観測 ○ どうしても撃墜出来ない。。。(シングルループの⾏き詰まり) ○ 戦略を変えよう(--> ダブルループ) ■ 雲の上に出たら? 地上すれすれなら? ■ 雲の中は? ■ ⼀旦離れて遠くから? 別の武装を試す? https://youtu.be/5y-Sqv3-rjw https://ace7.acecombat.jp/ 37

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アンラーニング(学習棄却) ● ⼀度体得した学習や成功体験を あえて排除し、新しい学習を得る フレームワーク ● リフレーミング ● 技術的問題と適応課題 ● クリエイティブ‧テンション https://www.question-circle.jp/2020/10/1138 38

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「型」(再掲) “そりゃあんた、  型がある人間が型を破ると「型破り」、  型がない人間が型を破ったら「形無し」  ですよ” ● 無着成恭の⾔葉 ● 18代⽬‧中村勘三郎の エピソードとして有名 https://j-union.com/-/ad-info/nlog/viewer/view.php?ID=326&CID=7663&AID=63613&T=kiji https://youtu.be/T7DcrshuYRM 39

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「型」(Ref.) ● シングルループで「型」を習得し、 ダブルループでその「型」を破る = 新たな「型」を獲得する ○ ⿁滅で⾔えば「呼吸」でも可 ● OODAループ⾃体は(性質として)その両⽅を内包 ○ 観測範囲をコントロールし「迅速さ」と「打開⼒」を獲得 ○ なれていないうち ➡ シングルループ(観測範囲‧狭) ⾏き詰まったら ➡ ダブルループ(観測範囲‧広) ○ 「型」のないうちに視野だけ広げても「形無し(ぐだぐだ)」になるだけ 40

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余談:ダブルループとクラメソ ダブルループをうまく働かせることで OODAループ(シングルループ)のデメリットをカバーできる ● ⾃分が所属している部署のダブルループはうまく働いているか? ● クラメソのダブルループは? ● どのような「リフレーミング」を起こせば良いか? 41

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余談:リーダーシップと⼼理的安全性 ● クラスメソッドではどの部署でも、 各⾃がリーダーシップを発揮することが 求められる ○ 必ず組織のリーダーになる、 という意味ではない ○ ⾃分のことだけ考えれば良い、 という意味でもない ○ 各⾃には、⾃⼰研鑽と共に「所属組織をより良くする働き」が期待されている ● そのような組織において、「⼼理的安全性」はもっとも⼤切 https://classmethod.jp/company/culture/ https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/foster-psychological-safety/ 42

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何にでも⾔えること “短距離ではなくマラソンである” “Remember: it's a marathon, not a sprint” https://cloud.google.com/blog/ja/products/gcp/sre-success-starts-with-getting-leadership-on-board

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