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© LayerX Inc. 2025/02/27 DEIM2025 技術報告 株式会社LayerX Yuya Matsumura(@yu-ya4) T1-3B-05: LLM拡張 [技術報告] LayerXにおけるAI活⽤事例とその裏側(2025年2⽉) バクラクの⽬指す “業務の⾃動運転” の例

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© LayerX Inc. 2 バクラク事業部 AI / 機械学習グループ マネージャー 経歴 ● 2018/3 ○ 京都⼤学⼤学院 情報学研究科 修⼠課程修了 ● 現在 ○ 株式会社LayerX AI / 機械学習グループマネージャー ○ NewsPicks プロピッカー(AI) ○ ⼤学にて⾮常勤講師やスタートアップの技術⽀援等 画像を入れてね ⾃⼰紹介 松村 優也(Yuya Matsumura) @yu__ya4

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© LayerX Inc. 3 LayerXのミッション

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4 © LayerX Inc. 「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに、AI SaaSとAI DXの事業を展開 事業紹介 バクラク事業 企業活動のインフラとなる業務を 効率化するクラウドサービス Fintech事業 ソフトウェアを駆使したアセットマネジ メント‧証券事業を合弁会社にて展開 AI‧LLM事業 社内のナレッジやノウハウをデータ ベース化するAIプラットフォーム AI SaaSドメイン AI DXドメイン

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バクラクは、稟議、経費精算、法⼈カード、請求書受取、請求書発⾏、 勤怠管理などの業務を効率化するクラウドサービスです。 最先端のAIを組み込むことで、⼿⼊⼒や紙の管理などの業務から解放し、 従業員⼀⼈ひとりがコア業務に集中できる新しい働き⽅を創造します。 中⼩企業から⼤企業まで、10,000社を超えるお客様の働きやすい 環境づくりと事業成⻑を⽀援しています。 バックオフィスから 全社の⽣産性を⾼める。 © LayerX Inc.  5

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© LayerX Inc.  6 「バクラク」シリーズラインナップ ‧AIが請求書を5秒でデータ化 ‧仕訳 / 振込データを⾃動作成 ‧電帳法‧インボイス制度にも対応 仕訳‧⽀払処理効率化 ‧年会費無料で何枚でも発⾏可能 ‧カード利⽤制限で統制を実現 ‧すべての決済で1%以上の還元 法⼈カードの発⾏‧管理 ‧帳票の⼀括作成も個別作成も⾃由⾃在 ‧帳票の作成‧稟議‧送付‧保存を⼀本化 ‧レイアウトや項⽬のカスタマイズも可能 請求書発⾏ ‧スキャナ保存データも直接取込み  ‧AI-OCRが書類種別を判定&データ化 ‧[取引先][取引⽇][取引⾦額]での検索 帳票保存‧ストレージ ‧AIが各種申請書の作成をサポート ‧スマホからも申請‧承認可能 ‧柔軟な通知設定 / 承認の催促機能あり 稟議‧⽀払申請 ‧直感的UIで従業員の負担を軽減 ‧Slack連携で打刻や⾃動リマインド可能 ‧わかりやすい残業 / 休暇管理レポート 勤怠管理 ‧AIが領収書を5秒でデータ化 ‧スマホアプリとSlack連携あり ‧領収書の重複申請などミス防⽌機能 経費精算

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© LayerX Inc. 8 例:AI-OCR機能と内訳(経費の種類)推薦機能による経費精算申請の⾃動⼊⼒ バックオフィスに特化したAI機能群を開発 やっていること

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© LayerX Inc. 9 やっていること AI・LLMの力によって「業務そのものをなくす」という唯一無二の体験を届ける

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© LayerX Inc. 10 「業務そのものをなくす」ことのできるはずの背景 LLMの進化により、⼈間が「(⾃然)⾔語」で機械に実現したいタスクや意図を伝えられる ようになり、アプリケーションのインターフェースのあり⽅がどんどん変化している。 実現したいタスク ・ 人の意図 これまで 実現したいタスク ・ 人の意図 アプリケーションが理解 (入力)できる形にタスク や意図を人が “翻訳” 必要に応じて複数の専 用アプリケーションを 組み合わせて人が作業 タスク・意図をそのまま AIアプリケーションに入力 (複数の)アプリケーション を利用した 人間によるタスクの遂行 AIアプリケーションよる タスクの遂行 例:「受信したメールに対して、Googleカレンダーの予定を参照 した上で出席・欠席の返答を作成して送付してください。」という タスクをPromptを与えるだけで実現できる(かもしれない) これから 人がアプリケーションを利用するためにコストをかけて、や りたいことを実現してきた。

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© LayerX Inc. 11 バズワードとなっているAgentを、技術的に正しく理解しそれぞれの事業で適切な体験に落とし込む。 進化するAgent技術 「業務そのものをなくす」ことのできるはずの背景 Planning Workflow Tool Use Knowledge Memory Interaction (UX・HITL) これらの要素×よりよいUXを追い求め プロダクトのあり方を模索する2025年となる。

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© LayerX Inc. 12 「業務そのものをなくす」ことのできるはずの背景 人の業務であった“SaaSの周辺”部分のAI化の未来が見えてきた ● メールで送られてきた領収書をダウンロードして経費精算システムにアップロード ● 社内ドキュメント記載のルールを確認しながら出張⽤のホテルを⼿配し、その内容を 出張システムに⼊⼒

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© LayerX Inc. 13 出張予定をカレンダーに登録さえすればすべてが終わる世界がくるかもしれない 出張予定がカレンダーに登録される 登録された期間や場所、業務‧イベント内容などから事前の出張申請をAIが⾃動で作成 ⾜りない情報はAIが聞いてくれるので⼈間はそれに答えるだけ 出張内容に適した交通⼿段や宿泊施設を、過去の出張履歴や社内規定に沿ったものをAIが選択 ⾃動で予約や決済が⾏われ、事後の経費精算申請もAIが⾃動で作成 出張中の経費や社内規定に沿った⽇当に関する申請もAIが⾃動で作成 ⼈間は出張に⾏って帰ってくるだけ。本来やるべきことに集中できる! たとえばAIエージェント in 出張業務 「業務そのものをなくす」

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© LayerX Inc. 14 「業務そのものをなくす」 LayerX / バクラクは “業務の完全⾃動運転” の実現を⽬指す

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© LayerX Inc. 15 “業務の⾃動運転” Level1: 単純作業の⼀部をシステムが⽀援

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© LayerX Inc. 16 請求書や領収書などの帳票に記載された項⽬(⽀払期⽇や⽀払⾦額、取引先名など)を抽出。 ● 対応枚数が数⼗、数百枚と増えるにつれ、 ミスが起こりやすくなる ● 帳票のフォーマットは多種に渡り、 ⽬視で必要な項⽬を探すのは⼿間がかかる ● ミスが許されないため、ダブルチェック等の 確認作業にも追加でコストが必要 AI-OCR機能:⼈間が帳票をもとに⼿⼊⼒でデータ化するという業務を無くす “業務の⾃動運転” Level1 の例

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© LayerX Inc. 17 “業務の⾃動運転” Level1 の例 ⾃動運転の実現に向けた外部リソースとの接続

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© LayerX Inc. 18 “業務の⾃動運転” Level2: システムが複数の処理を組み合わせて、より包括的に作業を⾃動化

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© LayerX Inc. 19 ユーザーに合わせて⾃動学習する次世代のAI-OCR 単純に情報抽出するだけではなく、項⽬抽出した値をパーソナライズすることを実現 パーソナライズドAI-OCR *特許出願中 “業務の⾃動運転” Level2 の例 A社 C社 B社 複数の値を同時に項⽬抽出  お客様の選択を学習していき、運⽤に最適化していく 1 2

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ホテルの領収書で読み取りたいのは チェックアウト⽇ or 決済⽇ CASE.1 請求書で読み取りたいのは 税抜請求⾦額 or 税込請求⾦額 CASE.2 運⽤⽅法や業務の⽂脈など、顧客ごとのユースケースによって読み取りたい値が変わる 従来のAI-OCR(Level1)機能の課題

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© LayerX Inc. 21 項⽬抽出部分はBERT系 (NLPモデル)や、Object Detection (CVモデル)系、 LayoutLM (マルチモーダルモデル)系などを複数検証 パーソナライズドAI-OCR (項⽬抽出モデル) “業務の⾃動運転” Level2 の例 Jacov Deblin, et al., BERT: Pre-training of Deep Bidirectional Transformers for Language Understanding, ACL, 2019 Zheng Ge, et al., YOLOX: Exceeding YOLO Series in 2021, arxiv, 2021 Yupan Huang, et al., LayoutLMv3: Pre-training for Document AI with Unified Text and Image Masking, ACM, 2022

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© LayerX Inc. 22 RoBERTa ● モデル⼊⼒ ○ OCRされた⽂書テキスト ● モデル出⼒ ○ Tokenに対応するラベル (Token Classification) ● 選定理由 ○ まずはシンプルな実装で ベースラインを作るのが重要 パーソナライズドAI-OCR (項⽬抽出モデル) “業務の⾃動運転” Level2 の例

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© LayerX Inc. 23 YOLOXなどのObject Detectionモデル ● モデル⼊⼒ ○ PDFを画像化したもの ○ 携帯で撮った写真 ● モデル出⼒ ○ 欲しいラベルのBBox ○ OCR結果と突合して出⼒する ● 選定理由 ○ 画像情報がどれほど重要かを検証 パーソナライズドAI-OCR (項⽬抽出モデル) PaymentAmount “業務の⾃動運転” Level2 の例

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© LayerX Inc. 24 LayoutLMv3 ● モデル⼊⼒ ○ OCRされた⽂書テキスト ○ PDFを画像化したもの ○ 携帯で撮った写真 ● モデル出⼒ ○ Tokenに対応するラベル (Token Classification) ● 選定理由 ○ 当時のSoTAかつToken Classificationの 枠組みで解ける パーソナライズドAI-OCR (項⽬抽出モデル) “業務の⾃動運転” Level2 の例

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© LayerX Inc. 25 最終的にお客様が欲しいのは、「誰に対して」「いつ」「いくら⽀払った」といった情報。 同じ書類であっても、お客様の運⽤によって変わることがあるため、過去の⼊⼒履歴を活⽤。 パーソナライズドAI-OCR (推薦モデル) 会社名が欲しい or 担当者名が欲しい 税込⾦額が欲しい or 税抜⾦額が欲しい 税抜⾦額 税抜⾦額 税込⾦額 会社名 会社名 担当者名 過去の⼊⼒履歴 お客様が欲しい値を推薦 税抜⾦額 会社名 “業務の⾃動運転” Level2 の例

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© LayerX Inc. 26 “業務の⾃動運転” Level2 の例 Why not LLM? LayerXでは、AIを⽤いた際の体験「AI-UX」を重視しており、 間違えた際の気づきやすさ、修正しやすさ、抽出速度などからシンプルなモデルを使⽤。 (どこからその値を抽出したか、などはまだ⽣成モデルより既存モデルの⽅が強い。) ⾃社ドメインの⼤量データで学習する際は、精度的にも既存モデルの⽅が⾼いことも多い。 また、パーソナライズ部分などもICL(In-Context Learning)より既存の推薦技術の⽅がシンプルで扱いや すい。 と今は考えています。 AI-UXについてはこちら: 日経COMEMO「AI-UXとAX(AI Transformation)というLayerXの挑戦」

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© LayerX Inc. 27 領収書以外の様々な情報を参照したLLMによる経費精算申請の⾃動化 経費精算時必要となる情報 立て替えをした日 立て替えした金額 立て替え先のお店情報 社内ルールに基づいた区分 飲食の場合、出席者情報 ・・・ 機械学習ベースの AI-OCRで自動読取 社内の支出ルール(勘定科目等) 機械学習やLLMにより 入力補完 過去の申請履歴データ 社内マスタやカレンダーなど経費精算サービス外の情報も参照 “業務の⾃動運転” Level2 の例 立替に関連するカレンダーデータ ※開発‧検証中の機能を含みます。現時点でお客様がご利⽤できるわけではありません。

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© LayerX Inc. 28 “業務の⾃動運転” Level3: 限られた条件下ではシステムが⾃律的に業務を完遂

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© LayerX Inc. 29 “業務の⾃動運転” Level 3に向けて ⾃由記述欄が社内規定に沿って⼊⼒されているかの柔軟なチェック 会社ごとの業務運⽤フローを深く理解したAIの開発 ※開発‧検証中の機能です。現時点でお客様がご利⽤できるわけではありません。 公開スライドからは削除

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© LayerX Inc. 30 “業務の⾃動運転” Level 3に向けて アップロードされた証憑の種類に応じて社内規定に沿った指⽰を⾏う 会社ごとの業務運⽤フローを深く理解したAIの開発 ※開発‧検証中の機能です。現時点でお客様がご利⽤できるわけではありません。 公開スライドからは削除

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© LayerX Inc. 31 「業務そのものをなくす」 LayerX / バクラクは “業務の完全⾃動運転” の実現を⽬指す