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Tech企業における
 A/B test(公開用)
 2020/5/16 
 @日本評価学会社会実験分科会
 Shota Yasui


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自己紹介
 名前:安井翔太(32) 職業:Economic Research Scientist web: https://yasui-salmon.github.io/ 経歴: 2011年 立教大学 経済学部卒業 2013年 Norwegian School of Economics MSc in Economics 2013年 Cyberagent 入社(総合職, 微妙な分析の量産) 2015年 アドテク部門へ異動(専門職, MLの応用) 2017年 AILabへ異動(研究職, ML + CI回りの応用) 良く使う言語: R, SQL, Python 2

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Tech企業とA/Bテスト
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テック企業とABテスト
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テック企業で行われるABの量
 5 +1000 test /day +200 test /day +??? test /day

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学会もある
 6 Conference on Digital Experiment( Link)


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Computer Scienceでの研究も盛ん
 7 ● sequential experiment 
 ● efficient adaptive experiment 
 ● best arm identification 


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なぜそんなにABテストしているか?
 8 長期的な利益につながるから


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テック企業におけるRCT(A/Bテスト)の現実
 9 一部のグローバルトップ企業 
 その他弱小ローカルテック企業 


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テック企業のABテストの考え方はこれ読むべき
 10 Ron kohavi
 
 テック企業でABテスト文化を作り上げた人 
 Computer Scienceのトップ会議でABテストのチュートリ アルや研究発表を続けて啓蒙活動を行ってきた人。 


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CyberAgentでのA/Bテスト
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ABテストの基本的なプロセス
 12 logging 分析 ランダムにアサイン
 Treatment
 ランダムにアサイン
 Control
 意思決定

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CAでどんな実験をしているか?
 13 例:広告画像のABテスト 
 ● どちらの画像の方がクリックされやすいだろうか? 
 ● 数十~百程度のABテストが回っている 
 ● 広告画像を作るクリエイターや営業の人が実施する 


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ABテストが始まるまでの流れ
 14 バナーを作成
 クリエイター
 エンジニア
 ABテストの依頼
 クリエイター
 結果の分析


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CAでどんな実験をしているか?
 15 例:広告の配信アルゴリズムのABテスト 
 ● どちらのアルゴリズムの方が売上に貢献するだろうか? 
 ● 月10回程度


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ABテストが始まるまでの流れ
 16 データサイエンティスト
 エンジニア
 データサイエンティスト
 ABテストの依頼
 若しくは自分で実装
 データサイエンティスト
 結果の分析
 1% vs 99%
 でスタート
 結果が良ければ割り振り を増やす


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社会科学的な設定と異なる点
 17 ● 意思決定者=分析者
 ○ クリエイターがABを依頼して、自分で結果を見る。
 ○ データサイエンティストがABを始め、自分で結果をみる。
 ● 分析と意思決定のサイクルが短い
 ○ 通常業務に加え、大量の分析と意思決定の日々。
 ● 検証したい介入の種類が多い
 ○ 改善しうるものはなんでも試したい


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ここから生まれる需要
 18 ● 分析として正しい < 意思決定として正しい
 ○ 最後の意思決定の質が重要
 ● 自動化の重要性
 ○ 実験が多くなるとより面倒に・・・
 ● 複雑な設定の実験を簡素にする
 ○ より多くの設定で実験を使える状態にしたい
 
 →これにこたえたい


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より効率的な意思決定の導入
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意思決定する立場になると・・・
 20 分析における 検出力の最大化? 意思決定における Regretの最小化? 一体どちらがゴールなのか? 
 最適な選択との乖離=Regret

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考えるお題
 あるユーザーに対してどちらの広告テンプレートを見せるべきか?
 
 21 slot_1 slot_2 slot_3 slot_1 slot _2 template_id: 26 template_id: 75

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Regretという観点で実験を考え直す
 1. トータルで1000万回広告を表示する
 2. より多くのクリックを集めたい
 3. 最初の200万回でABテストを行う
 4. 良かった選択肢を選び続ける
 
 実験では最適な選択との乖離が出来る=Regret 
 →ビジネスにおける損失
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Regretという観点で実験を考え直す
 1. トータルで1000万回広告を表示する
 2. より多くのクリックを集めたい
 3. 最初の200万回でABテストを行う←ここに無駄がある
 4. 良かった選択肢を選び続ける
 
 実験では最適な選択との乖離が出来る=Regret 
 →ビジネスにおける損失
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Adaptiveな実験としてのバンディット
 あるユーザーに対してどちらの広告テンプレートを見せるべきか?
 →クリックがより起きそうな方を都度選ぶべき
 (クリックを増やしたいなら
 24 slot_1 slot_2 slot_3 slot_1 slot _2 template_id: 26 template_id: 75

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Thompson Sampling MAB
 25 model for 26 model for 75 ベータ分布
 α:5
 β:35
 ベータ分布
 α:3
 β:12
 0.2 0.4 sampling
 sampling
 arg max slot_1 slot _2 template_id: 75 clickされたらα=α+1 
 clickされなければβ=β+1 
 と更新する


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Adaptiveな実験としてのバンディット
 あるユーザーに対してどちらの広告テンプレートを見せるべきか?
 →クリックがより起きそうな方を選ぶべき(クリックを増やしたいなら
 →機械学習で予測して、予測値が大き方を選べば良いのでは?
 26 slot_1 slot_2 slot_3 slot_1 slot _2 template_id: 26 template_id: 75

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Thompson Sampling Contextual Bandit
 27 model for 26 model for 75 特徴量xから予測する(ex. logistic regression 
 y = f(x)
 特徴量xから予測する 
 y = g(x)
 0.2 0.4 sampling
 sampling
 arg max slot_1 slot _2 template_id: 75 yを観測したらf or gを更新
 都度更新ではなく1日1回のケースも
 男性には26だけど女性には75が良いといった傾向が汲み取れる


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Thompson Sampling Contextual Bandit
 28 model for 26 model for 75 特徴量xから予測する 
 y = f(x)
 特徴量xから予測する 
 y = g(x)
 0.2 0.4 sampling
 sampling
 arg max slot_1 slot _2 template_id: 75 yを観測したらf or gを更新
 都度更新ではなく1日1回のケースも
 Policy
 男性には26だけど女性には75が良いといった傾向が汲み取れる


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バンディットの利点
 29 ● Regretが一定のバウンドに収まる
 ○ 意思決定の質がある程度担保される
 
 ● 分析→意思決定のフローが自動
 ○ 意思決定者としては楽
 ○ ちゃんと動作しているか?という運用コストが発生
 ○ この辺りはデータサイエンティストが頑張る?


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バンディットのログから
 評価を行う
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分析・評価の必要性
 ● 広告主に対するレポート
 ○ 次にどんな広告画像を作るべきなのか?
 ○ 配信した広告画像は何が良かったのか?
 
 ● バンディットの操作には分析が必要
 ○ バンディットの選択肢を増減させたい
 ○ 今ある選択肢の中でいらないものはどれか?
 
 →効果の推定が必要になる
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バンディットフィードバック
 ● Thompson Samplingの特徴
 ○ ある確率にしたがって腕を選択する=ABテスト
 ○ X毎に選択確率が異なる=X毎に異なる確率でAB
 ● 因果推論からの観点
 ○ 腕の選択確率=真の傾向スコア
 ○ Xは全て既知
 
 →IPWで因果効果が推定できる状況
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Biased Result
 ● template_id毎にCTRを計算する ● template_id:26のCTRが高そう →Biasを含んだ結果 営業や事業責任者の方が見るデータ 33 26以外いら ないね!!

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IPW result
 ● バイアスがある程度減っているはず。 ● 26がよかったというのは幻想だった。 ● CTRはどれも大差ないという結果。 34

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ATEベースで意思決定して良いのか?
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Heterogeneity
 ● interstitial ○ 1: 全画面で見せる ○ 0: 記事の中で見せる ● interstitial=0では26が良い ● interstitial=1では75が良い 36 ● ATEで悪くとも、あるXでは良い腕も存在しているかもしれない。 
 ● ATEにしたがった意思決定をしても、改善出来ない可能性がある。 


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複雑な状況での効果検証
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広告オークションにおける機械学習の役割
 38 X
 何かしらの
 機械学習モデル
 予測値を元に
 入札額を計算
 入札
 落札費用
 購買
 ● オークションで落札すると広告が表示出来る 
 ● 落札するとコストが発生する 
 ● 広告をクリックして物が買われると嬉しい 
 →機械学習は購買確率やクリック確率を予測している 


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機械学習のABテスト
 39 39 X
 何かしらの
 機械学習モデル
 予測値を元に
 入札額を計算
 入札
 落札費用
 購買
 ランダムに選んだユーザーに 
 別のモデルを使う


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何が難しいか?
 ● 費用の側面と収益の側面がある
 ○ 薬であれば効果と副作用?
 ● どの様に意思決定すればよいか?
 ○ 収益と費用が同じ単位ではない場合が多い
 ■ 収益 vs ユーザー体験など 
 ○ 収益も増えるけど、費用も増えるモデルは良いモデルなのか?
 
 →実験が出来ても意思決定が難しい
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取り敢えずの対処
 ● 以下の結果以外では結論が出る
 ○ 費用が変わらないけど、収益が増える。
 ○ 収益が変わらないけど、費用が減る。
 
 ● 何かしらの重みを決めてスコアを出す
 ○ Overall Evaluation Criteria(OEC)と呼ばれるもの
 ■ Google, Amazon, Microsoft, etcはOECを決めるチームが存在する 
 ○ スコアに差があれば結論を出す
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42 Yasui, Shota, Gota Morishita, Komei Fujita, Masashi Shibata. “A Feedback Shift Correction in Predicting Conversion Rates under Delayed Feedback.” The Web Conference (WWW), Taipei, Apr. 2020 ある実験結果
 ● 機械学習におけるデータのバイアスを除去してABテスト 
 ● CPA: 購買を1件獲得するあたりの平均コスト 
 ● Cost: 広告費用
 
 →平均コストは有意な差が無いが、広告費用は有意に増加。 
  広告配信ビジネス的には嬉しい結果。 


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おしまい
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