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© 2022 LayerX Inc. 100人超組織におけるミドルマネジメント強化術 LayerX 執行役員 石黒 卓弥 2022.11.11

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自己紹介

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© 2022 LayerX Inc. 3 自己紹介 石黒 卓弥 (@takaya_i) 株式会社LayerX 執行役員(人事・広報担当) - NTTドコモに新卒入社後、2015年1月、60名のメルカリ に入社し人事部門の立上げ、5年で1800名規模までの組 織拡大を牽引。採用広報や国内外の採用をメインとし、人材 育成・組織開発・アナリティクスなど幅広い人事機能を歴 任。2020年5月、LayerX入社 - https://twitter.com/takaya_i - https://www.linkedin.com/in/takayaishiguro/

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会社紹介

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© 2022 LayerX Inc. 5 会社名 株式会社LayerX(レイヤーエックス) 代表取締役 福島 良典 / 松本 勇気 創業 2018年 8月1日 従業員数 135名(2022年10月時点) 資本金 31億円 事業概要 バクラク事業、Fintech事業、Privacy Tech事業 関連会社 三井物産デジタル・アセットマネジメント (三井物産、LayerX、三井住友信託銀行、SMBC日興証券、JA三井リース、イデラキャピタルマネジメントに よる合弁会社) お取り組み実績 取得認証 情報セキュリティマネジメントシステム、JIIMA認証 一部抜粋 * 資本準備金含む  ** 全事業含む IS 747702 / ISO 27001 会社概要

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© 2022 LayerX Inc. 6 バクラク事業 企業活動のインフラとなる法人支出管理 (BSM)SaaSを開発・提供 LayerXの提供プロダクト Fintech事業 ソフトウェアを駆使したアセットマネ ジメント・証券事業を合弁会社にて 展開 PrivacyTech事業 パーソナルデータの利活用とプライバシー保 護を両立するソリューションの提供

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バクラクシリーズについて

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圧倒的に使いやすいプロダクトで わくわくする働き方を。 企業活動を支えるコーポレート業務は、ミスができない難しい業務。 バクラクはそんな業務の負担を少しでも軽くし、日常の業務がわくわくするような体験を届けます。 使いやすさへの圧倒的なこだわりと、深い顧客理解で業務効率化を実現。 手作業、ハンコ、紙のやり取りから脱却し、事業と組織を支える本来の仕事に向き合えるようサポートします。

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© 2022 LayerX Inc. 9 法人の支出管理の流れとよくある課題 請求書処理や経費精算は、「紙」が多く、「手作業」も多い、最もアナログな領域の一つ - 紙でのやりとりが中心で、手入力や目視でのチェックが多く、ミスも発生しやすい。 - 複数のサービス間でデータが連携されずに、確認工数が増加しやすい。 回収 稟議 承認 データ 入力 仕訳/支払 データ作成 支払 保管/税務・監査対応 会計ソフト反映 「手入力だ大変」 「記入ミスで手戻り」 「承認し忘れる」 「承認が多く大変」 「手入力が多い」 「ミス・手戻りが多い」 「仕訳作成/確認が大変」 「支払データ作成が大変」 「属人性が高い」 「データ転記が発生」 「同じ情報を何度も手入 力目視チェックが大変」 「紙で保管、共有が大変」 「税務・監査対応。過去データを出すのが大変」 現場・全社の課題 経理の課題 経理/総務の課題 「請求書が来ない」 「領収書がない」

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© 2022 LayerX Inc. 10 手作業が多くなりがちな支出管理業務のデジタル化を一気通貫でサポート 管理部門だけでなく、現場社員からも喜ばれる圧倒的な使いやすさにこだわっているため、 ITツールが苦手な方でも安心してご利用いただけます。 現場・全社の課題を解決 経理の課題を解決 経理/総務の課題を解決 回収 稟議 承認 データ 入力 仕訳/支払 データ作成 支払 保管/税務・監査対応 会計ソフト反映 デジタル受け取り 自動受け取り スマホ ・ Slack AI OCR 自動入力 API連携 ・ 自動出力 クラウド管理 ・ 電子帳簿保存

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© 2022 LayerX Inc. 11 バクラクシリーズラインナップ * 経費精算のSlack連携は申請内容の通知のみ 稟議・支払申請・経費精算・ワークフロー ・AIが領収書を5秒でデータ化 ・承認はチャットアプリから ・シームレスな内部統制構築 仕訳・支払処理効率化 ・AIが請求書を5秒でデータ化 ・仕訳データを自動学習、 手入力ゼロへ ・改正電子帳簿保存法に対応 ・利用料無料 ・即時追加発行 ・最大1億円決済可能 法人向けクレジットカード ・無料で始められる ・手入力ゼロで証憑管理 ・改正電子帳簿保存法に対応 帳票保存・ストレージ

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LayerX「羅針盤」

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© 2022 LayerX Inc. 13 LayerX羅針盤 LayerXの行動指針に加え、企業文化をドキュメントに落とし込みスライド化 公開1ヶ月で10万PV超( https://speakerdeck.com/layerx/compass_202209 )

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LayerXの組織変化

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© 2022 LayerX Inc. 15 人員の変化 直近1年で組織サイズは50名→130名と約2.5倍 2022年4月からマネージャーをアサイン(3月までは役員+メンバーというフラットかつシンプルな組織構成)

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© 2022 LayerX Inc. 16 2022年3月の状況と今年上期の目標設定 2名の担当役員それぞれに約20名のレポートライン(急成長企業にありがち・・・) Mgrという役割を定義し、アサインおよびオンボーディングを実施 2022年3月 ● 人員数:95名 ● マネージャー0名 ● 2名の担当役員のレポートライン ○ Biz:17名 ○ Dev:21名

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© 2022 LayerX Inc. 17 2022年3月の状況と今年上期の目標設定 上半期の目標設定MTGで議論 HRチームのOKRのKR1を「8名以上レポートラインを持つマネジメントメンバーの「0」化」

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© 2022 LayerX Inc. 18 2022年3月の状況と今年上期の目標設定 2名の担当役員それぞれに約20名のレポートライン(急成長企業にありがち・・・) Mgrという役割を定義し、アサインおよびオンボーディングを実施 2022年3月 2022年10月 ● 人員数:95名 ● マネージャー0名 ● 2名の担当役員のレポートライン ○ Biz:17名 ○ Dev:21名 ● 人員数:135名 ● マネージャー14名 ● 最大のレポートライン数:11名 ○ Mgrの9割が8名以下

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LayerXでの 具体アクション

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「その前に」本日 持ち帰ってほしいこと

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© 2022 LayerX Inc. 21 「信じる」

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© 2022 LayerX Inc. 22 信じる ● マネージャーを「信じる」

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© 2022 LayerX Inc. 23 信じる ● マネジメントの真実 ○ 「人は過去にマネジメントされたスタイルがマネジメントの基準になる」

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© 2022 LayerX Inc. 24 本日のテーマ「ミドルマネジメント」 ● 「人は過去にマネジメントされたスタイルがマネジメントの基準になる」 →「ミドルマネジメント層」に”武器””経験”や”視点”をどう持ってもらうか

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LayerXでの 具体アクション

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© 2022 LayerX Inc. 26 上期に実施したミドルマネジメント向けアクション 組織の「結節点」であるミドルマネジメントのアサインとオンボーディングに注力 「1on1」をコミュニケーションの中心に据え、HRBPは組織マネジメントをサポート Foundation ● 人事制度Update ● LayerX羅針盤 ● 組織サーベイ OnBoarding ● マネージャーオフサイト ● マネージャーページ ● 1on1同席 ● マネージャーオンボ MTG Development ● マネージャー推薦書 ● マネージャー研修 ● ななメンター ● ベストマネージャー賞

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© 2022 LayerX Inc. 27 Foundation ミドルマネジメントが立ち上がるために「組織基盤」をアップデート 具体的には評価制度の「具体化」、行動指針や価値観の「言語化」、組織状態の「可視化」 ● 人事制度Update ○ グレード基準の言語化、職能毎のグレード定義をアップデート(進行中) ● LayerX羅針盤 ○ 言語化されていなかった「大切にする価値観」をまとめる ○ 同時に「20%口出しルール」など新しい価値観をインストール ● 組織サーベイ ○ 半年ごとの組織サーベイにより組織状態を可視化(コメントもすべて公開する) ○ 経営陣がフィードバックを受け、改善する ○ 全社公開で両代表とサーベイフィードバック会を実施

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© 2022 LayerX Inc. 28 OnBoarding マネージャーの認識を「揃える」。 メンバーのグレードやコンディションを共有。HRBPがマネージャーのオンボに寄り添う ● マネージャーオフサイト ○ 事業戦略の共有と組織目標のアラインメントをマネージャーと経営陣で四半期ごとに実施 ○ 有志の懇親会もセットし「横のつながり」を構築 ● マネージャーページ ○ マネージャーの定義、期待、役割、評価制度に加え、Tipsや研修メニューをNotionにまとめる ● 1on1同席 ○ HRBPの1on1同席によるモニタリング&フォロー ● マネージャーオンボMTG ○ アサイン時に本人、上長、HRBPの3者でアラインする場を設定

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© 2022 LayerX Inc. 29 Development アサインの期待値や背景を伝達することで「ズレを無くす」 研修、ななメンター(スキップメンター)、アワードの活用 ● マネージャー推薦書 ○ 「推薦する背景」と「アサイン後のサポート」をセットで記載 ○ 上長(担当役員)とHRBPによるサポート目線のアライン ● マネージャー研修 ○ 1on1を中心に研修メニューを実施 ○ 1on1については「フォロワー側にも」研修を実施 ● ななメンター ○ スキップメンターを四半期ごとにアサイン ○ 新任マネージャーと役員が月イチで雑談 ● ベストマネージャー賞

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© 2022 LayerX Inc. 30 上期に実施したミドルマネジメント向けアクション 組織の「結節点」であるミドルマネジメントのアサインとオンボーディングに注力 「1on1」をコミュニケーションの中心に据え、HRBPは組織マネジメントをサポート Foundation ● 人事制度Update ● LayerX羅針盤 ● 組織サーベイ OnBoarding ● マネージャーオフサイト ● マネージャーページ ● 1on1同席 ● マネージャーオンボ MTG Development ● マネージャー推薦書 ● マネージャー研修 ● ななメンター ● ベストマネージャー賞 基盤づくり (Foundation) 立ち上がりサポート (OnBoarding) 開発・フィードバック (Development)

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One more・・・

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© 2022 LayerX Inc. 32 NoじゃなきゃGo 文字通り、Noと言われていないものはGoして良いというのがLayerXの文化です。大前提、上司は全ての正解を知りません。上司がYes といったものしかトライがなされない組織は弱い組織です。自ら主体性を持ち、Be animalに新しいFactを獲得していく。これを組織で実 践するには、ボトムアップ型の自律的なトライが不可欠です。 参考: 「NoじゃなきゃGo」Slackスタンプ一つで出来る社内チャレンジャーを増やし続ける魔法のアクション 〜株式会社LayerX 石黒卓弥〜 Yes No 不確実で、まだ答えがない / 試さないと答えが出ない領域 NoじゃなきゃGo YesじゃなきゃStop 答えがもう 検証されている領域 会社が飛ぶリスク / 後戻りできない失敗 を生み出す領域

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© 2022 LayerX Inc. 33 Bad News First (悪い情報こそまず共有) LayerXはチャレンジを推奨する文化です。その中で失敗は必ず起きます。失敗が起こった時、大切なのはまず共有することです。Bad Newsはまず最初に報告する、隠さずにTrustful Teamで対応するという姿勢がLayerXの文化です。 チャレンジが多いLayerXに失敗はつきもの Bad News First(悪い情報こそまず共有) × 自分でなんとか解決しようとする × 悪い情報やその兆候に目をつぶる × 怒られるのが怖いので報告しない Bad Newsがすぐ共有されるには心理的安全性が不可欠 「人を責めず、仕組みを疑う」(後述) 「大きな失敗を防ぐため、小さく失敗しよう」(後述) という文化と「Bad News First」はセットである。

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© 2022 LayerX Inc. 34 人を責めず、仕組みを疑う LayerXはチャレンジを推奨する文化です。その中で失敗は必ず起きます。失敗が起こった時、感情的には「誰か」のせいにしたくなります。 LayerXでは、失敗が起こった時は人を責めず、「仕組み」を疑います。失敗がなぜ起きたのかを構造的に分析し、仕組みで再発を防ぎま しょう。 失敗には必ず構造的原因がある × 人を責める ○ 仕組みを疑う チャレンジが多いLayerXに失敗はつきもの

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© 2022 LayerX Inc. 35 大きな失敗を防ぐため、小さく失敗しよう LayerXはチャレンジを推奨する文化です。その中で失敗は必ず起きます。失敗をしてしまうとその後どうしても組織は硬直的になります。 失敗からの仕組み化がLayerXの文化ですが、その際、「大きな失敗を防ぐために小さな失敗をたくさんしよう」という考え方が大事です。 小さく失敗し、そこからたくさん学習することで、結果的に大きな失敗を防ぐ・対応力のある強い組織になっていきます。 × 小さな失敗を恐れ硬直的に ○ 大きな失敗を防ぐため、小さく失敗 失敗に不寛容だと組織は硬直的に 失敗への対応力がなくなり、 結果大きな失敗につながる 小さく失敗し、たくさん学習 大きな失敗につながる兆候を 小さな失敗の段階で止められる

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© 2022 LayerX Inc. 36 チャレンジを促進し、失敗を活かす組織の風土を大切に 口では「チャレンジしよう」と言っても、失敗を責める文化であったり、失敗からの学習がなされない文化の会社では、チャレンジという言葉 自体が形骸化します。チャレンジを支える文化、失敗を活かす組織の風土こそ最も大切なLayerXの資産です。 「NoじゃなきゃGo」 「Bad News First」 「人を責めず、仕組みを疑う」 「大きな失敗を防ぐため、小さく失敗しよう」 補完 ここだけ主張しても形骸化 チャレンジの文化は、失敗か らの学習・失敗への態度と セット 失敗からの学習・失敗への態度

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© 2022 LayerX Inc. 37 そのための必要なこと「リコグニション」 特にマイクロリコグニションが大切 「返報性の原理」で、まずはSlackスタンプや日報へのひとことから。

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まとめ

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© 2022 LayerX Inc. 39 本日のまとめ ● アラインメントとリコグニション ○ アラインメント ■ 認識を「揃える」 ■ そのための「具体化」「言語化」「可視化」 ○ リコグニション ■ 存在を認識する ■ 「褒める」の前に「承認する」

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ありがとうございました