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皮膜 5 2021/4/7 Ver. 1.0

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皮膜錠に必要な錠剤特性 皮膜錠製造の品質を左右する錠剤自体の特性はたくさんある • 錠剤硬度・欠けにくさ・質量のばらつき • 安定性・皮膜と錠剤成分の配合性 • 形と刻印 • 錠剤の空隙率と崩壊性 Developing Solid Oral Dosage Formsより

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皮膜における熱交換 主に給・排気による熱・溶媒の潜熱・熱効率が影響する • 給・排気の熱は風量と温度から計算する • スプレーに含まれる溶媒(水)の潜熱が奪われる • 皮膜機により熱効率は異なる • 皮膜中の熱バランスを取り、一定の温度とする

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錠剤の物理的特性と質量 ドラム内で回転させるため、欠けにくさが重要となる • かけやすいと端が丸まりやすくなる • 特に仕込量が多いときには重量ストレスがかかる • 回転式の欠け評価機で評価するのが一般的 • 質量が均一でないと膜の乗り具合を正確に評価できない

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安定性と配合性 皮膜中の水・温度に対して十分な安定性が必要 • 皮膜中の錠剤温度に対する安定性が重要と成る • 水と有効成分の配合性、分解可能性の検討が必要となる • 皮膜成分、特に可塑剤が有効成分の分解に関わることがある • 皮膜成分間の配合性についても検証しておく

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錠剤形状と刻印 角の角度が鋭く、刻印が深いほど皮膜は難しくなる • 角が尖っているとドラム内流動で欠けやすくなる • 転がりやすい形状を選択する方がよい • 刻印が深いとブリッジング*を起こしやすくなる • 刻印が浅いと皮膜が埋まり、見えなくなる事がある *刻印内まで皮膜が展延せず、皮膜と刻印の間に空隙ができること

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錠剤の空隙率と崩壊性 表面空隙が皮膜と錠剤の接着性に影響する • 空隙が少ないと皮膜が剥がれやすくなる • 空隙率が低い錠剤ではより接着性の高い基剤を用いる • 崩壊性が低いと、皮膜による溶出遅延が大きくなる

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皮膜液の性質 皮膜品質向上のためには皮膜液の性質も重要となる • 皮膜基剤の物理的強度・可塑性 • 光暴露に対する防護性・沈殿する成分の取り扱い • 皮膜液の粘度 • 皮膜の安定性や配合性

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皮膜基剤の物理的強度と可塑性 強度が低いと剥がれや割れの原因となりうる • 皮膜中の欠けや割れを防ぐ強さがある方がよい • 弱いと特に錠剤の角から剥がれが起きやすくなる • 色素や沈殿成分が多いとより強度が下がる • 可塑性が低すぎても皮膜の割れの原因となる

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色素・沈殿物・濃度 色素量が少なすぎると色のばらつきが出やすくなる • 色素や沈殿物が多いと皮膜が弱くなる • 濃度が低いと皮膜の乗りが遅くなる • 濃度が高いと粘度が高くなり、緻密さが低下する • 沈殿物は適切に分散させ、撹拌する必要がある

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皮膜液の粘度 スプレーミストの径に影響する • 200-250cpを超えるとミスト径の分布幅が広くなる • アトマイジングエアの風量である程度制御できる • 350cp以上の粘度の液は皮膜に適さない