一歩ずつ成長しながら進める ZOZOの基幹システムリプレイス/Growing Stap by Stap ZOZO BackOffice System Replacement

by takumi.okamoto

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© ZOZO, Inc. 10 モジュラーモノリス「うまくいっている」ケース戦略的モノリス小規模/スピード感を重視 /モジュール境界が変わりやすいモジュール境界がある程度安定している多くの組織にとって、モジュラーモノリスは優れた選択肢となる。 Shopifyの例※が有名。大きな泥団子不健康なモジュラーモノリススタートアップにとってモノリスは良い選択肢 ※ Deconstructing the Monolith (Shopify Unite Track 2019) https://bit.ly/2oauZ29

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© ZOZO, Inc. 14 まとめ ● モノリス、モジュラーモノリス、マイクロサービスを「モジュール化の強弱」と「うまくいっているか？」の2軸であえて単純に捉えてみるのも役立つ(かも)。 ● 「うまくいっていない」の原因を特定して、コストに見合うのであれば、解決するための変化を選ぶべき。 ○ コストを完璧に予想できない。変更の副作用で、うまくいっていた部分がうまくいかなくなることもある。これが本当の難しさ。 ● 「うまくいっている」のであればそれが一番。変える必要はない。 ● ずっと「うまくいっている」は不可能。「うまくいっている」期間を最長化するのがアーキテクチャ選定の目指すところ。

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© ZOZO, Inc. 16 ● 2004年からZOZOTOWNの成長と共に、大きなアーキテクチャ変更なく成長してきた。 ● VBScriptという2025年においてはレガシーな言語製のWebアプリケーション。 ● 論理分割もない単一のデータベースに接続するモノリシックな構成。 ● トランザクションスクリプト形式でドメインモデルは存在しない。 ZOZOの基幹システムリプレイス前夜 ZOZOの社員やZOZOTOWN出店者様が利用するバックオフィス業務のためのシステム全般大きな泥団子発送準備発送在庫注文会計商品セールクーポン分析委託返却コスメマスター権限入荷顧客抽選レポート返金

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© ZOZO, Inc. 17 どこが「うまくいっていない」のか？現状はうまくいっていない、大きな泥団子 ● 開発生産性の低下 ○ 技術のレガシー化(VBScriptのサポート終了も迫る) ○ 影響範囲がわかりづらく調査時間とリリース後の不具合発見も増加 ○ 自動テストが存在せず、大規模なリファクタリングの実施はほとんど博打 ○ 改修する度に変更容易性と開発体験が悪化しがち(良くて現状維持) ● 障害リスクの増大 ○ DBが単一障害点でありDBのパフォーマンスが全ての機能に影響 ○ 慢性的に発生するエラーや手動クエリ実行による補正が常態化

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© ZOZO, Inc. 21 (現場に向き合い続けた歴史が自然と形作った)境界の発見 ● DBの全テーブルの依存関係を整理したり、イベントストーミングを開催したり、様々な観点から分析し、議論を重ねて、参加者全員が「ここだ」とある程度、納得できるコンテキスト境界を見つけた。 ● これは長年の組織改編でも変わることがなかった自然な分割境界。 ● 基幹システムのエンジニア組織は現場の知識を重視し、現場に寄り添い価値を最大化するために組織の形を変えてきた。自然と逆コンウェイ戦略が取れていたとも解釈できる。 ● 良くも悪くもこれまでの地続き。未来予想からの逆算はできていない感覚もあるが、これが現実的でベストの選択だと考えている。

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© ZOZO, Inc. 23 大きな泥団子発送準備発送準備在庫注文会計商品ピッククーポン分析委託返却コスメマスター権限棚入れ顧客抽選レポート返金モジュラーモノリス入荷発送販売管理顧客サポート荷受け検品機能単位でモノリスからモジュラーモノリスへ移行し、API として機能を提供する。機能単位で徐々に移行するモノリスその他荷受け棚入れ返金発送準備クーポン DBは変更しない。トランザクション境界の見直しは後回し。素早く安全に移行して技術の刷新を実現する。詳細：本番環境における等価比較を活用した言語リプレイス

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© ZOZO, Inc. 26 大きな泥団子発送準備発送準備在庫注文会計商品ピック分析委託返却コスメマスター権限棚入れ顧客抽選レポート返金モジュラーモノリス入荷発送販売管理顧客サポート荷受け検品「うまくいっていない」部分はあるが分割のコストを鑑みて、暫定的に境界をまたがる概念として残すことにした。在庫機能やコンテキスト境界を横断する在庫モノリスその他荷受け棚入れ返金発送準備クーポンクーポン複数のコンテキストから更新されている。まずは認知から。

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© ZOZO, Inc. 34 ZOZOの事例まとめ ● ZOZOリプレイス前夜は「開発生産性の低下」「障害リスクの増大」などの課題を抱えた（うまくいっていない）大きな泥団子だった。 ● 「開発生産性の向上」を目指して、定義したコンテキスト境界に沿って、モノリスの機能群をモジュラーモノリスへと移行した(している)。 ● 「障害リスクの低減」を目指して、モノリスのトランザクション境界を見極めてマイクロサービス化を行った。

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© ZOZO, Inc. 36 最後に ● 本発表はZOZOの基幹システムリプレイスの約3年間の歩みを振り返り、 20分で伝わるように綺麗なストーリーに再構成してお届けしました。本当はもっと紆余曲折ありました。 ● 当時は認識できなかったが今なら分かることもたくさんあります。設計における引き出しも増えました。 ● 立ち止まって考え抜くことは大切だが、歩みを進めることも同じくらい大切だと思います。これからも既存システムに敬意を払いつつ、組織まるごと成長しながらリプレイスを楽しんで進めていきます。

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