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© commmune Inc. All rights reserved SaaSスタートアップにおけるデータマネジメントの 始め方 2023/11/10 第1回 ドメイン駆動データマネジメント「データマネジメントの始め方」 Sho Maekawa

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© commmune Inc. All rights reserved 自己紹介 前側 将 Commmune - DataTeam Acting Manager お仕事 ● データサイエンス、データアナリスト、データエンジニア領域の立ち上 げ・チーム組成 ● データプラットフォームの開発運用 ● 全社のデータ分析対応のリード SNS ● X (旧 Twitter):@willanalysts ● Youtube:BIツール研究所 その他 書籍「BIツール活用超入門」 子育ての機会に昨年より地元札幌移住。東京に毎月出張するようなライフスタイル Sho Maekawa X (旧 Twitter) アイコン

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会社とサービスの紹介

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© commmune Inc. All rights reserved 会社紹介 コミュニティ作りに 特化したプロダクト commmune(コミューン) 営業・CSのアクションを 最速で効率化するプロダクト SuccessHub(サクセスハブ) あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる VISION

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© commmune Inc. All rights reserved 企業とユーザーの「距離と垣根」をなくし コミュニケーションを集約統合・双方向化する コミュニティ施策 企業とユーザーが融け合うカスタマーサクセスプラットフォーム 最大効率でLTV向上 =
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 課題 解決 利用度 向上

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© commmune Inc. All rights reserved コミュニケーションが一気通貫 発信は双方向 データに基づいた個別最適なアクションが可能 接点がバラバラ 発信は一方通行 ツールごとに分断が起こり個別最適は難しい Before With commmune サービス紹介 顧客コミュニティを軸に個別最適な顧客コミュニケーションをスケールするかたちで実現し、カスタマーサクセスの ROIを最大化

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Agenda © commmune Inc. All rights reserved ● 自己紹介 ● 会社・サービス紹介 ● はじめに ● スタートアップのデータチーム立ち上げ時 の業務状態とデータ基盤 ● データマネジメントプロジェクトをどう進めるか ● まとめ ※ 本資料は後ほど公開します!

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はじめに

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© commmune Inc. All rights reserved 前提条件のご紹介 今日お話しする内容の前提 ● 従業員規模100~200人のフェーズの成長に投資するスタートアップ ● データ人材として分析からデータエンジニアリングまで行うメンバーが 2人在籍 ● モダンデータスタックに理解があり準備していたが手が回っていない状態 ● 私は100~人規模のデータチーム立ち上げが 2回目 入社から6ヶ月ほどの取り組みのご紹介 膨大なデータ分析依頼や基盤運用するだけのフェーズをいち早く脱却し事業に貢献できるデータ基盤作りに転用 する必要があります。その一例としてスタートアップのデータチーム立ち上げフェーズにチャレンジしたい人の参考 になれば幸いです。! その上で今日お話しすること ● スタートアップでいわゆるデータチーム全般の業務をどう進めたか ● 分析業務などもある中でデータマネジメントを進める工夫点 ● BtoB SaaSにおけるミニマムなデータ基盤の紹介

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© commmune Inc. All rights reserved BtoBスタートアップに入社して何を見ていくか? 分析業務 データ基盤業務 ビジネスオペレーション データプロダクト これらを考慮したオリジナルのデータマネジメント データ基盤構成 ビジネスオペレーション

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© commmune Inc. All rights reserved 11 心得 せっかくが会社を動かしやすいスタートアップにいる。 色んな資源を活用してものすごい成功を描きましょう!! 🚀役割の拡大🚀 🚀先人の知恵🚀 🚀継続する🚀 Biz Ops データプロダクトPdM 複数事業&海外展開 本日の参加者 本日の参加者 X(Twitter)の友人 前職の経験

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© commmune Inc. All rights reserved 12 本日の発表は2段構成 入社後に確認する5つの観点 データマネジメント始め方

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© commmune Inc. All rights reserved 13 入社後に確認する5つの観点 データマネジメント始め方

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1.分析集計

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© commmune Inc. All rights reserved スタートアップのデータチーム立ち上げ時の業務状態(分析業務) ソフトウェアエンジニアが兼業でデータ基盤をみていたり、一人目のデータ人材が全てのデータ業務を受けている ケースだと以下のようなイメージ BtoBSaaS 従業員規模100人前後を想定 分析業務 ● 顧客からのデータ集計依頼 ● プロダクトの分析依頼 ● CSマーケなどビジネスの分析依頼 ● 経営メトリクスの整理集計 ● 予測モデルやレコメンドモデル作成 ● NSM KPI設計 ● etc… 構造上の課題 ● 一人しかいないので潜在ニーズ含めて対 応しきれない ● 分析依頼優先にしすぎてデータの整備が 不十分。生産性や品質が悪い状態が続く ● etc…

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© commmune Inc. All rights reserved 分析業務への向き合い方 データアナリスト、データエンジニアなどチーム化していない 1-3人のフェーズでは... ● 資金調達、顧客との契約上重要な分析などはマストで対応 ● 個別の依頼は依頼対応ルールを作る ここを整備しないと時間が溶けて終わってしまう。 コミューンではデータアナリストとデータエンジニアが分業する 2024年までは一人あたり週最大 20%の工数を 個別の分析依頼に当てる方針をとっている。また緊急対応でなければ月〜木は自身の業務に集中し金曜日 に依頼のスプリントを組むようにして計画的に進めている。 ● 実行力が高くグロースする領域 1点に絞り優先する マーケ、セールス、CS、プロダクトなどの領域を四半期に一度など確認。 ex.事業会社初年度はセールスの成功確率をあげることが一番貢献できそう。 ex.2年目はチャーンがLTVに影響を与えないように CSとプロダクト改善の分析が貢献できそう。

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2.データエンジニアリング

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© commmune Inc. All rights reserved スタートアップのデータチーム立ち上げ時の業務状態(データエンジニアリング) ソフトウェアエンジニアが兼業でデータ基盤をみていたり、一人目のデータ人材が全てのデータ業務を受けている ケースだと以下のようなイメージ BtoBSaaS 従業員規模100人前後を想定 データ基盤周りの業務 ● dbtの設計運用 ● SQLコーディング ● ログやテーブルのレビュー ● データカタログ作る ● データ転送処理 構造上の課題 ● 全域をスキルフルにカバーできない ● 何かを捨てないといけない ● etc…

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© commmune Inc. All rights reserved データエンジニアリング業務への向き合い方 データアナリスト、データエンジニアなどチーム化していない 1-3人のフェーズでは... ● 限界が来るギリギリの一歩手前で一気に対処する Datalake~Datamart、ETLツール導入、dbtの導入と経験上、忙しくても導入しないと詰むケースが必ずく る。限界がくるタイミングが見えてきたらそのギリギリ前に気合いで導入する ● Data Reliability Engineeringは最低限できる範囲で行う データエンジニアとしてきちんとデータ信頼性を網羅的に担保したくなるが、スピード感的に ミューンではデータアナリストとデータエンジニアが分業する 2024年までは一人あたり週最大 20%の工数を 個別の分析依頼に当てる方針をとっている。また緊急のもの意外は月〜木は自身の業務に集中し金曜日に 依頼のスプリントを組むようにして計画的に進めている。 ● 大通りを通る代表的な集計に使う汎用データマート作りを優先する 分析集計依頼を普段から観察し、よくくる依頼にクイックで対応できるようなデータマートを作成する。ここを 怠らないことが成功の第一歩。

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© commmune Inc. All rights reserved おまけ:troccoに地味だけど色んなところで助けられている 1年前の忙しい時期に troccoの「カスタム変数でループ実行」という機能が地味に便利でした。 同じようなfirebaseテーブルが不定期で増える仕様があり、都度 unionするのことが面倒だった。 テーブル名をSQLで取得してその分だけループして UNIONする処理を作り自動化できた。

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3.データ基盤の紹介

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© commmune Inc. All rights reserved アーキテクチャー

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© commmune Inc. All rights reserved 基盤作りでこれから挑戦すること ● 急激にデータ人材が増える中で dbtの運用方針を定める ○ 有識者に相談して方針を立ててかうまく進められるか少し不安。 ● マルチプロダクト&US事業対応 ○ データ活用やプロダクトの機能実装で相互に交わるニーズが今後発生する。 ● 可視化基盤の整理が未着手 ○ redashとLooker Studioの棲み分けルールがない。低コストで幅広く展開できるBIツールと可視化力が強力でレポーティ ング業務を円滑に進めることができるBIツールの組み合わせを検討する。 ● Salesforceなどビジネスデータの活用方針を定める ○ BQにデータを保存しているが、ビジネスサイドの活用は基本Salesforceから直で行っている。データアナリストチームを 組成するタイミングでビジネスデータもBQから展開するパイプも作る。

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4.データプロダクト

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© commmune Inc. All rights reserved 25 今求められていること ChatGPTを使ってプロンプトするコツやアンチパターンを覚えたらデータアナリ ストと遜色がない分析ができる時代 いかにデータを成果に直結できるか? 🚀データプロダクト🚀 🚀LLM機能企画🚀 🚀MLエンジニアとの連携🚀 アナリティクス画面改善 DataHub(データ連携機能) ルールベース改善インサイト 本日の参加者 コミュニティマネージャー向け 各種AIアシスタント LLMを用いたコミュニティ分析 最適化 レコメンド品質向上を意識した データ設計 ビジネス分析でレコメンドのた めになるニーズ特定

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5.ビジネスオペレーション

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© commmune Inc. All rights reserved 27 自部署ではないが重要なこと ハイタッチCS高単価プランの場合、ビジネスサイドの利益コストのデータが重 要になる。Ops職と連携してビジネスサイドのデータの品質を担保しないと分 析や改善がしたくてできない状態になってしまう。 🚀ビジネスデータ品質🚀 🚀分析民主化🚀 🚀地道なモニタリングと運用🚀 Salesforceのデータ品質担保 マーケデータの整理統合 管理会計データの整理 本日の参加者 クイックな分析を部門でできる状態 顧客の分析依頼を要件定義して、短期と 長期の施策を考案できる状態  CSなど各部のための可視化 集計 多忙なCSをフォローするア ラート機能

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© commmune Inc. All rights reserved 28 入社後に確認する5つの観点 データマネジメント始め方

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データマネジメントプロジェクトをどう進めるか

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© commmune Inc. All rights reserved 自社の現在地を捉えることから始める データマネジメントレベルを捉えて、そのレベルの目指すべき状態を達成する

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© commmune Inc. All rights reserved DMBOKを用いたデータマネジメントのアセスメントを行う 自社の現在地を捉えることは「データチームの目線を揃える」「目指すべきデータによる成果を作るための説明材 料」になるためスタートアップのデータチーム立ち上げ期でもやったほうがいい。 引用:一般社団法人データマネジメント協会 https://www.dama-japan.org/Introduction.html

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© commmune Inc. All rights reserved アセスメントの進め方 3ヶ月で実施したこと 説明 PJ発足 DMBOKのアセスメントを自社に合う形で設計し評価を回せる状態を 3ヶ月で作る前提で設計。 DMBOK各章の輪読会 有識者のnoteや参考文献を利用して読み合わせ。 DMBOK各章の定義や守備範囲の決定 関わりあう各章の棲み分けや各章を一言で説明できるようにする。少数精鋭のスタートアップに合わせたアレンジの 実施。 評価点数と定義づけ 自分たちが評価しやすい点数設計。 現状評価 各人で評価してすり合わせを行う。その中でズレがなければ評価設計がうまくいっている。 スタートアップにおけるアセスメント設計 1.オペレーショナルエクセレンス、 2.品質最大化、3.経営戦略とデーて戦略の連動という 3STEPのゴールを設計。 OKRやロードマップと連動 データチームの業務に組み込む。 来期目標設計 PDCAを回せる状態を作る。

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© commmune Inc. All rights reserved コミューンにおける領域(ホイール)の捉え方 各所で領域の紹介は多くの企業で真似できるように抽象的 な言葉で記載されており、いまいち理解しづらいところがあ ります。そのため立ち上げメンバー全員で自分の捉える解 釈を発表しすり合わせを行い、コミューンにおけるホイール の定義や業務内容をまとめました。

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© commmune Inc. All rights reserved コミューンにおける評価の解釈とゴール設定 自社に合う言葉でスコアつけすることが重要 ゴールの設定も重要 ゴール マルチプロダクトな全社のデータを用いたデータ戦略が経 営戦略に紐づく状態 主力事業のデータを用いたデータ戦略が経営戦略に紐づ く状態 主力事業のデータを高品質に流注できている貢献している 状態 主力事業のデータのオペレーションを高度に担保している 状態

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© commmune Inc. All rights reserved どのように実行するのか 短期でどこまで 実行するの? 未経験の領域にどこ まで踏み込むの? 優先度の付け方 は? どれも大事に見え る?

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© commmune Inc. All rights reserved 何を実行するか 会社のあるべき状態から整理する 種別 状況の例 優先的にやること データ分析 プロダクト分析に集中する データ品質 データエンジニアリング& データ基盤設計 徐々にできることを増やしていく データアーキ、データモデリン グ、メタデータ データプロダクト 分析画面やDataHub頑張りた い! データセキュリティ、データ品 質、オペレーション ビジネスオペレーション まだ本格しないタイミング コンテンツ管理、データウェアハ ウス、BI

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© commmune Inc. All rights reserved どう運用するのか スコア、やること、リードする人をセットして PDCAを回す。

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© commmune Inc. All rights reserved アセスメントの結果 ・データを単純に提供するだけでなく社員がデータを活用していくために、体制を含めてどのような順番で何をしていけば良いかを考え られるようになった。 ・自社のデータ基盤の現状と目指すべき姿が明確になり、より目線をそろえて業務ができるようになった。 ・データエンジニアのメンバーが自分でロードマップを積み、その結果をアセスメントしていきながら運営できるようになった。 ・データチーム以外に対してデータ基盤の必要性を説明する材料ができた

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© commmune Inc. All rights reserved アセスメントで苦労したこと ● 入社してすぐに自社の状況整理をする必要がある ○ 自分のできることでクイックウィンしつつ、業務の全体像を把握していくことが難しい ● 業務の空いている時間で実行するとアセスメント結果が出るまで 3ヶ月ほどかかった ○ すり合わせて納得しながら進めることが重要だから仕方がない ● 幅広い経験が必要 ○ データエンジニアやデータアナリストの経験がないと解像度が低い領域ができてしまうし、初めて事業会社でアセスメント に取り組む場合はわからないことが多いと思う。 ○ Xで相談できる仲間がいるので探してみてください。

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© commmune Inc. All rights reserved まとめ ● 分析業務、データエンジニア業務、データ基盤設計、ビジネスオペレーション、データプロダクトの観点から業 務の整理とフォーカスポイントを定めた ● データマネジメントレベルを確認して目指すべきポイントを確認した ● DMBOKのデータマネジメントを元にアセスメントを実施した ○ 自社の状況に合うオリジナルな内容 ○ 立ち上げメンバー全員ですり合わせする ○ 業務整理&データマネジメントレベルを踏まえたマネジメント実行計画を立てた

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© commmune Inc. All rights reserved 41 爆速でモダンなデータプラットフォームを作っていきま す!! (やりたいことはいっぱいあります🚀)

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© commmune Inc. All rights reserved 42 積極採用中〜 社内で調整して昨日求人オープンしました ⭐ X (旧 Twitter) で直接 DM して頂いても大丈夫です👍 ※魅力的なデータ人材が集まっているのでぜひ JDチェックください🙏 🚀シニアデータエンジニア🚀 🚀データアナリスト🚀 🚀カジュアル面談🚀