Slide 1

Slide 1 text

標準最高! 標準はださくないぞ! Yo Iwamoto / よう @yoiwamoto f u k u o k a . t s # 1 2024年8月30日 fukuoka.ts

Slide 2

Slide 2 text

目次 01 自己紹介 02 Web 標準について 03 標準から外れるコスト 04 App Router での標準寄せの実践

Slide 3

Slide 3 text

01. 自己紹介 Yo Iwamoto / よう 株式会社SmartHR で プロダクトエンジニアをしています @yoiwamoto 2024年8月30日 fukuoka.ts

Slide 4

Slide 4 text

02. Web 標準について f u k u o k a . t s # 1 2024年8月30日 fukuoka.ts

Slide 5

Slide 5 text

なんの変哲もないフォーム ※動画です

Slide 6

Slide 6 text

02. Web 標準について これだけの HTML で実現しています (※あと少しの CSS) は submit されると、action で指定した URL に、name を key とする FormData を送る button[type=”submit”] は form の submit をトリ ガー type, required, pattern などの組み込みバリデー ション CSS の :user-invalid 擬似クラスは、input が dirty でありかつバリデーションに違反している時 に適用される CSS の :has で、input:user-invalid を持つような label の span の表示非表示を制御できる

Slide 7

Slide 7 text

これだけの HTML で実現しています (※あと少しの CSS) は submit されると、action で指定した URL に、name を key とする FormData を送る button[type=”submit”] は form の submit をトリ ガー type, required, pattern などの組み込みバリデー ション CSS の :user-invalid 擬似クラスは、input が dirty でありかつバリデーションに違反している時 に適用される CSS の :has で、input:user-invalid を持つような label の span の表示非表示を制御できる Form submission - HTML Standard - whatwg Constraints - HTML Standard - whatwg user-pseudos user-pseudos 02. Web 標準について

Slide 8

Slide 8 text

様々な標準化団体 Web 技術は様々な標準化団体により標準化されています。 W3C WAI → WCAG CSS Working Group WHATWG ... HTML Living Standard ECMA ... ECMAScript 02. Web 標準について

Slide 9

Slide 9 text

03. 標準から外れるコスト f u k u o k a . t s # 1 2024年8月30日 fukuoka.ts

Slide 10

Slide 10 text

(ちなみに) React でのよくある実装は 03. 標準から外れるコスト ライブラリが JS で入力値を管理 DOM イベントを基に独自のタイミングで バリデーションを実施 ライブラリでバリデーションルールを定義 onClick 時に値を取得して JSON.stringify() して fetch で POST エラーがあれば条件分岐で表示

Slide 11

Slide 11 text

当然、敢えて組み込み機能を JS でやるメリットがあるということ All JS であることでスキーマが型安全にな ったり、共通化できたりする 標準にない複雑なバリデーションや、 きめ細かなインタラクション設計が可能に なる 03. 標準から外れるコスト

Slide 12

Slide 12 text

一方で、全て JS でやるのが当たり前で、 標準から外れるコストが見過ごされていないか、 、? ライブラリに依存するコスト 調査・導入の検討 定期的なバージョンアップ 独自のインターフェースの学習 時が来たら、別の技術へのリプレイス 品質を自チームで担保するコスト Real World の入力の多様さはすさまじく、対応するのは困難 etc... 03. 標準から外れるコスト

Slide 13

Slide 13 text

そうは言っても標準じゃ実現できないことが多い、 、 → 標準・非標準のトレードオフを正しく認識して判断するのが重要 (最近は、HTML・CSS でまずは作ってみる、という選択肢があまりない?ような気がするの で敢えて当たり前のことを書いてみています。 ) 標準 独自実装 柔軟性 複雑な要件の実現可能性 ▲ ✅ 品質を保つ難易度 ✅ ▲ メンテナンス性 ✅ ▲ 学習コスト ✅ ▲ 配信サイズ ✅ ▲ ※当然ですがケースバイケースなので、表はイメージです。

Slide 14

Slide 14 text

04. App Router での標準寄せの実践 f u k u o k a . t s # 1 2024年8月30日 fukuoka.ts

Slide 15

Slide 15 text

フォーム編 f u k u o k a . t s # 1 2024年8月30日 fukuoka.ts 04. App Router での標準寄せの実践 ※この例での“標準”は、ブラウザ組み込みの典型的なユースケース をサポートする機能の利用のことです。 (JavaScript も標準だろ、 という話なので)

Slide 16

Slide 16 text

1. フォームはできるだけ状態を管理せず、 HTML に任せてみる 開発しているプロダクトでこれが受け入れられる可能性もな くはない。なぜなら全然動くので。 Server Component なのでバンドルサイズも減ってハッピー 04. App Router での標準寄せの実践

Slide 17

Slide 17 text

ちなみにバックエンドは Server Action でも実装できます。 FormData を受け取っても Object.fromEntries で serialize したら zod とかで簡単にバリデーションできるよ。 FormData を使うようにすると、state の管理、action への 値の引き渡しのコードが消えます。 (バックエンドのバリデーションは責務が違うのと、クライ アントサイド JS のサイズを気にしなくていいのでカジュア ルに zod が登場) 1. フォームはできるだけ状態を管理せず、 HTML に任せてみる 04. App Router での標準寄せの実践

Slide 18

Slide 18 text

2.必要に応じて JavaScript を追加 「成功したらトーストを出したい!」  「ルーターキャッシュをリフレッシュしたい!」 やっぱり色々あると思うので、部分的に JavaScript を追加します。 04. App Router での標準寄せの実践 ※動画です

Slide 19

Slide 19 text

2.必要に応じて JavaScript を追加 action や FormData のところは据え置きで、form に渡す action を Client Component で変更します。 children を受け取る形にすると、子供は Server Component のままで幸せになれます。↓ 04. App Router での標準寄せの実践

Slide 20

Slide 20 text

3.バックエンドから受け取ったエラーを フィードバック UNIQUE 制約違反等であれば、バックエンドから受け 取ったエラーを表示したくなります。 useActionState を使えば、状態を管理しなくても Server Action からの返り値をシームレスに UI に接続 できます。 useActionState は現在 canary に実装されている hook で、useReducer の非同期 action 版といった感 じです。 04. App Router での標準寄せの実践 ※動画です

Slide 21

Slide 21 text

3.バックエンドから受け取ったエラーを フィードバック こんな感じ。 Server Action はほとんど RPC と言えるので、レスポ ンス型も実装も隣のファイルで最高(脱線) 。 04. App Router での標準寄せの実践

Slide 22

Slide 22 text

つまり、 、 まずはミニマムに HTML・CSS だけで作っても、段階的にリッチにしていくこと は容易。 Next.js App Router では比較的標準に準拠したワークフローが使いやすく整備さ れている (progressive enhancement の文脈もあり) 。 クライアントサイドに独自実装が少ないとバンドルサイズも減って嬉しい。 Button の onClick で fetch、とする前に一度 で実装してみませんか? 3倍速く、まず動かすことができます! 04. App Router での標準寄せの実践

Slide 23

Slide 23 text

https://yoiw.dev @yoiwamoto ありがとうございました〜 2024年8月30日 fukuoka.ts