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第26回理論化学討論会 2024年5月22日 Matlantisが切り拓く新しい材料科学 -最新の機械学習力場と連携機能- 株式会社Preferred Computational Chemistry マネージャー 石田 純一 1 本資料の一部または全部の無断複製または転載等を禁じております。 Unauthorized reproduction or reprinting of part or all of this material is prohibited.

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. ⚫ 自己紹介・略歴 ⚫ PFCCという会社について ⚫ 汎用機械学習ポテンシャル ⚫ 最新の事例・新機能・将来展望 ⚫ 人材採用・ウェビナー ⚫ おわりに Agenda 2

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. ⚫ 2013-2018 東京工業大学大学院 細野研究室 • 鉄系高温超伝導体探索、不純物効果、新規マンガン系化合物探索 ⚫ 2018-2023 みずほリサーチ&テクノロジーズ • タンパク質系のベーラー・パリネロ型のMLIP開発、フラグメント分子軌道法 • 水素・燃料電池技術開発ロードマップ策定 ⚫ 2023- Preferred Computational Chemistry • 汎用原子レベルシミュレータMatlantisに関するコンサルティング • Matlantisを使ったアプリケーションの開発・学会参加 自己紹介・材料科学に関する経歴 3

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. PFCCの短い歴史 4 ● Preferred Computational Chemistry (PFCC):AIベンチャー企業Preferred Networks、国内石油最大手 ENEOSによって2021年に共同設立されたジョイントベンチャー ● ユーザーによるチューニングなしに多様な材料に対して高精度・高速な分子動力学計算を実行可能とす る汎用的なクラウド計算サービスMatlantisを提供 ● 国内外で約80団体、500ユーザーにMatlantisを提供中。顧客数は創業以来増加を続けている ■ Users exist ■ Ready for providing the free service PFNスパコン Black Box最適化

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. PFCCの短い歴史 5 ● PFN・ENEOS両者のカルチャーを併せ持つハイブリッドベンチャー。ビジネス的にもプロダクト機能的 にも成長フェーズにある ● グローバル競争力がある国産ソフトウェアであり、IT赤字を抱える日本において社会的意義も大きい[2] ● やりがいがあり、日々学びがある環境 • Respect One, Respect All • Be a Pioneer • Share the Joy • 事業の急成長、個々の裁量が大きい • 財務基盤 • 出資金3.1億円(=大会社) • 技術面、制度 (バックオフィス・福利厚生など)面での PFN社・ENEOS社からの全面的なサポート スタートアップと大企業の特性を持つ ハイブリッドベンチャー[1] [1]ハイブリッドスタートアップ:企業と起業の強みを組み合わせる https://dhbr.diamond.jp/articles/-/9753 [2] https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240218-OYT1T50112/

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. 汎用機械学習ポテンシャル 6 ● 材料の動的な性質を解明するために分子動力学計算は有効な手法。古典計算、第一原理計算、機械学習 によって記述される ● 近年は機械学習を活用した原子間ポテンシャル(MLIP)が注目を集めている。一般に第一原理計算を模 倣する精度で高速に動作することが特徴 ● 材料探索を行う上ではさまざまな材料に対して安定した計算が実行できる汎用的なMLIP (uMLIP) が重要 機械学習MD 計算例 機械学習MD - 金属-樹脂複合構造 - 2336原子 - 5元素種 (C, N, O, H, Fe) - NVT引張, 100ps [3] Lin and Wang, Commun Mater 4, 66 (2023)

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. 汎用機械学習ポテンシャル 7 ● uMLIPはここ1年で大きな盛り上がりを見せている(OSSの登場、Big Techの参入)。 ● 2019年にTeaNetがuMLIPの先駆けとして登場。データセット増強・アーキテクチャ改良を経て、現在 Preferred Potential (PFP)としてMatlantisに実装されている[7] ● 3300万件以上の独自の大規模かつ多様なデータセットでPFPを訓練することで非常に高い汎用性を獲得 [4] Deng, Bowen, et al. Nature Machine Intelligence 5.9 (2023): 1031-1041. [5] Chen, Chi, and Shyue Ping OngNature Computational Science 2.11 (2022): 718-728. [6] Batatia, Ilyes, et al. arXiv preprint arXiv:2401.00096 (2023). [7]Takamoto, So, et al. Journal of Materiomics (2023). TeaNet 商用 OSS M3GNet MACE-MP-0 CHGNet LLM equivalents 商用 OSS uMLIP LLM

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. Model AUC (↑) F1 (↑) RMSE(↓) Matlantis 0.95 0.76 0.07 MACE 0.87 0.674 0.10 M3GNet 0.86 0.57 0.121 CHGNet 0.85 0.61 0.10 Matlantis性能評価 8 Matbench Discoveryモデル精度比較[8] ● MLIPの性能を評価するベンチマークとしてMatbench(新しい安定無機結晶の探索タスク)が著名 ● MatlantisはMatbenchに登録されているすべてのOSSをoutperform ● Matbenchは無機材料ベンチマークだがMatlantisは有機結晶、液体など幅広い材料・相も計算可能[9] 有機結晶相対体積・ 力検証結果[8] 有機液体密度 検証結果[9] [8] https://matlantis.com/ja/news/pfp-validation- for-public-v5-0-0 [9]https://matlantis.com/ja/news/pfp-v4- validation

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. Matlantis最新事例・連携機能 ⚫ 高圧相計算:v6.0.0のアーキテクチャ変更で高圧相の計算安定性が改善。fcc Pt構造で相対体積10%未満 まで圧縮可能 ● GRRM20 with Matlantis:GRRM(Global Reaction Route Mapping)の網羅的な反応経路探索とMatlantis の高速性・汎用性を活かした大規模計算が可能[10]。先行研究では900原子からなるPd表面上のメタン酸 化の反応経路探索(10,000以上の局所安定構造評価)を現実的な時間で実行[11] PFP version毎の圧縮時の挙動変化 Ver6.0.0 Ver5.0.0 9 GRRM20 with MatlantisによるPd表面上のメタン酸化反応[11] [10] GRRM20はHPCシステムズ様より販売。PFCCはインターフェースを提供 https://www.hpc.co.jp/chem/software/grrm20/ https://matlantis.com/ja/news/grrm20-with-matlantis https://matlantis.com/ja/news/grrm20-with-matlantis-casestudy [11] Ichino T, et al., ChemRxiv. 2024; doi:10.26434/chemrxiv-2024-9h20v

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. ● ユーザー自身が学習させる軽量版PFPをLightPFPとしてリリース予定(正式リリースは今秋予定) ● Matlantis上でPFPによるデータセットを生成し、軽量モデルを学習する(知識蒸留) ● 軽量モデルとして速度・精度のトレードオフに優れるMoment Tensor Potential (MTP)を採用[12]。得ら れた学習済みモデルで推論。従来のPFPよりさらに大規模・高速なMDシミュレーションが可能 新サービス:LightPFP 10 [12] Zuo, Yunxing, et al., The Journal of Physical Chemistry A 124.4 (2020): 731-745. MLIPの速度-精度のトレードオフ ① PFPによるデータ生成 - 独自のデータ生成スキームに従う ② MTPを用いて学習 - スクラッチ又はLigitPFPが提供する独自の pretrained modelを利用可能 ③ 学習済みモデルを用いた推論

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. 新サービス:LightPFP 11 ● 十万原子オーダーのサイズの計算が可能。金属-有機分子固液界面、粒界を伴うハイエントロピー合金な ど複雑な系であっても構成要素を学習に組み込むことでPFPと同等精度で計算が可能 AlCoCrFeNiハイエントロピー合金 Pt(111) / benzene固液界面 計算例:界面活性剤C12E5の水和モデルのNPT計算 (約90,000原子, 1ns) 1ns MD Aggregation of C12E5 was observed Initial snapshot Final snapshot 学習データ: - バルクPt - バルクbenzene - Ptスラブ - Pt/Benzene界面 モデル原子数:84,600個 学習データ - バルク - 粒界 - 表面 モデル原子数:503,712個

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. 今後の可能性 12 ● 反応経路生成:PFNの先行研究ではDiffusion Modelを活用して反応経路を生成 [13]。Transition1xデータ セットの反応経路をPFPで最適化し学習を実行。初期構造において結合・乖離してほしい原子の組を指 定することで反応経路を短時間で生成 ● 潜在特徴量の活用:PFPの特徴量を使って誘電率テンソルを予測[14]。少数データでテンソル特性の予測 に転移させることが可能。仮想スクリーニングにより高い誘電率とバンドギャップを持つ材料を提案 条件付き構造生成例[13] [13] Hayashi, et al., arXiv:2401.10721v1 [14] Zetian Mao, et al., arXiv:2405.09052 誘電率テンソル予測モデルの概要[14]

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. その他、特定の分野に閉じない多様な計算事例 13 [15] Fushimi, Masaki, et al" The Journal of Physical Chemistry C (2024). [16] Matlantis Contrib [17] Sakakima, Hiroki, et al. Journal of Applied Physics 135.8 (2024). 最近の事例: ● ポリプロピレン合成に用いられるZiegler-Natta触媒の外部ドナーの役割の解明[15] ● PFPを用いたa-SiOCの組成、原子構造、弾性特性の関係の解明[16] ● Lammps, PFP, Winmosterを用いたHilderbrand溶解度パラメータの計算[17] など Ziegler-Natta触媒における反応機構[15] C含有量に対する物性の相関[16] SP値の実験・計算値比較[17]

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. 人材採用 14 ● PFCCは現在積極的に人材採用中です。社内システム、カスタマーサクセス、マーケティング、セールス 担当者を募集しています。材料科学の知見を生かせるポジションが多くあります[18] ● PFNも材料科学系リサーチャー、エンジニアを募集中です[19] ● PFCCへの就業を具体的に検討していなくても、カジュアル面談という形でざっくばらんにお話できるの でお気軽にお声がけください PFCC PFN [18] https://matlantis.com/ja/careers [19] https://www.preferred.jp/en/careers/

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. ウェビナー・カンファレンス 15 ● 5月30日(木) にウェビナーを開催予定です。LightPFP, 最新のPFP version7.0.0が紹介されます[20]。 これまでPFPは72元素に対応していましたが、今回のアップデートで96元素に対応します。 ● 本年10月に初の対面のユーザー会を開催予定です。 [20] https://matlantis.com/ja/news/webinar-20240530

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© Preferred Computational Chemistry, Inc. All Rights Reserved. まとめ 16 ● Matlantisは事業開始から3年が経過しましたが、日本国内の多くのお客様のご支持を得て成長を続けて きました。国内の事業基盤を足掛かりとして海外への展開を加速しています。 ● uMLIPの競争は激しさを増していますが、先行して研究開発・事業展開を進めてきたMatlantisには優位 性があります。今後もデータセット拡張・アーキテクチャ改良・機能拡張によってMatlantisを進化させ ていきます。 ● Matlantisの適用可能性を拡げるため、企業・大学の皆様とのコラボレーションを積極的に進めたいと考 えています。 ● 事業拡大に伴い多様な職種で人材を募集しています。お気軽にお声かけください。

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