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1 2024.10.19 Tokyo.R #115 直積は便利

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2 タスク管理データ タスクA: 担当は秋田さんで、10/1から10/4 までの予定です。工数は32時間なので、1日 8時間で完了します。

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3 タスクF: 担当は福井さんで、10/1から10/8 までの予定です。工数は64時間ですが、期 間中に土日が含まれるため、実際の稼働日 は6日間しかありません。そのため、1日の 工数は10時間を超えてしまいます。福井さ んは残業が発生しそうです。

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4 次に、10月11日の秋田さんに注目します。 この日はタスクBとタスクCを担当する予定 ですが、それぞれ1日あたりの工数が8時間 で、合計16時間となってしまいます。この ため、計画の見直しが必要です。

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5 また、福井さんの計画を詳しく見ると、工数の 偏りが見られます。例えば、 • 10月17日以降は1日4時間程度の余裕あり • 10月9日と10月10日は工数がゼロ 不均一な工数配分の見直しが必要です。

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6 タスクの目視確認は困難 タスクの数が少ない場合は、前述のような問題も目視で確認できます。 しかし、プロジェクトが大規模になり、タスクが100件、さらには1000件 を超えるようになると、全体を把握することは非常に困難です。 目視での確認だけでは、見落としやミスが増えてしまうでしょう。

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7 Excelでのタスク管理の限界 「Excelで自動的に確認できればいいのでは?」と考える人もいるかもし れません。しかし、Excelでタスク管理を行うのは意外と難しいのです。 複雑な関数を駆使すれば、特定の問題は解決できるかもしれませんが、別 の問題が発生した場合、さらに複雑な対応が必要になります。 例えば、月単位で集計していたデータを週単位で集計し直すといった場合、 シート全体を大幅に変更する必要があります。こうした柔軟性の欠如は、 Excelでのタスク管理の大きな制約です。

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8 データ粒度の問題 タスク管理データが扱いにくい理 由の一つは、このデータの「粒 度」が粗いからです。 現在のタスク管理データでは、各 タスクは開始日と終了日だけで1行 にまとめられています。 もっと粒度を細かくして、日付単 位にしてやれば、扱いやすくなり そうです。

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9 直積 t1 t2 t3 crossing

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10 タスクとカレンダーの直積 タスク カレンダー 変換 crossing

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11 変換後のデータでタスク確認 タスクA: 担当は秋田さんで、10/1から 10/4までの予定です。工数は32時間なの で、 1日8時間で完了します。

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タスクF: 担当は福井さんで、10/1から10/8 までの予定です。工数は64時間ですが、期 間中に土日が含まれるため、実際の稼働日 は6日間しかありません。そのため、1日の 工数は10時間を超えてしまいます。福井さ んは残業が発生しそうです。 12 変換後のデータでタスク確認

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13 変換後のデータでタスク確認 次に、10月11日の秋田さんに注目します。 この日はタスクBとタスクCを担当する予定 ですが、それぞれ1日あたりの工数が8時間 で、合計16時間となってしまいます。この ため、計画の見直しが必要です。

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福井さんの計画を詳しく見ると、工数の偏 りが見られます。 10月17日以降は1日4時間程度の余裕があり ます。このような不均一な工数配分も見直 しが必要です。 14 変換後のデータでタスク確認

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15 タスク割当無しを見つけることもできる カレンダー メンバー 変換後のデータ crossing left_join

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16 タスク割当無しを見つけることもできる

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18 直積の威力 直積を使ってタスク管理データを変換し、粒度を細かくしました。 柔軟な集計が可能: 日付ごとにデータを持つことで、日次、週次、月次の 集計をコード修正のみで容易に行えるようになります。 負荷の平準化が容易: 各担当者の工数を日別に把握できるため、特定の日 に工数が集中していないか、計画の不均一性を視覚的に確認できます。 自動化のしやすさ: プロジェクトの進行に合わせてタスク管理データを自 動的に更新・集計することが可能です。これにより、大規模プロジェクト でもタスク管理が効率的に行えます。