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データガバナンスチームの結成で得た学び 株式会社ZOZO
 AI・アナリティクス本部 事業推進部
 ディレクター
 田中 祐斗 Copyright © ZOZO, Inc. 1

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© ZOZO, Inc. 株式会社ZOZO AI・アナリティクス本部 事業推進部 ディレクター 田中 祐斗 データマネージャー3名、アナリスト12名が所属する 分析組織を管掌しています。 金融系SIer5年、Web制作会社1.5年の勤務を経て、 2018年10月に中途入社、データマネジメント歴は7.5年 福岡市在住、筋肉質になりたい(フィジカル) 2

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© ZOZO, Inc. 3 目次 ● データ活用とデータガバナンス ● 3つのテーマとチームの結成 ● 学びのまとめ

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© ZOZO, Inc. 4 データ活用とデータガバナンス

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© ZOZO, Inc. 5 データ活用 2つに大別できる(と、考えています)  1.データの可視化・分析  2.プロダクト・業務システムへのデータフィード

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© ZOZO, Inc. 6 1.データの可視化・分析 ● 価値の提供先:ZOZOの全スタッフ ● 提供する価値:データを可視化・分析し、より正確に、より早く意思決定できる環境 ZOZOのデータ可視化・分析業務 予実管理 現状把握 KGI・KPI設計 事前検証 シミュレーション 実験 (ABテスト) 効果検証 現状分析 要因分析

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© ZOZO, Inc. ZOZOのデータフィード先が生み出す事業価値 7 2.プロダクト・業務システムへのデータフィード ● 価値の提供先:ZOZOのプロダクト・業務システムの開発チーム ● 提供する価値:機能実装に必要なデータを、より正確に、より速く、安定的に供給する to ユーザ ・プロダクトを通じた  新たなサービス体験 to テナント企業 ・管理システムを通じた  新たな顧客体験  ・プロモーション機能  ・実績管理機能 to 自社スタッフ ・業務システムを通じた  新たな業務体験  ・通知配信機能  ・プロモーション機能  ・広告配信機能

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© ZOZO, Inc. データの可視化・分析 プロダクト・業務システムへのデータフィード 8 ZOZOがデータガバナンスを強化した背景 ● データ活用と事業活動の結びつきが強くなり、さまざまな課題が顕在化 ● データ活用による事業成長の失速を防ぐよう、課題解決に取り組むことにした データ 基盤 商品検索 商品推薦 広告出稿 集客 販促 (テナント企画) UI/UX 改善 不正検知 異常検知 人員計画 システム 保守計画 計画管理 CRM 販促 (ZOZO企画) MD 商品管理 サイト内 広告 MA

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© ZOZO, Inc. 黎明期 統制期 9 ZOZOのデータ活用とデータガバナンスの歴史 課題化して優先度を整理 関連部門のアサイン開始 データ関連職種が続々と入社 分析官によるデータ分析が浸透し始める BQコスト高騰が優先課題化 データガバナンスチーム発足 推薦モデルのプロダクト投入が本格化 FY2018 データ活用に関する困りごとの集約開始 AI/Dataによる事業推進が重要テーマに FY2024 非分析官のデータ分析が一般化 過渡期 成熟期へ データ基盤を刷新 データ活用のためのポータルサイトを公開 GA4データマートを標準化 2022 FY2023 非分析官のデータ可視化が一般化 分析用データマートを標準化 Core DataMarts Data Products をローンチ 分析用データマートを Core DataMartsから生成開始

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© ZOZO, Inc. 10 ZOZOのデータガバナンスの目的 =データ活用を推進すること ≠ データ活用を統制すること

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© ZOZO, Inc. 11 データガバナンスに着手して得た学び データ活用の推進 >>> データガバナンス の順で取り組む ● データ活用が定着してこそ、データガバナンスで解決すべき課題が顕在化する ● データ活用と事業の結びつきが弱いと、 データガバナンスに取り組む意義を説明するのは難しい(かもしれない) ● データ活用を推進しながら、事業に求められるスピードに耐えうる範囲で、 将来のリスクに対処しておく

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© ZOZO, Inc. 12 3つのテーマとチームの結成

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© ZOZO, Inc. 13 ZOZOのデータガバナンス3つのテーマ Data Platform Core DataMarts Data Portal データ品質の課題 資産管理の課題 情報共有の課題 ● データ活用における課題を3つのテーマに分類し、対応する取り組みを下記のように定めた データ基盤が一部で要求水準を 満たしておらず、 データ活用の遅延・精度低下・ インフラコスト増につながって いる場合がある データ基盤から生み出された資産 が公開・管理されておらず、 似て非なる資産の作成で人的リ ソース・コンピューティングリ ソースが消費されてしまう 運用されている資産が本来の目的 と異なる用途で流用されること で、資産の改訂時に予期せぬ業務 影響(トラブル)が発生している データ基盤を活用するうえで理解し ておくべき情報が十分整備・公開さ れておらず、 誤った方法でデータが活用されるこ とがある 業務システムのビジネスロジック / サービス仕様に基づく標準化された 集計定義の整備・公開・管理が十分 でないことで、 誤った情報に基づきデータ活用され てしまう

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© ZOZO, Inc. 14 3つのテーマの設定で得た学び 解決すべき課題 / 不便を感じている / あったら便利 を見極める ● 自社の事業に貢献しうる仕組みづくりとして説明できることが重要 ○ 「現場の温度感でやること決めてませんか?」という問いは重い ○ 教科書や他社事例に沿った、理想に思える仕組みづくりに惑わされない ● 要望に応えるのではなく課題に応える、意志を持ったチームでありたい ○ どのくらいインパクトがありそうか?という視点を大切に(1回目) ○ あったら便利、こんなのできそう!が醸し出すワクワク感に注意

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© ZOZO, Inc. 15 データガバナンスチームの結成 それぞれの立場からデータ活用を支えてきたスタッフをプロジェクトチームとして結集 相互に情報を共有し、見解を求め、意見し合いながらデータガバナンスに取り組んでいる データエンジニア(5名) 技術本部 データシステム部 データ基盤ブロック データ基盤の機能改善による課題解決をリード する ・Data Architecture ・Data Quality ・Data Security ・Data Storage & Operations ・Meta Data アナリティクスエンジニア(3名) 技術本部 データシステム部 推薦基盤ブロック データモデリング・集計基盤の機能開発による課 題解決をリードする ・Data Integration & Interoperability ・Data Modeling & Design ・Data Warehousing & Business Intelligence データマネージャー(3名) AI・アナリティクス本部 事業推進部 データ推進ブロック データ活用を阻む課題全般を定義し、解決をリー ドする ・Data Governance ・Reference & Master Data ・Data Warehousing & Business Intelligence ・Documents & Content Management

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© ZOZO, Inc. 16 チームの結成で得た学び それぞれの立場から知恵を出し合い、議論を尽くす ● 自チーム内で完結すると、十分なフィードバックをかけづらい ○ 部分最適な仕組み / 過剰な仕組みづくりへの投資は避けたい ○ どのくらいインパクトがありそうか?という視点を大切に(2回目) ● 協力すると仕事が楽しくなる ○ 振り返ると自分たちだけでは成し得なかったかも、と思えることが多い ○ 議論を尽くして導き出された結論と、出来上がった仕組みは堅い(尊い)

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© ZOZO, Inc. 17 これまでの実績 データマネージャー、アナリティクスエンジニア、データエンジニアの みなさんから紹介いたします。

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© ZOZO, Inc. 18 これまでの取り組みで得た学び 事業貢献は「解決した課題の重大さ」と「創出した利益」で語る ● データガバナンスに取り組む価値は、取り組んでいる側が自ら発信する ○ どれほど重大な課題を解決したのかを説明する(何を作ったかではない) ○ コスト削減で生み出した利益を算出する ○ 作った仕組みが無ければ生み出せなかった価値や機会の大きさを説明する ● データ活用の上流~中流は、まじめにやれば仕組みで統制できる ○ 下流は、データ活用の担い手のリテラシーに依存するところが大きい ○ データガバナンスが、データ活用を阻む壁にならないよう リテラシーの向上に取り組んでいく

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© ZOZO, Inc. 19 学びのまとめ

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© ZOZO, Inc. 20 これまでの学び  1.データ活用の推進 >>> データガバナンス の順で取り組む  2.解決すべき課題 / 不便を感じている / あったら便利 を見極める  3.それぞれの立場から知恵を出し合い、議論を尽くす  4.事業貢献は「解決した課題の重大さ」と「創出した利益」で語る

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