1 © SMS Co., Ltd. 2024.08.03 株式会社エス・エム・エス 小笠原翔太 大規模SaaS「カイポケ」のフルリニューアルを 裏で支えるSREの取り組み

2 © SMS Co., Ltd. 自己紹介 • 2017年~2022年 フロントエンドから基盤までWeb開発に幅広く従事したのちSREとなる 主に基盤観点の経験を強みとしたプロダクト改善に取り組む • 2022年10月~現在 エス・エム・エスに入社後、SREとして現行のカイポケ開発に従事したのち リニューアルプロジェクトに参画 テックブログ: https://tech.bm-sms.co.jp/entry/2023/02/21/110000 小笠原翔太

3 © SMS Co., Ltd. 「カイポケ」とは • 介護/障害福祉事業者向け経営支援サービス 介護事業所の運営に不可欠な「保険請求」の機能をはじめ 事業所経営を総合的に支援するための多くの機能を提供 • 規模の大きな業界特化型のSaaS サービス種類に対応した約40のサービス・機能を提供 全国で5万を超える事業所で導入

4 © SMS Co., Ltd. プロダクトのフルリニューアルについて • リニューアルの目的 アーキテクチャの見直しを行い、拡張性や開発並列性を高めることでビジネス要求に敏捷に 対応できるようにすること • リニューアルの難しさ 現行システムの機能数が多く、提供価値を維持しながら拡張性高い形への再実装が必要 ゼロベースでのアーキテクチャの刷新やデータモデルの再設計を伴う 既存ユーザの移行を伴う ⇒ 全体で数年にまたがる大規模プロジェクト

5 © SMS Co., Ltd. SREチームにとっての課題 • プロジェクトの不確実性の高さ 開発体制が大規模かつ採用を同時並行で行うため開発計画や体制への変更が入りやすい SREは開発計画や組織体制含めた、都度都度の開発状況に応じて意思決定を行う必要がある • SREリソースの制約 メンバーはPJ開始時点で一人。2年目で二人しかいなかった 採用難易度が高く人を増やすのに時間がかかることが見えていた Q. 限られたリソースで大規模な開発プロジェクトにどう取り組むか？

6 © SMS Co., Ltd. SREの取り組み方針 大きくは以下2つの方針に従って取り組んできた 1. SREの責務を開発フェーズに合わせて柔軟に変える 2. 技術基盤をコンパクトに作る

7 © SMS Co., Ltd. 1. SREの責務を開発フェーズに合わせて柔軟に変える • プロジェクト初期はSREの責務を小さく絞った 共通基盤の設計・構築＋α（効果の高いSRE施策）のみ実施するところから開始 基盤管理の大部分を開発チームに移譲した • SREの人員が増えるタイミングで徐々に責務を拡大してきた 直近ではごく一部分を除いてほとんどの基盤をSRE管理に戻した 対応する施策の範囲と質を段階的に増やした ⇒ SREチームが破綻することなくプロジェクト進行を支えることができた

8 © SMS Co., Ltd. 2. 技術基盤をコンパクトに作る • 直近の開発計画における要件を満たしつつ当面の利用に耐えられる技術基盤を選択 作り込みが必要なユースケースが確定するまでは要件に組み込まないことを徹底 （5年後の状態のような）遠過ぎるゴールは置かず、導入コストやメンテコストの低さを重視 ⇒ 小規模プロジェクト向きの意思決定だが、不確実性が高い本プロジェクトでリスクを小さ く進めることができた

9 © SMS Co., Ltd. まとめと今後の課題 • 大規模なリニューアルプロジェクトを少人数のSREで支えるため２つの工夫で取り組ん できた 1. SREの責務を開発フェーズに合わせて柔軟に変える 2. 技術基盤をコンパクトに作る • 今後の課題は開発（システムおよび体制）の成熟化を支えるための技術基盤の高度化 組織とプロダクトの発展に伴い課題も変化していくため、要件に合わせて基盤を高度化していく

10 © SMS Co., Ltd. ご清聴ありがとうございました！

11 © SMS Co., Ltd. リンク • リニューアルプロジェクトについて ○ https://careers.bm-sms.co.jp/engineer/kaipoke-renewal • テックブログ ○ https://tech.bm-sms.co.jp/ • カジュアル面談 ○ https://open.talentio.com/r/1/c/smsc/homes/4047