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slogパッケージの深掘り DMM.go #10 屋比久怜央

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自己紹介 2 屋比久怜央 やびくれお 名前 開発統括本部 マーケティングテクノロジー部 所属 ビリヤード・リアル脱出ゲーム 趣味

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今回のテーマ 3 slog

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slogとは 4 logに続いて、go 1.21で追加された標準ライブラリ 誕生の経緯 structured logging(構造化ログ)の略 timestamp, severity, key-valueなどの小さなデータの集合 名称の由来

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皆さんに覚えて帰って欲しいこと 5 1. slogには3種類のHandlerが用意されている 2. slogはgoroutineセーフ 3. バッファ管理にsync.Poolが利用されている

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6 slogには3種類のHandlerが利用されている

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Handlerとは 7 Handlerを付け替えて、出力形式を変える Handlerの役割 ● DefaultHandler ● TextHandler ● JSONHander Handlerの種類

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DefaultHandler 8 2025/05/06 18:46:02 ERROR error 実装例 出力例

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TextHandler 9 time=2025-05-06T18:49:30.543+09:00 level=ERROR msg=error 実装例 出力例

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JSONHandler 10 {"time":"2025-05-06T18:31:28.471417+09:00","level":"ERROR"," msg":"error"} 実装例 出力例

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Handlerによる出力の比較 11 2025/05/06 18:46:02 ERROR error time=2025-05-06T18:49:30.543+09:00 level=ERROR msg=error {"time":"2025-05-06T18:31:28.471417+09:00", "level":"ERROR","msg":"error"} DefaultHandler TextHandler JSONHandler

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皆さんに覚えて帰って欲しいこと 12 1. slogには3種類のHandlerが用意されている 2. slogはgoroutineセーフ 3. バッファ管理にsync.Poolが利用されている 再掲

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13 slogはgoroutineセーフ

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goroutineとは 14 複数のgoroutineを発行すると、並行処理を行うことができる 複数の処理を並行して実行できる 概要 実行イメージ API呼び出し API呼び出し 2つのレスポンスを 利用した処理

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goroutineとは 15 実装例 count! count! count!

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goroutineセーフとは 16 複数のgoroutineから呼び出した時に、処理が競合しないこと 概要 ● 変数の値を更新する時 ● 文字列を出力する時 考慮すべきタイミング slogの性能に関わる

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goroutineセーフじゃない例 17 どのような不都合が発生するのかを確認する目的で、 異なるgoroutineから呼ばれうることを考慮せずに実装した 雑logを自作してみる 受け取った文字列を、既定のio.Writerに書き込むだけのLogger 5個のgoroutineから並行にログ出力を呼び出す 方針

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goroutineセーフじゃない例 18 実装 HellHello HeHeollWorlld Woor Wo! ldrl! d!Hlo elWo rldlo! World! 出力

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slogなら大丈夫 19 実装 time=2025-05-07T11:41:10.632+09:00 level=INFO msg="Hello World!" time=2025-05-07T11:41:10.632+09:00 level=INFO msg="Hello World!" time=2025-05-07T11:41:10.632+09:00 level=INFO msg="Hello World!" time=2025-05-07T11:41:10.632+09:00 level=INFO msg="Hello World!" time=2025-05-07T11:41:10.632+09:00 level=INFO msg="Hello World!" 出力

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slogはgoroutineセーフ - 内部実装 20 異なるgoroutineからほぼ同時に呼び出されることが想定されている 具体的には、ログの書き込み処理にロックがかけられている なぜslogでは問題が発生しないのか h.mu.Lock() defer h.mu.Unlock() _, err := h.w.Write(*state.buf) slogのソースコードより抜粋 1 3 2 他のgoroutineからの書き込みを制限 ログを書き込む 他のgoroutineに、書き込みを解放

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slogはgoroutineセーフ 21 Goでは、goroutineによって並行処理を実現することができる まとめ ただ文字列を出力するだけだと、異なるgoroutine間でほぼ同時にロ グを出力した時に、出力が重なり合う 場合がある しかし、slogはロックの機構を適切に実装しているのでgoroutineを 意識せずに 利用することができる

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皆さんに覚えて帰って欲しいこと 22 1. slogには3種類のHandlerが用意されている 2. slogはgoroutineセーフ 3. バッファ管理にsync.Poolが利用されている 再掲

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23 バッファ管理にsync.Poolが利用されている

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バッファ管理に sync.Poolが利用されている 24 ● バッファとは ● sync.Poolとは ● slogにsync.Poolを用いる目的 この章で話すこと

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バッファ管理に sync.Poolが利用されている 25 ● バッファとは ● sync.Poolとは ● slogにsync.Poolを用いる目的 この章で話すこと

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バッファとは 26 I/O(読み取り・書き込み)処理がボトルネックになるのを防ぐ 広い意味でのバッファの用途 1. 小さいデータをいくつか出力する時に、まとめてI/O 2. 大きいデータを出力する時に、分割してI/O バッファの種類

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小さいデータをまとめて I/O 27 バッファを利用しない場合 バッファを利用した場合 aaa bbb ccc 書き込み 書き込み 書き込み 標準 出力 aaa bbb ccc 一時保存 一時保存 一時保存 標準 出力 バッファ 書き込み 時間のかかるI/O処理を 何度も実行するため 効率が悪い

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大きいデータを分割して I/O 28 バッファを利用しない場合 バッファを利用した場合 書き込み 一時保存 標準 出力 バッファ 一度のI/O処理に 時間がかかるため 効率が悪い 長い文章 hogehoge hogehoge 標準 出力 書き込み 書き込み 書き込み 長い文章 hogehoge hogehoge

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slogにおけるバッファとは 29 slogにおいては、前者を指している つまり、小さいデータをいくつか出力する時に、まとめてI/Oすること slogにおけるバッファの役割 timestamp, severity, key-valueなどの小さなデータの集合がログである つまり、小さなデータをまとめて出力することになる structured loggingとの相性が良い

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バッファ管理に sync.Poolが利用されている 30 ● バッファとは ● sync.Poolとは ● slogにsync.Poolを用いる目的 この章で話すこと

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sync.Poolとは 31 再利用されるオブジェクトを効率的に使い回す仕組み オブジェクトの初期化処理が重い時に効果を発揮する 概要 利用方法のイメージ sync.Pool オブジェクト オブジェクト オブジェクト オブジェクト オブジェクト オブジェクトを利用 関数A オブジェクトを利用 関数B

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バッファ管理に sync.Poolが利用されている 32 ● バッファとは ● sync.Poolとは ● slogにsync.Poolを用いる目的 この章で話すこと

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slogにおけるsync.Pool 33 標準パッケージのbytesなどを使うことなく、 sync.Poolを利用した独自のバッファを実装している slog独自のバッファ ログ出力の度にバッファを用意するのは非効率 バッファを使い回すことで、大量のログ出力を捌けるようになる sync.Poolによる効率化

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バッファ管理に sync.Poolが利用されている - まとめ 34 小さいデータをいくつか出力する時に、まとめてI/Oする仕組み バッファとは 再利用されるオブジェクトを使い回す仕組み sync.Poolとは 出力用のバッファを頻繁に使い回す効率を上げるため slogにsync.Poolを用いる目的

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皆さんに覚えて帰って欲しいこと 35 1. slogには3種類のHandlerが用意されている 2. slogはgoroutineセーフ 3. バッファ管理にsync.Poolが利用されている 再掲

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ご清聴ありがとうございました! 36