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GREE Tech Conference 2026 コーディングエージェントを用いた ボトムアップ型ツール開発 株式会社WFS プランナー 形山 竜一

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自己紹介 形山 竜一 株式会社WFS フィールドプランナー 高専から慶應義塾大学SFCに進み、HCIを研究。VR関連ECサイトのフロ ントエンド開発や、映像制作ソフトの開発を経て、2025年3月よりグリー ホールディングス株式会社に入社し、株式会社WFSに所属。 現在は『アナザーエデン 時空を超える猫』のフィールドプランナーとして ゲーム内コンテンツの企画・実装を担いながら、開発経験を活かしてAI エージェントを活用した内製ツール開発や生産フロー改善にも取り組んで いる。 2

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本日の流れ 01 02 アナザーエデンと私たちの仕事 長期運用による複雑な工程の固定化 例1 エリアの追加 / 例2 NPCの配置 03 AIツールを一箇所にまとめる仕組み 04 システム構成 05 1つの機能が足されるまで 06 問題・課題 07 今後の展望 まとめ 3

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01 アナザーエデンと私たちの仕事 1/7 4

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01 アナザーエデンと私たちの仕事 アナザーエデンと私たちの仕事 ジャンル スマートフォン向けRPG 運用 2017年リリース、来年で10周年 開発期間を含めると12年ほど ゲーム 過去・現在・未来を行き来する冒険 街やダンジョンを歩いて、話して、探検して、戦う ©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS 5

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01 アナザーエデンと私たちの仕事 アナザーエデンの開発体制 プランナー コンテンツの企画と実装 シナリオ バトル 物語のプロットや本文を書く 戦闘のギミックやバランスの設計・ 実装 スクリプト フィールド イベントの演出。カメラやキャラク ターの動き、表情 エリアの設計、イベント、ダンジョ ンギミックなど ほかにも運用班・アート班などがあります 6

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01 アナザーエデンと私たちの仕事 フィールド班の業務 1 エリアを作る 2 エリアのイベントを作る • プレイヤーが歩き回るマップ • ダンジョン内の扉を開くギミック • 歩ける場所や動線の設計・実装 • NPCに話しかけると会話が始まる • 見た目の装飾やカメラ設定 • 宝箱やフィールド上の小ネタ • シナリオに応じた天候や環境変化 7

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 2/7 8

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 長期運用で、複雑な工程が固定化している 来年で10周年 長く続いている運用タイトル 独自の開発ツール Cocos2d-xベースの独自エディタ エンジニアの最優先は別 新規実装や不具合対応が最優先 複雑な作業工程がそのまま固定化 実例を2つ紹介します 例1 エリアを一つ追加するまで 例2 NPCを一人追加するまで 画像引用:https://docs.cocos2d-x.org/api-ref/cplusplus/V3.6/ 9

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 エリアとは プレイヤーが歩くマップのこと 街、ダンジョン、草原、民家の中…… 要素 1 見た目の装飾 2 歩くためのライン 3 イベント発火位置用のピン 4 その他 カメラや環境効果など ©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS 10

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 エリアとは プレイヤーが歩くマップのこと 街、ダンジョン、草原、民家の中…… 要素 1 見た目の装飾 2 歩くためのライン 3 イベント発火位置用のピン 4 その他 カメラや環境効果など ©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS 11

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 エリアとは プレイヤーが歩くマップのこと 街、ダンジョン、草原、民家の中…… 要素 1 見た目の装飾 2 歩くためのライン 3 イベント発火位置用のピン 4 その他 カメラや環境効果など 交差点や道の終わりにピンを置き、ピン同士をラインでつなぐ ©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS 12

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 エリアとは プレイヤーが歩くマップのこと 街、ダンジョン、草原、民家の中…… 要素 1 見た目の装飾 2 歩くためのライン 3 イベント発火位置用のピン 4 その他 カメラや環境効果など イベント用のピンを足し、何が起きるかを Lua で書く ©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS 13

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 エリアとは プレイヤーが歩くマップのこと 街、ダンジョン、草原、民家の中…… 要素 1 見た目の装飾 2 歩くためのライン 3 イベント発火位置用のピン 4 その他 カメラや環境効果など 約1ヶ月半ごとのアップデートで 約 20 エリアを新規作成 ©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS 14

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例1:エリアを一つ追加する工程 一年前の工程 1 スプレッドシートで設計と共 有 2 CLIツールで雛形のCSVを出 力 3 ExcelでCSVを加工 4 CLIツールで不完全なJSONに 出力 15

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例1:エリアを一つ追加する工程 一年前の工程 1 スプレッドシートで設計と共 有 2 CLIツールで雛形のCSVを出 力 3 ExcelでCSVを加工 4 CLIツールで不完全なJSONに 出力 ツール起動画面 出力される初期CSV 16

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例1:エリアを一つ追加する工程 一年前の工程 1 スプレッドシートで設計と共 有 2 CLIツールで雛形のCSVを出 力 3 ExcelでCSVを加工 4 CLIツールで不完全なJSONに 出力 Excelでの編集 17

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例1:エリアを一つ追加する工程 一年前の工程 1 スプレッドシートで設計と共 有 2 CLIツールで雛形のCSVを出 力 3 ExcelでCSVを加工 4 CLIツールで不完全なJSONに 出力 CLIツール設定画面(.txt) 18

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例1:エリアを一つ追加する工程 一年前の工程 1 スプレッドシートで設計と共 有 2 CLIツールで雛形のCSVを出 力 3 ExcelでCSVを加工 4 CLIツールで不完全なJSONに 出力 出力結果:ずれや足りないピンは手で直す ©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS 19

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 一年前の工程の問題点 1 ツールの行き来 2 4〜5個のツールを行き来する。起動や頭の切 り替えが重たい 3 Excelの下準備 毎回セルのサイズ調整や、書式による色付け が必要 メンテナンスされないCLIツール 設定ファイルがテキスト形式でわかりづら く、エラーも出ない 4 数十箇所の手直し 出力したJSONの不備や、足りないピンを手で 追加 20

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例1:エリアを一つ追加する工程 現在の工程 設計から出力まで 1つのツールで完結 CLIツールのロジックは リスペクトしつつ移植 GUIの追加やアセットサイズの自動設定など 細かい使い勝手を向上 ピン・ラインの配置 20分 → 3分 道アセットを敷く 10分 → 1分 1エリアあたり 約40分削減 21

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例2:NPCの配置とイベント作成 酒場や街などにいるNPC 以前の工程の問題 1 7000を超えるエリア一覧から、過去のエリアの Luaファイルを探してコピペ 2 座標や見た目、吹き出しの種類などを、Luaスク リプトで直接編集(見た目はEnumの値で判断) 3 NPC一人に一つのLuaファイル ©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS 22

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例2:NPCの配置とイベント作成 現在の工程 ツールからエリアのNPCを一括管理 1ファイルでNPCを複数管理 場所・吹き出し・出現条件をGUIで設定 セリフの文体チェックも 23

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 例2:NPCの配置とイベント作成 現在の工程 ツールからエリアのNPCを一括管理 1ファイルでNPCを複数管理 場所・吹き出し・出現条件をGUIで設定 セリフの文体チェックも ノードエディタも作った 非エンジニアによる修正や機能追加も 24

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02 長期運用による複雑な工程の固定化 2つのツールに共通するルール 入稿するデータの形を今までと同じにする この間の作業だけで完結させる 入力 出力 例1 エリアの追加 エリアやNPCの 設計情報 CLI → Excel → CLI → 手直し 1つのツールで完結 JSON・Lua 入稿データ 例2 NPCの配置 過去のLuaをコピーして直接編集 ゲーム側・エンジニア側の作業に影響が出ない 画面上で設定して一括管理 品質はこれまでと同じ確認の流れで見られる 25

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03 AIツールを一箇所にまとめる仕組み 3/7 26

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03 AIツールを一箇所にまとめる仕組み AIで作ったツールの置き場所と配り方 AIを用いた個人によるツール開発が 活発に行われるようになった index.html ル1つ イ HTMLファ tool.py ただ…… Pythonファイ ル1つ 作り方・置き場所・配布方法などが 決まっていないことがある Artifact アーティファクトのまま 27

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03 AIツールを一箇所にまとめる仕組み ツールは1つのアプリにまとめている 30 個ほど 現在のツール数 28

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03 AIツールを一箇所にまとめる仕組み 1つのアプリになるまで 2025.07 〜2026.02 2026.05 2026.08 最初のツール ほぼ一人で5〜6個 AIへの指示書を追加し リポジトリを社内共有 バトル班ツールと統合 通常の数十倍の広さを持つ マップの作成ツール 二つ目の集約アプリとして バトル用も 翌月のコミット数 ツール数 4 14→27 倍 29

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04 システム構成 4/7 30

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04 システム構成 アプリの全体像 読み書き デスクトップアプリ(Tauri 2) ゲームアセット エリアのJSONやギミックのLua WebView(画面) Core(Rust) React / TypeScript / Vite Tailwind CSS Konva・three.js SQLite git同期 自動更新 同期 チーム共有ストレージ GitHubリポジトリ React Flow 更新 GitHub ツールのソースコード / Releases 指示書(mdファイル) AIエージェント Issue・PR・リリース リポジトリ内/ゲーム開発ルールはプラグ イン GitHub Copilot / Claude Code 作業はAIが代行する 31

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04 システム構成 非エンジニア複数でも壊れにくい仕組み 設計 1 班ごとのフォルダ フォルダに置くだけでメニューに載る。共通部分に 触らずにツールを追加できる 2 AIへの指示書 開発手順はリポジトリ内に、ゲーム固有の知識はプ ラグインにまとめて配布 3 デザインシステム UIカタログから部品を選ぶので、誰が作っても似た 見た目になる 32

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04 システム構成 非エンジニア複数でも壊れにくい仕組み 設計 root/ 1 班ごとのフォルダ フォルダに置くだけでメニューに載る。共通部分に 触らずにツールを追加できる CLAUDE.md Claude Code 用 AGENTS.md Codex など用 .github/ copilot-instructions.md 2 AIへの指示書 開発手順はリポジトリ内に、ゲーム固有の知識はプ ラグインにまとめて配布 GitHub Copilot 用 docs/ team_workflow.md issue → PR の手順 adding_a_tool.md ツールの追加手順 src-field/ 3 デザインシステム UIカタログから部品を選ぶので、誰が作っても似た 見た目になる CLAUDE.md 別リポジトリ marketplace/ 班ごとの指示書 ゲーム開発のルールを プラグインで配る 33

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04 システム構成 非エンジニア複数でも壊れにくい仕組み 設計 1 班ごとのフォルダ フォルダに置くだけでメニューに載る。共通部分に 触らずにツールを追加できる 2 AIへの指示書 開発手順はリポジトリ内に、ゲーム固有の知識はプ ラグインにまとめて配布 3 デザインシステム UIカタログから部品を選ぶので、誰が作っても似た 見た目になる 34

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04 システム構成 アプリの更新と配布 普段の開発でgitは使っているが、Issueやブランチ、イレギュラー時の対応までは非エンジニアには難しい 1 2 3 4 Issue・ブランチ ・PR リリース アプリ更新 共有 AIが操作する コマンド/スキルで頼め ばOK。リリースノート もAIが書く GitHub Releases から情 報を取得し、アプリ内で 案内 フィールド班では週1で リリースノート確認会 35

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05 1つの機能が足されるまで 5/7 36

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05 1つの機能が足されるまで 「NPCの向きを戻す機能」が入るまで 例 NPC Studio に、現場のメンバーがAIに頼んで足した機能 1 2 3 4 5 困る AIに頼む AIがつくる リリースする 共有する NPCが会話の後も向 きがそのままで不自 然 エンジニアではなく AIに伝える 指示書やプラグイン を読み、Issue → 班 フォルダで実装 → PR コマンドかスキルで リリース → 全員のア プリが更新 定期的な確認会で、 誰が足したかを共有 困った本人がAIに頼んで直し、次の更新で全員が使えるようになる 37

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06 問題・課題 6/7 38

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06 問題・課題 うまくいっていないこと 課題 1 課題 2 全体の工数はまだ減ったとは言えない 使ってもらうまで、作ってもらうまでが 大変 • 大きく工数を減らせる場所は、すでに着手済みであ ることが多い • ツールが知られていない、今のやり方で困っていな い → 乗り換える動機が弱いケースも • 痒いところが減っても、全体から見ればごく一部 • エンジニア経験者がいないと勧めにくい場面も • 最終的にはエンジニアさんによる全体のフロー改善 が必要 • フィールド班は活発。班によって差がある 39

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07 今後の展望 7/7 40

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07 今後の展望 振り返りと今後 良かった事 時間の使い方 作れるもの • 作ったツールを簡単に共有できる場所に なっている • オーバーヘッドの削減 • 作りやすくなることで、体 験を提供する機会を増やせ る • エンジニア工数なしでツール開発が進め られる。放置されてきた痒いところに手 が届く • より本質的なことに時間と 頭を使う • AIに触れる機会になり、リテラシー向上 にも繋がっている 41

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まとめ 1 AIで作ったツールには、置き場所と配り方が必要 2 非エンジニアでも迷わない開発環境を配る エンジニア プランナー より大きなフローの改善に じっくり取り組める ゲームの面白さを考えることに 時間を使える 42

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ご清聴ありがとうございました 株式会社WFS 形山 竜一

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