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ROSCAFE TECH NIGHT #3 - 2023.12.20 〜 今、CTO / VPoE に求められる事とは? 〜 執行役員 CTO 野沢康則 / @nozayasu

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プロフィール ● 野沢康則 / X: @nozayasu ● 2018 年ツクルバ入社 ○ Backend Engineer ○ Backend Tech Lead ○ Engineering Manager ○ Product Manager ○ CTO ● Topics ○ 建築都市環境学専攻 ○ 不動産営業 → エンジニア

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1. CTO が応えるもの 2. 利益構造の拡張 3. 年次計画の客観視 4. 生産性指標の活用 5. 個人としての信念 4 アジェンダ

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CTO が応えるもの

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1. 命題: 利益を成長させ続ける 2. 思考: 利益構造・成長戦略を財務指標で考える a. 主要事業 PL、BS、ROIC、ROA、ROE、etc… b. 往々にしてプロダクトやシステムは、成長率をリターンとした財務レバレッジの対象とし て期待されやすい i. ex). データ活用して事業成長させたい! ii. ex). AI 活用して事業成長させたい! c. 適切な投資対象や投資量の判断を専門家として担い、共通言語として財務指標で話 す d. 「利益構造の拡張」セクションで深掘り CTO が応えるもの | 経営 3人規模のスタートアップでガリガリ手を動かしている、 10人規模の組織でエンジニアとマネージャーを兼任している、 CTO としてのあり 方はステージによって濃淡があるけれど、学び続けたいものは経営。

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1. デリバリー a. システムはデリバリーして初めて資産 b. 開発組織アウトプットとクオリティの最終責任を負い、資産価値を高め続ける i. 自分で作るでも、チームを作るでもいい 2. 採用とアサイン a. 開発人件費は専門性が細分化し易く、流動性が低い固定費になりやすい b. 計画の良し悪しで、競争力不足やバーンレート悪化に繋がる c. 「年次計画の客観視」セクションで深掘り 3. 開発生産性の管理 a. 身も蓋もない話だが、開発生産性はハイパフォーマー比率の寄与が最も大きい i. だから採用・育成が大事 b. 「生産性指標の活用」セクションで深掘り CTO が応えるもの | 執行 執行領域は VP ロール設計による分業化が進んでいる組織も多い。大事なのは経営視点と執行視点を分けて思考する意識を持つこ と。執行視点が強くなりすぎると自組織最適な思考が強まり、リスクテイクや全体最適な判断が弱くなりやすい。

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CTO が応えるもの | 構造化、再現性 構造化のアウトプットは、組織特性、エンジニア一人一人のケイパビリティ、規模感等で変化する。 構造化の主旨はマネジメントの再現 性を高める事。再現性を高めるために、共通の構造に沿って目標や期待値設定を行う。 ● EM(マネジメント) の責任指標 ○ 採用・育成・評価・ツール導入・システム改善・負債解消等の成 果を、指標で観測 & 管理 ● ハイパフォーマー採用・システム複雑度解消を基本方針 ○ ハイパフォーマーのアクティビティ期待値は 10倍 ○ サイクルタイムと個人アクティビティは、システム複雑度に強く 依存 ● TechLead(スペシャリスト)の責任指標 ○ システム設計・品質レビュー・実装・障害対応等の成果を、指標 で観測 & 管理 ● SLO 担保は品質維持コスト ○ 事業特性を踏まえた基準値を設定 ○ 事業成長(機能・データ量増加)に伴う品質劣化に対応するコ スト ○ 健全化予算 10% を固定で確保して運用 ○ 10% で収まらないものを PJT 化 or 専任者アサイン ※ 合わせてプロダクト開発計画達成も担う

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利益構造の拡張

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我々はエンジニアリングで如何に利益に貢献するのか? 利益構造の拡張 | 根源的な問い

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利益構造の拡張 | なぜエンジニアリングが事業に必要か / 一般概念 システム投資前 システム投資後 エンジニアリングを通して、売上高・変動費・固定費に寄与することで利益構造の拡張を行う。一例を次に示します。 1. 売上高増 a. 新規システム(商品)開発による決済獲得・クロスセル・アップセル 2. 固定費抑制 a. 接客のシステム代替による業務生産性向上 3. 変動費抑制 a. 集客のシステム化による顧客獲得率向上

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利益構造の拡張 | なぜエンジニアリングが事業に必要か / 事業における具体例 指標: ROMS / ROAS / CPA / etc… アクション: マーケティングシ ステム開発に投資 ゴール: 業界平均よりユー ザー獲得単価 / 成約単価 が低い ≒ 競争優位性 指標: AU / 会員化率 / 反響 率 / etc… アクション: ユーザープロダ クト開発に投資 ゴール: 業界平均よりユー ザー再訪率 / 顧客転換率 が高い ≒ 競争優位性 指標: 追客率 / クロージング 数 / 契約数 / etc… アクション: 営業システム開 発に投資 ゴール: 業界平均よりピュア 接客時間が長い / 接客品 質が安定 ≒ 競争優位性 事業の各プロセスにエンジニアリング視点で関与、競争優位性確立 × コスト抑制の実現を並走 利益構造のコア、競 争優位性のコアほ ど ROI の期待値が 高く、投資優先度を 高める ◀

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年次計画の客観視

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年次計画の客観視 | 戦略前提の最小ヘッドカウント構成 2023 売総:25億 営利:3.8億 新規領域立ち上げ 収益性向上 サービス統合 財務 プランニング 事業 戦略テーマ ビジョンに基づく成長計画 プロダクトA プロダクトB システム戦略 業務システム マネジメント x6 x8 x10 2024 売総:32.5億 営利:4.9億 2025 売総:42.3億 営利:6.3億 事業戦略を前提に年次単位の最小 ヘッドカウントを設計 ● プロダクト A 純増(並列チーム増) ● プロダクト B 新設 ● 業務プロセス増(プロダクト B対応) ● 専門性別アサイン ● システム戦略を考慮 ● 組織規模に対するマネジメント アサイン時の考慮 ● フレキシブルアサイン ○ チーム設計が柔軟 ○ 稼働率が最大化 ● 専門性固定アサイン ○ チーム設計に制約 ○ 専門性品質の向上 ○ 専門性資産の運用コスト低減 ● チーム設計制約が稼働率に影響 共有情報の定義/分割/参照 分割に伴う体験劣化対策 システム性能向上 システム境界改善 開発効率向上 個別サービスからの 情報参照/拡張の安定化 サービス開発効率向上 システム 戦略テーマ コラム: チーム設計制約とリソース効率 フロントエンドタスク実行したいが、バックエンドタスク によってブロッキング... 専門性毎の開発力のミスマッチ ≒ 特定専門職リソー スの稼働率低下、という構図に出会ったこと、皆さんも あるのではないだろうか ※ 売総成長率30%目標とした架空組織サンプルです

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年次計画の客観視 | 売総対開発人件費率による対比 1. 競争力低下の抑止力(他社分析) a. エンジニアリング投資 ≒ 人件費投資とも捉えられる b. 同一指標を用いた他社比較によって、相対的投資不足による競争力低下の抑止力とする c. IR 等の公開情報から、同一業界他社の売総対開発人件費率をリサーチ d. 業界水準との対比を通した客観視 2. リスクテイク監査 a. 素案: 売総対開発人件費率を利益確保の目線で計画 b. 最終案: フェーズによって成長投資判断を盛り込んで計画 c. 人件費投資は固定費増、過剰リスクテイクは回収期間が取れない恐れがある d. 事業資金や事業キャッシュフローとの対比を通した客観視 2023 2024 2025 売上総利益(億円) 25.0 32.5 42.3 成長率 30% 営業利益(億円) 3.8 4.9 6.3 売総対比 15% 開発人件費(億円) 0.9 1.4 1.9 1000万/人で単純化 売総対開発人件費率  3.60% 4.31% 4.50% 3~5% 基準として客観視 3% 以下: 投資不足 5% 以上: 投資過多 エンジニア組織人数  9.0 14.0 19.0 ※ 売総成長率30%目標とした架空組織サンプルです

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生産性指標の活用

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生産性指標の活用 |計測と考察でマネジメントへ活用 ● チーム A 事例 ○ ハイパフォーマー 2 人(黄 + 水色)で構成 ○ 個のパフォーマンス高い + レビューサイクル早い = 長期ハイアウトプット ● 考察 ○ デリバリーにはレビュープロセスがあるため、パフォーマンスのテンポがあっている事で活動量が 10 倍近くに ● マネジメント活用 ○ チーム設計 ■ 育成 / アウトプットライン数優先 ● リーダー × ジュニア 構成も検討 ■ ハイアウトプット優先 ● リーダー × リーダー 構成を優先 ○ 採用 ■ ハイパフォーマーチームの実現を採用方針へ組み込み ※ Findy Team+ によるレポートの抜粋

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生産性指標の活用 |計測と考察でマネジメントへ活用 ● エンジニア A さん事例 ○ アサイン変更によって生産量が 3 倍に ● 考察 ○ 3 名所属チームメンバー ▶ 1 名所属チームリード ■ 裁量増、コミュニケーションパス減 ○ プロダクト A(Admin / WEB / API 概念が相互依存) ▶ 新規プロダクト B ■ システム境界が明確、変更局所性が高い ○ CI/CD 対応範囲が広い & トランクベース開発実行可能 ■ DevOps 投資が多いシステム資産 ● マネジメント活用 ○ システム戦略 ■ DevOps 投資 / 変更局所性を高める ▶ プロダクト A チームの生産性 UP ● 3 倍リターンを根拠に、アーキテクチャ改修プロジェクトへの投資を予算化 ※ Findy Team+ によるレポートの抜粋

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個人としての信念

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個人としての信念 |アウトカムのスピード 意思決定をする上で、リターンは何?関係者で調整とれてる?このような問いを投げかける。 「コミュニケーションコストが多いな、スタートアップらしいスピード感が減っちゃった」 こんな言葉を聞く機会がありました。 アウトプットスピードが、関係者の量に比例して変化することは実感と理解をします。 理解をした上で、自分がスタートアップの初期フェーズに所属していた頃を思い返す。 潤沢なリソースもないし、体力も満足にあるわけではない。 半年後のために、今何にリソース投入するかや、何を開発するかを間違えられない。 だからリターン、リソース投入、優先度判断の全部を強烈な濃度でコミュニケーションする。 意思決定とアクションが早くても、リターンの薄いものに対してリソース突っ込んだら成長としては遅い。 アウトプットのスピード感よりも、アウトカムのスピード感が高い組織でありたい 。

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ROSCAFE TECH NIGHT #3 - 2023.12.20 〜 今、CTO / VPoE に求められる事とは? 〜 執行役員 CTO 野沢康則 / @nozayasu