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アソビュー株式会社 1年で50人から倍増した 開発組織のマネジメントと未来戦略 アソビュー株式会社 服部 毅保

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自己紹介 服部 毅保 アソビュー株式会社 VP of Engineering X : @tkyshat 2012年新卒で富士通入社。2015年に海外のスタートアップに転職。 2016年にアソビューに入社し。遊びのECサイト「アソビュー」の開発やグロースを担当。 2018年よりベトナムオフショア開発組織の立て直しと拡大文脈でベトナム組織のCTO担当。 2020年以降は日本の組織のエンジニアリングマネージャーに携わり、2024年よりVP of Engineeringとして組織全体 のマネジメントを担当。

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Index ● 会社紹介 ● イントロダクション ● 拡大期の課題 ○ マネジメント層の負荷増大 ○ 組織規模によるマネジメントの違い ● 今後の組織開発 ● まとめ

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Index ● 会社紹介 ● イントロダクション ● 拡大期の課題 ○ マネジメント層の負荷増大 ○ 組織規模によるマネジメントの違い ● 今後の組織開発 ● まとめ

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アソビューについて Mission Vision Value 生きるに、遊びを。 
 FOR YOU すべては顧客の期待を超えるために
 PROFESSIONAL ONE TEAM プロであり続けるために
 
 チームに貢献するために


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サービス紹介

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Index ● 会社紹介 ● イントロダクション ● 拡大期の課題 ○ マネジメント層の負荷増大 ○ 組織規模によるマネジメントの違い ● 今後の組織開発 ● まとめ

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数字から見るサービス規模感 ● 1stサービスローンチ : 2012年 ● サービス数 : 20+ services(toC, toB, toGなど様々なステークホルダー ● 会員数 : 約1,200万人 ● 契約施設数 : 約10,000施設 ● テーブル数 : 約2,000以上 ● ピークトラフィック : 4,000 rps ● プロダクト部門人数 : 約100名 ● チーム数 : 15

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数字から見るサービス規模感 ● 1stサービスローンチ : 2012年 ● サービス数 : 20+ services(toC, toB, toGなど様々なステークホルダー ● 会員数 : 約1,000万人 ● 契約施設数 : 約10,000施設 ● テーブル数 : 約2,000以上 ● ピークトラフィック : 4,000 rps ● プロダクト部門人数 : 約100名 ● チーム数 : 15

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プロダクト部門人数の推移 2018 2019 2020 2021 2022 2023 ● プロダクト開発に関わる人員は約100人 ❇業務委託含む ○ 2022年と比較すると1年で約2倍の組織に

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プロダクト組織の事業との関わり方 新規事業 営業 マーケティング カスタマーサクセス サポートデスク プロダクト組織 コーポレート 事業部メンバー 事業部メンバー 事業部メンバー 事業部メンバー 事業部メンバー

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プロダクト組織の全体像 新規事業 CTO / CPO / VPoE プロダクト 開発チーム プロダクト 開発チーム プロダクト 開発チーム プロダクト 開発チーム プロダクト 開発チーム データ基盤チーム コーポレートソリューションチーム SREチーム Product Engineering Platform Engineering Organizational Improvement

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Index ● 会社紹介 ● イントロダクション ● 拡大期の課題 ○ マネジメント層の負荷増大 ○ 組織規模によるマネジメントの違い ● 今後の組織開発 ● まとめ

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組織の理想の状態 圧倒的な成果を常に上げ続け 顧客に価値貢献している

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拡大期の組織の状態 圧倒的な成果を常に上げ続け 顧客に価値貢献している

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マネジメントの役割 マネジメントは組織をして成果を上げさせるための 道具、機能、機関 Peter Ferdinand Drucker

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圧倒的な状態にするには... 圧倒的な成果を常に上げ続け 顧客に価値貢献している マネジメントの不具合を見つけて機能させる

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Index ● 会社紹介 ● イントロダクション ● 拡大期の課題 ○ マネジメント層の負荷増大 ○ 組織規模によるマネジメントの違い ● 今後の組織開発 ● まとめ

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マネジメント層の負荷増大 - 課題 ● マネージャー : 4名(当時のCTO + 3名) ● 開発チームリーダー : 7名(マネージャーとの兼務含む) ● 100名の組織規模に対して、マネジメント層のSOC限界を迎えていた ● 役割を権限委譲したくても、可視化されてないため渡せない状態

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マネジメント層の負荷増大 - 課題 ● マネージャー : 4名(当時のCTO + 3名) ● 開発チームリーダー : 7名(マネージャーとの兼務含む) ● 100名の組織規模に対して、マネジメント層のSOC限界を迎えていた ● 役割を権限委譲したくても、可視化されてないため渡せない状態 役割の可視化 権限委譲 役割任用

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マネジメント層の負荷増大 - 役割の可視化 ● Holaspiritを導入 ● マネージャー・リーダー及び各チーム毎に当時の役割を可視化 ● 可視化した役割から分解できそうな責任範囲を見つけ、分離

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マネジメント層の負荷増大 - 権限委譲 ● 役割分解したことで、委譲可能/難しいの判断がしやすくなった ● 委譲できそうなものを合意の上で渡していく マネジメント層の負荷軽減

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マネジメント層の負荷増大 - 役割任用 ● 一部の役割を委譲していくことで、マネジメントやリーダーという役割 自体の負荷が軽減された ● リーダー・マネジメント任用の促進 マネジメント層の負荷分散

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マネジメント層の負荷増大 - 結果 ● マネージャー : 4名 → 9名 ● リーダー : 7名 → 14名 ● 複利として、メンバーにも役割をどんどん任せられるようになり成長機 会の提供につながった マネジメント層の負荷軽減と負荷分散に成功 役割の可視化の重要性に気づけた

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Index ● 会社紹介 ● イントロダクション ● 拡大期の課題 ○ マネジメント層の負荷増大 ○ 組織規模によるマネジメントの違い ● 今後の組織開発 ● まとめ

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組織規模によるマネジメントの違い - 課題 複数事業を展開しているアソビューでは ● 事業規模が大きなプロダクト開発 : 人数が多い傾向 ● 事業規模が小さなプロダクト開発 : 人数が少ない傾向 部長 PjM Engineer Engineer PjM Engineer Engineer PjM Engineer Engineer 部長 PjM / Engineer Engineer 事業規模の大きなプロダクト開発 事業規模の小さなプロダクト開発

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組織規模によるマネジメントの違い - 課題 複数事業を展開しているアソビューでは ● 事業規模が大きなプロダクト開発 : 人数が多い傾向 ● 事業規模が小さなプロダクト開発 : 人数が少ない傾向 プロダクト組織全体としては100人超えているが、それぞれの組織に対して 同じマネジメントしてもうまく回らない

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組織規模によるマネジメントの違い - 課題 組織の把握 マネジメントスタイルの アップデート 複数事業を展開しているアソビューでは ● 事業規模が大きなプロダクト開発 : 人数が多い傾向 ● 事業規模が小さなプロダクト開発 : 人数が少ない傾向 プロダクト組織全体としては100人超えているが、それぞれの組織に対して 同じマネジメントしてもうまく回らない

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組織規模によるマネジメントの違い - 把握 ● グレイナーの5段階企業成長モデル ○ 組織がどの段階にいるかを把握することで ■ 段階ごとの成長ポイント ■ 次に来る危機を知る ○ 第1段階より第5段階が優れている訳では無い ■ 必ずしもステップアップする必要はない 「企業成長の“フシ”をどう乗り切るか」 by Dr. Larry Grainer 組織がどの段階に位置しているのかを把握するのが重要

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組織規模によるマネジメントの違い - 把握 ● 1on1や各種イベントに参加して組織 の状態把握 ● グレイナーの5段階企業成長モデル に当てはめる ○ 組織全体 > 部門 > 各チーム そ れぞれの単位で当てはめる ○ 各組織の現在地をプロット 「企業成長の“フシ”をどう乗り切るか」 by Dr. Larry Grainer

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組織規模によるマネジメントの違い - 結果 ● 原因は組織規模ではなく、組織の段階を正しく理解できていないことに 気づけた ● 各組織のマネジメント層に対して明確なコミュニケーションができるよ うになった ● 短期課題だけにとらわれがちだったが、中長期視点になった 定性的にはマネジメント力の向上の一助になっている 定量的なものは出せていないので、エンゲージメントサーベイで定点観測す る

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Index ● 会社紹介 ● イントロダクション ● 拡大期の課題 ○ マネジメント層の負荷増大 ○ 組織規模によるマネジメントの違い ● 今後の組織開発 ● まとめ

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● グレイナーの5段階企業成長モデルのすべて の段階において、 人事機能をいかにうまく活性化させられるか が組織の成長に重要 ● 人事機能である「採用・育成・配置・評価・ 報酬・代謝」を活性化する施策を打つ 今後の組織開発 方針 人事機能 採用 育成 配置 評価 代謝 報酬 人事の6つの機能

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● 前期で「評価・報酬・代謝」の3つの機能に 対して人事制度改定を行い、新制度をうまく 運用していくフェーズ ● 今期は「採用・育成・配置」を強化するため の仕込みの施策を推進していく ❇ ここからの内容はすべて構想中のものになります 今後の組織開発 今期の仕込み 人事機能 採用 育成 配置 評価 代謝 報酬 人事の6つの機能

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技術広報の促進 育成観点 ● キャリアデザイン支援 : 自己表現の場として活用し、スキルや成果を発信。 ● 人的資本向上 : 学びや経験をアウトプットし、スキルを強化。 ● 社会資本形成 : エンジニアコミュニティへの貢献で評判や信用を築く。 ● 組織文化醸成 : アウトプット文化を促進し、知識共有を増やす。 ● エンゲージメント向上 : 社員の成長を実感してもらい、モチベーションを高める。 採用観点 ● 採用力強化 ○ 技術力をアピールし、優秀な人材を引きつける。 詳しくは : キャリアデザインを促進する、手段としての技術広報 育成 採用 発信した人が称賛される文化の醸成・機会提供

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チャレンジ制度の策定 ● リーダー・マネジメント任用を通じて立場や役割・機会が人を育てていくと いうのを実感 ● 経験学習モデル(具体的経験 → 内省的観察 → 抽象的概念化 → 能動的実験 の繰り返し)にもある通り、人が成長し続けるためには実際の経験を通じて 学ぶことが重要 今まで経験していない役割・チーム・スキルに チャレンジできる機会を提供し、成長と配置転換を促進 育成 配置

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データ基盤チーム コーポレートソリューションチーム SREチーム チャレンジ制度の策定 新規事業 CTO / CPO / VPoE プロダクト 開発チーム プロダクト 開発チーム プロダクト 開発チーム プロダクト 開発チーム プロダクト 開発チーム Product Engineering Platform Engineering Organizational Improvement チームチャレンジ
 スキル
 チャレンジ
 ロール
 チャレンジ
 育成 配置

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バディマネージャーの検討 ● 役割を可視化していく中で、マネジメントの役割として大きく2つありそう ○ 「事業・機能」を促進する役割 ○ 「組織・人」を成長させる役割 ● 両方「できる」人は存在するが、両方「こなせる」人は少なく、負荷が高す ぎる 現マネージャーの得手不得手や志向を整理し、 バディをつけることで、負荷軽減・事業と組織の成長促進 育成 配置

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Index ● 会社紹介 ● イントロダクション ● 拡大期の課題 ○ マネジメント層の負荷増大 ○ 組織規模によるマネジメントの違い ● 今後の組織開発 ● まとめ

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まとめ ● 何事においても可視化は重要。組織の役割も同様 ● 人や組織の課題もフレームワークに一旦落とし込んでみると見えてくる ものもある ● 目の前の課題の対処も重要だが、同時に先を見越して早めに動く

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生きるに、遊びを。