Slide 1

Slide 1 text

デザインスプリントを活かす チームの在り方 株式会社MIXI デザイン本部 プロダクトデザイン室 プロダクト推進グループ 遠藤茜

Slide 2

Slide 2 text

©MIXI 遠藤 茜 Akane Endo UI/UXデザイナー ABOUT 2013年に新卒で株式会社ミクシィ(現 MIXI)に入社。主にアプリの UI/UXデザインに携わる。グループ会社への出向や、新規事業の立ち 上げも経験。 ⁨⁩プロダクトの体験設計を考えるのが好きな人。 好きなものは、お笑い鑑賞、ともだちはくま。 プライベートでは2歳の娘の母。

Slide 3

Slide 3 text

今日のお話 ©MIXI

Slide 4

Slide 4 text

©MIXI 今日のアジェンダ 01 デザインスプリントとは? 02 実際にチームでどのように導入してたの? 03 生じた課題と解決策

Slide 5

Slide 5 text

©MIXI デザインスプリント 本日のテーマ

Slide 6

Slide 6 text

©MIXI デザインスプリントとは? DAY1 DAY2 DAY3 DAY5 DAY4 理解 発散 決定 検証 プロトタイプ 背 景 や ユ ーザ ー イ ン サ イ ト ( 本 音 ) を 理 解 し 、 目 標 を 固 め る 課題を解決するための アイデアを生み出す どのアイデアを採用し 検証するかを決める プロトタイプの使われ 方を観察し、仮定の正 しさを確認する 最小限の機能で実行可 能なコンセプトモック を作る Richard Banfield, C. Todd Lombardo, Trace Wax (2016) . デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド オライリージャパン プロ ダクトデザイン のための柔軟なフレームワーク。小さなチームで短期間で集中的に 作業を行い、プロ ダクト の方針を定 めること ができる。 チー ム体制や 要件に合わ せてプロセ スはカスタ マイ ズ可能

Slide 7

Slide 7 text

©MIXI デザインスプリントのメリット POINT 01 POINT 02 POINT 03 短期間で結果を導くことができる 意思決定に全員が関わることでアウトプットに納得感が持てる 失敗を未然に防ぐという成功を得られる

Slide 8

Slide 8 text

©MIXI デザインスプリントの活用法 プロジェクトの初期 9 プロダクトのコンセプトが実世界で受け入れられるか可能性を探る プロジェクトの中期 9 既存のコンセプトの拡張、プロダクトの新しい利用法の探求 成熟したプロジェクト 9 プロダクトの1つの機能という単位での体験の改善

Slide 9

Slide 9 text

©MIXI デザインスプリントで向いてないこと 革新的なアイデアを生むのには不向き S そもそものプロダクトのコンセプトやコアバリュE S プロダクトのフックとなるようなコア機能のアイデア

Slide 10

Slide 10 text

©MIXI ワーク内容はどんな感じ? ベーシックなワークプログラムをnoteにまとめてるので、興味ある方はみてみてください! えんあか/MIXI https://note.com/en_aka/ デザインスプリントで意思決定の速い チームができた話 デザイン2日間(+α)で終わる。短縮 版デザインスプリントをやってみよう

Slide 11

Slide 11 text

©MIXI チームでどのように デザインスプリントを 導入してたの?

Slide 12

Slide 12 text

©MIXI ターゲット 10代後半から20代前半の固定の仲良しグループのある学生 ※2024年1月 サービス提供終了 仲良しな友達ともっと繋がろう ! 6人まで 最大

Slide 13

Slide 13 text

©MIXI miattoとは ステータス通知 友達のステータスをお知らせ エミリが自宅 に着きました miatto 8分前 エミリが自宅 に着きました miatto 8分前 ひなこが学校 に着きました miatto 1時間前 ひなこが学校 に着きました miatto 1時間前 トークルーム 話題ごとにおしゃべり トークルーム 話題ごとにおしゃべり ふと感じる寂しさを埋めてくれる、友達とのたまり場

Slide 14

Slide 14 text

©MIXI デザインスプリントの実施方法 理解 発散 決定 検証 プロトタイプ 背 景 や ユ ーザ ー イ ン サ イ ト ( 本 音 ) を 理 解 し 、 目 標 を 固 め る 課題を解決するための アイデアを生み出す どのアイデアを採用し 検証するかを決める プロトタイプの使われ 方を観察し、仮定の正 しさを確認する 最小限の機能で実行可 能なコンセプトモック を作る DAY1 DAY2 +α 2日間に短縮してワークショップを実施 3ヶ月から半年に1回程度の頻度で実施 5日間で終わらせるではなく、プロトタイプと検証は別で実施 後日実施 Richard Banfield, C. Todd Lombardo, Trace Wax (2016) . デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド オライリージャパン

Slide 15

Slide 15 text

©MIXI SNSの新規プロジェクトでの失敗体験 今期は2つは観るって決めました!みなさんオススメの ドラマってありますか? 国内ドラマ お笑い 初めて代表戦の試合観にきた!今日 のスタメンはだいぶ攻めてるから、 どういう展開になるのか楽しみ ️ サッカー日本代表 昨日お台場で久しぶりにデートし た!近くにできたカフェがおしゃれ でほっこり。 恋愛 電車の中で隣の人と聴いてるアーティストがカブると 人知れずテンション上がるよね。ちょうど昨日隣に... 邦楽ロック タグを検索 新着 おすすめ Figmaでプロトタイプを作成 ターゲットのユーザーに プロトタイプを触ってもらった アニメ ゲーム スポーツ プロトタイプ 検証

Slide 16

Slide 16 text

©MIXI プロトタイプ検証 初期ターゲットとなる学生約30名に聞き、 が良い評価 約70% 実装し正式リリース! 使ってみたい 面白そう!

Slide 17

Slide 17 text

©MIXI SNS検証の難しさ 検証で使ってみたいと言っていた子たちですら、 プロダクトを継続して使ってくれない 実際に使ってみたら、イメージと違った ” “ プロトタイプで という想像の解像度を上げきれなかった 実際に自分が使ったら

Slide 18

Slide 18 text

©MIXI SNSの検証に必要なこと POINT 01 POINT 02 実際の自分の人間関係や趣味嗜好が反映されていること 難しそうであれば最低限のMVPを実装して検証に回すが速い ‚ 自分として世界に入ることが重要 ‚ SNSは目的なく開くもの。生活の隙間に入っていけるかも重要l ‚ ある程度の期間使ってもらう必要があるl ‚ 最終的にひまな時間に無意識に開いてもらえるまでになっているか?が判断基準 まずは、既存ツールで条件を揃えて疑似体験できないか検討し、 自分の生活サイクルの中に取り入れてもらうこと

Slide 19

Slide 19 text

©MIXI MVPを実装して検証に回す 理解 発散 決定 検証 MVP実装 背 景 や ユ ーザ ー イ ン サ イ ト ( 本 音 ) を 理 解 し 、 目 標 を 固 め る 課題を解決するための アイデアを生み出す どのアイデアを採用し 検証するかを決める 実際にユーザーに利用 してもらい、仮定の正 しさを確認する 最小限の機能で実行可 能なMVPを作る DAY1 DAY2 2WEEK(理想) 2日間に短縮してワークショップを実施 実際に日常の中で使ってもらうことで 正しいフィードバックを得る 最低限のMVPを作成しリリースして検証 Richard Banfield, C. Todd Lombardo, Trace Wax (2016) . デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド オライリージャパン

Slide 20

Slide 20 text

©MIXI デザインスプリントで どんな問題が起こったの?

Slide 21

Slide 21 text

©MIXI ありきたりなアイデアに 着地している気がする問題 チームがぶつかった壁

Slide 22

Slide 22 text

©MIXI こんな経験ないですか? 時間をかけて議論したが、出たアイデアに目新しさがない チームビルディングになったね、で終わった気がする 新機能 機能改善

Slide 23

Slide 23 text

©MIXI 解決するには... デザインスプリントの プログラムを見直そう!

Slide 24

Slide 24 text

©MIXI 解決するには... デザインスプリントの プログラムを見直そう! 実は他に要因があるかも

Slide 25

Slide 25 text

©MIXI 本当の要因 実は、プログラムではなく、 チーム体制や望む姿勢に問題があるかも? チームの在り方がデザインスプリントを 活かせていない要因かもしれない

Slide 26

Slide 26 text

©MIXI 要因と解決策 ありきたりなアイデアに着地している気がする問題

Slide 27

Slide 27 text

©MIXI デザインスプリントに 意思決定者が不在 要因1 ありきたりなアイデアに着地している気がする問題

Slide 28

Slide 28 text

©MIXI miattoのチーム体制 全部で12名ぐらい (UI/UX) (UI/UX) PO PM エンジニア デザイナー QA 学生インターン (サーバー) (戦略/マーケ) (進行管理) (サーバー) (クライアント) (クライアント)

Slide 29

Slide 29 text

©MIXI プロジェクトの進め方 PO ※兼務のため多忙 POとPM間での コミュニケーションが メイン 戦略や マーケ施策の検討 デザインスプリントで 具体的な施策やMVPの要件を検討 (UI/UX) (UI/UX) PM エンジニア デザイナー (サーバー) (進行管理) (サーバー) (クライアント) (クライアント) KPIはこれで! この辺の体験を強化したい 〇〇の新機能を 追加します

Slide 30

Slide 30 text

©MIXI デザインスプリントの難しさ 短時間 意見を 収束させる で 必要がある 議論ではなく話を収束させる 方向に思考が向く 衝突を生む意見は 言いにくくなる 結果、目新しいアイデアは生まれにくくなる

Slide 31

Slide 31 text

©MIXI デザインスプリントの難しさ 意思決定者が議論の方向性を示してくれることはかなり重要

Slide 32

Slide 32 text

©MIXI どう解決する? デザインスプリントに意思決定者が不在

Slide 33

Slide 33 text

©MIXI 解決策1:理解フェーズには参加してもらう 戦略や目的、今回のスコープ POとすり合わせる を 以降のプロセスの意思決定の指針にする 理解 発散 決定 検証 MVP実装 背 景 や ユ ーザ ー イ ン サ イ ト ( 本 音 ) を 理 解 し 、 目 標 を 固 め る 課題を解決するための アイデアを生み出す どのアイデアを採用し 検証するかを決める 実際にユーザーに利用 してもらい、仮定の正 しさを確認する 最小限の機能で実行可 能なMVPを作る DAY1 DAY2 2WEEK(理想) PO

Slide 34

Slide 34 text

©MIXI 解決策2:ユニット制を導入し、権限を分割する PO (戦略/マーケ) (UI/UX) (UI/UX) PM エンジニア デザイナー QA PM エンジニア デザイナー QA (サーバー) (進行管理) (サーバー) (クライアント) (クライアント) = = = 1チーム:権限がフラット プロダクトのことはみんなで意思決定して決めよう!というスタイル 権限の範囲も決まっていないため、オーナーシップが取りづらい

Slide 35

Slide 35 text

©MIXI 解決策2:ユニット制を導入し、権限を分割する PO (戦略/マーケ) (UI/UX) PM エンジニア デザイナー QA (進行管理) (サーバー) (クライアント) 機能Aチーム (UI/UX) PM エンジニア デザイナー QA (サーバー) (クライアント) 機能Bチーム 権限の範囲が明確になり、ユニット内で意思決定しやすくなる

Slide 36

Slide 36 text

©MIXI 参加メンバーの 多様性が欠けていた 要因2 ありきたりなアイデアに着地している気がする問題

Slide 37

Slide 37 text

©MIXI デザインスプリントの実施メンバー (UI/UX) (UI/UX) PM エンジニア デザイナー (サーバー) (進行管理) (サーバー) (クライアント) (クライアント) PO (戦略/マーケ) ※冒頭参加 一見、多様性があるメンバーのように見えるが... 主な参加者

Slide 38

Slide 38 text

©MIXI デザインスプリントの実施メンバー (UI/UX) (UI/UX) PM エンジニア デザイナー (サーバー) (進行管理) (サーバー) (クライアント) (クライアント) PO (戦略/マーケ) ※一部参加 主な参加者 プロダクトを作る側の人たち 実は、みんな、 でした

Slide 39

Slide 39 text

©MIXI デザインスプリントの実施メンバー (UI/UX) PM エンジニア デザイナー (サーバー) (クライアント) (進行管理) プロダクトを作る人 作ることに意識が集中するので視野が狭くなる 思考も似てしまい、アイデアの多様性が出にくい

Slide 40

Slide 40 text

©MIXI どう解決する? 参加メンバーの多様性が欠けていた

Slide 41

Slide 41 text

©MIXI 解決策:チームに違う視点のメンバーを入れる (UI/UX) PM エンジニア デザイナー (サーバー) (クライアント) (進行管理) プロダクトを作る人 QA カスタマー サポート プロダクト運営を支援する人 ターゲットユーザー 学生インターン 制作者の視点で プロダクトを捉えている ユーザーに近い視点で プロダクトを捉えている PO (戦略立案) プロダクトを指揮する人 アナリスト マーケティング プロモーション プロダクト拡大を支援する人 客観的な視点で プロダクトを捉えている

Slide 42

Slide 42 text

©MIXI 解決策:チームに違う視点のメンバーを入れる (UI/UX) (UI/UX) PO PM エンジニア デザイナー QA PM エンジニア デザイナー QA (サーバー) (戦略/マーケ) (進行管理) (サーバー) (クライアント) (クライアント) 機能Aチーム 機能Bチーム 学生インターン 違う視点のメンバーを入れることで意見に多様性が生まれる

Slide 43

Slide 43 text

©MIXI デザインスプリントをやれば 上手くいくという過信 要因3 ありきたりなアイデアに着地している気がする問題

Slide 44

Slide 44 text

©MIXI プロダクトがリリースされると... メンバーのほとんどが 新機能の開発や運用で頭がいっぱいに...

Slide 45

Slide 45 text

©MIXI プロダクトがリリースされると... プロダクト改善のアイデアなどの会話が減少

Slide 46

Slide 46 text

©MIXI プロダクトがリリースされると... プロダクト改善のアイデアなどの会話が減少 実は、チームが 良くない思考に陥っていた

Slide 47

Slide 47 text

©MIXI こういう思考に陥っていたかも ユーザー体験 改善できないかな? 次回の デザインスプリントで 考えればいいか あの機能の利用率 低いよな... プロダクト改善に関しては という思考に デザインスプリントで考えよう

Slide 48

Slide 48 text

©MIXI デザインスプリントのパフォーマンス低下 理解フェーズ 発散フェーズ 前提情報や課題感などの すり合わせからなので時間がかかる プロダクトの課題感を日頃から 意識していないため事前インプット少ない アイデアの幅や質が十分でない状態になりやすい

Slide 49

Slide 49 text

©MIXI どう解決する? デザインスプリントをやれば 上手くいくという過信

Slide 50

Slide 50 text

©MIXI 解決策1:考え方を変えよう! デザインスプリントは 日頃考えていることをアウトプットする場 短期間で良いアウトプットを出すためには 日頃からどれだけプロダクトのことを考えているか、 インプットしているかが重要

Slide 51

Slide 51 text

©MIXI 解決策2:ユニット制で当事者意識を強くする (UI/UX) PM エンジニア デザイナー QA (進行管理) (サーバー) (クライアント) 機能Aチーム 機能Bチーム (UI/UX) PM エンジニア デザイナー QA (サーバー) (クライアント) 当事者意識が強くなり、アイデアの議論が活発に 健全な 競争関係

Slide 52

Slide 52 text

©MIXI 解決策3:アイデアを見える化する ) githubのDiscussions機能を利@ ) トピックを投稿、それに対してリアクションやコ メントができる ) 投稿内容をSlackのチャンネルに 流す ) アイデアのストッk ) プロダクトについて考える、議論 のきっかけを作る

Slide 53

Slide 53 text

©MIXI まとめ

Slide 54

Slide 54 text

©MIXI ありきたりなアイデアから脱却するためには 01 権限を分割し、 各自がオーナーシップが持てるチームにしよう 02 視点の異なるメンバーで多様性を担保しよう 03 日常的にプロダクトと向き合おう チームの在り方を見直してみよう!

Slide 55

Slide 55 text

©MIXI さいごに デザインスプリントは魔法のツールではない ` デザインスプリントはあくまで 。実施するだけで上 手くいくというわけではないW ` チームメンバーが個々に が最も重要W ` そういった姿勢やチームの在り方がデザインスプリントという ツールを最大限に活かすことができる 1つのツール 日常からそのプロダクトに真摯に向き合 い続ける姿勢

Slide 56

Slide 56 text

デザインスプリントを活かす チームの在り方 考えてみましょう ©MIXI

Slide 57

Slide 57 text

最後に宣伝させてください...! ©MIXI

Slide 58

Slide 58 text

©MIXI UI/UXデザイナー募集中! ・ は、多様な専門性を持つメンバーで構成された、MIXIの事業すべてのスケールに ための です! デザイン本部 クリエイティブで貢献・ 牽引する 全社横断組織 ・事業の上流から関わり、 がミッションです。 プロジェクトをUI/UXでリードして いくこと ・以下に当てはまる方、大歓迎です!
 └ コミュニケーションを作りたい方
 └ユーザーに を届けたい方
 └本日の話を聞いてデザイン本部面白そうと感じたり、共感し た方 などなど 「心もつながる」 "サプライズ" 【デザイン本部】プロダクトデザイン室 リードUI/UXデザイナー(スポーツ領域担当) MIXI キャリア採用 検索 ご興味ある方は

Slide 59

Slide 59 text

©MIXI