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1 / 13 知っているつもりの OpenStreetMap OpenStreetMap Foundation Japan 坂ノ下 勝幸 Facebook: K.Sakanoshita Twitter: @K_Sakanoshita

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2 / 13 自己紹介 - 坂ノ下 勝幸 ● 主な所属コミュニティ・団体 – OpenStreetMap Foundation Japan – 諸国・浪漫 /Code for OSAKA&Kusatsu&Harima ● 主な活動内容 – オープンデータの充実( Wikipedia&OpenStreetMap ) – オープンソース / データの活用(各種アプリ開発など) ● 目指していること – 地元の情報は、自分たちで発信する文化を作る – 現場こそ最強のツールとデータが使えるように

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3 / 13 OpenStreetMap ってご存知ですか? ● ああ、無料の地図のことでしょ? ● 全然知らない。絶対一度も見たこと無い ● ポケモン Go で遊んだら地図が出来るんだっけ? ● 地図の見た目が日本向人向けっぽく無いので嫌 ● 地図の正確性に問題があって、いたずらできる? ● いつまで待っても自宅周辺が真っ白のままです ● 無料地図の大手が提供しているサービスだっけ? ● 結局、他の会社の地図サービスとは何が違うの?

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4 / 13 何処かに「誤解」や「勘違い」がある ● 前のスライドには全て、何らかの「誤解」や「勘違い」が 含まれています。実は、そう思っていた方っていませんか? ● と、いう訳で ● 今回は「逆引き」で OpenStreetMap を紹介いたしますね

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5 / 13 ああ、無料の地図のことでしょ? ● 完全な間違いでは無いけど、あまり正確な内容では無いかな – Yahoo! 地図も Google Maps も普通に使うには無料の地図 ● 開発者から見ても、無料とは言い切ることが出来ない – OpenStreetMap データは誰でも自由に使えます。我々のタイル サーバは違います(https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:タイル利用規約 より) ● つまり、 OpenStreetMap の膨大なデータを使う際、サーバーや 機材などは、基本的に自分で用意する必要があります – ただし、コミュニティ向けの小規模利用なら OpenStreetMap プロジェクトが提供しているタイルサーバー(地図の配信)を 利用しても問題とはしないというスタンス(もちろん無保証) – なお、データは Planet OSM で無料ダウンロードが出来ます

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6 / 13 全然知らない。絶対一度も見たこと無い ● いやぁ、見たことはあると思うなー ● 最近なら、インスタグラムの地図も OpenStreetMap です ● facebook の地図もそうだしね ● 自治体でも使われていることも あります(ハザードマップなど) ● OpenStreetMap は「縁の下の 力持ち」な存在なので、前面に 出ることは無いんです – osm.org もマッパー向けの サイトであって、一般向けの サービスではありません

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7 / 13 ポケモン Go で遊んだら地図が出来るんだっけ? ● いやぁ、そうなったら、逆に面白いんだけどねー ● ゲーミフィケーションというか、ゲーム的に地図を書くことが 出来たら楽しくて、もっとマッパーさんが増えると思います ● ポケモン Go は OpenStreetMap のデータを使って地図表示や モンスターの出現位置を決めたりしていますが、あくまで利用 しているのみで、 OpenStreetMap の編集は行っていません ● うん。 OpenStreetMap はマッパーと呼ばれる人が編集をして います。実際に街を歩いたり、許可された航空写真を使ってね。 ● なお、ゲーム的に「毎日お題が提供される」サイトはあります – http://streak.osmz.ru/ – 歩道を書いてみよう、街に明かりを灯そうなど、色々あります

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8 / 13 地図の見た目が日本向人向けっぽく無いので嫌 ● 人の好みは違ってくるので 好きや嫌いがあるのは当然 ● ただ、右図「標準地図」は あくまで osm.org だけの 標準なので、自分で好きに カスタマイズが出来ます – Mapbox や Maptiler の サービスで変更可能 – まち歩きマップメーカー で好きにカスタム可能 – 自前でタイルサーバー 構築するのも可能 © OpenStreetMap contributors OpenStreetMap 標準地図

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9 / 13 地図の正確性に問題があって、いたずらできる? ● オープンな活動である以上、いたずらは出来ます – 匿名編集は出来ないので悪意を持った編集者の追跡は可能です – リバート(元に戻す)機能もあるので修正することが出来ます ● 「地図の正確性」とは難しい話と言えます – ざっくり言えば、「縮尺」により正確性が全然異なってきます – また、道路についても国道・府道の正確性と、私道や山道まで 含めた正確性では異なります – つまり、何に使うのか、それに必要な要素はどの程度満たして いるのかを調査しないと正確性を出すことは難しいかな – 課題はあるけど、その解消はみんなで行うことが前提だよね

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10 / 13 いつまで待っても自宅周辺が真っ白のままです ● OpenStreetMap って不思議な地図 – 誰かがマッピングするまで、一切変化しない地図です ● 自分でマッピングするチャンス – 「何で自分がマッピングしなきゃ行けないの?」と思う方も いるかと思いますが、実はマッパーも似たような気持ちです – 「地図を描くのが趣味」な人って、そんなにたくさんいない – 地図を描くことで、地域情報を記録して、アプリで活用され 「自分の活動が誰かの役に立っている」といった実感がある から、継続してマッピングするモチベーションになります – 「地域情報のデジタルアーカイブ」として地域貢献の手段と 考えることも出来る。アーカイブの手段としての活用も可能

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11 / 13 ● 英国に拠点を置く OpenStreetMap Foundation という財団が運営 – 非営利組織。寄付やスポンサーによる収入でサーバーの管理や 各種運営を行っている – OpenStreetMap Foundation は「サービス」を提供しない – Mapbox や Maptiler などの地図会社が、 OpenStreetMap の データを使ったサービスを提供している(国内にもあり) 無料地図の大手が提供しているサービスだっけ? OpenStreetMap   A 社の地図サービス B 社の地図サービス 独自サービスの追加 データ整備・表現など 独自サービスの追加 データ整備・表現など サービスの競争 データ修正・寄付 サービス提供 サービス提供

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12 / 13 結局、他の会社の地図サービスとは何が違うの? ● 「オープン」であることが最大の違い – 他の地図会社でも「ご意見」「修正依頼」は受け付けています – その内容が採用されて、取り込まれることもありますよね – 「 Google ローカルガイド」とかポイントシステムあるしね ● ただ、それは企業のデータに対するフィードバック – データを編集する権利はあくまで企業が持っている – フィードバックを採用するかしないかは会社が決めること ➔ 「オープンさ」は出せるが「オープン」では無い ● OpenStreetMap もデータの所有権は財団が持っているが、編集する 権利は世界中の誰もが持っており、コピーも保管も自由に出来ます

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13 / 13 Mappy Hour のご紹介(毎週開催) https://bit.ly/OSM_Japan