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freee 株式会社
 freeeの「成果を生み出すデザインリサーチチーム」の秘密
 2020.06.09

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デザイン会社ビジネス・アーキテクツで13年勤務したのち、
 2017年10月にfreeeに参加。
 UXデザイナー、プロダクトマネジャーを経て、
 現在はデザインリサーチチームのマネジャーとして活動。
 
 HCD-Net 評議委員、および認定人間中心設計専門家。
 ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)WG1委員。
 
 著書に『デザイニングWebアクセシビリティ』、
 監訳書に『コーディングWebアクセシビリティ』、
 『インクルーシブHTML + CSS & JavaScript』がある。
 Rikiya Ihara @magi1125 伊原 力也
 デザインリサーチチームマネジャー
 UXデザイナー


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freeeはスモールビジネスのバックオフィスの
 業務効率化を支援


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工数入力を簡単に
 プロジェクトの収支を素早く正確に見える化
 


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freee 株式会社


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7 「社内文化・システム化」


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8 ブログ記事はこちら


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11 2018年1月時点のfreee
 ● UT:実施なし
 ● 調査:年に数本程度
 ● リサーチチーム:なし
 ※UT=ユーザビリティテスト

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12 2020年4月時点のfreee
 ● UT:ほぼ必須で実施
 ● 調査:重要度に応じて計画的に実施
 ● リサーチチーム:専任3人+Ops1人


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14 1. 関心醸成期


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18 やったこと
 ● Bizと協働での顧客マッチングサービス
 ● 社内でのリサーチ講習会/ワークショップ
 ● 社外から講師を呼び講習会/ワークショップ


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19 Bizと協働での顧客マッチングサービス


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20 社内でのリサーチ講習会/ワークショップ


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21 社外から講師を呼び講習会/ワークショップ


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22 わかったこと
 ● すでに調査する前提のプロジェクトが円滑に進んだ
 ● 勉強会はリサーチの重要性を理解してくれるきっかけになった
 ● リサーチの実施数自体はまだ増えていない
 ○ とっつきやすそうなUTに絞ってアプローチ


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2. 個別案件期:UT編
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25 やったこと
 ● リサーチャーがUTを実施、様子を社内SNSで配信
 ● やりかた共有doc「UTkit」の取りまとめ
 ● 計画への織り込み依頼 → 伴走スタイルへ


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26 リサーチャーがUTを実施、様子を社内SNSで配信


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27 頂いた反応
 PMのCさん
 EngのOさん
 UXのHさん
 UTで問題点が見つかった。
 UTなしではリリース
 できない身体
 になりつつある
 考えるより、UTしたほうが
 早く強く問題に気づく。
 ユーザーに聞いてみることの
 偉大さを実感
 UTしないとわからないこと
 がたくさんある
 あそこでユーザーが躓くのは
 想像していなかった


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28 やりかた共有doc「UTkit」の取りまとめ


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29 計画への織り込み依頼 → 伴走スタイルへ
 PM
 UX
 UX
 (リサーチャー)
 調査・分析
 要求・要件定義
 設計
 評価


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30 わかったこと
 ● リサーチャーがUTの様子をみせることで効果を感じ、
 次回UT実施を試みる人が増加。ただしシンドい
 ● ドキュメントがあることでブリーフィングが円滑に
 ● 計画時点でのアプローチにより、リソース問題に活路あり


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3. 拡大期:UT編
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33 やったこと
 ● デザイナーによるUT実施体制に移行
 ○ プロジェクトごとのUT実施状況をリスト化(※デザイナーが実施)
 ○ UTのやりかたをOJT+各所フォロー


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34 プロジェクトごとのUT実施状況をリスト化


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35 UTのやりかたをOJT+各所フォロー


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36 わかったこと
 ● 「デザイン品質の担保としてのUT」という文脈は納得感ある
 ● UTは成果物の評価なので具体性が高く、身に着けやすい
 ● UIを作るデザイナーにUTが定着するとカバー範囲は最大になる


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4. 仕組み期:UT編
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40 次にやること:UXの測定
 1. 製品やモジュールごとのユーザーストーリーの定義
 2. ユーザーの行動を定量化するKPIの定義
 3. 測定方法の定義とトライ
 4. 継続的な測定の実施と改善


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41 ユーザーエクスペリエンスの測定


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5. 個別案件期:調査編
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44 やったこと
 ● 個別案件でのリサーチ成果の創出
 ● デザインリサーチチームの設立
 ● 事業計画/Pricing/年間計画等の重要案件を担当
 ● デザイン+リモートなどの新しい試みの実施


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45 個別案件でのリサーチ成果の創出(例)


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46 動画もあります(登録すると全部見れます)


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47 チーム設立


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48 以前の体制 Aプロダクト 調査・分析 要求・要件定義 設計・作成 評価 開発 品質保証 Bプロダクト Cプロダクト ● 各自得意な分野がある ● 複数プロダクトを担当するのは難しい

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3チーム体制へ Aプロダクト 調査・分析 要求・要件定義 設計・作成 評価 開発 品質保証 Bプロダクト Cプロダクト デザインシステム 49 デザインリサーチ プロダクトデザイン

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50 動画もあります(50分あたりから)


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51 重要案件に、新しい試みを交えたリサーチ手法で対応


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52 デザインシステムの活用
 画面構成や基本原則を定義している


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53 デザインシステムの活用
 UIコンポーネントがシンボル化されていて、これらを組み合わせてUIを作る


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54 世界を変えるためのデザインシステム


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55 動画もあります


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56 わかったこと
 ● チーム化するには先に一定の成果と課題感醸成が必要
 ● チームがあると分野として認知され、トライする機会を逃さなくなる
 ● デザインとリサーチを一体として行うと捗る
 ● デザインシステムは試行錯誤のスピードを劇的に向上する
 ● 実査と同時に運用を行うと時間が足りなくて成果を出しにくい
 (リクルーティング、アポ取り、部屋調整、謝礼準備など)
 


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6. 拡大期:調査編
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59 やったこと①:リサーチ環境と運用の整備
 ● 社内会議室をリサーチ部屋として試験運用
 ● リクルーティングの課題をBizと協働で解決
 ● Opsメンバーが参加し運用を分担


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60 社内会議室をリサーチ部屋として試験運用


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61 リクルーティングの課題をBizと協働で解決
 ユーザー アンケートで 母集団形成 SQLで 母集団形成 インタビュー 結果の共有 訪問済み リストの更新 インタビュー アポ調整開始 実査の実施 SFAから 担当Bizを 把握し個別確認 顧客リストで コンタクトOKか 確認

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62 Opsメンバーが参加し運用を分担


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63 わかったこと
 ● 部屋とリクルーティングと運用の課題解決は重要
 ● これらを解決するとリサーチャーの稼働は半分に削減できる
 ● リサーチに関わる人を増やすための基礎としても重要
 ● リクルーティングコストの本質的削減にはリクルーターが必要


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64 やったこと②:リサーチ人口の増加施策
 ● リサーチ成果や手法の社内共有
 ● Design Research kit の取りまとめ
 ● リサーチ相談サロンの定期開催
 ● 新卒研修やインターンでの「前提化」


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65 リサーチ成果や手法の社内共有
 ● 調査分析結果のサマリを、新鮮なうちに社内SNSに載せる
 ● それを元にした意思決定の流れも、社内SNSに乗せていく
 ● doc読んだり雑談するなかで、調査結果が役立ちそうならすぐシェア
 ● 個別案件でのリサーチプロセスの共有会を実施


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66 Design Research kit の取りまとめ


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67 リサーチ相談サロンの定期開催


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68 新卒研修やインターンでの
 「前提化」
 日時 時間割 やること 4/22(月) 11:15-11:30 講義 : UX研修の目的 11:30-12:00 講義 : freeeのUXデザインプロセスを知る 12:00-13:00 講義 : ユーザー調査について知る 13:00-14:00 ランチ 14:00-16:00 実践 :「freeeの蔵書管理アプリの課題をリサーチ」【調査計画】 16:00-17:00 実践 :「freeeの蔵書管理アプリの課題をリサーチ」【実施】 17:00-18:00 実践 :「freeeの蔵書管理アプリの課題をリサーチ」【分析】 18:00-18:30 夕会 4/23(火) 10:00-11:00 講義 : 要求・要件定義 11:00-12:00 講義 : 情報設計 12:00-13:00 ランチ 13:00-16:00 実践 : 「蔵書管理アプリの要求・要件定義・情報設計」 16:00-17:00 講義 : 評価 17:00-18:00 All Hands 4/24(水) 11:00-12:00 講義 : はじめてのUIデザイン 12:00-13:00 実戦 : UIデザイン 13:00-14:00 ランチ 14:00-18:00 実戦 : UIデザイン(続き) 4/25(木) 11:00-13:00 実践 : UIデザイン 13:00-14:00 ランチ 14:00-18:00 実践 : UIデザイン 4/26(金) 11:00-13:00 実戦 : 「蔵書管理アプリのUIデザイン」 13:00-14:00 ランチ 14:00-17:00 実践 : 続き 17:00-18:00 振り返り

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69 わかったこと
 ● 関係者には納得がある一方、外には成果が無形なので伝わりにくい。
 「これくらいかな?」の倍は共有が必要
 ● 調査のニーズは尽きないが、その課題で最も多いのは「計画」。
 これはkitや相談会で解消しやすい
 ● リサーチは経験。PMやデザイナーがはじめから
 取り組む前提でいれば、手札としてスッと使えるようになる
 


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7. 仕組み期:調査編
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73 次にやること:組織としての成果を最大化(仮説)
 ● 効果の定量化と改善
 ○ 全体計画と見積もりの実施、リサーチの効果測定と改善…
 ● リソースの強化・増加
 ○ スキルアップ、リソース調整、リクルーティング改善…
 ● 効果を最大化する試み
 ○ デザインリサーチの定着、リサーチ結果のモデル化と企画導出…


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74 調査パターン・効果・測定指標の定義


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75 パターン毎のインパクトとリソースの見積もり(案)


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76 効果測定の方法(案)
 ● 効果(客観的Q):意思決定への影響度
 ○ プレゼン等で分析結果を引用している回数、議論で参照された回数
 ● 効率(客観的CD):合理的な進行だったか
 ○ 調査テーマに対して適切な見積もりだったか、計画通り着地できたか
 ● 満足度(主観的Q):関係者の納得感 
 ○ 関係者アンケートでの6件法による把握


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77 デスクリサーチのやり方を定義し共有


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78 もうひとつの取り組み:インクルーシブデザイン


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79 動画もあります


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スモールビジネスを、
 世界の主役に。
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