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なぜ、成熟市場で“売上120%成長”を 続けられるのか? 「配配メール」の 顧客志向型プロダクト開発戦略 ラクスクラウド開発部 配配メール開発課 西尾敬太

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登壇者紹介 ラクスクラウド開発部 配配メール開発課 西尾敬太 経歴 ・大阪のSIerで約9年間システム開発に従事。 設計から開発、保守・運用まで一通りの工程を経験。 ・2016年ラクスに入社し、配配メールを担当。 運用サポートチームのリーダーを経て PdMに。 趣味 ・Spearfishing ・海遊び全般 ・くるま 2


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配配メールとは? メール配信を軸としたマーケティング支援プラットフォーム ● 2007年サービス開始 ⇒ 18年目 ● 主にBtoB向け ● 累計1万社以上の顧客 ● 特徴 ○ 簡単操作でメール作成 ○ 高到達率の配信技術とノウハウ提供 ○ 成果を可視化する効果測定 ○ マーケティング領域を広くカバー 3


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配配メールの事業状況 成熟市場ながら “売上120%成長”を達成 ● 2024年度は122.3%の売上成長 を達成 ● 成長率は業界トップ ● 導入社数も毎年順調に増加中 ● 市場シェア2位 ※ ※グループ内のメール配信系サービス合計 4
 累計導入社数の推 移 ※『2025年3月期決算説明資料』より https://ssl4.eir-parts.net/doc/3923/tdnet/2612957/00.pdf

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サービスを取り巻く状況 国内メール配信市場の成長率は約 10%で成熟期に突入 ● 主要な機能は既に実装されている ● メール配信機能の拡張だけでは成長が困難 ● 他社との差別化も難しい  課題:顧客の期待を超える    新たな価値創出が必要 5
 ※BOXIL『メール配信システムのシェア・市場規模を解説!一番選ばれている 人気サービスは?』より https://boxil.jp/mag/a8613/?_fsi=x9OmyuUO

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 プロダクトの成長戦略 マーケティングプロセス全体をカバーするプロダクトへの進化 ● マーケティングプロセスとは? お客様に商品やサービスを知ってもらい、興味を持ってもらって、 最終的に購入してもらうまでの一連の流れ ● 代表的なプロセス ○ リード獲得:興味・関心を持つ可能性のある見込み客と接点を作る ○ リード育成:見込み顧客の購買意欲を引き上げるための活動 ○ 商談化  :営業がアプローチして成果に繋がりやすい状態まで育て、商談に持ち込む リード獲得 リード育成 商談化 受注

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 ● スタートは メール配信ツール として多様な配信機能を提供 ● マーケティングプロセスにおける「リード育成」を目的としたサービス プロダクトの成長戦略 マーケティングプロセス全体をカバーするプロダクトへの進化 リード獲得 リード育成 商談化 受注 ・グループ配信 ・スポット配信 ・ステップ配信 ・予約配信 ・A/Bテスト配信 etc… メルマガ配信を 楽! に

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 ● MA機能を取り入れ、メール配信ツールから メールマーケティングサービス へと進化 ● さらなる顧客業務の効率化や 成果の最大化 に向け、フォーム機能や日程調整機能を提供 ● マーケティングの入口から出口までプロダクトの範囲を拡大 プロダクトの成長戦略 マーケティングプロセス全体をカバーするプロダクトへの進化 ・グループ配信 ・スポット配信 ・ステップ配信 ・予約配信 ・A/Bテスト配信 追客 成果分析 ・リードステータス管理 ・ホットリード抽出 ・来訪検知 ・トリガーメール ・フォローメール メルマガ配信 リード獲得 リード育成 商談化 受注 ・フォーム ・ポップアップ ・フォーム ・日程調整 MA機能

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顧客価値最大化に向けた課題 プロダクトの成長に伴い価値提供と顧客理解の課題が顕在化 ● プロダクトの範囲を拡大する新しい機能の価値は未知数 ● 既存機能に関する要望や市場動向への対応も必要 ● プロダクト拡大範囲の業務知識不足、市場動向に合わせて既存業務も変化 ● 年々増える関係部署・担当者間の知識格差が拡大 PMMと協働で取り組んだ 2大テーマ ● 迅速かつ柔軟に価値を届ける ● 開発者全員が深く顧客を理解する 9


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10 顧客価値最大化の ロードマップ管理 迅速かつ柔軟に価値を届ける

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顧客価値最大化のロードマップ管理① 顧客フィードバックを迅速に反映するリリース戦略 ● 新市場向け機能は段階的にリリース ○ 顧客価値の単位で分割 ■ ターゲットを絞る ○ 迅速に実現し早期にフィードバックを得る ■ リスクの早期解消 11
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000049614.html

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顧客価値最大化のロードマップ管理① 顧客フィードバックを迅速に反映するリリース戦略 ● 既存機能の強化は毎月リリース ○ 顧客の要望を迅速に実現 ● 取捨選択と優先度付け ○ 新市場への価値提供を最速で実現するため あえて他機能の開発・リリースを 休止することも 12


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顧客価値最大化のロードマップ管理② 開発優先順位の頻繁な変更に対応 新規市場に向けた機能の開発中にも顧客からの既存機能への要望はあがってくる。 重要度の高い要望は臨機応変に優先順位を調整。PMMとの緊密な連携が重要。 13
 ● 開発リストをPMMと共有し一元管理 ● 週次でPMMと進捗確認・課題管理を行い開発優先順位を最新化 ● 新市場向けの段階的リリースの過程で顧客のフィードバックを踏まえ優先順位を見直すことも ● 問い合わせ対応や商談過程であがってくる情報もキャッチし重要度に応じてPMMと共有 顧客価値の最大化を最優先に考えて開発優先順位を柔軟に組み替える

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14 部門一体型の 顧客業務学習 開発者全員が深く顧客を理解する

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部門一体型の顧客業務学習① 業務理解度の維持・向上 ● 業界動向・他社サービス分析: チームで分担して定期的に情報収集した結果をまとめて共有 15
 ● ドッグフーディング: テックブログの更新をお知らせするメールの社内配信をチームで 運用 ● 要件定義サーベイ: 要件定義内容の質問リストの回答を有識者がチェックして理解 度向上をサポート ● 利用状況調査: 新機能の利用状況や提供機能による顧客成果を定期的に 観測し共有。新領域の機能は週単位でトレース

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部門一体型の顧客業務学習② 開発関連部署の積極的な巻き込み ● PMM主催の勉強会開催 : 顧客の業務内容、事業側の取り組み状況、 製品の今後の構想などを共有 ● 事業側の情報共有会の定期開催 : 販売状況、製品の利用状況などを共有 16
 ※ラクス エンジニアブログ『「顧客志向のSaaS開発組織」で あり続けるための取り組み』より https://tech-blog.rakus.co.jp/entry/20250206/culture ● 検討段階からの巻き込み : デザイナー、インフラ、FE/BEなど 各専門領域の担当者が早期参加 ● 顧客志向ワークショップ : 開発部門全体で顧客志向を深めるワークショップを実施

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成果と今後の展望 顧客理解の深化がプロダクトの成長を支える 成果 ● 開発組織全体で顧客理解が進み、開発スピードがアップ! ● プロダクトロードマップの 1ヶ月前倒し進捗を実現 今後の展望 ● 顧客価値最大化を軸のロードマップ管理と開発組織全体での顧客志向をさらに深化させ、 120%成長を継続する ● 開発力とスピードのアップで余力が生まれ レガシー改善やAI技術の取り組みにも着手中 ● 今後は技術革新への柔軟な対応力も強化していく 17


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まとめ 「顧客志向型」のプロダクト開発戦略は成熟市場を突破する鍵 成熟市場でプロダクトの成長を維持するために、迅速かつ柔軟な顧客価値創出が求められる。 そのためには開発組織が一丸となって密に深く顧客を理解することが重要。 顧客志向型のプロダクト開発戦略を実践し、プロダクトのさらなる成長を目指す ● 顧客価値最大化のロードマップ管理 で迅速かつ柔軟に価値を届ける ● 部門一体型で顧客業務を学習 し開発者全員が深く顧客を理解する 18


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ご清聴ありがとうございました。 19