Slide 1

Slide 1 text

対話をする前に 知っておくべきこと -人格主義を基本とする関係構築-

Slide 2

Slide 2 text

自己紹介 👤吉野 正義(せいぎ) 🖥スクラムマスター 📣スクラムフェス神奈川 🎧Podcast「yoriyoku.fm」

Slide 3

Slide 3 text

今日お話しすること 対話をしたい/してみるけど、うまくいかない場面がある なぜ対話がうまくできないケースがあるのか? 人と良い関係構築を行うために知っておくべき見方とは?

Slide 4

Slide 4 text

対話は大切

Slide 5

Slide 5 text

多くの場で対話の大切さを聞くようになったし、皆さんの 開発現場でも対話に重きを置くようにしていると思います

Slide 6

Slide 6 text

何か物事を進めるときや、 事柄を解決へ導くために対話をします

Slide 7

Slide 7 text

何か物事を進めるときや、 事柄を解決へ導くために対話をします 全てが対話で解決できれば良いけども...

Slide 8

Slide 8 text

対話をしてもうまく物事が進まないこともある 相手が話を聞いてくれなくなったり 建設的な対話をしたかったのに、 気がついたら意見のぶつけ合いになっていたり

Slide 9

Slide 9 text

なぜうまくいかない対話が生まれるのか? またはなぜ対話をしてもらえないのか?

Slide 10

Slide 10 text

相互理解をしないことにより、対話が成立しなくなる... 「対話しているつもり」 対話の目的 ① お互いの相互理解 ② 目的や意味の深掘り ③ 意見や立場を超えて一人では出しづらい解決策を生み出す 相互理解が欠落すると、相手に受け入れてもらえなくなり、 ひたすら意見や問いのぶつけ合いで時間が過ぎてしまうことも...

Slide 11

Slide 11 text

こんな話を受けたとき、どんな行動や態度を取りますか? 「期日が近いから、とにかくコードを量産することに集中して、なんと か間に合わせようとしています。でも、バグが多くて手戻りが発生して しまって期日に間に合うのかわからないんです。」

Slide 12

Slide 12 text

このような発言をしていませんか・・・? 発言・行動・態度の一例 発言の例 ● 「テストを追加するのはどうですか?」 ● 「今日のMTGはskipにしよう。作業時間の確保を優先します。」 行動の例 ● すぐに助けに入る ● 思いつく解決案を出そうとする 態度の例 ● どうにかして困っている状況の解決を優先しようとする

Slide 13

Slide 13 text

発言の例 ● 「テストを追加するのはどうですか?」 ● 「今日のMTGはskipにしよう。作業時間の確保を優先します。」 行動の例 ● すぐに助けに入る ● 思いつく解決案を出そうとする 態度の例 ● どうにかして困っている状況の解決を優先しようとする 「すぐに解決したい」という態度や行動は大切だが、 「対話しているつもり状態」になっている可能性がある このような発言をしていませんか・・・? 発言・行動・態度の一例

Slide 14

Slide 14 text

相手のこと、どれぐらい考えられていましたか? 「期日が近いから、とにかくコードを量産することに集中して、なんと か間に合わせようとしています。でも、バグが多くて手戻りが発生して しまって期日に間に合うのかわからないんです。」

Slide 15

Slide 15 text

相手のこと、どれぐらい考えられていましたか? 「期日が近いから、とにかくコードを量産することに集中して、なんと か間に合わせようとしています。でも、バグが多くて手戻りが発生して しまって期日に間に合うのかわからないんです。」 いきなり、解決策を提案していませんでしたか?

Slide 16

Slide 16 text

相手のこと、どれぐらい考えられていましたか? 「期日が近いから、とにかくコードを量産することに集中して、なんと か間に合わせようとしています。でも、バグが多くて手戻りが発生して しまって期日に間に合うのかわからないんです。」 いきなり、解決策を提案していませんでしたか? 相手を理解しようとして、聞けていましたか? ● どれぐらい辛い時間を過ごしていそうか ● 相手が一番こまっていることは何か ● 相手はどうしたいのか

Slide 17

Slide 17 text

息をするように、相手を理解しようとしていましたか? 対話は必ずしも、心の準備ができている状態で始まりません いきなり声をかけられたり、自分が話を持ちかけたつもりが、相手の話を聞くこ とになったりします そのため、”相手のことを理解する” ための行動や態度は、いつでもできるように しておく必要があります

Slide 18

Slide 18 text

「人と良い相互関係を築くためには、 自身の内面が相互関係を築くことのできる状態に なっている必要がある」 今日のお話しで一番大切!

Slide 19

Slide 19 text

個性主義と人格主義

Slide 20

Slide 20 text

「個性主義」という行動の特性 個性主義 ● 個性、社会的イメージ、スキル、テクニックなどによって、人間関係 を円滑にすることを成功の条件とする ● 即効性があり、短期的に解決できる問題に対して有効

Slide 21

Slide 21 text

個性主義のあり方のみで話していると、 相手との関係性に悪影響が出る可能性がある 自分からの見方があまりにもプラクティスやテクニックに寄っている場合、 ● 相手や状況をコントロールしたい ● 解決策ばかりを頭で考えているだけで、相手のことを考えられていない という状態になっている 結果「私の話を聞いてくれてない」と思われてしまい、 対話をすることができなくなる

Slide 22

Slide 22 text

相手に受け入れてもらえるようになる

Slide 23

Slide 23 text

相手との関係構築ができる態度や行動の特性が必要 自分の意見や行動を相手に受け入れてもらうためには、相手との関係を 構築する必要がある 時間をかければ良い関係を作れる可能性があるが、関係の構築に時間を かけられない可能性もある そのため、自身の態度や行動は相手に受け入れてもらえる状態を常に作 り出しておきたい

Slide 24

Slide 24 text

「人格主義」という行動の特性を根付かせる 人格主義 誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、質素、節制、黄金律な ど、人間の内面にある人格的なことを成功の条件とする 自分の内面を誰にとっても受け入れられるようにする

Slide 25

Slide 25 text

個性主義を良い形で体現するために、人格主義を大切にする 個性主義 人格主義 態度・行動 スキル テクニック 社会的イメージ 誠意 謙虚 誠実 勇気 正義 忍耐 対話自体は テクニック

Slide 26

Slide 26 text

人格主義になる

Slide 27

Slide 27 text

人格主義の第一歩、自分の見方を知る ● 自分は物事をどのように見えているのか? ● 相手と対話することのできる見方をしているのか?

Slide 28

Slide 28 text

自分のあり方(発言/行動/態度など) = 自分の見方 どのような見方をしているかは、自身の行動や態度が表しているので、 分析する 例えば、先ほどの行動では... ● すぐに助けに入る ● 思いつく解決案を出そうとする 仕事への影響を最小限にすることを指針に行動しているため、 “仕事中心” の見方をしている

Slide 29

Slide 29 text

どのような見方ができれば良いのか? さまざまな物を中心に置く見方がある ● 家族中心 ○ 家族の期待に応えたい、判断には家族の幸せが影響 ● お金中心 ○ 資産・利益の増減が判断に影響 ● 仕事中心 ○ 勤めている会社や職業、仕事に必要かで判断 ● 自己中心 ○ 自分の気分がよくなるか、自分に得があるかで判断   etc…

Slide 30

Slide 30 text

どのような見方ができれば良いのか? さまざまな物を中心に置く見方がある ● 家族中心 ○ 家族の期待に応えたい、判断には家族の幸せが影響 ● お金中心 ○ 資産・利益の増減が判断に影響 ● 仕事中心 ○ 勤めている会社や職業、仕事に必要かで判断 ● 自己中心 ○ 自分の気分がよくなるか、自分に得があるかで判断   etc… この中のどれでもない!

Slide 31

Slide 31 text

原則を中心にする 原則 : ● 時間を超えて不変であり異論を挟む余地のない、普遍的にして絶対的 な法則・真理 ○ 自明であるから議論の余地すらないもの

Slide 32

Slide 32 text

原則は様々なものがあり、とても多い 例 : 誠実と正直 ● 協力関係や長続きする人間関係に不可欠な信頼の土台 奉仕や貢献 ● 自発的な意思で影響する、主体性の土台 人の可能性 ● 常に成長するため、潜在する能力を発見し、発揮し、さらに多くの才 能を開発するための土台

Slide 33

Slide 33 text

原則中心の見方になることが人格主義への道のり 自分の見方をこれらの原則に近づけるほど、 ● 効果的な個人の活動 ● 効果的な相互関係の構築 ができ、人格主義の体現につながる

Slide 34

Slide 34 text

人格主義の行動・態度 発言 ● 「尽力していただき、ありがとうございます」 ● 「(ミラーリング)」 行動 ● 傾聴に徹する ● 自分からはどのように見えているのか伝える(アイメッセージ) 態度 ● 相手の頑張りに敬意を表する ● 相手がどのようにしたいのか、意見を尊重する

Slide 35

Slide 35 text

人格主義の行動・態度 発言 ● 「尽力していただき、ありがとうございます」 ● 「(ミラーリング)」 行動の例 ● 傾聴に徹する ● 自分からはどのように見えているのか伝える(アイメッセージ) 態度 ● 相手の頑張りに敬意を表する ● 相手がどのようにしたいのか、意見を尊重する 自然とこのような行動・態度になってくる

Slide 36

Slide 36 text

まとめ 対話を意識し、活用していくことはとても大切ですが、いざ行おうとす ると難しい場面に遭遇します その際、様々なテクニックや理論を意識するより、まずは自分がどのよ うな見方をしていたかを理解し、その上でどのような見方をすれば良い のかを考えていくことが重要です テクニック、スキル、様々な理論を効果的に活用していけるように、 様々な原則を理解し人格主義を意識しましょう

Slide 37

Slide 37 text

参考図書

Slide 38

Slide 38 text

ちなみに... 人格主義と原理はわかった! …けど、どうやったら体得し、 息をするように “相手を理解する” ことが できるようになるのか?

Slide 39

Slide 39 text

ちなみに... 7つの習慣を練習していく ● 第1の習慣 : 主体的である ● 第2の習慣 : 終わりを思い描くことから始める ● 第3の習慣 : 最優先事項を優先する ● 第4の習慣 : Win-Winを考える ● 第5の習慣 : 理解に徹し、理解される ● 第6の習慣 : シナジーを作り出す ● 第7の習慣 : 刃を研ぐ

Slide 40

Slide 40 text

ちなみに... 7つの習慣を練習していく

Slide 41

Slide 41 text

ご清聴ありがとうございました