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記号の身体性
記号には身体(ボディ)がある(p.75,76)
「日本の活字は欧文と違って、伝統的にどの文字もボディの形が正方形で統一されている。」
「ボディが正方形だという特性によって、日本語の活字組版は、縦組みの場合でも横組みの場合でも、いわ
ゆるベタ組だけでラインがそろうし、一行あたりの文字数はつねにおよそ一定になるなど、視覚的な秩序が
生まれやすい利点がある。」
「カタカナは漢字の一部分を暫定的に借用して代替するために生まれた文字なので、起源からして、形に
欠落や不完全性を孕んでいる。また形状的には、垂直/水平でも円弧でもなく、斜めの線が基本になって
いるという際立った特徴を持つ。(「タ」、「ク」、「ノ」、「ミ」などの文字を想起して欲しい)そのためカタカナ
活字の組み班で正方形ボディをベタ組みすると、斜めの線と斜めの線が連続することになり、視覚的に非
常に大きな、不自然な空隙ができる。」
☞ 日本語の活字と欧文の活字は身体性が異なる
☞ 漢字、ひらがなとカタカナとでは、身体と心の関係が異なる