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Cloudflare Workesと状態管理 Serverless Frontend Meetup #1 2023.01.24

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目次 ● 自己紹介 ● Cloudflare Workersの特徴 ● 状態管理 ● アーキテクチャ(使用例) ● コードサンプル ● まとめ

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自己紹介 ● name: chimame / rito ● job: Webエンジニア ● field: Cloudflare, GCP, AWS, Ruby, Node.js, TypeScript, React, Next.js, Remix, Docker etc ● company: Goens株式会社( https://about.goen-s.com ) ● twitter: @chimame_rt ● GitHub: chimame

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Cloudflare Workersの特徴 ● エッジサーバで実行される ○ サーバレス実行環境 ● JavaScript, Rust, Cなどの幾つかの言語で作成することが可能 ● リクエストとレスポンスのハンドリングに特化して処理を作成することが可能 ○ 例えばロードバランサー的なことも出来る ブラウザからのリクエストをサーバ(オリジン)で処理する前に、処理をする

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アプリケーションはプログラムさえ動く環境があ れば大丈夫?

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大抵の場合はそうではない

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アプリケーションに必要なもの ● システムリソース(CPU、メモリなど) ● プログラム ● データ ● インターフェース(httpやhtmlなど) データとはアプリケーションやユーザがどういう状態であるかというものを指す。雑に書 けばデータベースとほぼ同義(データベースだけでないが)。 この中で、唯一Cloudflare Workersが提供していないのがデータ。これはCloudflare Workersではなく、サーバレスがスケーラビリティであるため状態(=データ)を保持でき ないのが理由。

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状態管理 Cloudflare Workersで行う状態管理の手法 ● Cache API ● Cloudflare KV ● Durable Objects ● D1 ※Alpha版 ● R2

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状態管理 Cloudflare Workersで行う状態管理の手法 ● Cache API ● Cloudflare KV ● Durable Objects ● D1 ※Alpha版 ● R2 結果整合性 強整合性

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状態管理 Cloudflare Workersで行う状態管理の手法 ● Cache API ● Cloudflare KV ● Durable Objects ● D1 ※Alpha版 ● R2 レスポンスをキャッシュする。 オリジンからもらったレスポンスを一定時間などの条件によっ てキャッシュしたものをクライアントに返すことで、レスポンス を素早く返す。 アプリケーションの”状態”を一定同じものを返すという意味で 含めている。

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状態管理 Cloudflare Workersで行う状態管理の手法 ● Cache API ● Cloudflare KV ● Durable Objects ● D1 ※Alpha版 ● R2 データをKey, Value形式で保存するストレージ。 保存するデータのKeyを柔軟に設定できること、保存する ValueもJSONを指定できたりと、Cache APIより柔軟性と強整 合性が高い。

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状態管理 Cloudflare Workersで行う状態管理の手法 ● Cache API ● Cloudflare KV ● Durable Objects ● D1 ※Alpha版 ● R2 ストレージというよりメモリを永続化する。 メモリ上に情報を保持し、それをキャッシュとして返す場合、プ ロセス間ではそのメモリ情報は共有されない。なのでキャッ シュとしての機構としては貧弱となるが、この Durable Objectsを使用することでメモリ上に保存した情報を共有する と同時に、永続化する。

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状態管理 Cloudflare Workersで行う状態管理の手法 ● Cache API ● Cloudflare KV ● Durable Objects ● D1 ※Alpha版 ● R2 昨年Alpha版が公開されたエッジ上で動作する SQLite。 SQLiteなので通常のデータベース同様に、 Cloudflare Workers上のプログラムから SQLを投げることでデータの取 得や保存、更新が行うことが可能。 また、エッジに展開された SQLiteなのでデータが共有される。 Alpha版であるがゆえにトランザクションなどの処理に課題を 残すが大きく期待されているサービスの 1つ

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状態管理 Cloudflare Workersで行う状態管理の手法 ● Cache API ● Cloudflare KV ● Durable Objects ● D1 ※Alpha版 ● R2 完全な外部ストレージであり、他の 4つのサービスとは少し異 なる。 ストレージのため、データの種類はストレージに保存する形式 であればなんでも可能。例えば画像や JavaScriptやHTMLな どの静的ファイル、もちろん動画ファイルなども可能。 Beta版時はCloudflare Workers経由でしか配信が行えな かったが、今ではドメインを紐づけて直接配信することが可 能。

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※管理画面 サービスアーキテクチャ Cloudflare Workers Durable Objects Authentication Cloud Messaging Crashlytics etc 認証 画像データ Socket通信 ユーザデータ (GraphQL) PUSH通知

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※管理画面 Authentication Cloud Messaging Crashlytics etc 認証 画像データ ユーザデータ (GraphQL) Cloudflare Workers Durable Objects サービスアーキテクチャ Socket通信 複数の端末が同時にWeb Socketにて 接続を行うため、接続情報をメモリ (=Durable Objects)上に保持する PUSH通知

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※管理画面 Authentication Cloud Messaging Crashlytics etc 認証 画像データ ユーザデータ (GraphQL) Cloudflare Workers Durable Objects サービスアーキテクチャ Socket通信 メモリ(=Durable Objects)上に保持す る接続情報から該当端末を特定して、 サーバPushを行う。 PUSH通知

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コード(全体感) export class Socket { sessions: Session = {} app: Hono = new Hono() // サーバから指定の繋ぎ先にPublishするエンドポイント this.app.post('/publish/:id', async (ctx) => {}) // クライアントからSubscribeするエンドポイント this.app.get('/subscribe/:id', async (ctx) => {}) // Cloudflare Workerがリクエストを処理するためのメソッド async fetch(request: Request) { return await this.app.fetch(request) } } https://github.com/cloudflare/workers-chat-demo

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コード(Subscribe) sessions: Session = {} // 接続しているクライアント情報を保持する // クライアントからSubscribeするエンドポイント this.app.get('/subscribe/:id', async (ctx) => { // <ここに何らかの認証を入れた方がよい(例えば JWT認証)> const id = ctx.req.param('id') const [client, server] = Object.values(new WebSocketPair()) server.accept() this.sessions[id] = server return new Response('', { status: 101, webSocket: client, }) })

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コード(Publish) sessions: Session = {} // サーバから指定の繋ぎ先にPublishするエンドポイント this.app.post('/publish/:id', async (ctx) => { // <ここに何らかの認証を入れた方がよい> const id = ctx.req.param('id') const payload = await ctx.req.text() const session = this.sessions[id] if (session) { session.send( typeof payload === 'string' ? payload : JSON.stringify(payload) ) } })

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コード(使用例) // クライアント const socket = new WebSocket( ‘https:///subscribe/’ ) socket.onmessage = (e) => { console.log('onMessage!') // JSON.parse(e.data) で何らかの処理 } // サーバ import axios from 'axios' const body = { test: ‘hoge’ } await axios.post(‘https:///publish/’, body)

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まとめ ● Cloudflare Workersで行う状態管理の手法はいくつかある ● プログラム処理や特性によって最適なものを選ぶ ● Durable Objectsについてはこちらに目を通すと理解が深まる ○ https://developers.cloudflare.com/workers/learning/using-durable-objects/ ○ https://github.com/cloudflare/workers-chat-demo

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Thanks ご清聴ありがとうございました。 https://about.goen-s.com/