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住みよさランキングの分析からわかる 加賀市の「消滅可能性都市」脱却策 北陸大学 経済経営学部 マネジメント学科 田尻ゼミ 2019M004 阿彦 拓夢 2019M064 神山 雄飛 2019M252 三橋 尚生 2019M271 森田 彩人 2021M502 芳田 涼輔 01 2023.1.20(金) 卒業研究発表

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概要 1. 研究の背景 2. 研究の目的 3. 消滅可能性都市とは 4. 住みよさランキングとは 5. 加賀市の現状 02 6. 加賀市の分析 7. これからの加賀市 8. 消滅可能性都市の脱却事例

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1. 研究の背景 背景① 3年生のときに、ゼミ活動を通して加賀市に関わり、 加賀市が消滅可能性都市に認定されていると知った 03 消滅可能性都市から脱却させたい

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1. 研究の背景 背景② 加賀市を消滅可能性都市か ら脱却させたい 04 出所:NHK (2022)「「過疎地域」 初めて全国の半数を超え885市町村に」 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220401/k10013562541000.html (2022年11月23日アクセス).

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2. 研究の目的 住みよさランキングから加賀市を分析 ⇒消滅可能性都市からの脱却策を考察 05

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3. 消滅可能性都市とは 06 出産を担う若年女性の減少を人口推移の主なてがかりとし、若 年女性が(地方から都市への流出も含めて)減少し続けると人 口減少に歯止めがかからず都市の消滅に繋がる、その上で、 2010年から2040年までの30年間における人口減少を都市別に 推計し、若年女性の人口が5割以下になると算出された都市を 「最終的には消滅する可能性がある都市」 日本創成会議

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住みよさランキングの使用理由 7 人気な市長村の特徴を知ることができる 加賀市を消滅可能性都市から脱却させることができるのではないかと考えた 株式会社東洋経済新報社により住みよさランキング1993年から23年間発表している 他のランキングに比べて扱われているデータが多く、3つの指標以外、行 政でとられたもので信頼性が高いと考えた

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4. 住みよさランキングとは 08 • 対象:全国にある市と特別区(東京23区)で812市区を対象。 • 算出方法:20の指標を選出して平均値を50とする偏差値を算出し、す べての指標の偏差値を平均したものとしている。 • 評価項目:「安心度」医療福祉および治安について 「利便度」店の多さ、特に飲食に関する店の多さについて 「快適度」ライフラインや人口増減、公園面積について 「富裕度」所得、支出、土地の時価について 出所:東洋経済ONLINE「最新!「住みよさランキング2022」全国 トップ50」https://toyokeizai.net/articles/-/595401 (2022年11月 20日アクセス).

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3つの市と加賀市の住みよさ総合ランキング 9 204位から328位まで下がっている 加賀市は3つの市と比較して順位 が低い

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5. 加賀市の現状 • 人口問題 • 観光の衰退 10

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人口推移① 11 5. 加賀市の現状 加賀市の人口推移 野々市市の人口推移 1990年代以降をピーク に年々減少傾向で、現在で はピーク全体に対しての約 二割近くの人口が減少して いることがわかる。 13598 31817 39769 45581 51885 57238 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 1970 1980 1990 2000 2010 2020 69664 77335 80714 78563 71887 63220 60000 65000 70000 75000 80000 85000 1970 1980 1990 2000 2010 2020 出所:日経NEEDS・明治以降本邦主要経済統計

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人口推移② 12 5. 加賀市の現状 6034 8530 11804 16493 20027 22681 0 5000 10000 15000 20000 25000 1970 1980 1990 2000 2010 2020 加賀市の65歳以上の人口 昨今問題となっている 高齢化であるが、顕著 になっている 日本の総人口に対しての65 歳以上の人口の割合は29.1% にあるのに対して、加賀市 の総人口に対しての65歳以 上の人口の割合は35.5%とい う結果が出た 691 1718 3021 4987 7908 11203 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 1970 1980 1990 2000 2010 2020 野々市市の65歳以上の人口 出所:日経NEEDS・明治以降本邦主要経済統計

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人口推移③ 13 5. 加賀市の現状 15926 17778 14344 11236 8954 6715 6000 8000 10000 12000 14000 16000 18000 1970 1980 1990 2000 2010 2020 加賀市の15歳未満の人口 3112 8190 8107 6837 7536 8322 3000 4000 5000 6000 7000 8000 1970 1980 1990 2000 2010 2020 野々市市の15歳未満の人口 ただ、少子化が進んでいる中で、 例外もあり、野々市市といった 住みやすい街では、15歳未満の 人口が、増加傾向になっている という事例もある。 出所:日経NEEDS・明治以降本邦主要経済統計

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人口推移④ 14 5. 加賀市の現状 加賀市の出生数 野々市市の出生数 また出生数も減少しており、 加賀市は年々減少しており、 この四半世紀で2分の1以下に なってる。 718 614 596 524 412 322 200 300 400 500 600 700 800 1995 2000 2005 2010 2015 2020 562 619 553 604 671 582 0 100 200 300 400 500 600 700 800 1995 2000 2005 2010 2015 2020 出所:日経NEEDS・明治以降本邦主要経済統計

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人口推移⑤ 15 5. 加賀市の現状 57465 52479 47503 42679 38195 30000 35000 40000 45000 50000 55000 60000 2025 2030 2035 2040 2045 加賀市の人口推計 少子化は、同時に進行した高 齢化により見かけ上隠されて きた。国民は目前の高齢化に 対策が向けられてきたが、現 在、高齢者も減少しはじめ、 ようやくこの深刻さに気づき 始めた。 増田寛也 出所:日経NEEDS・明治以降本邦主要経済統計

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観光の衰退 16 5. 加賀市の現状 片山津・山代・山中と言った、温 泉地の利用客は1980年代は多い 年で400万人前後の利用客がいた。 しかし、2000年代に入り利用客 は減少しており、200万前後に なっている。 ニーズや旅行 形態の変化 経営難 交通の便

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温泉地の需要 17 5. 加賀市の現状 社員旅行の実施率 出所:マイナビニュース(2014)「社員旅行」は今?90年代と比べると、実施企業は約5割に減少 https://news.mynavi.jp/article/20141125-a222/ 昔は会社で温泉やホテルに 社員旅行で行くことが多 かったが、実施率は、減少 傾向にあり、こうした団体 需要の減少が観光地の衰退 に繋がっている。

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7. 加賀市の分析 18 クラスター分析による 類似する地域の分類 分類された地域の特性/傾向 住みよさランキングにおける 加賀市の立ち位置/課題 分析の流れ

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クラスター分析とは 19 7. 加賀市の分析 様々な要素があるデータから 定めた条件をもとに 類似する要素のあるデータを グルーピングする分析方法 クラスター分析で使用する指標

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安心度 • 0~5歳人口当たりの保育所等数を表す 指数が他のクラスターと比較して大きい 20 7. 加賀市の分析  人口当たり病院・一般診療所病床数  老年人口当たり老人福祉施設数  20~39歳女性人口当たり0~4歳児数  人口当たり刑法犯認知件数  人口当たり交通事故件数  総人口当たりの老年人口(65歳以上)  高齢夫婦のみの世帯の割合  0歳~5歳人口当たり保育所等数 クラスターの特徴 加賀市の20~39歳女性人口当たりの0~4歳児数の指数 →全国990市区の中で540番目 加賀市の課題 20~39歳女性人口当たりの 0~4歳児数が少なく 保育所等数が多い強みを生かせない

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利便度 • 他市区町村への通勤者比率の値が小さい →居住地内での生活と就業の両立ができている? 21 7. 加賀市の分析  人口当たり小売販売額  可住地面積当たり飲食料品小売店数  人口当たり飲食店数  小中学校数(可住地面積100㎞2当たり)  他市区町村への通勤者比率【%】 加賀市まち・ひと・しごと総合戦略(2020) 「加賀市は現状において、若者等が進学・就職等を 契機に東京をはじめとする三大都市圏などへ 転出する傾向が強い」 ↓ 居住地内での生活と就業の両立は若者に当てはまらない 加賀市の課題 若年層の職の充実が課題となる クラスターの特徴

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快適度 • 全体的に指数の小ささが目立つクラスター 22 7. 加賀市の分析  人口転入者率  人口転出者率  人口当たり都市公園面積  外国人人口(人口10万人当たり) 加賀市にフォーカスしてみると、 加賀市への転入者率<加賀市からの転出者率 →人口減少の大きな原因 加賀市の課題 利便度で触れた若年層の転出から 考えると高齢化の加速が懸念される クラスターの特徴

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富裕度 • 住宅地平均地価の指数が小さい • 1住宅当たりの延べ床面積の指数が大きい 23 7. 加賀市の分析  財政力指数  1住宅当たり延べ床面積  住宅地平均地価  持ち家比率 加賀市は実際に→ ✓ 1住宅当たりの延べ床面積が990市区中の68番目 ✓ 住宅地平均地価が990市区中の847番目 広い土地の家をより安く立てることができるという好条件 加賀市の課題 別荘地に名を連ねることもなく むしろ空き家率19%と 可住地を持て余している現状 クラスターの特徴

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8.これからの加賀市 24 将来性の確保 女性と若年層を支える取り組み 子育て世代のサポートできる場所 経済力の確保 職の多様性/ 商業施設の増加を目指す 消費社会の構築

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かがっこ応援プロジェクト 25 8.これからの加賀市 出所:加賀市子育て応援ステーションかがっこネットフライヤー • 少子化問題 →加賀市では育児費用の免除や 軽減 • 女性の社会進出による育児と 仕事の両立 →相談や情報交換、あずかりや 送迎の対応

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再利用 26 8. これからの加賀市 山代スマートパーク 出所:山代スマートパークホームページ 廃業した旅館を改装して、 ドローンのプログラミング やARなどを体験できる施設 子供たちが「テクノロジー」 に触れる機会を増やす

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市長の考え 27 8. これからの加賀市 宮元陸 ・行政手続きのデジタル化 ・未来型の商業施設の建設 ・交通網の充実化 →「消滅可能性都市」から「挑戦可能性都市」

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消滅可能性都市の脱却事例 東京都豊島区 ↓ 2014年5月8日、東京都23区で唯一の消滅可能性都市に指定 検討チーム ↙ ↘ 子どもと女性にやさしい街づくり 地方との共生 28

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豊島区が行った政策 子供と女性にやさしいまちづくり ↓ 待機児童 ・若い夫婦はひと昔前の夫婦より、共働きをしたがる傾向 ↓ 保育所や公園など子供の居場所を作ることに注力 出所:2022年7月29日 東京新聞朝刊 https://www.tokyo- np.co.jp/article/192374(2022年7月29日アクセス). 地方との共生 ↓ 秩父市との生涯活躍まちづくり政策 ・豊島区は転入人口が多く、地方が衰退すれば、 豊島区も転入してくる人口が減り、衰退してい く ↓ 姉妹都市である秩父市との共同政策 お試し移住 二地域移住 29

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現在の豊島区 • 平成26年の若年女性の人数45,520人から、平成30 年には、48,055人と、増加している • 人口が増え始め、V字回復 30 出所:豊島区ホームページhttps://www.city.toshima.lg.jp/001/kuse/shingi/do cuments/r2shingikai1-1.pdf 出所:日本創成会議ホームページhttps://www.city.toshima.lg.jp/003/kuse/shi saku/shisaku/kekaku/032617/documents/04_p13-15.pdf (2022年12月4日アクセス).

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まとめ 31

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提案 32 3年生イベント

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参考文献 33 • 東洋経済ONLINE、「最新!「住みよさランキング2022」全国トップ50」https://toyokeizai.net/articl es/-/595401 (2022年11月20日アクセス). • NHK (2022)「「過疎地域」 初めて全国の半数を超え885市町村に」https://www3.nhk.or.jp/news/html /20220401/k10013562541000.html (2022年11月23日アクセス). • 東洋経済 (2022)『都市データパック』.東洋経済新報社 • 日本創成会議ホームページ「人口移動が収束しない場合の全国市区町村別2040年推計人口(地図化)」日 本創成会議ホームページ」prop03_2_2.pdf (policycouncil.jp) (2022年12月4日アクセス). • 中央公論新社(2021)『コロナが変える一極集中 東京の憂鬱』、中央公論新所. • 都内の待機児童と認可保育所の数「東京新聞」https://www.tokyo-np.co.jp/article/192374(2022年7月29 日アクセス). • 豊島区ホームページ「日本創成会議による豊島区の将来推計、国立社会問題研究所・人口問題研究所の 将来推計<20~39歳の若年女性人口>」https://www.city.toshima.lg.jp/003/kuse/shisaku/shisaku/kekak u/032617/documents/04_p13-15.pdf(2022年12月4日アクセス). • 日本創成会議ホームページ「若年女性人口(20~39歳)の推移」https://www.city.toshima.lg.jp/003/kuse/s hisaku/shisaku/kekaku/032617/documents/04_p13-15.pdf(2022年12月4日アクセス). • 豊島区ホームページ 「アシスとしまとは」https://www.city.toshima.lg.jp/429/asistoshima/asistoshima. html (2022年12月4日アクセス).

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参考文献 34 • 志津綾香 松田眞一. クラスター分析におけるクラスター数自動決定法の比較. 南山大学紀要『アカ デミア』情報理工学編 2011年3月,第11巻,pp.18-19 • 加賀市 まち・ひと・しごと総合戦略https://www.city.kaga.ishikawa.jp/soshiki/seisaku_senryak u/seisaku_suishin/1_1/1171.html(2022年12月4日アクセス). • 加賀市子育て応援ステーションかがっこネットフレイヤー(2022年12月4日アクセス). https://www.city.kaga.ishikawa.jp/material/files/group/36/kagakkonetto-flyer-support.pdf • 加賀市観光推計(2023年1月17日アクセス). https://www.city.kaga.ishikawa.jp/material/files/group/16/H25lver.pdf • 流山市ホームページ https://www.city.nagareyama.chiba.jp/(2023年1月15日アクセス). • としま区民センター https://toshima-civic-center.jp/info/index.php?id=31(2023/1/17アクセス). • YouTube https://youtu.be/Q-OZp2ykYVI(2023年1月15日アクセス).

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ご清聴ありがとうございました 35