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ICPレジストレーションを利用した 3次元点群の位置合わせについて ImVisionLabs株式会社代表取締役 板倉健太 博士(農学)

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3次元点群とは? 1 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR  点の群れによって、3Dの情報を表現するもの  XYZ座標を持つ点(例:エクセルの1行)が大量にあるイメージ 点群のデータ形式のイメージ 点が集まると対象の形状になる 点群の例 [動画]

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3次元点群の利用例:被害状況の可視化 2 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR  地震の前後の3次元点群の差分から、被害状況を把握  GPSなどの位置情報を用いて2つの点群の位置合わせを行う [動画] 被害状況の可視化 位置ずれの例  しかし、その情報のみでは完全に位置合わせできない場合も多い 引用:アジア航測株式会社「点群マッチングとその応用」 URL: http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0089_oda.pdf

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点群の位置合わせ [a] ScanX2.0  複数の点群の重ね合わせによる密な点群の生成 (SLAM) などにも使用可能  2つの点群を共通の座標系にする⇒点群の位置ずれを修正

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点群の位置: 回転と平行移動の計算  位置合わせしたい点群を、回転及び平行移動させる ቐ 𝑋 = 𝑥cos𝜃𝑧 + 𝑦sin𝜃𝑧 𝑌 = −𝑥sin𝜃𝑧 + 𝑦cos𝜃𝑧 𝑍 = 𝑧 𝑥 𝑦 𝑧 = cos𝜃𝑧 sin𝜃𝑧 0 −sin𝜃𝑧 cos𝜃𝑧 0 0 0 1 𝑥 𝑦 𝑧 𝑥 𝑦 𝑧 1 = cos𝜃𝑧 sin𝜃𝑧 0 0 −sin𝜃𝑧 cos𝜃𝑧 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 𝑥 𝑦 𝑧 1 • Z軸を中心とした回転の式 カメラの向きを回転させたときの例 • 行列を使った形 • 平行移動にも対応した形

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点群の位置合わせ方法  様々な手法が存在 • ICP(Iterative Closest Point) • NDT(Normal Distributions Transform) 確率モデルを用いた手法 本スライドでは、最も基本的なICPを紹介 ✓ Point-to-point:点同士の位置合わせ。最も基本的 ✓ Point-to-plane:点と平面の位置合わせ

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点群の位置合わせ方法:ICPレジストレーション 点群X (移動させる点群) 点群Y (基準となる点群)  処理の流れ 1. 仮の対応 Xの各点に最も近いYの点を求める 2. パラメーターを求める XをYに変換するパラメーターを推定する (回転ベクトルR・並進ベクトルt) 3. 点群の変換 2.のパラメーターを用いて、Xを変換する 4. 変換後の点群に対して、仮の対応を求める 3.の各点に最も近いYの点を求める 反復

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点群の位置合わせ:実験データ  実験データ • 青色:基準となる点群 • 黄色:移動させる点群。x軸、y軸、z軸周りに10⁰、40⁰ 、30⁰回転し、さらに平行移動

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結果: ICPレジストレーション [a]  反復回数ごとのICPレジストレーションの結果を可視化している  反復回数が増えるごとに、黄色の点群が、青色に近づいていることがわかる

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まとめ 9 バックパック型スキャナー iPhone12 LiDAR 点群の位置合わせの基本的な手法であるICPレジストレーションについて紹介しました [動画] 簡単な実験データをもとに、ICPレジストレーションを実装し、有効性を確認しました