Slide 1

Slide 1 text

© 2024 Loglass Inc. 0 コードの90%をAIが書く世界で 何が待っているのか 2025年6⽉24⽇ 株式会社ログラス r.kagaya 0

Slide 2

Slide 2 text

1 ⾃⼰紹介 新卒でヤフー株式会社に入社、ID連携システムの開発 2022年に株式会社ログラスに入社 経営管理SaaSの開発、開発生産性向上に取り組んだのち、 生成AI/LLMチームを立ち上げ、複数LLM機能の開発を リード 現在は新規AIプロダクトの立ち上げに従事 株式会社ログラス シニアソフトウェアエンジニア r.kagaya(@ry0_kaga)

Slide 3

Slide 3 text

© 2024 Loglass Inc. 2 我々を取り巻く状況

Slide 4

Slide 4 text

3 AI駆動開発 / AIコーディング やっていますか?

Slide 5

Slide 5 text

4 NOと言う人はほぼいなくなった (少なくとも私・ソフトウェア/Web開発の周りでは)

Slide 6

Slide 6 text

5 特筆すべきは進化の速さ

Slide 7

Slide 7 text

6 1ヶ月前まで https://comemo.nikkei.com/n/n26dc284dcd5a

Slide 8

Slide 8 text

7 1年間の育休からの異世界転生 https://x.com/jamgodtree/status/1927682077719498893

Slide 9

Slide 9 text

8 1年間の育休からの異世界転生 https://x.com/jamgodtree/status/1927682077719498893

Slide 10

Slide 10 text

9 今となってはClaude Codeに大移動

Slide 11

Slide 11 text

10 Claude Code開発者の談 https://www.youtube.com/watch?v=Yf_1w00qIKc

Slide 12

Slide 12 text

11 Claude Code開発者の談 https://www.youtube.com/watch?v=Yf_1w00qIKc 「私はもう何ヶ月もユニットテストを書いていない」 「今では手書きコードを書くのが嫌になった。Claudeがあまりにも上手いか ら」 「パンチカードからプロンプトへ」

Slide 13

Slide 13 text

12 Anthropicが考えるClaude Codeの戦略 https://x.com/shogohayashi/status/1929540790281437480 IDEを使わなくなってる世界すら見据えている Anthropic パンチカードからプロンプトの言葉の通りに、抽 象化の新たな歴史が始まっている

Slide 14

Slide 14 text

13 我々は文字通り歴史の転換点に立っている

Slide 15

Slide 15 text

14 今日のイベントテーマ: AI駆動開発の“今”と“これから”

Slide 16

Slide 16 text

15 「今」と「これから」は地続き 今の実践が、未来への解像度を上げる

Slide 17

Slide 17 text

© 2024 Loglass Inc. 16 AI駆動開発の“今”と“これから”

Slide 18

Slide 18 text

17 ログラスで目撃している ソフトウェア開発の変化(抜粋) 一番最初に想起した二つを取り上げる

Slide 19

Slide 19 text

18 1. AIの圧倒的手数による前提の変化 2. 職種を超えたコーディング

Slide 20

Slide 20 text

19 1. AIの圧倒的手数による前提の変化 2. 職種を超えたコーディング

Slide 21

Slide 21 text

人間側も複数ターミナル・セッションを行き来し、AIにコピペ指示するのがデフォルト 動作 みんなターミナル多重接続しているか、ウィンドウ高速移動してる (tmux、前職で直接サーバーに入ってデプロイしてる時以来触ってる) 20 AIコーディングの特筆すべき点はその手数

Slide 22

Slide 22 text

21 コーディングの速度が上がることで 少しずつ見えてきた様々な変化

Slide 23

Slide 23 text

変化したこと ● コードを早く・大量に書けるようになった ● リファクタリングやPoCコストも気軽に行えるようになった ○ 何なら想定する実装パターンを複数実装させても良い。 ● 異なる形式・粒度・アクセシビリティをドキュメントに求めるようになった ○ Notionへの反応は代表例 ● 各職種間の成果物の一貫性・接続性を求めるようになった 22 実施できるアクション回数が桁違い、それ故に生まれる新たなメンタルモデル

Slide 24

Slide 24 text

コード行数やPRの中身・状況次第ではあるので、1日でPRが10個作れます!す ごい!が伝えたいわけではない(もっと多い日もある、人もいる) 23 とある日の私のPR提出数 コーディング速度の向上がもたらす、開発スタイル・プロセスの変化は?

Slide 25

Slide 25 text

24 1日で10個PRを出せる生産力はあったとして.. チーム人数が5人いたとしたら、1日でPR50個生まれる ● 全部レビューできる?CI実行時間がより重荷に? ● そもそもPR50個分の開発アイテムを準備できる? ● エンジニアは複数プロダクト・プロジェクトを掛け持ちした方が生産力は発揮でき る? 現在のソフトウェア開発・リリーススタイルでは耐えられない、歪みが生まれることが想像 に容易い

Slide 26

Slide 26 text

25 Anthropic CPOの談 https://www.youtube.com/watch?v=Yf_1w00qIKc ・Claude Codeの95%以上をClaude自身が生成 ・今ではコードレビューもClaudeが行う ・人間は受け入れテストを行う ・1年後には現在のソフトウェア開発・リリース方法は維持できなくなる

Slide 27

Slide 27 text

26 これから求められるのは AI前提での新しいスタイルの構築

Slide 28

Slide 28 text

27 間違った方向に高速に進んでも無意味 使われないプロダクトや技術負債を高速で生むだけ

Slide 29

Slide 29 text

28 スピードが限界突破する世界でどのように品質を担保 するか?

Slide 30

Slide 30 text

29 求められるのは新しい“品質・安全性・堅牢性・保守性”を担保するの仕組み 生まれる疑問 ● AIが生成したコード全てをレビューできるのか?必要はあるのか? ● AIならテストコードのカバレッジ100%も容易に目指せる? ● もはやブラックボックステスト前提で動作を検証すべき? ● AIが生成するコードの方向性や品質をどう保証・誘導するか? ● AIにとっての読みやすいコードとは?今までのコードは人間のため 10個のAIに同じ機能を開発させ、最もクオリティが高いPRを採用したって良い AIが登場人物に増えることで、何がどう変わるのか、変えられるのか?

Slide 31

Slide 31 text

30 「AIがコード生成の中心となる」世界がやってくる可能 性は高い その時の人間の役割やアプローチは?

Slide 32

Slide 32 text

31 AIのアウトプットを収斂させるゴールと制約と評価(評価関数)をどう与えるか? 一つはガードレールとしての品質指標・基準 ● 型(Types):型システムによる安全性の担保 ● テスト(Tests):自動テストによる動作保証 ● リント(Lints):コーディング規約の自動チェック ● ??? AI生成であろうと人間が書いたコードであろうと、同じように適用される基準 むしろAIの高速生成能力があるからこそ、ガードレールや評価を基準にAIを誘導する仕 組みがより重要に

Slide 33

Slide 33 text

32 TDD with AI Agents テストをAIへの継続的フィードバック・ガードレールとして活用 ● 期待する動作をテストで先に定義し、AIへの仕様として提示 ● 自動テストでAIが生成したコードの誤りを即座に検出 ● 包括的なテストスイートで意図しない変更を防止 ○ (テストコード側を変えて、通過を達成する挙動は制御する必要..) ● 回帰テストがセーフティネットとして機能 AIの生成スピードに対応するには、広範囲かつ高速実行可能なテストスイートが不可欠 https://newsletter.pragmaticengineer.com/p/tdd-ai-agents-and-coding-with-kent

Slide 34

Slide 34 text

33 例えばAgentic Coding?AI駆動開発にもEval Drivenなアプローチ? Agentic Coding ● Vibe Codingは対話的・探索的なア プローチ ● Agentic Codingは、自律的に動く AIエージェントをどのように導くか? オーケストレートするか? ● 「人を増やす」から「Agentを増やす」 へのパラダイムシフト Eval Driven Development ● AIプロダクト・エージェント開発で求め られるEval(評価) ● Evalを中心に、継続的改善のフライホ イールを回し、poke-and-hope(つ ついて祈る)や印象論的な精度判断か ら脱却 ● 自社リポジトリでのAIコーディング エージェントのルールや挙動の改善に も転用するべきアイディア?

Slide 35

Slide 35 text

34 例えばAgentic Coding?AI駆動開発にもEval Drivenなアプローチ? Agentic Coding ● Vibe Codingは対話的・探索的なア プローチ ● Agentic Codingは、自律的に動く AIエージェントをどのように導くか? オーケストレートするか? ● 「人を増やす」から「Agentを増やす」 へのパラダイムシフト Eval Driven Development ● AIプロダクト・エージェント開発で求め られるEval(評価) ● Evalを中心に、継続的改善のフライホ イールを回し、poke-and-hope(つ ついて祈る)や印象論的な精度判断か ら脱却 ● 自社リポジトリでのAIコーディング エージェントのルールや挙動の改善に も転用するべきアイディア? AIを「使う」から「導く」へのシフト AIをどこに導きたいか? ゴールに近づいてるかをどう図るか?

Slide 36

Slide 36 text

35 Vibe Coding vs. Agentic Coding: Fundamentals and Practical Implications of Agentic AI ● バイブコーディングとエージェントコー ディングの2つのパラダイムを比較分析 し、それぞれの特徴と適用領域をまと めた論文 ● 対話型・人間主導のバイブコーディング ● 自律型・AI主導のエージェントコーディ ング https://arxiv.org/pdf/2505.19443

Slide 37

Slide 37 text

36 人間がドライバーとして介在しなくても良い、一度設定したら裏でよしなにやってくれる世界 Google: LLMコードマイグレーション ● Googleでの大規模で手間のかかる マイグレーション作業を自動化 ● 変更箇所の発見とLLMを組み合わせ たアプローチ ● 74%以上のコード変更をLLMが生成 し、作業時間を50%削減 Meta: TestGen-LLM ● Metaの既存の単体テストを自動で改 善するツール ● LLMとフィルタリング機構を組み合わ せたアプローチ ● 75%のテストがビルド成功、25%が カバレッジ向上、73%が本番採用 https://arxiv.org/abs/2504.09691 https://arxiv.org/abs/2402.09171

Slide 38

Slide 38 text

37 (雑)エンジニアは農家みたいになるのかもしれない 土壌を整え、種を蒔き、環境を管理する、野菜はたくましく自分たちで育つ(解像度低いです、すみません

Slide 39

Slide 39 text

38 1. AIの圧倒的手数による前提の変化 2. 職種を超えたコーディング

Slide 40

Slide 40 text

39 私たちの知る開発の終わり https://www.oreilly.com/radar/the-end-of-programming-as-we-know-it/

Slide 41

Slide 41 text

40 There’s a lot of chatter in the media that software developers will soon lose their jobs to AI. I don’t buy it. It is not the end of programming. It is the end of programming as we know it today. 訳)メディアでは、ソフトウェア開発者がすぐにAIに仕事を奪われるという噂 が広まっています。私はこれを信じません。 これはプログラミングの終わりではありません。現在知られている形でのプ ログラミングの終わりなのです。 私たちの知る開発の終わり

Slide 42

Slide 42 text

41 AIに支援され、コーディングという行いが アクセシブルになる過程に我々はいる

Slide 43

Slide 43 text

42 デザイナーもプロダクトマネージャーもPR出せる with AI ● 弊社デザイナーが新規プロダクト開発で、Claude Codeで自らフロントエンド開 発に挑戦してる様子

Slide 44

Slide 44 text

43 デザイナーもプロダクトマネージャーもPR出せる with AI ● プロダクトマネージャーも

Slide 45

Slide 45 text

44 仕様書からPRを出せる時代 ● 仕様書変更やGithub IssueからPRを出すこともできる # specs/user-registration.yaml validation: username: min_length: 3 # これを変更すると... max_length: 20 # 自動でコードとテストが更新される email: pattern: "^[a-zA-Z0-9._%+-]+@[a-zA-Z0-9.-]+\\.[a-zA-Z]{2,}$"

Slide 46

Slide 46 text

45 デザイナーもプロダクトマネージャーもPR出せる、仕様書からPRを出せる時代 今目撃してるのは「エンジニアが中心にコードを書く世界が変わりつつある」こと エンジニア(もちろんその他の職種の方も)に問われているのは 「職種の境界が曖昧になった世界での新しい協働の形」

Slide 47

Slide 47 text

46 例えば ● デザイナーがFigmaでデザインを作って、Figmaを元にフロントエンドコードを生 成した方が良い? ● そもそもデザイナーが実はフロントエンドのUI開発はできる? ● 仕様書からある程度の精度でコードが生成できるなら、プロダクトマネージャーに 限らず、ドキュメントをまず書くことがより重要に? ● コードからドキュメントの自動生成もできそうだぞ? デザイナーもプロダクトマネージャーもPR出せる、仕様書からPRも出せる時代に、どのよ うな開発プロセスを描くのか?

Slide 48

Slide 48 text

47 コーディングではボトルネックではなくなる ではボトルネックは何処に? (みたいな事を考え続ける必要があるのだと思う)

Slide 49

Slide 49 text

© 2024 Loglass Inc. 48 まとめ

Slide 50

Slide 50 text

49 オライリー「AI Value Creators」から・意訳 ・多くの企業は既存プロセスの中にAIをどう使う?とアドオンする発想 ・真にやるべきはAI前提で組み直した後に、残りどうする?を考えること ・多くの組織は「AIを後から乗せる」という考え方から抜け出せていない https://www.oreilly.com/library/view/ai-value-creators/9781 098168339/

Slide 51

Slide 51 text

50 数年後のAIネイティブな開発とは ● 大枠は既存フローのまま、エンジニアだけがコードをwith AIで生成する前提のプ ロセスのことを、数年後にAIネイティブな開発と呼んでいる気はしない ● 100xにはおそらくならない、あくまで10x程度(それでもすごいが) ● 真に目指すべきはこのレベルではないか ○ 「Claude Codeの95%以上をClaude自身が生成」 ○ 「今ではコードレビューもClaudeが行う」

Slide 52

Slide 52 text

51 「AI前提でプロダクト開発を組み直せたか?」 と問われると、ログラスもまだNO AI時代の最先端プロダクト開発の探求と実践を目指し てる最中

Slide 53

Slide 53 text

52 TDD, AI agents and coding with Kent Beck https://newsletter.pragmaticengineer.com/p/tdd-ai-agents-and-coding-with-kent So I I'm spending 6 8 10 hours a day, sometimes more programming. In 50 years of programming, this is by far the most fun I've ever had. I 訳)だから僕は1日に6時間から10時間、時にはそれ以上かけてプログラミン グをしている。プログラミングを始めて50年になるけど、今が一番楽しいよ。

Slide 54

Slide 54 text

53 TDD, AI agents and coding with Kent Beck https://newsletter.pragmaticengineer.com/p/tdd-ai-agents-and-coding-with-kent So I I'm spending 6 8 10 hours a day, sometimes more programming. In 50 years of programming, this is by far the most fun I've ever had. I 訳)だから僕は1日に6時間から10時間、時にはそれ以上かけてプログラミン グをしている。プログラミングを始めて50年になるけど、今が一番楽しいよ。 せっかくの大トレンド 逃れることも難しい せっかくなので楽しんでいきたい

Slide 55

Slide 55 text

● AIコーディングにより様々な前提が変わることは確実 ○ e.g. AIが生成したコードの全てを人力レビューなどはどこかで無理がでる ● 方向性を間違えば、どんなに速くても無意味。品質なき速度は技術的負債を生むだ け ● ボトルネックは移動し続ける。コーディングはボトルネックではなくなった ○ では何処に?(みたいな事を考える必要) ● “今”のキャッチアップに全力を注ぐ、見えてきた歪みは、“これから”“を見据える貴 重な気づき ● 「世界は落下しているので、重力に逆らってはいけない。先に下に落ちよう」 54 まとめ

Slide 56

Slide 56 text

55

Slide 57

Slide 57 text

56 Human-AI collaboration AIとの協働、Human-AI collaboration Human-AI collaborationとは、人間の知性とAI技術の戦略的パートナーシップであり、両者の長所を最 大限に引き出すことである。これは、人間と機械の能力をシームレスに統合し、両者が互いの強みを補い合う 共生関係を意味する。