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2024.06.29 Android Bazaar and Conference 2024 Summer 分散型SNS Bluesky の最前線

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自己紹介 name: 篠原 拓真(Shinohara Takuma) birth: 1991.12.01 from: 長野県 佐久市(軽井沢から車で 1時間) ←各種 SNS のアイコン

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自己紹介 • Nostr: shino3.net • Bluesky: @shino3.net • X/Twitter: SHINOHARATTT • Facebook: やってます Work: システムエンジニア・プログラマ 学生の頃にプログラミングに出会う Hobby: プログラム開発など、なにか作ること 車で悪路を走ること

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突然ですが。 質問です

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ご存知ですか?

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やってますか?

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とは?

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Blueskyの概要 •Bluesky とは? • Blueskyは新しい分散型SNSです。 • 2021年に設立され、オープンな技術で 誰でも参加できるネットワークを目指しています。 •設立者と背景 • ジャック・ドーシー(Twitterの創設者)が推進 • ソーシャルメディアの分散化を通じて、ユーザーの 自由度とプライバシーの向上を目指す

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Blueskyの概要 •Bluesky とは? • Blueskyは新しい分散型SNSです。 • 2021年に設立され、オープンな技術で 誰でも参加できるネットワークを目指しています。 •設立者と背景 • ジャック・ドーシー(Twitterの創設者)が推進 • ソーシャルメディアの分散化を通じて、ユーザーの 自由度とプライバシーの向上を目指す

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なぜ今 Blueskyが 必要なのか

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X/Twitter Instagram TikTok Facebook 既存のSNSでは だめなのか?

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既存のSNSが抱える問題 • アルゴリズムの偏りと透明性の欠如 • フィードなどのアルゴリズムが一律 • レコメンドの仕組みが同一で全員に適用できない • ユーザーによってこれらの選択ができない • インプレッション稼ぎ • インプレッション稼ぎのための過激な行動 • フィードが悪質なPRや無関係な投稿で汚染

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既存のSNSが抱える問題 • 検閲とコンテンツの制限 • 検閲や制限が不透明に行われる • シャドウバン・理由不明なアカウント凍結 • BlueskyやMastodonなどを含む投稿がフィードに流され ないなど • モデレーションの一貫性の欠如 • モデレーションの基準が不明確で、不公平感が生まれる • 承認欲求による行動が過激化していく

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他のSNSとの違い

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他のSNSとの違い 3つだけ覚えてください

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他のSNSとの違い • 分散型ネットワーク • 中央管理者がいないため、自由でオープンな環境を提供し、 検閲が少ない。 • データの所有権 • ユーザーが自分のデータを管理し、プライバシーをコント ロールできる。 • フィードやレコメンドの民主化 • モデレーションの選択が可能で、アルゴリズムをカスタマイ ズし、個々のニーズや好みに合わせた体験が可能。

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分散型ネットワーク • 中央管理者がいない • サーバー同士が相互に接続してサービスを構成する ※分散の仕組みについては割愛します • 自分でサーバーを立ち上げネットワークに参加することも可能 • 誰もが管理者になる仕組み • 自由でオープンな環境 • Blueskyの成果物として幾つかのものはプログラムが提供されている • ユーザーからの修正やリクエストも受け付ける運用 • 互換システムやアプリなどの開発も自由 • 検閲が少ない • 投稿の受付可否・掲載可否はサーバー管理者によってコントロール • カスタマイズ性における本質的な部分もここに含む

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• ユーザーが自分のデータを管理 • 全員フォロー可能で同じフィードも利用可能、しかしユーザーは自分 のサーバーにて投稿などのデータを保持することができる • 引っ越し機能をもち、所属するサーバーを変更可能 • ユーザー自身を証明するためのIDは必ずユニークなものになる • ドメイン認証によりユーザー本人であることを証明できる • プライバシーをコントロール • 自身のサーバー内で、公開する情報・しない情報を取捨選択可能 データの所有権 ※自身でサーバーを管理する等の知識は必要

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フィードの民主化 • モデレーションの選択が可能 • フィード、おすすめ表示、レコメンドを自身で選択可能 • 一般的に公開されているフィードをフォローする仕組みがある • アルゴリズムをカスタマイズ • 上記のモデレーションを自身でカスタマイズする事が可能 例えば「猫と、画像」を含む投稿を表示するなど ※もっと複雑な選択も可能 • 個々のニーズや好みに合わせた体験 • 企業や会社に強制されないため、自分の興味関心に従って 情報を得ることができる

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Bluesky の 構成要素

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Bluesky の構成要素

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Bluesky の構成要素 • パーソナル データ サーバー(PDS) • ユーザーデータをホストし、アカウント管理やログインを処理 • 使用言語:Go言語 • リレー • ネットワーク全体のデータを収集 • 大規模なストリームを他のサービスに提供 • アプリビュー • リレーからのデータを集約し、アプリで表示されるフィードを構築 • 使用言語:TypeScript • アプリケーション • Webおよびモバイルアプリ (iOS, Android) • 使用言語: React Native, TypeScript

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Bluesky の構成要素 • パーソナル データ サーバー(PDS) • ユーザーデータをホストし、アカウント管理やログインを処理 • 使用言語:Go言語 • リレー • ネットワーク全体のデータを収集 • 大規模なストリームを他のサービスに提供 • アプリビュー • リレーからのデータを集約し、アプリで表示されるフィードを構築 • 使用言語:TypeScript • アプリケーション • Webおよびモバイルアプリ (iOS, Android) • 使用言語: React Native, TypeScript

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Bluesky もっと詳しく

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Bluesky もっと詳しく •About Bluesky • https://bsky.social/about/faq •AT Protocol • https://atproto.com/ •AT Protocol (BlueSky Social)仕様解説 ~ W3C DID仕様を添えて ~ • https://qiita.com/gpsnmeajp/items/eb665d639f088b85454e

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Bluesky って どんな会社?

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Bluesky ってどんな会社? •概略 • 2022年、分散型SNSの開発と提供を目的とし設立 • 創設者にはTwitterの創設者ジャック・ドーシーも在籍 •会社の歴史 • 2019年: ジャック・ドーシーが Twitter 社内にて Bluesky プロジェクトを発表 • 2022年: Twitter から独立して Bluesky 社を設立 • 2024年: 一般公開、ユーザー数急増 ※後述

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Blueskyの目的 •オープンプロトコルの開発 • AT プロトコル(Authenticated Transfer Protocol) を開発 •分散型ネットワークの基礎 •ユーザーのデータを守る •ユーザーに投稿などのデータ所有権がある • フィードやモデレーションなどの使い方を 自由にカスタマイズできる

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Blueskyの目指すとこ •利用者の拡大 • 世界中で使われることを目標 •他のサービスとも連携を強化する •エコシステムの発展 •新しいアプリやサービスの開発を促進したい • 開発者コミュニティなどの発展も望む

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Bluesky の 最新動向

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ここ一年ぐらいの動き • 2023/2/x iOS App リリース • 2023/4/5 ユーザーによる招待コード制を開始 • 2023/4/7 Bluesky Meetup in Tokyo vol.1 この時期に参加した方の継続率は非常に高い • 2023/夏頃 カスタムフィードの実装・公開 • 2023/12/21 新しいロゴに変更される • 2024/2/6 招待コード制を撤廃 • 2024/4/13 Bluesky Meetup vol.2 (Tokyo, Osaka) • 2024/5/23 DM機能の開放

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ユーザー数の推移 •2023/5/30 10万人突破 •2023/8/5 50万人突破 •2023/9/13 100万人突破 •2023/11/13 200万人突破 •2024/1/8 300万人突破 •2024/2/8 400万人突破 ←招待コード撤廃 •2024/2/23 500万人突破 0 1000000 2000000 3000000 4000000 5000000 6000000

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2024/06/21 5,950,000人 突破

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600万人 あとすこし!

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アカウント登録数は 増えたけど・・・?

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実際の利用者数

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一日あたりの利用者数 Daily Active User

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算出条件

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アクティブ率と投稿数の推移 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 2023/6/20 2023/7/20 2023/8/20 2023/9/20 2023/10/20 2023/11/20 2023/12/20 2024/1/20 2024/2/20 2024/3/20 2024/4/20 2024/5/20 投稿数 1投稿以上のユーザー数

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アクティブ率と投稿数の推移 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 2023/6/20 2023/7/20 2023/8/20 2023/9/20 2023/10/20 2023/11/20 2023/12/20 2024/1/20 2024/2/20 2024/3/20 2024/4/20 2024/5/20 投稿数 1投稿以上のユーザー数 投稿:44,993 DAU:9,488

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アクティブ率と投稿数の推移 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 2023/6/20 2023/7/20 2023/8/20 2023/9/20 2023/10/20 2023/11/20 2023/12/20 2024/1/20 2024/2/20 2024/3/20 2024/4/20 2024/5/20 投稿数 1投稿以上のユーザー数 2023.7.2 Twitter 凍結祭り

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アクティブ率と投稿数の推移 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 2023/6/20 2023/7/20 2023/8/20 2023/9/20 2023/10/20 2023/11/20 2023/12/20 2024/1/20 2024/2/20 2024/3/20 2024/4/20 2024/5/20 投稿数 1投稿以上のユーザー数 2024.2.7 招待制撤廃 2/6 一日投稿 :110,581 ユーザー数:28,264 2/7 一日投稿 :995,338 ユーザー数:272,189 2/8 一日投稿数:1,164,695 ユーザー数:295,467 110,581 28,264

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アクティブ率と投稿数の推移 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 2023/6/20 2023/7/20 2023/8/20 2023/9/20 2023/10/20 2023/11/20 2023/12/20 2024/1/20 2024/2/20 2024/3/20 2024/4/20 2024/5/20 投稿数 1投稿以上のユーザー数 2024.2.7 招待制撤廃 2/6 一日投稿 :110,581 ユーザー数:28,264 2/7 一日投稿 :995,338 ユーザー数:272,189 2/8 一日投稿数:1,164,695 ユーザー数:295,467 110,581 28,264 およそ 900%増

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アクティブ率と投稿数の推移 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 2023/6/20 2023/7/20 2023/8/20 2023/9/20 2023/10/20 2023/11/20 2023/12/20 2024/1/20 2024/2/20 2024/3/20 2024/4/20 2024/5/20 投稿数 1投稿以上のユーザー数 投稿:44,993 DAU:9,488 投稿:314,310 DAU:74,300

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ユーザー推移の傾向 • 下がっているように見えるけど・・・?

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ユーザー推移の傾向 • 下がっているように見えるけど・・・? 中の人いわく 見る専の人は 増えている

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ユーザー推移の傾向 •ユーザーの増加要因 • 話題に上がる • ネットニュース • ユーザーの動き • インフルエンサーの投稿など • 他SNSにおける障害 • アカウントの大量凍結 • 機能の不評など • その他大規模障害

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ユーザー推移の傾向 •ユーザーの増加要因 • 話題に上がる • ネットニュース • ユーザーの動き • インフルエンサーの投稿など • 他SNSにおける障害 • アカウントの大量凍結 • 機能の不評など • その他大規模障害 口コミや話題に 上がること サービスの存在が露出

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Bluesky Meetup In Tokyo, Osaka

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Bluesky Meetup とは •2023年4月、2024年4月に行われたイベント •Blueskyのチームメンバーが来日し、 現在と未来について語るイベント •2024年は東京の翌日、大阪でも開催 •チームに直接、要望や感想を伝えるチャンス!

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Meetup vol.1 •金曜日のよる開催 •Whyさんが日本を旅行中に 「日本でユーザーと交流したい」との声を受け 開催に至った •チームメンバーがオンラインで接続して交流 ※現地時間はAM 4:00 •日本ユーザーが作成したものをチームへ紹介 ※ベータリリース 1ヶ月・・・

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https://www.youtube.com/watch?v=dOAyiuOGAmY イベントの様子・続きは

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Meetup vol.2 Tokyo •休日の昼間、長時間開催 •Vol.1から一年経過したので 是非とも!と開催に至る •CEOのJayさんはオンラインで参加 •チームからの挨拶のほか、質問タイム、パネル ディスカッションなども開催 •配信後、Whyさん、ユーザー・スタッフによる 懇親会も行われる

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Meetup vol.2 Osaka •Tokyoの翌日、長時間開催 •質問内容のおさらい •たこ焼きを焼こう! •Whyさん、たこ焼きを焼く! •チームからの挨拶のほか、質問タイム •配信後、全員で懇親会をおこなう 距離的な都合で・・・という方も参加

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No content

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https://www.youtube.com/@428-lab 勉強会やMeetupのアーカイブ

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Meetupでの質問を おさらい

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鍵アカウント、ポストを非公開にする 機能を実装する可能性はありますか? 現在、データはオープンですが いずれ対応したい

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開発に JS, React Native を使用して 苦労した面白い話などありますか? バグは無限で尽きない iOS, Androidなど端末によって様々な バグがある スマホを購入しテストした

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開発に JS, React Native を使用して 苦労した面白い話などありますか? 最後はFacebookでReactを開発して いた人をチームに呼んだ 彼は「アプリ全体を捨てたい」と考える ほどだった

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開発に JS, React Native を使用して 苦労した面白い話などありますか? Blueskyの誰かが言った 「このアプリはプロトコルの可能性を示 しReact Nativeの限界をテストするた めに作られた」と

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ダークモードのアプリにて、最初の画像 が星空に改善されました 星空を選んだ理由を教えて下さい 最初は雲の写真でとても明るかったです。 ダークモードのときは明るくならないよ うに調整しました 小さな点を配置して、それが星空である ことがわかるようにしました

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ダークモードのアプリにて、最初の画像 が星空に改善されました 星空を選んだ理由を教えて下さい ユーザーのフィードバックがありました 誰かが書いた漫画で、暗い部屋で開いた 時にフラッシュされるものがバズったこ とが記憶にあります

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打ち上げで聞いた話 https://blog.428lab.net/

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総括 まとめ

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私がBlueskyの好きなこと •分散型SNSであること • 自分でサーバーを建てられる •オープンであること • プロトコルやソースが公開されている • プログラムを楽しむ余地がある •運営・コミュニティの距離が近い • みんなで作るSNS

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四谷ラボ とは?

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四谷ラボとは • 2019 年に誕生 • 面白そうなことをしたい任意団体 • 物理スペースは 東京都四谷にあります • ハンズオン、もくもく会など開催 スポンサー:全力機械㈱

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四谷ラボとは • 2023年のNostrオンラインの勉強会を機に活動を再開 • Bluesky Meetup の開催サポートや、オフライン勉強会など

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• 184ページ • Nostr, Bluesky, Concurrent の本 • 1,500円(物理+電子) ※電子版 1,000円 く20

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技術書典オンライン https://nostr-jp.booth.pm/ BOOTH 書籍サイト https://books.428lab.net/ https://techbookfest.org/organization/nn7eXA7P7yENck0ep3PPBc

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過去作紹介 •技術書典 14 にて販売 •132 ページ •Nostr の本 •物理本 200部 完売 そして・・・

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2023/11/3 Nostrasiaにて Twitter創設者の ジャック・ドーシーに 手渡ししました

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過去作紹介 •技術書典 16 にて販売 •214 ページ •Nostr と Bluesky の本 •「刺され!技術書アワード」にて 刺さる部門で受賞しました

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2024/4/13, 14 Bluesky Meetup にて Bluesky 運営チームの Why さんに 手渡ししました

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四谷ラボとは • 四谷ラボの詳細や目指すところ • 設立の経緯など 本誌に記載!